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1980-11-06 第93回国会 参議院 内閣委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十五年十一月六日(木曜日)    午前十時三十五分開会     —————————————    委員の異動  十一月六日     辞任         補欠選任      片岡 勝治君    目黒朝次郎君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         林  ゆう君     理 事                 藏内 修治君                 竹内  潔君                 矢田部 理君                 藤井 恒男君     委 員                 板垣  正君                 岡田  広君                 源田  実君                 中西 一郎君                 林  寛子君                 桧垣徳太郎君                 堀江 正夫君                 片岡 勝治君                 野田  哲君                目黒朝次郎君                 山崎  昇君                 中尾 辰義君                 峯山 昭範君                 安武 洋子君                 秦   豊君    国務大臣        農林水産大臣   亀岡 高夫君        国 務 大 臣        (行政管理庁長        官)       中曽根康弘君    政府委員        人事院事務総局        給与局長     長橋  進君        行政管理庁長官        官房審議官    林  伸樹君        行政管理庁行政        管理局長     佐倉  尚君        行政管理庁行政        監察局長     中  庄二君        林野庁長官    須藤 徹男君        林野庁次長    小島 和義君        通商産業大臣官        房審議官     柴田 益男君        通商産業大臣官        房審議官     植田 守昭君        運輸省海運局長  永井  浩君        運輸省船舶局長  野口  節君        運輸省船員局長  鈴木  登君        運輸省港湾局長  吉村 眞事君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木 源三君    説明員        大蔵大臣官房審        議官       名本 公洲君        大蔵省主計局主        計企画官     藤原 和人君        自治省行政局行        政課長      田中  暁君        自治省財政局財        政課長      津田  正君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方支分部局整理のための行政管理庁設置法  等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院  送付) ○地方自治法第百五十六条第六項の規定基づ  き、四国行政監察支局等設置に関し承認を求  めるの件(内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 林ゆう

    委員長林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  地方支分部局整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、四国行政監察支局等設置に関し承認を求めるの件を便宜一括して議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  3. 峯山昭範

    峯山昭範君 それでは、地方支分部局整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案審議に当たりまして、二、三質問さしていただきたいと思います。  初めに、中曽根長官に特に今後の行政改革の基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。  長官考え方につきましては、先般九月十二日に閣議決定されました「今後の行政改革に関する基本的な考え方」、この中に大体述べられているのが長官行政改革の基本的な考え方であろうと思いますけれども、いずれにしましても、この「考え方」の中身をずっと読ましていただきまして、特に現今の重要な行政改革につきましては国民相当注目をいたしておりますし、どうしても基本的な理念というようなものもきちっと確立して行政改革に取り組まないといけないと思っております。そういうふうな意味で、長官行政改革に対する基本的な考え方、これを初めにお伺いしておきたいと思います。
  4. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 行政の本質というものがどういうものであるべきかという考えから思いをいたしまして、やはり統治行為一つ機構あるいは機能の作用を持っておる。したがって、外交とかあるいは教育とか福祉とか治安維持とか、これが政治下部機構としての行政の大きな仕事でございます。しかしまた、一面におきまして国民の側からこれを見ますと、福祉を受けるあるいは諸般の政策を受ける、そういう立場になりまして、憲法におきましてはそれを行う公務員につきましては全体の奉仕者として決められておるわけでございます。  そういうようないろんな点を勘案いたしまして、一面においては、主権在民の国家でございますから、国民意思というものが基本になって政治行政も進めらるべきでございまして、その国民意思はその時代の流れによってさまざまな変化があると思います。しかし、いまの情勢で見ますと、やはり効率的な簡素な政府をつくれというのが現時点における国民意思であると思いまして、効率的な簡素な政府をつくり上げるということを一つ基準点にしております。  それと同時に、国民側から見ますれば、サービス改善して、税金を出している人たちがその満足を得るという形にすることがわれわれとしての大きな仕事でございます。  そういう点と、現在の錯雑して新しい要素が非常に出てまいりました今日以降の行政に対する展望をつくり上げておかなければならない。それは、未来に向かって現時点われわれが持っておる一つの責務であり、また国民全体のコンセンサスを得さしていただく上のよすがをいまつくっていくべき責任もあると考えております。  そういう三つの点を考えまして、第一に減量化、第二にサービス改善、第三にそのための特別の調査会設置という三点を考えついたわけでございます。
  5. 峯山昭範

    峯山昭範君 戦後三十五年たちまして、御存じのとおり昭和三十六年に臨調ができ、その後行政監理委員会等ができまして行政改革に取り組んできたわけでございますけれども、実際問題として、私も当内閣委員会昭和四十三年の当時から何回か大臣に質問してまいりまして、それ以来、計画等もずいぶんありますし、また行政改革に関する閣議決定等も一冊の本になるぐらいたくさん、いわゆる決定やらプランやら、そんなものがずいぶんあるわけです。私はそういうようなものをずっと見てまいりましてしみじみと思いますのは、この中にも少し織り込まれてはおりますけれども、もうプランより実行段階だ、そういうふうに思うんです。いままで計画された行政改革計画というものがそのとおり十分実行されておれば、もっと行政改革の実績は上がっていると私は思うんです。  そういうふうな意味で、私たちも今回提案をされておりますこの法案につきましては、実は賛成をいたしております。賛成をいたしておりますけれども、私たち党内にありましては、やはり問題もずいぶんあるわけです。しかし、総論賛成各論反対というのでは行政改革の実は上がらない、そういう意味で、われわれ行政改革にいろんな意味でいわゆる前向きに取り組み賛成していかなければいけないということで、この法案には賛成をいたしております。  そういうふうに考えてみますと、今後の行政改革は、私は少なくとも長官、この「今後の行政改革検討課題」の中に示されておりますが、第一項目と第二項目ありまして、第二項目につきましてはもう法案が出されておりますので、特に第一項目については断固この計画基づいてこれの実現のために総力を挙げて取り組むというのが大臣の決意でなければいけないとまず思うのですけれども、そこら辺のところはどうでしょうか。
  6. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) いま一生懸命実は努力しておる最中でございます。  サービス改善につきましては、閣議決定をいたしまして、中央の諸官庁にその推進委員会をみんなつくってもらいまして、そして各支分部局あるいは地方公共団体等につきましてもいろいろ御協力を願って、示達も出していただきまして、大体各都道府県ごとサービス改善のための各省及び地方団体推進協議会も大分できてまいりました。それで、私もすでに四カ所、地方へ参りまして各省庁出先機関及び公共団体等にお集まりをいただいて、その趣旨を徹底するように強く要請もし指導もしてまいりましたし、また民間団体にもお集まりをいただいて、これを督励し監視していただく、そういうこともお願いをして、直接われわれ政府の息吹を地方に聞いてもらい考えてもらう、そういうことを精力的にいまやっております。  それから、法令の整理あるいは審議会整理あるいは各省庁における自律的再編成の問題あるいは地方公共団体における定員抑制要請等につきましても、いま中央省庁内におきまして内部折衝を開始しておりまして、いずれこれらは十二月の予算編成のときにはっきりした政策閣議決定等に出てくるようにいま努力しておるところでございます。やはり、これらの大きな政策推進するにつきましては、各省庁とよく話をし合って、各省庁にやる気を起こしてもらわなければとうていできないことでありますし、また、やるにしてもおざなりになる危険性がございます。そういう意味において各省庁との間の根回しが非常に大事でございますから、いま水面下でそういう努力を精力的にやっておる最中でございます。
  7. 峯山昭範

    峯山昭範君 長官大臣になられて一番喜んでいるのは、行政管理庁の職員の皆さんじゃないかと私は思っているんです。といいますのは、昭和四十三年の初め、木村武雄さんが当時の大臣でございました。その後荒木さんが大臣になられまして、とにかくその後もずっとそれぞれ有能な方が大臣になっておられました。当時は相当行政改革にも取り組んでまいりましたし また取り組んでおられたわけです。しかしながら、実際問題としていろんなプランが思うように実行されない。最近は、この二、三年私は内閣委員会におりませんでしたけれども、要するになかなか行政改革というのが思うように進まないと、そういうようなことがありました。  それで、そういう中にありまして、最近は動く行管庁として、いまおっしゃいましたように、大臣地方の方も回られまた実情を聞いておられるそうですけれども、私は特に、行政管理庁の中でも行政監察局というのは地方にずっとあるわけでございますけれども、地方行政監察局のいわゆる監察官皆さん、こういう方々というのは、会計検査院ではありませんから非常に職権でどうこうということはできませんけれども、みんなのいやがる仕事を相当思い切ってやっていらっしゃったわけです。昔はですよ、最近は私知りませんけれども。ところが、そこら辺の人たち意見というものが実質上、上の方へ報告して上がっていくたびに中身はだんだんだんだん薄められてしまって、下の方の人たち意見が上へ十分通らない、行政改革についてもいろんな問題。もちろん、国のお金を支出してそこを監察するわけですから、当然関係のあるところばかりなんですけれども。そういうことが現実にあったわけです。  そういうふうな意味では長官、ぜひこれは、こんなことを言って後でまた、そんなことはないと言うかもしれませんけれども、地方行政監察官皆さん、いわゆるお役所の最先端で闘っていらっしゃる皆さん方意見というものを私はぜひ聞いていただいてこれからの行政改革実行のための参考にしていただきたい、このことはぜひお願いしたいと思います。大臣、どうですか。
  8. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 各府県等におきまする行政管理庁出先努力につきまして、いろいろ御関心と御評価をいただいて感謝する次第でございます。私も実は大臣になる前までは、正直に申して、行政監察局府県にあってみんなしっかりやってきておるということを余り知りませんでした。しかし、なってみまして見てみますと、非常にじみち仕事を実はこつこつやっておるのを見ました。  たとえば、先般天気予報に関する勧告を出しましたけれども、あの勧告一つ出すにつきましても、各地の測候所へ参りましてみんなデータを調べて、そうして気象庁あるいは測候所が出した予報と結果がどういうふうになったかということを全部精査しまして、どの程度の確率になっておるか一々全部調べたわけでございます。あるいは、中央で導入しました機器の活用ぐあいにつきましても、中へ入ってよく調べ上げまして、それで、あれだけの結論を出すにつきましては、やはり気象庁皆さんも納得する数字を突きつけなければ向こうは納得しません。納得する数字を突きつけて、長官大臣以下が、わかった、そのとおりですと、ではそう改良いたしますと、そう言ってもらうところまで正確なものを出す必要があるわけでございます。  そういうことを実はやっておるようでございまして、この前の水処理勧告にいたしましても、同じように、各都道府県出先監察官が一々水道を調べまして、漏水の率とかその他までも点検してきておるわけでございます。本当に縁の下の力持ちみたいなことをやっておりまして、上がってきた結論は簡単でございますけれども、あれをつくり上げるまでには全国の行政監察局の人間を動員しましてデータを収集してきておるのでございまして、そういう努力は私もこの間のうち初めて知りまして、なかなかよくやっておると、世の中の人は知らなくても長官がよく知って彼らを慰め激励してやればいいと、そういう気持ちにもなっておるわけでございます。今後もそういうじみちな確実な基礎データを積み上げていくことによりまして、一歩一歩効率化とそして安い政府をつくる方向努力してまいりたいと考えております。
  9. 峯山昭範

    峯山昭範君 現実の問題として、行政管理庁定員削減並びに機構改革をやらなきゃいけませんので、そのしわ寄せが、やっぱり自分のところからやらないといけないということで、どうしてもそういうところへ寄っていくわけです。現実の問題として、非常にそこら辺のところも何といいますか、定員削減あるいは経費の節約ということで、私たちも現場へ行ってまいりまして、非常に大変な中で仕事を一生懸命がんばっていらっしゃる様子を見てまいっております。そこら辺のところは大臣が、だれかわかってくれる人がおればやっぱりそれだけ意気に感じて、いわゆる監察官皆さんもがんばることであろうと私は思います。  そこで、そういう問題は別にいたしまして、この「当面の検討課題」の中の問題について幾つかお伺いしたいと思います。  この中の六番目にございます五十五年の行政改革推進というのがございますが、これは当然前の宇野さんが行政管理庁長官のときのものでございますけれども、これはもうそのとおり十分そのまま引き継いでこれを推進していくということでございますね。
  10. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 私は、大臣に就任しました第一声のときに、宇野長官がやった五十五年の行革というものは高く評価いたしまして、これを引き継いで成就していくと、そういうことを公約いたしまして、いまその線で努力している最中でございます。
  11. 峯山昭範

    峯山昭範君 この五十五年の行政改革推進という、これは目標として五十五年から五十九年までの五カ年間でこれを完成したいという目標が定められていたわけでございますけれども、これはもうこのとおりそういう目標で進んでいらっしゃるわけですね。
  12. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) そのとおりであります。しかし、定年なんかの問題は六十年六十歳と、そういうことになっております。
  13. 峯山昭範

    峯山昭範君 そうしますと、そこで、五十五年の行政改革推進というこの問題は、実際問題として財政再建のために当然どれほど貢献できるかということが行政改革の中核になるわけですけれども、五十五年の行政改革に関して経費をどのくらい節減できるかということで試算をした一覧表が私の手元にもございますけれども、当時、計画全体から生ずる効果といたしましては、補助金等整理合理化を除きまして約五千百億円、それから五十五年度に生ずると見られる効果としましては二千二百七十億円というふうな数字が出ているわけでございますけれども、今回のこの中曽根行革と言われる「検討課題」でどの程度と見込んでいらっしゃるかということ。それからもう一つは、目標ですね、全体としての目標をどの程度、いつまでこの程度のことをやるというふうに見込んでいらっしゃるか。やっぱり期日とその経費、どの程度節約できるかということはそれぞれ試算をしていらっしゃると思いますけれども、そこら辺のところはどうでしょうか。
  14. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) ただいまのお話の五十五年行革の五十五年度に生ずると見られる効果、これは五十五年度の予算編成のときに、先生お話しのように約二千二百七十億というものが節減されるのではないかというふうに試算しておりますが、これは大体この線で実現しつつある、大体この線でいけるんじゃないかと考えております。  それで、今回の行革でどれくらいというお話でございますけれども、これはまあ来年度の予算編成過程あるいは今後のいろいろな過程で詰めてまいることでございますので、五十六年度以降の問題につきましては五十六年度の予算編成過程で詰めていく。それから、その後の問題につきましては、現在まだその試算という段階ではございませんけれども、その段階である程度試算が出てくるというふうに考えております。
  15. 峯山昭範

    峯山昭範君 ということは、まあある程度試算はもう少し後ということですね。  宇野行革の特に特殊法人の統廃合ですけれども、これは今国会に二つ提出しておられます。五十六年度としては七つの件というのがあるんですけれども、これは予定どおり実行される予定ですか。
  16. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 予定どおり推進していくつもりでございます。
  17. 峯山昭範

    峯山昭範君 それでは次に、先般私ども中道四党で行政改革に関する合意をまとめまして長官のもとにお届けをいたしておりますんですが、この私たちがまとめました行政改革に関する四党合意というのがございますが、これに対する長官評価をひとつお伺いしたいと思います。
  18. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 四党の合意を拝見いたしまして、大変な御労作であると敬意を表した次第でございます。われわれが考えている以上に深く切り刻んだ案をお出しいただきまして、われわれといたしましてはまだ努力の不足を実は感じました。しかし、実際衝に当たっておる者といたしますと、これを現実的に適用していくについてはよほど、考慮を要する面も多少ございます。しかし一般論から申し上げますと、非常な御激励をいただいたものと感謝しております。
  19. 峯山昭範

    峯山昭範君 この中でも実際私たちも書いてございますけれども、結局はただプランプランに終わったんではしようありませんので、やっぱり決断と実行だけが残っているわけであります。  そこで私は、私たちのこの四党合意を踏まえまして、それから今回のこの「今後の行政改革検討課題」と、両方から幾つかお伺いしておきたいと思います。  まず一つは、私たちこの四党合意の中で、特に経済成長期に設立されました国土庁を初め、いわゆる中央省庁廃止統合という問題を提言しているわけでありますけれども、この問題、実は五十二年の福田内閣当時にも中央省庁の再編成というのが決められてはいるわけです。それでそのほか、エネルギー省というのを設置したらどうかというふうな意見も当時出てまいりまして、最終的には決定をされませんでしたけれども、今回の長官中央省庁編成の問題を見てまいりますと、中央省庁の自主的、計画的組織編成推進ということで、当面試験研究機関からマネージメント・レビューを行う、こういうふうになっているわけです。  そこで、やはり中央省庁をぴしっと再編成する必要があるんじゃないか、そういうふうに私たちは思っているわけですけれども、この点についてはどういうふうにお考えか、まずお伺いしておきたいと思います。
  20. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 私、着任しましたときにいろいろ考えてみまして、今回は機構いじりはできるだけ避ける、そのかわり、行政の実態に切り込んだ減量経営という方向に重点を注ごう、そういうことを決めまして、中央省庁につきましては自主的に再編成を行わせる方向をとりました。  これは私の貧しい経験でございますが、ちょうど石油危機の前に通産大臣になりまして、いままでの古いやり方からここで脱皮しなければならぬと考えまして、いまのような生活産業局とか基礎産業局とか資源エネルギー庁をつくるとか石油部をつくるとか、これは自主的に実はやったわけでございます。それで、石油危機にもある程度対処できたと思っております。その後、アメリカで資源エネルギー省というものをつくりましたけれども、われわれの方はそれを先行してやったという自負をしております。  そういうような要請はほかの各省にもあって、むしろ内部をよく知っている者が簡素化能率化の方法を知っていると思うのでございます。たとえば、田村運輸大臣のときに、運輸省の中にいろんないま鉄監局だとか航空局とか海運局だとかいろいろありますけれども、交通政策局という局をつくって、そして陸上運賃海上運賃航空運賃もバランスを持たせる必要があるんではないか、そういう発想で交通政策局というものに統合して、そしておのおのの各専門分野専門分野でまた統合し、実行させるというアイデアを持ったことがあります。そういうような案も一つの案で、運輸省内部には若手の中にそういう考えもあるんではないかと思います。これは厚生省でも、あるいはほかの省でも、そういう改革案若手の中にあるんではないかと私は思っております。  そういう意味において、各省のことは各省が一番よく知っていますから、ある一定期間内にローテーション方式各省に自主的に再編成案を出させる。ただしスクラップ・アンド・ビルドでやる。そして非常に有効な、これは大変いいというものについては、多少定員の点やあるいは機関の点も考えてやっていい。それが国民のためになればなるほどいいのでございますから、必ずしもかたくななものにとらわれる必要はない、そういう気持ちもございます。  そういうような考えに立って、各省にそういうようなプロジェクトチームでもつくってもらいまして取りかかっていただく。英国において、調べましたら八年間の期間各省全部一巡して、ローテーション方式内部改革をやらした例がございます。そういう例もありまして、日本の場合はこの際、そういうやり方簡素合理化能率化をやってもらったらどうか、そう考えた次第でございます。
  21. 峯山昭範

    峯山昭範君 いろいろとやり方はあると思いますけれども、いずれにしても私たち中央省庁の問題、国土庁ができた当時と現在とではずいぶんいろんな社会的な情勢も変わってきているんじゃないか、そういうふうに考えているわけです。  それはそれとしまして、次に私たち、特に中央省庁の局、部、課、室及び官ですね、これを五十九年度までに四年間に一割削減をしようということを目標にするということで提案をしているわけです。これもやっぱり実質的な削減でなければどうしようもないと思うんです。いままで行政改革の中でもこの問題何回か取り上げられまして実行されたことはありますけれども、実際は減った方とふえた方と両方ありまして、実質一つも減ってないということが何回かあるわけです。  そこで、ちょっとお伺いしてみたいんですが、いままでは、佐藤内閣当時には一省庁一律一局削減というのがありましたし、また河野一郎さんが行政管理庁長官のときには、各省庁一律二割削減ですか、そういうようなのが現実にあったわけです。それで、福田さんが総理大臣のときに、五十三年度以降二年間に五十一の課、室、官を廃止するということで計画ができまして、私の手元にもありますけれども、これは実際問題としてその後大平内閣にもそれが受け継がれているわけですけれども、これは五十三、五十四年度で実質廃止されたんじゃないかと私は思っているわけですけれども、実際問題としてそれがどういうふうになったのか、現実の問題として五十一の課が廃止になったのか、なったとすれば、それはそれでどのくらい廃止になったのか。そして、逆に今度は新設したものの実態はどういうふうになっているのか。この説明をちょっとお伺いしたいと思います。
  22. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 五十三年度の、福田内閣の当時でございますが、お話のとおり、中央省庁の課、室、官でございますか、これを五十一を五十三年度、五十四年度で削減するということが決まっております。これに従いまして、五十一の課、室、官が五十三年度、五十四年度にわたって、五十三年度は三十三、五十四年度は十八というぐあいで五十一の課、室、官の削減整理が実現しております。  お話の、その間に新たにふえたというものがあるのではないかというお話でございますが、これは行政需要の伸長が著しい部門というものにつきまして、この間に十九の課及び官の増がございまして、純減としましては、この両年度間で三十二の純減というふうになっております。
  23. 峯山昭範

    峯山昭範君 実際問題としてこの審査方針、スクラップ・アンド・ビルドということで進んでいるわけですけれども、片方で五十一減っても片方で十九ふえますと実質的になかなか行政改革の実が上がらないことにもなりますし、私は当然行政需要の激しいところ、そういうところはつくらなければいけないと思うのですね。それをつくるなと言うわけじゃありませんけれども、そこら辺のところはやっぱり相当シビアに見ていかないといけないんじゃないか、そういうふうに思っております。  それから次に、定員の問題についてお伺いしておきたいと思います。  特に、定員削減というのが現在まで四次にわたって実施されているわけでございますけれども、五十五年度からは五十九年度末までに四・二%、三万七千六百五人を削減する、いわゆる第五次定員削減がいま現在始まっているわけですけれども、昭和四十三年の定員削減が始まって以来、五十五年度までに十三万五千八百六十四人削減をしているわけですね。それで、これについてはもうそれぞれ私たち評価をしているわけであります。しかし、一方で十二万六千九百九十三人増員しているわけです。差し引き八千八百七十一人、現実に減っているわけですね。  そこで、第五次定員削減について三万七千六百五人を削減するということになっておりますけれども、片方では、このふやすというのは実際問題としてどういうふうになっているのか、一遍これもお伺いしておきたいと思います。私たち党合意行政改革考えておりますこれでは、五十九年度までの四年間に実質三万七千人の削減を提言しているわけです。これも実質というところに力を入れているわけですけれども、ここら辺のところはどうかということですね。  それから、この定員の問題は非常に重要な問題でありますけれども、特に総定員法との問題があるわけです。この総定員法の策定のときに、私たちもこの内閣委員会で相当議論をいたしましたけれども、これは非常に重要な問題で、現在も五十万六千人ですか、総定員法の枠が決まっているわけですけれども、その後、一つは総定員法の枠外というのができておりますね。これは特に国立医科大学とか新構想大学で枠外ができているわけですけれども、こういうような枠外ができていくと、いわゆる総定員法のできた意味も余りなくなってしまうのではないかと私たちは思っておりまます。  それからもう一つの問題は、例の沖繩の問題であります。これは沖繩の復帰当時、当分の間ということになっているわけですけれども、これは当然、当分の間というのはもうやがで期限が来るんじゃないかと私は思いますけれども、当然この問題もこれは非常に重要な問題であります。したがって、ここら辺のところはどういうふうになっているのかということ。  そしてもう一つは、これから法案が参りますけれども、いわゆる第二臨調ではこの総定員法の問題については当然検討課題として重要な問題の一つでありますから加えるべきではないかと私は思っておりますけれども、ここら辺のことについてお伺いしておきたいと思います。
  24. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 初めに、第五次削減計画でございますが、これについて先生の御質問でございますが、お話のとおりの数字になる定員削減しようという計画でございますが、やはり一方に、この五年間にいろいろ、特に医療、教育等の業務量の大幅な増加というものがやはり考えられるわけでございます。そちらのそういったような行政需要がやはり大きくなるという部門につきましては、必要最小限度の増員という措置がやはりある程度必要になってくるんじゃないかというふうに考えられます。  したがいまして、三万七千人という数字でございますが、この定員削減を行うことにしておりますけれども、それだけまるまる実質三万七千人というものが純減ということになることは、やはり非常に困難だろうというふうに考えられます。今後ともその定員削減を着実に実行するためには、増員をもちろん厳しく抑制して、厳格な定員管理に努めてまいりたいとは思いますけれども、この三万七千人という数字が純減となるというふうにはまいらないんじゃないかというふうに考えるわけでございます。  それから、総定員法の枠外の話でございますが、確かに総定員法につきましては、総定員法自体によって枠外とされているもの、あるいはその別の特別の法律によって枠外とされているもの等若干の枠の外に出ているものがございます。特に、御指摘の沖繩の問題でございますが、沖繩県における国の行政機関の職員の数につきましては、沖繩県における国の行政需要というものがほぼ安定するまで別個に管理することが適当であろうということで枠外になっているわけでございます。  また、お話の新設国立医科大学等の問題につきまして、これは総定員法の成立当時予想されなかった大規模なプロジェクトでございますので、既存定員の再配置によって対処することは必ずしも適当とは考えられないというようなことで枠外になっているわけでございますが、これらは、その国立医科大学等の計画的な整備が完了して、大幅な定員需要がおさまるまで、総定員法の最高限度には含まれないというふうにされているものでございます。  沖繩の問題でございますが、ここに置かれます国の行政機関の職員の定員を初めいまのような定員も、直ちに現在の法制上の扱いを変更するという状況にはないとは考えておりますけれども、今後引き続き事態をよく見て、適時適切な検討を行う必要はあるのではないかというふうに考えております。
  25. 峯山昭範

    峯山昭範君 沖繩の問題も、いわゆる何というんですか、もうやがて十年近くなるわけですから、もうここら辺で総定員法の中に組み入れる必要があるんじゃないか。当分の間というのはもう日にちが来ているんじゃないかということを聞いているわけです。これは後で結構です。  それからもう一つ、そのほかのこともちょっとやりたいのであれしますけれども、定年制の法律が出ているわけでございますけれども、最近定員の問題と関連をいたしまして、特に行(一)の職員の皆さんの定年というのは、従来は五十六、七、八歳ぐらいでいわゆる勧奨退職というのが大部分だったわけですね、行(二)の皆さんは別といたしましてです。そうしますと、今回六十歳定年ということになりますと、今度は六十歳までは悠々といれることになるわけですけれども、ここら辺の関連についてはどういうふうにお考えか、ちょっと聞いておきたいと思います。
  26. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 定年制の問題、御指摘のとおり五十二年の十二月二十三日の閣議決定でその導入の方針が決まっているわけでございます。それで、五十四年の八月の人事院からの総裁書簡である見解を踏まえまして、五十五年行政計画では、早急に関係閣僚の会議を開催して、政府として具体的な方針を取りまとめるものとして、関連諸制度についても見直しを行うものとするとされました。さきの九十一国会に定年制導入のための国家公務員法の法案、これを提出して廃案となった経緯がございますけれども、再度今国会に提出しているわけでございます。  この法案につきましては、これまでの経緯を踏まえまして、各般の事情、民間企業における定年制度の動向とかわが国の人口の高齢化の傾向、あるいは各省庁のただいま先生のお話にもありました退職管理の実態等こういうものをいろいろと勘案の上、閣議決定を経て提出されているものでありまして、この法案自体はよろしく御審議の上、適切なものとしてお考えいただきたいわけでございますけれども、私どもの行政管理、定員管理を預かる立場としましては、定年制導入をすることによって定員管理を緩めるようなことがあってはならないのではないかというふうに考えております。適正かつ合理的な人事管理、ひいては定員管理を進めていくためには、定年制度実施後も場合によっては勧奨退職——退職勧奨というものを行う必要がある場合も見込まれると。この点に私どもとしては配慮する必要があるというふうに考えているわけでございます。
  27. 峯山昭範

    峯山昭範君 六十歳定年になっても、現在の勧奨制度はそのまま続行するということですか。
  28. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 現在のままそのままで存続するとは考えられませんけれども、当然実態は変わってくるものというふうに考えられますが、いま申し上げましたように、場合によってはそういう退職勧奨というものが必要な部分もあるだろうし、必要な場合もあるのではないか。これは、やはり私ども定員を管理し、できるだけ定員の面でも簡素にして合理的な政府というものを考える立場からいいますと、そういうものが必要な場合も、部分もある——見込まれるんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
  29. 峯山昭範

    峯山昭範君 それ以上はあんまり聞かないことにします。  それではもう一つ、配置転換ですが、これは当内閣委員会の附帯決議等もあるわけですけれども、これについてはどういうふうにお考えですか。
  30. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 配置転換につきましては、今年度その配置転換の道づけを行う意味において、各省庁とよく相談して現在鋭意詰めているところでございます。具体的に今年度ある程度の各省庁間の配置転換の実現を見たいというふうに考えておりますけれども、今年度は初めての試みでもありまして、この制度の道づけ的な意味もございますが、具体的な問題について鋭意現在詰めております。来年度以降も推進に努めていきたいというふうに考えております。
  31. 峯山昭範

    峯山昭範君 当然、附帯決議等もありますけれども、公務員の定員削減をやる場合には、やっぱり思い切った配置転換をやらないと実際は進行しないと思いますよ。私たち四党の合意の中でも申し上げてはおりますけれども、これはそうしないとうまくいかないんじゃないかなと思っております。  それから次に、きょうは林野庁並びに大蔵省もお見えになっておりますので、二、三お伺いしておきたいと思います。  まず、大蔵省の方にお伺いいたしますが、法案の中の九州財務局の問題であります。これは北九州財務局と南九州財務局を統合しまして熊本市に九州財務局が設置されると、こういうことになっておりますけれども、その経緯と、それからなぜ熊本になったのかということを含めまして御答弁願いたいと思います。
  32. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 九州に現在財務局が二つありますものを、この法案におきまして一つの財務局に統合することといたしておるわけでございますが、このようにいたしますにつきましては、五十五年度の行政改革におきまして、政府といたしまして各省庁におきまして一律に各ブロック機関整理を行っていくという方針が決まりまして、私どもの大蔵省といたしましても財政を預かる省でございますので、これに率先して従うという考え方のもとに財務局の一局削減ということを行うこととしたわけでございます。で、九州を選びましたものは、ブロック官庁が置かれている各省庁におきましては、九州を一つのブロックとして一つのブロック機関を置いておるのが一般的に普通の状況でございます。私どもにおきましては、現在二つありますものを一つに統合するという考え方に立ったわけでございます。  そこで、もう一点の福岡、熊本、これを熊本に持っていくことにいたしたわけでございますが、これは大変むずかしい判断を私どもとしてせざるを得なかったわけでございます。北九州地区は、九州におきます経済活動で非常に大きなウエートを占めておるという実情があるわけでございますけれども、そういう実情を踏まえながらも各種の、財務局は大蔵省の税関係を除きます総合的な機関でございますから、その行政需要は非常に広範にわたっております。その広範にわたります行政需要がどうであるとか、あるいは地元の実情がどうであるとか、あるいは財務局が置かれてきた経緯でございますとか、あるいは地理的条件であるとか、そういうようなものを種々各方面から総合的に検討を進めまして、最終的に熊本に統合するという決断に至ったものでございます。
  33. 峯山昭範

    峯山昭範君 今回二つある財務局が一つになるわけです。特にこの北九州財務局がなくなるわけですけれども、なくなった場合のいわゆる行政サービスの低下という問題ですね。これはどういうふうに配意をしていらっしゃるわけですか。
  34. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 現在二つあります局を、本局を一つに統合いたしますと、直ちにそれをそのようにいたします場合にはいろいろ種々混乱を生ずることかと存じます。そこで、そういうことが起こらないように、そもそもこの行政改革を行っていきますものは、国民の方々の御納得が得られるように行政部内における簡素合理化を図りつつ、かつ同時に行政サービスというものは低下をさせてはならないという要請があるわけでございます。それを旨といたしまして、特に北九州地区は、先ほどもお答え申し上げましたように、経済活動におきまして九州の中でウエートの高いところでございますから、そういう面に着目いたし、大蔵省で所管いたしております金融、証券というような面につきまして、特にそういう影響が出ないように配慮しなければならないというふうに考えまして、支局を置かしていただき、支局長に財務局長と同等の権限をこれらのものについて持たせまして、業務に差し支えがなく行政サービスの低下が起こらないように配慮させていただきたいと、かように考えておるところでございます。
  35. 峯山昭範

    峯山昭範君 そこら辺のところについては十分御配慮いただきたいと思います。  次に、林野庁長官お見えになっていらっしゃいますので、一言だけお伺いをしておきたいと思います。  時間がありましたら相当いろんなことをやりたかったんですけれども、特にきょうは、法案は営林局の一局を五十九年度までに統廃合するということでございますけれども、私は先般の決算委員会でこの民有保安林の買収の問題についてお伺いをしたわけでございますが、その後私の手元に資料が提出をされております。この資料を私は見ましても、やっぱり長官、納得できないんですよね。  これは先日の決算委員会で私が申し上げましたように、皆さん方の次長さんや担当の皆さんの答弁は、私の質問していることがどうも間違っているみたいな答弁だったわけですけれども、その後調べれば調べるほどこの中身は、手続上やっぱり民有保有林を買収する場合には、この規約の中にもありますように、当然保安林整備計画がちゃんとできて、その民有保安林整備計画基づいていわゆる民有林を買収するというのが原則でありまして、その原則を外して民有保安林の決定以前に買収したということは、やっぱりどう考えても私は納得できないんですよね。  そこら辺のところについては、これから当然私は専門の皆さんに調べていただくとともに、決算委員会である程度決着はつけようとは思っておりますけれども、きょう一言だけその後の長官の所信をお伺いしておきたいと思います。
  36. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) 先般決算委員会でただいまお話ございましたいろいろな御指摘があったわけでございますが、当時におきましては、当該一ツ瀬川の流域保全などの保安林整備の趣旨に即しまして、国において緊急に買い入れ、整備することが適当と判断して実施したものでございます。その根拠といたしましては、先般もお答え申し上げましたけれども、当時有効に存続しておりましたいわゆる第二期計画の枠内処理ということで扱ったものでございます。この点につきましては、違法かどうかということであれば私どもは違法ではないというふうに考えておりますけれども、さらに会計検査院などの御見解も承ってみたいというふうにしておるわけでございます。  ただ、違法性の問題とは別に、ただいま御指摘ございましたように、本件買い入れの時期についていまひとつ慎重を欠いたという点についてはまことに遺憾に存じておるわけでございまして、今後かかる疑念を生ずることがないように適正に処理してまいりたいと存じております。
  37. 峯山昭範

    峯山昭範君 もう、きょう時間ございませんのでこれ以上追及しませんけれども、長官のいまの答弁でも違法ではないと言うておられますけれども、しかし民有保安林のいわゆる買収については、保安林整備計画基づいて買収しなきゃならないという法律がきちっとあるわけですから、その保安林整備計画ができない前に買収したということは、要するに私に対する説明は、第二期のやつがずっと続いているから第三期はそれで買収できるんだというような話ですけれども、実際問題として、買収した民有保安林がいわゆる第二期の中に入ってない、第三期の計画の中に含まれているものを第二期の分として購入したということなんですから、これはやっぱりそんな前倒しに買えるわけないんですから、そういうような意味考えてみますと、これはどうしてもそういうふうなことがやられるということはやっぱり納得できません、私は。そういうような意味ではこの問題については、きょうは内閣委員会でこういうあれですからこれ以上言いませんけれども、後ほど決算委員会でがっちりやりたいと思っております。  もう時間が参りましたのでこれで終わりますが、これ以外に、これはぜひ長官の例の「考え方」の中にもあるわけですけれども、特に審議会に関する問題ですね、審議会整理統廃合の問題につきましては、私は日ごろからこの問題については、やっぱり国家行政組織法の第八条という法律がある限りは、いわゆる私的諮問機関であろうとも法律に基づいてきちっと処理をすべきであると、そういうふうに考えているわけです。そのことを何回か当委員会で話をしてまいりました。  しかしながら、実際問題としては、最近は私的諮問機関というのが、今度はいわゆる審議会という名前を変えたり研究会と変えたり、いろんな名前を変えてできつつあります。そういうふうな意味でも、こういうふうな問題についてもきちっと審査をし、やっぱり法律がある限りは、その法律に基づいてきちっとした手続を踏んでかちっとした行政指導をやってもらいたい、そういうふうに考えております。  この詳細につきましては、また次の機会に質問させていただきたいと思っております。  以上で私の質問を終わります。
  38. 安武洋子

    ○安武洋子君 行政管理庁にお伺いをいたします。  今回のブロック局の整理統合に当たりまして、当初、防衛施設局につきましても、東京、横浜の両局の統合とかあるいは名古屋、大阪、呉、この三局を二局に最編成するとかというふうな案があったと聞いております。しかし、この計画が除かれたのは、これは行管庁の判断によるものなのでしょうか、それとも防衛庁側の意向によるものなのでしょうか、それともその両方なのでしょうか、お伺いいたします。
  39. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 防衛施設局の今回のブロック機関整理編成の立案に当たりましては、当然検討の対象になったわけでございます。申すまでもなく、このブロック機関整理編成につきましては、それぞれのブロック機関の事務内容、性格等から個別に見直しを進めたわけでございますけれども、防衛施設局につきましては、やはり基地の確保と安定的な使用といったような面から、その業務の性格等にかんがみまして、今回の整理に関する関係各方面のコンセンサスが得られなかったということで今回は整理の対象外となったものでございます。でございますので、もちろん防衛施設局を初めから別扱いにしたわけではございませんが、ただいまのお話の点でございますが、これは当然防衛施設庁、防衛庁並びに私どもの方、それから関係各方面の意見の総合としてこのようになったわけでございます。
  40. 安武洋子

    ○安武洋子君 業務の性格という御答弁がございました。しかし、現在整理統合の対象になっておりますのは、住民に密着したサービスを低下させてはならないと、こういうところばかりです。防衛庁のように、コンセンサスが得られないからというふうなことで除外するというふうなことでは、私は公正であるべき行政としておかしいのではないかと思います。これは予算ばかりじゃなく——いま予算というのは、防衛庁、別枠扱いにいたしておりますけれども、行革についても防衛庁の関係を聖域扱いにしていると言わざるを得ないと思います。  と申しますのは、行革一つの原因として、財政危機なんだというふうに言っておられますけれども、この後に出てまいります防衛三法で自衛官二千三百三十一人、それから陸上自衛隊の予備自衛官、これを二千人増員しようとしておりますし、こういうことで財政規模をふくらませるわけです。新聞を見てみましても、新聞の中で、財政再建という鈴木内閣の重要な課題として取り上げられている行政改革時代に防衛三法が順調に審議されているのは異例のことだと、こういうふうに書かれるありさまなんです。  こういうふうに防衛庁関係を聖域扱いにしているというのは、何も私は今回ばかりではないと思います。これは、総定員法が施行されましたのが昭和四十四年度ですけれども、行管庁の資料によれば、昭和四十二年から昭和五十五年度の定数を見てみますと、国家公務員というのは沖繩分を除きまして八千八百七十一名削減されております。ところが一方、自衛官は一万九千八百十二名、これだけ増員されております。一方では八千八百七十一名削減されている。一方で自衛官は一万九千八百十二名増員されております。五十五年度の予算参照書を見てみますと、一般会計適用職員、これは五十八万九百九十四人おります。このうち何と自衛官の占める割合というのは二十七万百八十四人、実に四六・五%、半数近いわけです。  財政再建と、こういうふうに言うなら、そして行革を本当に進めるなら、肥大に肥大を重ねてきているのはこの一般会計の職員の半数を占めようかという自衛官です。ここにメスを私は入れるべきではないか。これは、いまおっしゃったように非常に根拠が薄いです。こういう理由で別枠扱いにするというのは、余りにも片手落ちな不公正な行革やり方ではないかと、こういうふうに思います。長官の御意見をお伺いいたします。
  41. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 防衛につきましては、防衛庁や政府考えがありまして、いろいろ国際情勢を見ながら、特に近代化を進める上につきましても艦船が必要である、あるいは航空機が必要である、その整備要員が必要である、そういうようなことになると人もある程度ふやさざるを得ぬということであると思います。しかし私は、防衛の一般的方針としましては、なるたけ少数精鋭の機械化部隊という方向に移行することが適当であると思いまして、できるだけマンパワーを減らして、そして優秀な機械化装備に転換していくと、そういう方向に行くことが望ましいと考えます。
  42. 安武洋子

    ○安武洋子君 私はいまの長官の御答弁を納得するものではございません。私は、やはり肥大に肥大を重ねているこういう自衛官にメスを入れない限り、いかに長官がおっしゃろうとも行革というのは正しく進まないというふうに思います。  そこでお伺いいたします。ブロック局を七という、こういうラインを引いたのはどういう根拠でございますか。
  43. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 今回のブロック機関整理基準として八局以上の機関を対象としたというわけでございますけれども、その基準の一つにそういうことがあるわけでございますが、お話しのとおり、まあいろいろ、十以上あるものもありますし、九つ、八のものもあるというわけでございます。それで、ブロック機関整理基準として、八局以上持っているものは検討の対象にしようということでございまして、特に七でなければならないというふうに言っているわけではございませんで、やはりブロック機関のそれぞれの性格、機能あるいはその機関数等それぞれの事情に応じて数は決まっているわけでございます。
  44. 安武洋子

    ○安武洋子君 今度のこのブロック機関の統廃合というふうなことは、事前にやはり七というラインでやっておられるわけです。こういうことになりますと、四国に規模などから考えましてやはり集中するのではないかということは、事前に私は予測されたと思います。  今度見てみますと、行管庁それから鉱山保安監督部、地方医務局、いずれも四国に集中をいたしているわけです。地理的にも歴史的にも、経済的、社会的それから人的な交流の面、こういうふうなのを見ましても四国はやはり独立した一つのブロックだと思います。いまの交通機関の関係を見ましても、非常に中国などと交通機関の便も悪いというふうなことで、中国と四国の統合というふうな合理性をどこに見つけておられるのかということをお伺いしたいわけです。  そして、四国にこれだけ集中をしているというふうなことは、いま政府は盛んに地方の時代だということで地方の振興を心がけるというふうなことをおっしゃっておられますけれども、これだけ四国に集中して、政府の方針、地方の時代、地方を振興さすということとどこに整合性を見つけるのかというふうなことをお伺いいたします。
  45. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) いまお話しの、四国の地域のお話でございますけれども、これは昨年十二月二十八日の閣議決定の趣旨に沿いまして、ブロック機関整理案の作成に当たりましては、社会経済的なあるいは自然的な諸条件を考慮しながら各機関設置数あるいは位置それから管轄区域、事務内容あるいは内部組織等について個別の検討を行ってきたわけでございます。極力各機関の実情に即したものとなるように努めてまいった結果、四国にあります所在の機関のうちには、いまお話しのような三つの機関がその整理の対象となったものでございます。  医務局の問題あるいは鉱山保安監督部の問題等につきましては、それぞれの所管の省庁と協議した結果、これを選んだわけでございますけれども、鉱山保安の問題につきましては、石灰岩の鉱山に係る災害防止の業務とか瀬戸内海に近接する製練所からの排水あるいは鉱煙規制等を中心とする鉱害防止業務等について関連性があるということで考慮されたものであるというふうに考えております。  また、地方医務局の問題につきましては、管内の国立病院、療養所、これらを対象にして医療行政を行っているわけでございますけれども、その施設数あるいは統合後のブロック機関の規模あるいは地理的条件等を総合的に判断した結果、このように整備案をつくったというふうに考えております。  以上のようなことで、それぞれの機関を個別に検討した結果、四国にあるこの三つの機関が今回のブロック機関の対象として上がったわけでございます。
  46. 安武洋子

    ○安武洋子君 いまのは行管庁に対してのお答えはございませんでした。  それから、地方医務局については地理的条件とおっしゃいますが、地理的条件なぞというのは、四国と中国とは明らかにそれぞれ一つのブロックで、本当にいままで交通の面でも人的な面でもあるいは経済的、社会的な面でも、ほとんど一つのブロックとみなすのは困難であるということが国民的にも定着いたしております。こういう中で、いまの御答弁というのは私は御答弁になっていないということを申し上げます。  そして、この四国への三機関整理統合の集中というふうなことによりまして、四国に住んでいるからということで四国の人たちというのは行政サービスの低下に直面するわけです。こういう地域的な行政サービスの低下という不平等が生ずるというふうなことは、行政としてはこういう行政上の不平等はなくしていくという方向努力をしないといけない。それに逆行するのではないかと、この点いかがでございますか。
  47. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 行政サービス低下という問題につきましては、ブロック機関整理につきましてなるべく国民の皆様に対する行政サービスの低下にならないように、それぞれの機関の事後措置と申しますか、事務の処理機関をどのようにするか、あるいはそこの機関並びにそこの機関の長にどういうふうに権限を与えていくかといったようなことによって、国民に対しまして行政サービスを極力低下させないようにということでいろいろと配慮していっているわけでございます。  行政機関の簡素効率化という点でこういうブロック機関整理が行われるわけでございますけれども、いまの簡素効率化という趣旨と、それから行政サービスを低下させないということとの接点をどこに求めるかという問題だと思いますけれども、国民の皆様に対する行政サービスは極力低下させないように措置していきたいというふうに考えておるわけでございます。
  48. 安武洋子

    ○安武洋子君 サービス低下にならないようにとおっしゃいましても、具体的にそこにあった、行政管理庁でしたら管区行政監察局が支局になっていき、そして将来はそれが縮小され、廃止の方向を目指す。これは大蔵省関係の財務局についても同じことです。地方医務局についても同じことです。そういうことで、ただ口先だけでサービス低下にならないようにというふうにおっしゃっても、私はそれは無理だと思います。それをどういうふうに具体的になさるのかということをもっと具体的にお答え願わなければならないと思います。  そこで、私は一つ、具体的な問題でお伺いいたします。四国の管区行政監察局、これが中国へ統合されようとしているわけですけれども、参考人においでいただいて御意見を伺いました。この際にも、また私自身四国に出かけまして皆様の御意見を伺ってきました。このときに、四国の管区局の職員の方にも御意見を伺いましたけれども、管区局の存在というのは、他省のブロック機関への監察とか行政相談の処理の上でも欠かせないものだと、こういうふうなことで、やはり他省がブロック局でございます。これに対して行管側もブロック局でないと対応ができない、こういうふうにおっしゃっておられます。一方が支部に格下げされるというふうなことでは他省との兼ね合いが非常に心配だと、そして、そのことが職員の士気にも反映するというふうな懸念が出されておりました。こういう点に対して具体的にどう担保なさいますか。
  49. 中庄二

    政府委員(中庄二君) 今回の行政改革で各省庁一つということで、私どもの場合は四国を支局とすることにしたわけでございますが、先ほど長官からもお話ございましたように、私どものやっております仕事の監察でございますと、やはり現地の実態を調べて——特にブロック機関がございます。ブロック機関の実態を調べて分析、評価をして指摘する。相談の事案につきましても、西川委員からの御報告のとおり、ブロック機関の問題等ございますから非常にむずかしくなっておりますが、今回はこの法案、支局というふうにお願いいたしまして、先生の御指摘のような仕事がやりにくくなるんじゃないかという御懸念ございますが、なるべくそういう支障が生じないように今後関係機関と十分御相談をいたしまして、業務につきましても私どもいま細かく見ておりまして、きめ細かく業務の上で支障の起こらないように、相談の部面につきましても、監察の部面につきましても支障が起こらないように検討をしているところでございます。
  50. 安武洋子

    ○安武洋子君 具体的な中身でお答えいただけないのでわかりかねますけれども、行政相談の受理件数というのを見てみましても、昭和五十年の四国管内の受理件数と申しますのが七千八百八十三件だったものが、昭和五十四年には一万一千五百七十一件、約一・五倍にふえております。同時に、問題の内容というものも大変複雑化して、処理も他省にまたがるものが多くなってきていると聞いております。  こういうふうに行政需要が増加しているということは、これに対応するためにも、整理統合するよりはむしろここで組織を充実していくと、その拡充が求められているというのが私はいまの実情ろうと思います。一方では定員管理を行っているだ立場でございますから、実際に言い出しにくいという面があるかもしれません。しかし、いま拡充、増員と、こういうことが大いに求められているのではないかというふうに私は考えます。いかに行革の先頭に立たねばならぬ行管庁とは言いながら、このように充実こそすれ、縮小してはならないところで整理統合していこうとするというこの発想自体が私は大変おかしいと。  せんだってもここに参考人がお見えになりました。この相談委員の方たち努力というのは本当に並み大抵のものじゃありません。こういう相談委員の方たち努力を無にしないためにも、私は本当にりっぱな対応をしていただかなければならないと思います。この相談委員の方たち努力を無にしないと、この方たちにしっかりと対応していける体制をつくるということをひとつここで御確認いただけますでしょうか。
  51. 中庄二

    政府委員(中庄二君) ただいま先生御指摘のございましたように、相談件数が非常にふえております。ただ、相談の案件の八割以上が相談委員さんの御処理でございまして、私どもの役所で相談委員さんから御連絡いただきましてやる、いわば重要な案件でございますから、これは全体の位置から言ったら多くないわけでございます。それだけ相談委員さんに負担がかかっていることは非常に事実でございます。先生御指摘のように相談委員さんにロードがかかっております面もございますので、私どもの役所といたしましてもいろんないわば相談委員さんの理論武装の面といいますか、装備のいろんな資料類等を事前にたくさん配付するといいますか、事例集等を配付する、そういう措置を講じてやっているところでございますが、この前の西川委員さんの御指摘のございましたような点につきましては、今後支障のないように、たとえば先生、西川委員の御指摘ありました相談委員の協議会の問題、相談委員の先生方が四国の内部でいろんな研究を相互に、自主的にやっておられますが、こういうものは支局になりましても従来どおりの、四国は四国として独立してやっていただく、また、役所としてもそういう支援を申し上げていきたいというふうに考えております。
  52. 安武洋子

    ○安武洋子君 相談委員のお方は、行管庁としっかりとタイアップしてこそ業務が推進していけると思います。やはり相談委員の負担になるような方向でなくて、しっかりと解決をしてほしいということを強く申し添えます。  それから、四国の管区の行管庁の職員の方は六十八名中六十六名が四国の出身者と聞いております。それだけに、地理的にも経済的にも人的にも一体性のない中国地方との統合ということになりますと、まあ配転などという問題が起こりますと実に大変な労働条件の変更になると思います。私は、職員に無理な配転を強要するというふうなことなどないように、職員に不安を与えるようなことがないように十分な配慮を願いたいと思いますが、いかがでございますか。
  53. 林伸樹

    政府委員(林伸樹君) 先生の御指摘、まことに重要なことと私どもも考えております。人事異動を含めまして、職員の処遇につきましては、従来からやってきた慣行を大幅に変えるということは全く考えておりません。先生御指摘のような、職員の気持ちに対しましては十分配慮してやっていきたいと思います。  なお、個別に具体的な人事異動に当たりましては、当該職員の事情も十分考慮いたしましてやっていきたいと思っております。
  54. 安武洋子

    ○安武洋子君 それでは、北九州財務局と南九州財務局の統合の問題についてお伺いをいたします。  北九州財務局の主要業務の推移についてお伺いいたしますけれども、これは昭和四十三年度と五十三年度、ちょうど十年前でございますが、この対比でお伺いいたします。  管内の地銀、相銀、信金の店舗数はどうなっておりますでしょうか。
  55. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 北九州財務局管内におきます地銀の数は、四十三年度が、年度末でございますが、三百五十一店でございました。五十三年度末に四百二十二店にふえております。相互銀行は、四十三年度二百九十四店、五十三年度三百八十五店、信用金庫四十三年度百六十四店舗、五十三年度二百二十一店舗、かようになっております。
  56. 安武洋子

    ○安武洋子君 大体総計で一二七%前後ではなかろうかと思います。ふえ方は。金融課の担当といいますのは、昭和四十三年十人でございました。それが五十三年には八人に減っていると聞いております。  次に伺いますけれども、有価証券報告書、届け出分も含めまして、受理件数はどのようになっておりますでしょうか。
  57. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 有価証券報告書の受理件数は四十三年度が五十五件、五十三年度が八十八件になっております。
  58. 安武洋子

    ○安武洋子君 受理件数がいま御答弁のようにふえておりますけれども、理財課の担当というのは四人のまま据え置かれていると聞いております。  次、伺います。地方債の許可実績の件数、それから金額の推移はどうなっておりますでしょうか。
  59. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 地方債につきましての件数でございますが、四十三年度千五百七十六件、五十三年度三千三百八十二件。金額にいたしますと、四十三年度が四百二十三億円、五十三年度が五千五十四億円、こういうふうになっております。
  60. 安武洋子

    ○安武洋子君 いまの件数だけをとってみましても二倍以上にふえております。ところが人員は融資課——融資課といって、出先の人を含めまして昭和四十三年に二十七人です。ところが昭和五十三年には二十一人に、仕事がふえているにもかかわらず、削減されております。  次に伺います。合同宿舎の管理戸数はどのようになっておりますでしょうか。
  61. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 合同宿舎は四十三年度二千五百三十一戸五十三年度が四千三百八十三戸でございます。
  62. 安武洋子

    ○安武洋子君 これもまた管理戸数というのは一六〇%以上にふえております。ところが、宿舎課は出先も含めた人員で四十三年十八人、これが五十三年には二十人と、二人ふえているだけです。  次に伺います。土地売り払い件数はどうなっておりますでしょうか。
  63. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 普通財産について申し上げますと、四十三年度が四百五十二件、五十三年度が千百十六件でございます。
  64. 安武洋子

    ○安武洋子君 これに対応する人員といいますのは、管財課それから出先を含めまして、昭和四十三年七十二人が昭和五十三年六十一人に削減されております。  いま私がお伺いしたことでもおわかりのように、主要業務の推移というのを伺ってみましても、この十年間に事務量というのが二倍前後ふえているわけです。ですから一面、機械化とか合理化とか、そういうこともありましょうけれども、人員の方は、仕事が二倍になっているにもかかわらず、二割削減されているわけです。これは行政サービスにも直結する問題です。事務量増加に見合った必要な人員、私はこの充実が求められていると思いますけれども、いかがでございますか。
  65. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 先生御指摘のように、事務量がふえてまいりますと、従前どおりのような事務処理を行ってまいります場合には、それに応じて定員の増ということが必要になってまいります。種々の点におきまして業務の処理につきまして合理化を図りまして、現在、先生御指摘のように、約二割の定員削減のもとで行っておるわけでございますが、私どもの方といたしましては、従来と同様ないしそれ以上の行政サービスを心がけ、また、そのように現実に行われてきているものというふうに考えております。
  66. 安武洋子

    ○安武洋子君 二倍にふえているような仕事を二割削減の人員でやっておられる。これはやはり住民サービスに直結する問題でうまくやれているというふうな御答弁ですけれども、しかし重ねて伺います。  北九州財務局の行政需要というのは、いまはこれを見ますと年々年々増加してきているわけです。大蔵省としては、この傾向はもう続かない、こうお思いなんでしょうか、それとも続くとお思いなんでしょうか、お伺いいたします。
  67. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 経済面について申し上げますと、特に金融、証券というような面について申し上げますと、日本の経済が今後さらに成長をしてまいるということが当然予想されますので、事務量といたしましては今後も増加を見るのではなかろうかというふうに考えますが、四十三年度から五十三年度という間は、日本におきましていわゆる最も高度成長を遂げたときでございます。そのときのような大きい事務量の伸びというものはあり得ないと思いますけれども、今後とも事務量の増ということは当然ながら見込まれるものと考えます。
  68. 安武洋子

    ○安武洋子君 では今後の事務量が増加した場合、住民サービスを低下させないというふうなことで、これにこたえる体制の確保のためには努力は払われますでしょうね。そのことを確認しておきます。
  69. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 事務量の増加に伴いまして、住民サービスが低下することのないような十分な体制をとってまいりたい、かように考えます。  一方におきまして、簡素な行政ということが要望される面がございます。そういう要請にこたえながら、かつ同時に行政サービスも低下させないように十分な体制を整えてまいらなければならないというふうに考えております。
  70. 安武洋子

    ○安武洋子君 この法案では、北九州財務局は五年後になくするものとするというふうにされております。しかし、私がいままでずっとお伺いいたしましたように、非常に業務面というのはふえてきております。そして、この北九州というのはまさに九州の経済の中心でもあり、交通の中心でもあるというふうなことなんです。ですから、いまずっと分析し伺ってきた現実というのは、廃止をするという方向と全く私は矛盾するというふうに思います。  私はそう思いますけれども、大蔵省としては、現在ある銀行とかあるいは証券会社とかあるいは他省の管区機関、こういうものが南九州の南部に移転していくという見通しでもお持ちなんでしょうか。
  71. 名本公洲

    説明員(名本公洲君) 他省庁のブロック機関がどのような体制をとるようになるか、ちょっと私どもとして判断はいたしかねますけれども、金融機関、地銀、相銀、信用金庫、そういうようなもの、現に北九州に本店を持っておるものが熊本の方に本店を移すということはまずあり得ないことではなかろうかと、かように考えます。
  72. 安武洋子

    ○安武洋子君 当委員会審議の中でも、この北九州と南九州の財務局の問題につきまして、南北とも甲乙がつけがたいと。だから歴史の古さから南を選んだのではなかろうかというふうに中曽根長官は御答弁なさっておられました。ところがこれは大変おかしなことで、同じように今度の整理統合の対象になっております鉱山保安監督部、これは大阪が名古屋に整理統合というふうになっておりますけれども、大阪が一番古くて、大阪から名古屋とか広島とかが分離したということなんです。ですから、ここは歴史で考えるなら当然大阪に名古屋を統合するというふうに持ってこなくてはおかしい、整合性を欠くわけです。  それから、長官は盛んに行革の問題で、やはり主権在民であると、国民意思を尊重しなければならないと、こういうふうにおっしゃっておられます。私は、本当にこのことは大切なことで、この点は長官と全く同じ意見でございますけれども、しかし、国民意思というなら、この北九州財務局は廃止してもらっては困るという署名というのが、もうこれはもちろん地方自治体からも上がっておりますし、そして署名が何と四十万を上回っている。ここに国民意思というのが反映されているのではないかというふうに思います。そして、中曽根長官は、行政改革につきまして、構想とか方向とか矢継ぎ早に打ち出しておられます。しかし、最初に長官がなさる改革で、こういうふうな財務局の問題のように、だれが考えても明らかに矛盾する。こういう不合理を押し通されるというふうなことでは、今度の行革に大きな汚点を残していくと。こういう不合理なものを押しつけるなら、今後もこういうことではなかろうかというふうになるのではないでしょうか。私はこの不合理さを何よりも正すべきだと思いますが、いかが長官考えでございましょう。
  73. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 国民の意志というのにもいろいろあると思います。国民の一般意思行革を断行せよ、効率的な、そして簡素な政府を実現せよ、税金を安くしろ、これが国民の一般意思であると思います。国会あるいは政府というものは、国民全般の意思を尊重して行革を断行する、そういう方向に進めと叱吃激励を国民からもいただいておるわけでございます。そういう一般意思基づいて、国政全般の中からどこをどうするかという形で、財務局の問題が九州に限定されて出てまいりました。そうなりますと、今度は地域意思というものが出てまいりまして、この部分的意思というものは執拗に九州の中でも北の方は北へ、南の方は南へと、そういうふうになってくるものと思います。  そういう場合に、この一般意思としての大きな至上命令と地域的意思というものとの調整をどうするかという形になりますと、やはり一般意思を尊重するということが第一で、そして個別的な地域的意思というものは、今度は部分的調整という形にならざるを得ないと思うのでございます。そういう面から大蔵当局におきまして南の方へ置くというふうに御決断なさったので、行政あるいは統治という面から見ますとやむを得ない措置ではないかと思います。
  74. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は九州財務局のこの問題に限って長官にお伺いしたわけです。ですから、先ほどからも申し上げているように、いかにこの南と北の問題のときに北を廃止するというふうなことが実情に合わないかということで申し上げております。ですから、そこの住民の意思ということになれば、南九州に持っていってもやむを得ないという意思が北の中であるかどうか。この四十万というのはもう大変な数なんです。こういう人たちがこれは困るという声を、ほかのところにはないほどの大きな声を上げておられるということをどう受けとめられるかと。そして、この当委員会の中でも再三再四討議されているように、非常に合理性に欠けます。こういう問題について、長官が本当に勇断をふるってこの不合理なものを正されなければならないのではなかろうかということを私はお伺いしております。で、最後に出てくるのが歴史の古さというなら整合性を欠くじゃないかということを申し上げておりますので、重ねて御答弁お願いいたします。
  75. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 歴史の古さという点では、私はいまの名古屋と大阪のことはよく勉強しておりませんでした。しかし、この北と南の九州の財務局の問題というものは、非常に熾烈な競合関係にございまして、鉱山関係のものよりももっと熾烈な、影響する範囲も非常に大きい問題でございました。そういう場合に、とつおいつどっちにするかという場合に、事の重大性が大きいものでございまして兄弟たりがたしという場合には、やむを得ずそういう意味で歴史の古さと、つまり土地のなじみと申しますか、愛着度合いといいますか、そういうような歴史を尊重するという形でやらざるを得なかった、そういうように自分は考えております。  それから、この北と南の住民意思の問題でございますが、やはり行革をやるというようなことになってあるところを整理するとすれば、その地域に該当するところはほとんど全部反対なさるだろうと思います。ちょうど美濃部さんが杉並に清掃場をつくるという場合に、一人でも反対したら自分はやらぬとおっしゃいましたが、しかし、そういうことが通用するか。東京都民全体あるいは東京都全体というものを考えた場合に、全体のためにはある程度部分的なことも犠牲を甘受しなければならぬ、しかし、それに対する手当てはしなければならぬ。そういうことがあると思うんです。つまり、少数は多数に従わざるを得ないという場もあり得ると思うのであります。  そういう意味で、国の一般意思として行革というものを至上命令とされたと、こういう場合に、では地域的にいろいろ対立する問題が起きたという場合には、まず一般意思に譲っていただくと。国民のマジョリティーの意見に従っていただくと。そして、では具体的にどちらを選考するかということになりました場合には、大蔵当局においてもいろいろ御検討なすったのでございますけれども、先ほど来申し上げたような考えで南に移したと、そういうふうに考えております。
  76. 安武洋子

    ○安武洋子君 いま御答弁の中に兄弟たりがたい場合にはと。しかし、先ほどからの論議の中で兄弟たりがたいのではないと、南に持っていく方が不合理なのだというふうなことで論議を申し上げておりますので、長官の御答弁は、この点では私は的確性を欠くと思います。論議を申し上げていてもう長官おわかりなのだろうけれども、そういう御答弁をずっと繰り返してなさいますので、私は次に進みます。  海運局の問題についてお伺いいたします。  運輸省にお伺いいたしますけれども、運輸省は海運行政の重要性についてどのように認識をされておられるでしょうか。
  77. 永井浩

    政府委員(永井浩君) 広く海運行政と申し上げましてもいろいろ中身があるわけでございますが、一つは、輸送行政といたしまして安全良好な輸送サービスを提供するということ、それから、船舶行政といたしまして船の安全を図るための船舶検査あるいは登録、こういった問題、それから、海上労働者であります船員の労働条件の確保、こういった行政を行っておるわけでございまして、地方海運局におきましては、こういった地域における海事行政の総合的な行政を行う機関として行政の中枢機関であると、このように考えております。
  78. 安武洋子

    ○安武洋子君 その御答弁のように、重要な海運局ですね。ブロック局の削減に当たりましてここを選ばれた理由、それから先ほどの南九州と北九州の例がありましたけれども、海運局の場合は日本海側にただ一つのところです。この新潟海運局を太平洋側に統合するというふうな方向を出されておりますけれども、地域振興等の整合性についてどう考えておられるのかということを、運輸省とそれから行管にお伺いいたします。
  79. 永井浩

    政府委員(永井浩君) 現在、私ども十カ所に地方海運局を配置しておるわけでございますが、その中で管轄区域が相対的に狭いということ、あるいは業務量が少ない、こういうことで新潟海運局を関東海運局に統合するということにしておるわけでございます。ただ、御指摘のように、日本海地区あるいは新潟地区におきます地域のきめ細かい行政を行うためにはどうしても何らかの出先機関が必要であろう、こういうことで行政サービスが低下しないように新潟に海運監理部を置く。これによりまして、従来海運局長が行っていた権限と同様の権限が行使できるというようなことにいたしておるわけでございます。
  80. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) ただいま海運局長からも御答弁がございましたけれども、私どもとしましては、新潟海運局が他の海運局に比べて業務量が相対的に少ない、あるいは管轄区域もほかの海運局に比べますと狭いというようなことで関東海運局に統合することができるのではないかというふうにされたものであるというふうに思っています。これはもちろん、運輸当局と十分協議して新潟海運局ということを整理の対象機関としたわけでございます。
  81. 安武洋子

    ○安武洋子君 地域の振興策との整合性です。
  82. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 一般論になりますけれども、新潟海運局を新潟海運監理部とする場合、特に民間に対します許認可等の権限というものをおおむね海運監理部長が行使できるようにするということで、対民間のサービス低下、行政サービスというものがダウンしないようにと考えておりますが、十分そういう点にも配慮していきたいというふうに考えております。
  83. 安武洋子

    ○安武洋子君 通産省に伺います。  通産省では大阪、四国の鉱山保安監督部が統合対象になっています。言うまでもなく、鉱山保安行政というのは直接人命にかかわる安全とか環境とかいうふうなことにもかかわってくる非常に重要な業務です。こういう重要な行政分野を整理統合の対象にするというのはどういう根拠なのかということが一つです。  それから、田中通産大臣が、この問題に関しまして、衆議院の商工委員会で保安行政の重要性は認めるというふうな立場に立たれながらも、しかし現実に鉱山の閉山もあるので人員や機構も変えていく必要があるというふうな趣旨の答弁をなさっていらっしゃいます。こういうことが通産省の鉱山保安行政機構についての基本的な御認識なのかという点をお伺いいたします。これで二点です。  それからもう一点、稼行鉱山の数が減れば鉱山保安行政が縮小されても仕方がないとする認識ですけれども、これは今回の行革にとどまらない、鉱山保安行政の根本にかかわる重大な問題だと私は思っております。通産省は、統合対象にされている大阪とか四国では、現行の人員と体制で現在要請されている保安上の監督、指導、点検、これが十分にやれているとお考えでございましょうか。  以上、三点をお伺いいたします。
  84. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) お答えいたします。  第一点でございますが、四国と広島につきまして私どもが今回の対象とした理由でございますが、ブロック機関の再編成をどこにするかということにつきましては、行政管理庁とも協議いたしましていろいろの検討を行ったわけでございますが、今回選びましたたとえばお尋ねの広島と四国につきまして申しますと、業務とかそういった点で関連性がある、あるいは広域的運営につきましても便宜そういった点を考えまして、この四国と広島、それからもう一つは名古屋と大阪でございますが、この二つを選択したということでございます。  それから、二番目の今後の機構のあり方でございますが、私、その大臣の御答弁につきましてその場に居合わせなかったのでございますが、私どもといたしましては、先生がただいま御指摘になりましたように、保安行政というのは生命にかかわる問題でございます。そういった面からきわめて重要なことと考えております。そういう意味で、今後も鉱山から出るいろいろな行政需要に十分対応できるような体制を整えていく、こういうことは基本的に考えておりまして、今後ともそういう姿勢でやっていく考えでございます。  それから、三番目の大阪なり四国なりは現在の陣容で十分と考えているかどうかというお尋ねでございますが、私ども、もちろんいまの陣容でもう十分余裕があるとか、そういうふうなことはとうてい考えておりません。ただ、いままでの、過去の災害の減りぐあい等も見まして、私どもといたしましては各保安監督部が十分一体となって力を尽くすことによりまして、そういった形で十分行政需要には今後もこたえていける、あるいは現在もこたえ得ているというふうに考えております。もちろん、そのためには予算面その他で今後とも十分考えていかなければいけないというふうに考えているわけでございます。
  85. 安武洋子

    ○安武洋子君 第一問は、私は四国、大阪を選んだ理由をお伺いしたのではございません。非常にこの鉱山保安監督部が重要な仕事をしているにもかかわらず、なぜこういう重要な行政分野を整理統合の対象に選ばれたのか、直接人命にもかかわるし、安全、環境にもかかわるというふうな、私はこういうところを選ばれた理由というのをお伺いしています。
  86. 柴田益男

    政府委員(柴田益男君) 今回の地方ブロック機関の対象として通産省で取り上げられますのは、地方通産局とこの鉱山保安監督局、部と、この二つの機関があるわけでございます。  通産局の方の統合となりますと、これは地方に八局ございまして、それぞれ地方行政需要に応じて仕事をしているところでございまして、これはなかなかむずかしい問題でございます。そういうことで、もう一つのブロック機関であります地方鉱山保安監督局、その中での業務が比較的少ない四国あるいは大阪に着目しまして、業務の共通性からそれぞれ統合を図ったと、そういう次第でございます。
  87. 安武洋子

    ○安武洋子君 先ほどの御答弁の中で、いまの人員と体制で余裕があるとは考えていないけれども、行政需要にはこたえていきたいというふうな御答弁がございました。  そこで、私は具体的な例をお示ししたいと思います。兵庫県の中に三菱金属の明延鉱山がございます。この坑内の坑道の延長キロ数といいますのは六百五十キロ以上もございます。ちょうどこの東京から兵庫県の明延に行くぐらいの距離じゃなかろうかというふうな大変な距離なんです。これに八十以上の切り羽が網の目のように四方に延びております。しかも切り羽というのは、私が申し上げるまでもなく、絶えず変化をいたしております。これは大阪鉱山保安監督部の現在の体制では、年に六回、お二人で、全日程、大阪を出てから大阪に帰るまで三日か四日ということで巡回をされているわけです。坑内に入りましても、途中点検をしながら切り羽まで行くわけですから、落盤などの未然防止のための岩盤とかそれから上下盤などの点検もされるわけですから、一日に数カ所回れたらもういいところだということです。そのほかにも、外で鉱山施設とか電気関係とかあるいは選鉱所とか堆積場とか、こういう保安面での点検もなさるわけです。点検というのは、だから四日ほどかけられても全山の一部分にならざるを得ないと。だから、検査に行った後でもなかなか安心してすっかり気持ちが落ちついて帰れるというふうな状態にはならないわけです。  いまの鉱山の保安体制ではこういう実態になっているということを御承知でございましょうか。そして、こういうことで十分だというふうにお思いでございましょうか。その点をお伺いいたします。
  88. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 鉱山行政は、いま御指摘がございましたように、大変な仕事でございます。そのことは私どもも心得ておるつもりでございます。  先ほど申しましたように、現在大阪では二十四名でございますが、そういう人員でやっておりまして、決して十分にあり余っているとか、十分なゆとりがあるとかいうことではもちろんございません。ただ、職員が一体となって事に当たりまして、いままでも大変苦労をしながらがんばってきておりますので、幸いにいたしまして災害等につきましては逐年いい方向へ向かってきているということでございます。  そういう意味で私申し上げているわけでございまして、これは今後とも、もちろん機械とかそういった面もできるところはしなければいけませんと思いますが、いずれにしましてもそういった形で今後とも十分行政需要にこたえていきたいと、あるいはいかねばならないというふうに考えているわけでございます。
  89. 安武洋子

    ○安武洋子君 行政需要にこたえていきたいとおっしゃいますけれども、いま私が鉱山の保安体制はどういうふうになっているかということを申し上げました。これで十分ではないという御認識はおありなんでしょう。そして、いまのこの二十四名という人員で十分にこういうことがおやりになれる、行政需要にこたえていけるというふうな御認識なんでしょうか。
  90. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 先ほどのお答えをまた繰り返すようなことになるわけでございますが、地下に入る仕事その他大変困難な状況の問題が多いわけでございます。もちろん、私どもといたしましては行政需要に十分こたえなきやならないというのが基本でございまして、たとえば先ほどもちょっと御指摘ございましたが、稼行鉱山の減少だけで物をはかるべきではないということはそのとおりでございまして、稼行鉱山の減少という、いわゆる行政需要がその限りにおいては減る方向というのはございます。あるいは鉱山労働者数というふうなものを見ましても、もちろん十年前なり五年前と比べますと現在は減っております。そういった面と、一方におきまして鉱害面でございますとか、そういった面でのまたふえている業務もございます。  そういうふうなことも勘案いたしまして、業務のあり方、それに応じまして十分それにこたえられるようにやってきているというふうに思っているわけでございまして、そういう意味では今後とも行政需要にこたえられるようにしていきたいという意思考え方に全然変わりがないということでございます。
  91. 安武洋子

    ○安武洋子君 災害が減っているからというふうな御答弁ございました。  そこで伺いますけれども、稼行鉱山の保安の充実というのは、鉱山の災害に直結するだけに非常に大切な問題なんです。で、鉱山の災害の実態について私お伺いいたしたいと思いますけれども、罹災者数の推移というのは一体どういうふうになっておりますでしょうか。
  92. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 全国の合計で災害の件数を申し上げますと、昭和四十五年と五十四年について申し上げます。四十五年は二万一千十七件でございます。それから五十四年が千八百五十七件でございます。なお、これは石炭あるいは亜炭を含んだ数字でございます。
  93. 安武洋子

    ○安武洋子君 これ、死傷者の災害というのが年年減少してきているということは非常に好ましいことだと思います。これは鉱山保安に携わられる人たちがほんとに努力をなさっていらっしゃるというふうな、その結果だというふうに思います。  しかし一面、私は指摘したいわけですけれども、死傷災害には至らないけれども一つ間違えれば大事故になりかねない、こういうふうな事故は依然としてあるわけです。大阪の管内の主要鉱山十八鉱山について独自に調査がなされておりますけれども、微小以下の災害数、まあ微小といいますのは一日から二日休む程度、あるいは休まないでもというふうなことですが、これは昭和四十九年度百四十三件、五十年度には百十一件、それから五十一年度が百四十一件、五十二年度百十四件、五十三年度百八件、五十四年度百二十四件と、こういうふうな高い数字が示されております。これがずっと連続しているわけです。微小以下といいましても、これは一歩間違うと大事故につながりかねないというものがたくさんあると聞いております。たとえば岩盤の落下ということも、数十センチの違いで微小になるかあるいは死傷事故になるかというふうなあらわれ方をいたします。ですから、死傷災害の減少数だけではなくて、災害に関する全貌、これを把握した保安体制の確保に私は心がけていただかなければならないと思います。  ですから、現行では微小災害以下は報告義務がないというふうになっておりますけれども、やはり実情を勘案いたしまして、微小以下についても報告の制度化、こういうことに努めるべきだというふうに考えておりますけれども、いかがお考えなんでしょうか。
  94. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 報告につきましては、現在私ども三日以上の傷害についての統計は持っておりますが、御指摘のような二日以下につきましては、三日以上とは違った扱いになっております。その点につきましてどういう形で、まあ報告を求めるのは、たとえば業務量がその限りにおいてふえるわけでございますが、その辺のことにつきましてどういたしますか、それは検討してみたいと思いますが、いま私どもは一応三日というところで区切りまして統計的には数字を持っているというのが現状でございます。
  95. 安武洋子

    ○安武洋子君 微小も本当に重大事故につながりかねない、まあ紙一重だという例もお挙げいたしました。  ですから、私は、災害全体をつかんでその保安体制を立てられるべきではなかろうかということで、こういうものはやはり報告の制度化という方向を目指して検討をいただきたいということを言っておりますので、そういうことを御検討いただけますでしょうか。重ねて伺います。
  96. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) どういう方式にするか、あるいはそれが現地にとりましてもたとえば負担の問題とかというふうなこともいろいろ幅広く考える必要はあるかと思いますが、いずれにしましても、御指摘の点どういうふうに扱うか検討してみたいと思います。
  97. 安武洋子

    ○安武洋子君 休廃止鉱山の保安確保の問題についてお伺いいたします。  鉱山保安の特殊性でもございますけれども、一般の工場なら休廃業すれば同時に保安の問題もなくなるというふうなケースがほとんどなんです。ところが、鉱山の場合は休廃止後も鉱害防止とか、それから安全確保のために坑口の管理とかあるいは堆積場の保安確保とか、こういう保安業務が引き続き残ります。しかも鉱業権が放棄されまして一定時期たちますと、国と自治体でこれを行っていかなければならないというふうなことになります。七八年の一月の持越鉱山の堆積場決壊によるシアン流出事故ですけれども、それから、それとともにことしの三月の栃木県の東京石灰での堆積場の土砂崩れというふうに、非常に貴重な人命や財産を損なうというふうな事故が起こっております。こういう点から考えましても、稼行鉱山の数だけ見て物事を処理するのは、先ほども申し上げたとおり、非常に危険だと思います。  そこで、お伺いいたしますけれども、第一点は持越鉱山の事故以後堆積場の点検、保安基準についてどのような見直しを行われたかということをお伺いいたします。  一度ここで切ります。ここで御答弁くださいませ。
  98. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) ただいま御指摘になりました持越鉱山の経験にかんがみまして私どもが基準を改正いたしましたのは、一つは堆積場の安定化を図るための安全率引き上げというのを行いました。従来一・一〇超というのを一・一二以上にするということでございます。  それからもう一つは、安全率を算定するに当たりまして、地震時の安定解析を行わなければならないということにいたしまして、その手順、方法等を追加いたしました。  そういたしまして、三つ目といたしましていわゆる液状化現象というのが言われたわけでございますが、そういった点を考慮いたしまして、安定解析を行うためにその前提となる土質試験を行わせるというふうな、そういうふうな点で改正を行っております。
  99. 安武洋子

    ○安武洋子君 新たに設置されますものとか、それから鉱業権者のある堆積場とかと、こういうものにつきましては保安基準の強化による効果が期待できるかもしれませんけれども、しかし閉山された堆積場についてはどういうふうな措置をなさるんでしょうか。
  100. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 閉山された堆積場で、いわゆるお尋ねの趣旨は、無資力あるいは義務者不存在という場合かと思いますが、これにつきましては補助金制度がございまして、地方公共団体がその復旧等の工事を行うわけでございますが、国といたしましては四分の三の補助金を出す、そういった制度で工事を行っております。
  101. 安武洋子

    ○安武洋子君 その問題については、ちょっとまた後でお伺いをいたします。  ちょっと数字をお伺いいたしたいんですけど、シアンとかカドミなど危険な重金属を含んだ要注意堆積場、これは全国にどれぐらいございますか。
  102. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 監督対象となっている捨て石とか鉱滓の堆積場は全国で四百九十七でございます。
  103. 安武洋子

    ○安武洋子君 私どもの調査では、重金属を含みました廃止鉱山の堆積場といいますのが台風で崩壊したまま放置されている、そういうところがあります。このまま放置を続けますと、含まれている重金属が河川などに流出したりして大変なことになります。いまおっしゃいましたように、国庫補助がございますけれども、国庫補助制度を活用して修復をしようと思いましても、山間の自治体、しかも鉱山が閉山しました後では何億という工事費の四分の一にせよ、八分の一にせよ、支出をするというふうなことは自治体には大変な負担で、とてもそういうことができないというふうなことで、こういう台風で崩壊したまま放置をされるというふうな現状がございます。全国的にも私は類似のケースが発生する可能性というのは十分あると思うんです。  地方自治体が補助金工事の地元負担に耐えられないような場合、こういう場合が非常に多いわけですけれども、国としても何らかの特別な対策を講じてでも早急な復旧を図る、こういう必要があるのではないかと思いますが、御所見を伺います。
  104. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 先ほど申しましたような補助金制度でいま工事を進めているわけでございますが、私どももこの考え方といたしましては、やはり地方公共団体が地域の問題として復旧なり工事を行うということでやっていただいているわけでございまして、ただ、できるだけ御指摘のような負担は軽くしたいという趣旨から、実は昭和五十年には補助率を従来の三分の二から四分の三に上げたわけでございます。  それからまた、金属鉱業事業団によります工事の設計とか施工監理と、いわゆるわれわれは指導、支援と申しておりますが、そういった支援措置を充実すること等によりまして、極力地方公共団体の負担はその軽減を図ってきたわけでございまして、この点は今後ともこの制度の十分な活用を行いまして、鉱害防止に万全を期したいというふうに考えております。
  105. 安武洋子

    ○安武洋子君 いま私が私どもの調査結果を申し上げましたけれども、これははばかりますので、地方自治体の名前は出せません。しかし、こういうところは大抵は山間の地方自治体になります。ですから、先ほども申し上げましたように、たとえ四分の一にせよ、八分の一にせよ、何億という工事のその四分の一、八分の一を負担するというふうなことは地方財政上できがたい。だから、危険だということが重々わかりながら、こういうものを放置してしまっているという状態があるわけなんです。  私は、こういうことでは全国にも類似のケースが発生しますよと、その危険性がありますよということを申し上げております。ですから、ずいぶんと軽減してきたんだというふうになっておりますけれども、私は地元が負担に耐えられないと、こういうふうな場合、もういま本当に地方財政の危機ということが言われているわけですから、申し上げるまでもなく、こういうことが本当に弱小な財政規模しか持たない地方自治体にどれほど大きな負担になるかということはおわかりいただけると思いますし、ましてこういう危険なことは放置できないわけです。ですから、一刻も早くやらなければいけないということに対して、私はもっと積極的に何らかの特別な措置を講じるということを検討していただきたいということを申し上げております。御検討願えるでしょうか。
  106. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 先ほど申しましたように、三分の二から四分の三に補助率を上げてきたわけでございますが、御承知のように四分の三という補助率は他の制度と比べましても大変高い補助率でございまして、その意味では補助制度としてはかなり率の高い制度になっているわけでございます。  そのほかに、私どもといたしましては、先ほども申しましたように、金属鉱業事業団の技術陣のできるだけの活用というふうなことも考えまして、地方公共団体とできるだけタイアップして能率的に、かつまたできるだけ支援していくという体制をとっているわけでございます。  お尋ねのこの補助制度をさらに、たとえば補助率を上げるとかということにつきましては、なかなかこれは実際問題といたしまして、最近の財政状況その他で困難な面があろうかと思っております。私どもといたしましては、その御趣旨もわからないわけではございませんけれども、やはりできるだけ現在の制度のもとで、かつまた金属鉱業事業団の指導、支援等をできるだけ充実するとか、あるいはまた地方の、先ほどから山間の町村というようなお話も出ておりますが、当該県における県と町村との関係というものもあろうかと思いますが、そういった現在の制度の中で、かつまた当事者間の連絡等を十分緊密にすることによってこの問題を一歩でも二歩でも進めていくということが現実的ではないかというふうに考えておるわけでございます。
  107. 安武洋子

    ○安武洋子君 そういうことでこういう危険な状態が放置されっ放しと、復旧がなおざりにされてもいいんでしょうか。地元の人のお話では、あのあたりはもう草も木も生えない、何か有害なものが含まれているのではないか、地元の人は大変心配されているわけです。鉱害による汚染がどれほど深刻な結果をもたらすかというのは、これはもうあのイタイイタイ病を見ていただいてもはっきりいたしております。兵庫県の市川流域も生野鉱山のカドミ鉱害でイタイイタイ病が出ております。周辺住民の健康も非常に冒されてきたわけですけれども、土壌汚染も深刻でございました。ところが、この十月一日から土壌汚染の地域指定、これが解除されました。で、引き続きカドミ汚染の心配は残っているわけです。しかし、指定が解除されたというふうなことによりまして、いままで鉱山側と県によって行われてきた立ち毛調査とかあるいは土壌調査、それからロット調査、こういうものが打ち切られてまいります。こうなれば、頼るところは鉱山保安監督部しかないわけなんです。これが人手不足から十分な調査ができないというふうなことになれば、住民の不安というのは非常に大きいわけです。  それで、鉱務監督官の方の人員が、大阪は十六名と四国は八名というふうに聞いておりますけれども、大阪では六十一鉱山、四国では四十八鉱山、そして五百から千近い休廃止鉱山を抱えているというふうに聞いております。年間の出張日数が五十日から八十日にもなる、多い人では百日にも及ぶというふうな勤務条件です。私は、こういう状態を見れば本当に整理統合どころか、いま拡充して実態に合わすべきではないかというふうに思いますけれども、こういう点、いかがお考えでしょうか。
  108. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 先ほどからも申し上げましたが、私どもといたしましては保安問題の重要性ということは十分認識しておりまして、したがいましてこの行政需要にこたえていかなければいけないということは十分考えているわけでございます。過去五年なり十年なり見ますと、石炭も含めまして鉱山数なり鉱山労働者数なりはかなり減っております。それに従いまして若干職員数もトータルとしては減っているわけでございますが、ただ、その行政需要の消長に応じまして十分こたえられるようにしていかなきゃいけない、これが基本でございまして、そういった基本の精神を貫きまして今後とも十分対処をしていきたいというふうに考えております。
  109. 安武洋子

    ○安武洋子君 単に、行政需要にこたえられるようにしていかなければならないと、こう御答弁されるわけですが、この御答弁は、私は本当にそうなればいいわけです。しかし具体的に例を挙げて、行政需要にこたえるには補助金のこの制度で行き詰まっている地方自治体がありますよと、そしてまた、こういうふうな鉱害に悩むところで指定地域が外されて、頼るところは鉱山保安監督部しかないと、しかし鉱務監督官の方の労働条件は大変なことになっていますね、というふうなことを、例を挙げて御質問いたしております。それに対して、単にこういうふうな御答弁だけでは納得できかねます。  それで、私はこういう点に対してもっと具体的に御答弁をいただきたいわけですけれども、時間のかげんで次に進みますが、今回の統合によりまして保安行政が後退するのではないか、いまの質疑の中からもそういう懸念が十分に出てくるわけですが、二重行政になるのではないかと、より簡素な行政を目指すと言いながら繁雑になるのではないかというふうな心配は業界側からも出ているわけです。  ここに私は持ってきておりますけれども、これは近畿非金属鉱山懇話会、三十九社、四十一鉱山ですね、この連名です。ここのところで大阪鉱山保安監督部の支部格下げに反対し存続を求めておられるわけです。その中で、行政改革は必要不可欠と考えるが、それは単なる算術的合理化ではなく、法の基本理念である人命の尊重及び社会福祉の向上、生活環境の保全を確保するものでなければならない。その意味で不合理な大阪鉱山保安監督部の統合はやめてほしい、こういうふうに訴えておられるわけです。  私は、四国にこの問題に調査に参りました際に、三菱金属の直島製錬所もお訪ねさせていただきました。その際にも、政治向きの話は別としてというお断りをなさりながら、鉱山保安監督部とは密接な関係にあるので二重行政によりて繁雑になることだけは何としても避けてほしいと、こういう御要望もございました。  いま私が申し上げました近畿非金属鉱山懇話会のこの反対ですね、こういう要望と、それから私がいまお話しいたしました直島製錬所の二重行政になっては困るというふうなこういう要望、一体この要望を踏まえて行政をどういうふうになさろうとしているのか。この要望にこたえられるのかということをお伺いいたします。
  110. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 今度、支部ができることによりまして民間の方たちにいろいろな御迷惑をおかけするのではないかということでございますが、私どもといたしましては、前々から申しておりますように、この保安行政の重要性ということは十分心得ておりますので、そういったことにならないように、いろいろの鉱山保安法上の業務があるわけでございますが、たとえば事務の委任をするというふうなことで現地でいままでのように処理できるような形に持っていくとか、そういうふうなことを通じまして、御迷惑にはならないような体制をとっていきたいというふうに考えております。
  111. 安武洋子

    ○安武洋子君 ちょっといま聞き漏らしたんですが、事務を全面的に委任をされていままでどおりの業務を行っていかれるというふうなことでしょうか。
  112. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 鉱山保安法上いろいろな業務があるわけでございますが、できるだけそれを事務委任という形で能率的に実行できるようにしたいと、こういうことでございます。
  113. 安武洋子

    ○安武洋子君 もう少しそこを詳しくお話しください。ただ単に事務委任とおっしゃいましたけれども、どういうところ辺までを事務委任なさるんですか。ほとんどの権限が変わらないような事務委任なんですか。それともごく一部だけを事務委任なさるんですか。
  114. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) その最終的な細かい点まではまだ十分詰め切っておりませんが、たとえばごく一部なのかどうかという御質問に対しましては、むしろ大部分という、その大きな方を事務委任するというふうに考えていただいて結構でございます。
  115. 安武洋子

    ○安武洋子君 いま御答弁の方向でやっていただかなければ、この近畿非金属鉱山懇話会、こういうところの御要望にもあるいは直島製錬所の御要望にもこたえられないわけです。やはり簡素な行政ということを目指しながら非常に繁雑な行政になると、二重行政になるというふうなことも免れ得ないわけですから、私はその点しっかりと心得てやっていただきたいということを確認いたしますが、よろしゅうございますね。もう一度確認いたします。
  116. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) そういう趣旨で今後の体制を考えていきたいと思っております。
  117. 安武洋子

    ○安武洋子君 さらに確認をさせていただきます。  保安行政に支障を来さないためにも、現行の保安体制を後退を生じさせないように努力をされるかどうか、この点、ちょっと一点伺います。
  118. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 前々から申しましたように、そういう後退をさせないように努力していきたいと思っております。
  119. 安武洋子

    ○安武洋子君 そして、非常に職員の方がいまでもぎりぎりいっぱいのところで努力をされているわけです。ですから、本当にいろいろ行政を進めていかれる上で、これ以上職員の方に労働が過重になるというふうなことでは大変です。先ほども私は出張の件数など申し上げましたけれども、こういう出張回数というのは非常に非人間的な労働条件ではなかろうかというふうにさえ思います。ですから、行政需要に応じた人員を確保して、職員の方が過重にならないように私は努められるべきだというふうに思いますけれども、その点について努力をされますかどうか、確認いたします。
  120. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) できるだけそういう方向で今後も努力したいと思います。
  121. 安武洋子

    ○安武洋子君 ここで一応とめます。
  122. 林ゆう

    委員長林ゆう君) 午後三時から委員会を再開することとし、この際休憩いたします。    午後零時五十分休憩      —————・—————    午後三時二分開会
  123. 林ゆう

    委員長林ゆう君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方支分部局整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、四国行政監察支局等設置に関し承認を求めるの件を一括して議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  124. 安武洋子

    ○安武洋子君 午前中に引き続きまして、鉱山保安に関連いたしまして、鉱務監督官の業務についてお伺いいたしますが、鉱務監督官の業務といいますのは非常に危険な業務だと、しかも高度な知識を必要とする業務だというふうに聞いております。  まず、稼行鉱山の保安技術指導につきましてどのような内容の指導をなさっていらっしゃるか、お答えいただきます。
  125. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 鉱務監督官につきましては、御指摘のように大変専門的な知識が必要となりますし、たとえば立入検査とかあるいは緊急の場合には部長の権限を行使できるというふうな権限を付与されているわけですが、具体的には、たとえば水の関係で、坑廃水の関係で言いますと水質規制関係の問題でございますとか、あるいは鉱煙関係、鉱業の煙でございますが、そういったものにつきましては大気汚染関係の知識とか、そういうふうな専門知識が必要になるわけでございます。そういったようなことで、それらに必要なことをやっているわけでございますが、専門的な知識としてはそういうことでございます。
  126. 安武洋子

    ○安武洋子君 休廃止鉱山に対する技術指導はどういうことを指導なさっていらっしゃるんでしょうか。
  127. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) たとえば地方公共団体が鉱害防止工事をやる場合等につきましては、その辺の工事に対するチェックあるいは指導というふうなこと、たとえて申せばそういうふうなことでございます。
  128. 安武洋子

    ○安武洋子君 非常に、坑内に入ってみたりそれから高いところでの作業をやってみたり、それからまた休廃止鉱山の点検とか調査とかというふうなことで、非常に危険な場所にも行かざるを得ないというふうに聞いております。私が聞きましたところでは、山の中を歩いていて、クマと間違われれば大変だということでラジオをつけて歩かなければならないというふうな、ここら辺では考えられないような危険なところにも行くというふうにも聞いておりまして、一歩間違えば大変な危険もあるというふうなことなのですが、公務災害などによる危険が非常に高いと思うんですけれども、実態はいかがでございますか。
  129. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) その点につきましては、実はただいま御質問聞きましたので、資料は準備してきていませんので、資料的なことはただいま持ち合わせておりません。
  130. 安武洋子

    ○安武洋子君 いま私の申し上げたことはそう実態と違わないと思います。  そこで、危険な業務であるとともに、非常に高度の知識も要するという業務だと思います。何か資料をお持ちでないということですので私の方から申し上げますけれども、根拠法規というのが十六もあるということ、それから関連法規が監督課で十九、それから鉱害防止課では三十もあるというふうに聞いております。さらに資源とか金属とか応用化学、土木化学その他鉱業的なさまざまな知識が必要だというふうにも聞いております。その上に加えて、土質とか水質とか大気などの分析試験の知識も技術も必要だというふうに聞いておりますが、このことは間違いございませんか。
  131. 植田守昭

    政府委員(植田守昭君) 鉱害関係になりますと、先ほど申しましたように水とか大気あるいは土壌の問題も起きてきますし、そういった各面の鉱害問題というものは起こり得るわけでございますから、そういった知識が必要になるわけでございますが、まあ主としては水と煙あたりが中心といいますか、主なものになろうかと思います。
  132. 安武洋子

    ○安武洋子君 そこで、通産と人事院にお伺いいたします。  現在の鉱務監督官に対する俸給の調整額、これにつきましては通産省が繰り返して要求をなさっていらっしゃるというふうに聞いております。危険な業務ということだけではなくて、非常に高度の知識を必要とするということを考慮しなければならないのではないか。人事院の方では、危険なということはこれは恒常的でない、まあ繰り返しやられているわけではないというふうなことで、特殊勤務手当の対処をなさっていらっしゃいますけれども、やっぱりそういう一面だけでなくて、非常に高度な知識が必要である、複雑な困難な業務であるという側面も見なければならないのではないかというふうに思いますので、俸給の調整額の支給をする必要があるのではないかと私は思っております。そういうことについて通産及び人事院はどういう御見解をお持ちか、お伺いいたします。
  133. 柴田益男

    政府委員(柴田益男君) 鉱務監督官に対します俸給の調整額につきましては、御指摘のとおり通産省は従来から要求しているところでございます。
  134. 長橋進

    政府委員(長橋進君) 鉱務監督官に対する調整額の支給についてのお尋ねでございますが、鉱務監督官の仕事、大変責任の重い重要な仕事であるということについては十分認識を持っているつもりでございます。  そこで、その勤務に対して報酬面からどういう対応の仕方をするかということでございますけれども、一般的に鉱務監督官の職務についての給与上の評価ということになりますと、まず一次的には等級評価ということになると思います。したがって、一般的に鉱務監督官一般について等級上の格づけをいたします場合に、その職務の複雑、困難の度合いというもの、あるいは専門的な技術、知識を必要とすると評価をいたします。さらに、鉱務監督官のたくさんおられる中で、やはり特に特定の業務に勤務した場合に、その勤務が大変であるということに対する対応の仕方といたしましては、お示しの俸給の調整額でございますとかあるいは特勤手当ということになろうと思いますが、その俸給の調整額ということになりますと、現在鉱務監督官の方で実際に坑内に入られて巡回検査をされるということになりますと、月当たり三、四回ということになるものでございますから、それを俸給の一部として見るということについてはややこれは適当でないんでないだろうかと。これを鉱務監督官全般について引き伸ばしてみましても月当たり一、二回ということになるものでございますから、やはりこれは問題ではなかろうかというふうに考えております。  ただ、俸給の調整額につきましては、調整の仕方はいろいろあるわけでございまして、これまでのところは既存の調整額につきまして再検討する必要があるということで、調整額の新規適用問題についてはこれからの課題ということでございますので、調整額の新規適用につきましては、鉱務監督官のみならずいろいろございますので、そういうものも含めまして検討はいたしたいというふうに考えております。
  135. 安武洋子

    ○安武洋子君 御検討中ということなのですが、いまの坑内に入る回数というふうなことが前面に出ておりましたが、私が申し上げているのは、そのことだけでなくて、非常に高度な専門知識が要るんだという面をぜひこの検討の中に加えていただいて検討を進めていただきたい、そのことを要望申し上げておきます。  それから、重ねて人事院にお伺いをいたします。これは今度の鉱山保安監督部にしても、海運局にいたしましても、地方医務局にいたしましても関係のあることなんです。各省庁とも関係のあることなのでお伺いいたしますけれども、例を鉱山保安監督部にとらせていただきます。  四国の鉱山保安監督部が支部になった場合なんです。部長さんはもちろん支部長さんというふうになられるわけですけれども、こういう名称になるわけですけれども、この場合、支部は管区機関と横並びの機関として位置づけをなさるんでしょうか、あるいは府県機関並みの機関とみなしていかれるのでしょうか。お仕事の内容というのは、いままでの質疑でもこの委員会の中でもはっきりいたしておりますように、部長の権限というのは支部長に専決事項として委任されるということで、いままでの機能は損なわないというふうな立場を各省庁とも大体とっておられます。ということになれば、支部長のお仕事仕事が委任されますから部長でされていたお仕事とほとんど変わらないというふうになりますので、私は同格に格づけされるのが至当だと思います。そして、課長もいままでの課長としてのなさっていたお仕事というのがほとんど変わらないということになるわけです。こういう場合、支部長さんそれから課長さんというふうなのはどういう位置でお考えでございましょうか、お伺いいたします。
  136. 長橋進

    政府委員(長橋進君) お答え申し上げます。  管区機関等が支局あるいは支部というかっこうで改定されたといった場合に、当該機関に従事する職員を処遇上どうするかということであろうかと思いますが、御質問の中で、純粋にその組織上の観点から見ました場合の格の問題ということになりますとこれは別な見方もございましょうけれども、人事管理上の観点から引き続きそこに勤務する職員についてどういうふうな処遇をすべきかということになりますと、これは改定によりましてその機関内部組織というものがどういうふうになるのか、それから、仕事の流れといいますかそれがどうなるのか仕事やり方がどう変わっていくのか、あるいは実際の個々の職員の職責というものがどう変わっていくのかとか、そういうようなものの実態を精査した上で、かつまたさっきの、言葉として適当でございませんかもしれませんが、組織としての格の問題もあろうかと思いますけれども、そういうような各機関と横並びに見た場合の均衡と、そういったようなものを考慮して決めてまいりたいというふうに思っております。  なお、実際に現在そこに勤務しておる職員がどういうような影響を受けるかということでございますけれども、これはその省庁でそれぞれ人事上の配慮をなされるということであろうかと思いますけれども、引き続き同じような官職にとどまっている職員につきましては、現状を不利益に変更することのないように配慮してまいりたいと、このように考えております。
  137. 安武洋子

    ○安武洋子君 これは実態を精査した上でと、そして均衡上というふうなことで格も考えられるというふうなことをおっしゃっておられますけれども、私はやっぱりこういうことによってそこの統合された機関の格が、ランクづけが非常に悪くなったというふうなことであれば大変困るわけです。と言いますのは、そこに勤務する職員その個々個々につきましては人事上の配慮がなされるということですが、その機関全体のランクづけというものが格落ちいたしますと、やはり仕事はいままでと変わらないということですので、実態に応じた精査をされるということですので、仕事の面を十分ごらんになって私は格落ちしたランクづけというふうなことをなさらないように強く要望いたしておきます。と申しますのは、いままでの例を見ましても、広島鉱山保安監督部、ここには宇部支部がございました。この宇部支部は、最終的にはやはり人数がどんどん減りまして、ラストになると四等級の支部長も生まれるというふうなことにもなっておりますが、こういうふうにして格落ちしていくというふうなことのないように厳重にお願いしておきます。  それから、これはまた各省庁ともに関係のあることですのでお伺いいたしますが、各省庁とも権限を支部に委譲して従来と同じような機能を支部、支局に持たせて住民サービスに支障を生じないようにしたいと当委員会で御答弁をなさっていらっしゃいます。それから衆議院の附帯決議でも、「関係機関に勤務する職員の処遇や勤務条件について適切な配慮を加えること」と、全会派一致で決議もいたしております。私はこの趣旨は十分に尊重していただきたい。いやしくも労働条件の不利を招くようなことはしないというふうにお願いしたいわけです。  人事院にも重ねて申し上げますけれども、いま申し上げましたような趣旨を踏まえまして、いやしくもこの職員の労働条件の不利を招くようなランクづけなどはしないというふうな配慮をお願いしとうございます。その点確認させていただきます。
  138. 長橋進

    政府委員(長橋進君) 実態に応じまして適正な配慮をいたしたいというふうに考えております。
  139. 安武洋子

    ○安武洋子君 こういう点で閣内に不統一を生じましても大変まずうございますので、行管庁長官とそれから後では大蔵省にもお伺いいたしますが、最初に行管庁長官に確認をさせていただきたいと思います。  各省が今回の整理統合に伴いまして行政サービスの低下を来さないということでお約束をなさっていらっしゃいます。しかし、細部にわたりましては今後の予算折衝にゆだねられる、そういう部面がたくさんあろうかと思います。予算編成に当たりまして各省がここで約束したことを実行しようというふうになりましても、非常に予算面での困難が出てくるというふうなことも予測されるわけです。  そこで、予算編成に当たりまして、各省がここで、この場でいろいろ約束をされております。行政サービスを維持できる体制が確保できるようにしていきたいと、こういうふうに言っておられるわけですから、行管庁としても大蔵省に対して、各省庁行政サービスを維持できる、こういう体制が確保できるように努力をされるというふうなことについて、長官ひとつ御答弁いただきとうございます。
  140. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 機能的に行政サービスの低下を来さないようにいろいろ配慮して万全の措置を講じたいと思います。ただ、どういう格づけになるかということは、これは人事院や当該行政官庁のいろいろな都合もあることでございましょう。われわれの方からそこまで余り干渉できません。しかし、機能的に行政サービス低下を来さないように努力することはやりたいと思います。
  141. 安武洋子

    ○安武洋子君 いえいえ、長官にお伺いいたしておりますのは、ここで行政サービスを低下させないと皆さんおっしゃっているわけです。しかし、予算折衝の面で非常に困難な面も出てくるであろうと。だから行政サービスを低下させない体制づくりのためにいろいろ予算折衝をされるわけですから、ひとつ各省のそういう努力に対しては行管庁としても努力しましょうという、決意をお伺いしたいわけです。
  142. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) そのとおりいたします。
  143. 安武洋子

    ○安武洋子君 では、予算折衝を受けられる大蔵省。やはり各省から、ここで約束されたようにそういう行政サービスを低下させない体制維持ということで予算折衝があるわけです。それを受けられて、やはり大蔵省としても努力をしていただきたい。いかがでございますか。
  144. 藤原和人

    説明員(藤原和人君) お尋ねの件につきましては、今後予算編成過程におきまして、関係の省庁行政管理庁などとも十分御相談をしながら適切に対応してまいりたいと考えております。
  145. 安武洋子

    ○安武洋子君 適切に対応するということは、努力をしていただけることですか。それやっていただけないと、ここで各省がいっぱい私どもに約束された、行政サービスは低下させませんと、それが無になってしまう。水泡に帰して、何のために審議したか全然わからなくなるということなんですが、いかがなんですか。
  146. 藤原和人

    説明員(藤原和人君) 各省庁、関係省庁行政管理庁と十分協議をしながら、御相談をしながらできる限りの努力はしたいと考えております。
  147. 安武洋子

    ○安武洋子君 できる限り万全の努力をしていただきたいと思います。  それから、さらにお伺いいたしますけれども、行政改革に伴いまして、人事異動というのは必然的に起こってまいると思います。人事異動によりまして職員は労働条件の変更を余儀なくされるわけです。職員の処遇とかそれから勤務条件ですが、これは各省ともいままで御答弁の中では十分本人の意思を尊重してというふうに御答弁をなさっておられますけれども、私はここでひとつ確認をしたいわけですけれども、現状が確保できるように、これは行政改革を進められる行管庁長官としてもやはり責任がおありだろうと思いますので、配慮を願いたいと思います。そして、こういう人事異動につきましては、本人の意向を十分尊重する、それから強制的にこういうことは行わないということと同時に、労働組合ともよく話をして円満な人事配置ができるというふうに私はなっていかなければならないと思うわけです。  管理庁長官としては、行政改革を進められる、人事異動が伴ってくると、それによって職員が不利益をこうむるというふうなことがあっては大変ですので、円満な人事がちゃんと行えるように格段の配慮をし、努力をしていただきたいと思いますが、長官の御決意のほどをお伺いさせていただきます。
  148. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) ここでしばしばお答えいたしましたように、強制配転、意思に反する強制配転は行わない。よく当該所轄庁等々と話し合って、そういうようなものは円満に行うようにいたさせたいと思います。
  149. 安武洋子

    ○安武洋子君 本当に円満に行えるように、これは大変なことですので、本人にとりましては。ですから、本人の意向を尊重し、それから労働組合ともよく話をしていただきたいということをもう一度強く申し添えておきます。  それから、本法の施行に関連してお伺いいたしとうございます。  本法のスタートは来年の四月一日でございますから、あともう四カ月余りしかございません。施行に向けての期間が大変短うございます。五十六年四月までという短い期間ですし、スタートと同時にもう一挙に事をやるというふうになりますと、職員の労働条件にも影響が出てまいりますし、行政サービスの面でもまずいことが出てくるわけです。当面看板は変わりますけれども、この法案が通るならね。しかし看板は変わっても、内部機構というのは、行政サービスとかあるいは職員の労働条件とかは十分に勘案して、なだらかに変革していくというふうなことを目指して配慮を願いたいと思いますが、この点はいかがでございますか。
  150. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) ただいま御審議をいただいておりますこのブロック整理法案でございますが、施行期日までに各般の準備を進めまして、それぞれの省庁進めまして遺漏なきを期していきたいと、いま先生御指摘の点なども含めまして十分準備をし、予定どおり五十六年四月一日をもって施行するということにいたしたいと考えております。
  151. 安武洋子

    ○安武洋子君 いえ、この法案が通ったときにはそういうことになるわけですけれども、そういうスタートに立って、私は一挙に急激にやるんじゃなくて、そこにはやはり職員の意向も尊重し、住民のサービスの面も配慮しながら、なだらかに物事はやらなければいけないのではないかということをお伺いいたしております。
  152. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) この整理案を施行するに当たりましては、先生御指摘の点を十分注意し、各省庁とも遺漏なきを期して十分準備を進めていくということによってそのようにいたしたいと考えております。
  153. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は「府県単位機関等の整理合理化について」というこの書類をいただきました。ここの中で「都道府県労働基準局及び婦人少年室」という項がございますが、私は先日当委員会でも婦人少年室の問題について御質問申し上げました。この中に、「労働基準業務については各種検査業務の民間委託の促進や雇用構造の変化に対応した基準監督事務等の所管事務運営の重点化、合理化を進めるべきであると考えられる。また、婦人少年室の業務についても例えば勤労青少年の福祉に関係する事業等その業務の見直しを進めることとすべきであると考えられる。」と、こう書いてあるんです。この婦人少年室の業務の云々というのは、これは具体的に言えばどういうことなんでしょうか。県に移管するとかというふうなことで、少しこの中身、具体的にお答えくださいませ。
  154. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) ただいまの御質問は、あるいは労働省の方からお答えする場面もあるかと思いますけれども、私どもの方としましては、この婦人少年室の業務についてこれから労働省の方とよく相談して、ここに掲げられております。答申に盛られています内容について的確に対応していきたいというふうに考えております。
  155. 安武洋子

    ○安武洋子君 具体的にはまだこれはどうするということにはなっていないわけですか。
  156. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 具体的に詳細に決まっているわけではもちろんございません。
  157. 安武洋子

    ○安武洋子君 この婦人少年室につきましては、せんだっての質問の中でも申し上げましたように、いま世界の本当に世論も男女平等の方向を目指している、その中の主要柱でございますから、この婦人少年室について廃止など、それから機能を損なうような縮小などということは万々ないようにということをさらにつけ加えて申し上げさせていただきます。  それから、もう与えられた時間がなくなってまいっておりますので、私は今回の行革の問題について集約的に申し上げたいと思うんです。  今回の行政改革と申しますのは、整理統合に挙げられておりますところ、これはいずれも国民生活に密着した、行政サービスを低下させてはならない、こういうところばかりでございます。それにもかかわらず、整理統合というのはもう数合わせにすぎないのではないかと、結局は力の弱いところに犠牲が覆いかぶさっているというふうに思うわけです。午前中の審議の中でも、私は防衛庁関係などを聖域扱いにしないでということを要求申し上げました。これは行政の公正さからも必要でございます。長官は、機械の性能なども高めて少数精鋭主義でいきたいと、こういうふうに御答弁ございましたけれども、いまどんどんどんどん本当に新鋭機械も導入いたしております。ですから、ひとつ少数精鋭ということでここに行革のメスを入れていただきたい、こう思います。  それからまた、財務局の問題を審議させていただきました。行革整理統合に当たりまして、行政需要を勘案したんだというふうな当委員会でも御答弁がございました。ところが、行政需要を勘案して決定した、こう言いながら、審議を詰めていけば詰めていくほど、行政需要に対応するどころか、それに相反する方向でこういうことを決めておられる。北九州を南九州に合併するというふうなことを打ち出しておられる。私は、これはもう論拠ない政治的な決着の結果ではなかろうかと疑問をはさまざるを得ないわけなんです。  そこで、国民行政改革を望んでいるというふうに再三長官も御答弁をなさっておられます。国民行政に望んでいる、それは簡素で効率的な行政という大前提がございます。それは清潔な行政だということなんです。国民は清潔な行政を望んでいる。だから何よりもこういうふうな、政治的な決着ではなかろうかというふうな疑いを持たれるようなこういう行政のあり方、これは何としても私は是正されるべきではなかろうかと、一番にこれをちゃんとやられるべきではなかろうかというふうに思います。だから私は、この案を押し通されるということは、行政を清潔にするという政治責任、これを回避なさっていらっしゃる。国民は、行政の不正腐敗、KDDとかあるいは鉄建公団とか、政、官、財一体になった構造的な政治汚職、こういうことに対して憤りを持っているので、これは一般公務員の責任ではありません。  しかし、今度の行政改革というのは、一律に機械的に削減する行政改革をやるというふうなことで、しわ寄せは一般公務員、地域住民にしわ寄せされております。各省と詰めた議論をすればするほど、この行政改革というのは簡素化でも効率化でもない、行政サービスの低下を免れないという実態が出ております。  そこで、私ははっきりとこの場で確認をさせていただきたいわけです。各省は、サービスは低下させないと再三再四言明をなさっていらっしゃいます。その言明どおり、サービスを低下させない体制づくり、いやしくもこういう体制をつくっていく上で、過剰サービスだと、こういう口実がときどき使われますけれども、そういう口実を使ったりしないで、サービスを切り捨てることのないように、そしてまた、職員に対しましても労働条件が決して不利にならないように十分に配慮していただきたい。  私は、最後に長官に、いま私が申し上げましたこのサービスを低下させない体制をちゃんと維持していくんだということと、職員に対しても労働条件が不利にならないようにするんだということ、御答弁はいただいておりますけれども、念には念を入れてということで、もう一度ここで確認をさせていただきます。
  158. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 御趣旨の線に沿って努力をいたします。
  159. 安武洋子

    ○安武洋子君 最後に私は、先ほども申し上げましたように、この行政改革というのは国民のためにならない、国民に背を向けた非常に不合理な行政改革である。こういうことを申し上げて、この法案に反対である、このことを申し上げまして、私の質問時間が参りましたので終わらせていただきます。
  160. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 最初に、大臣にお伺いいたしますが、法案審議に入る前に、大臣というよりも中曽根さんということで、肩のこらない気持ちでお答えをいただきたいと思うんだけど、昨日アメリカの大統領選挙が行われまして、予想外の地すべり現象でレーガン氏が当選した。この一年ほどのアメリカの大統領選挙の過程で、国際情勢が非常に大きく動いておる。そういう中でカーター氏レーガン氏それぞれに、選挙公約とおぼしき発言を処処で行っておるわけですが、カーター現大統領の場合には、これまでの間、いろんな日本とのいきさつもあり、彼の手の内というのは大方わかっておったわけだけど、レーガン氏の場合には余り知られていない。  そういう中で、レーガン氏自身がしばしば述べておられる言動の節々から見てみるときに、とりわけわれわれ不安を隠し得ないわけですが、たとえばアメリカとソ連との関係、これまでのデタント、それがいささか後退しておるというのが国際的な常識でございますが、この状況を何とかはね返したい。かつての強いアメリカというものを築きたい。そのためには、立ちおくれておるところの核を中心にする軍備も増強をしなければならない。これは核軍縮とは逆に軍拡の競争に入る危険性もある。それから波及して、昨今話題になっておりますわが国の防衛力増強の問題についてどのように出てくるか。あるいはアメリカと中国との関係、その中に介在する台湾との関係についての発言。これをめぐる米中との関係がどのように展開していくか。あるいはアラブにおいてイスラエルに非常な肩入れをする発言をしておる中から、アラブをめぐる中近東に対して一体どのような動きになるのか。なお、喫緊の問題として日米の経済摩擦、自動車問題を頂点に電電問題その他繊維問題等々経済摩擦があるわけだけど、これについてどのような対応をしてくるのか。  あれやこれや考えますと、アメリカの政変といいますか、大統領の交代ということはわが国の政治にとってきわめて重要なものであるし、わが国にとどまらず、国際的に大変な変革というものが予想されるわけです。  国会も終盤を迎えて、なかなかこういった問題について御意見を承る機会もありませんので、お許しをいただいて、法案審議に先立って、私揚げ足を取ったりしませんから、中曽根さんということで、かつて通産大臣もやっておられたわけだし、経済問題などもよく彼我の関係御存じだというふうに思いますので、ざっくばらんに御感想などを伺えればありがたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  161. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) せっかくの御質問でございますが、私は行管長官でございまして、それは外務大臣の所掌事項になりますので、やはり内閣は連帯性を有しておりますから、ここで私が一政治家として申したことも単に一政治家でということでは終わらないような性格を持つと思いますので、改めて藤井さんと二人だけの場で存分に申し上げたいと思いますので、お許しを願いたいと思います。
  162. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 お気の毒に、なかなかいろいろなことがございまして言いたいことも言えないようでございますから、それじゃひとつ一席設けて篤と御高見を拝聴したいと思います。まあ、行管庁長官でありますが、内閣において枢要な地位を占める国務大臣であるわけですから、私いま申したようなことを十分御賢察のこととは思いますが、また折りを見てお考えなどを参考のために聞かしていただきたいと思います。  それでは、限られた時間で若干の質問をいたしますが、私どもの党では九十一国会で春日前委員長の本会議質問、あるいは塚本書記長の予算委員会質問、さらには今回鈴木総理に対して行政改革に対する四党合意基づく申し入れなどでわが方の考え方を明らかにしておるところです。目玉というのは、地方出先機関というのは、現業機関は別として、その他の行政機関は原則としてこれを全面的に廃止すべきである、この際地方分権という立場からも、これらのものを地方に移管するなどをして統廃合すべきであるという主張を積極的に展開しておることは御承知のとおりだと思うんです。  今回、初めて政府も重い腰を上げて地方ブロック機関整理統合に手をつけてこられたわけですが、いろんな面でまだ不十分な点が多くあるわけですが、本法案を提出してきた経緯にかんがみて、政府のこれまでの一応の努力評価を与えたい、ゆえに本法案には賛成の立場であるわけです。そういった立場から質問を申し上げたいと思います。  先般政府に申し入れを行いました四党合意について、衆議院審議段階で、これは中曽根長官御自身の御答弁で、四党合意についてはこの趣旨を尊重していきたい、かなりよく書けたものであるという評価をされておるわけで、その折長官はこの四党合意の内容について、実現に移すことができるものはその都度実現していきたいというふうにもつけ加えられておるわけです。  私どもは、行政改革というのは、さきのダブル選挙の折の国民の目というものは、やはり政治倫理の確立と同時に、あたかも公費天国ということがあれほど国民の前に映し出されたという経緯から、しかも民間産業あるいは各家庭にあって一次、二次のオイルショックを切り抜けるための大変な辛酸、これらとが相対的に映り合って、行政改革というものはもう理屈を超えた段階であって、実行あるのみだというのが私はちまたに充満しておったと思うわけです。  したがって、理屈を述べ合う、あるいは総論賛成各論反対ということでは何も進まないわけです。もう実行あるのみというふうに思っておるわけですが、この四党合意は具体的に内容を書いて、抽象的なものではありません。それを長官御自身が実現できるものから逐次実現していくということでございますので、長官としては実現できるものをどの辺に見ておるのか、四党合意のどの辺のところをその折取り上げてやっていけると見ておるのか、この辺のところをお聞きしておきたいと思うんです。
  163. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 四党合意はよく熟読さしていただきました。なかなかの御労作であると敬意を表しておる次第でございます。  この中で、まず第一に中央省庁機構整理という項がございます。今回はわれわれは機構いじりはやらないと、むしろ行政の実態に切り刻むと、そういうことで法令の廃止、許認可の廃止等を目指しておるわけでございます。しかし、将来いわゆる第二臨調等におきまして委員皆さんがどういう御結論を出しますか、その御結論にもよりまして、こういう問題が出てくればそれはそれでまた検討しなければならぬと、そう思っております。  それから、地方出先機関の原則的廃止という点でございますが、原則的に全部廃止するということはいかがであろうかと。たとえば戦前におきましても国税局——税務監督局でございましたか、あるいは鉱山保安関係とか、そういうものはございました。ただ、戦前におきましては知事が官選でございましたので、中央出先みたいな性格を非常に持っておりまして、別に出先機関を置く必要もなかったように思います。したがって、鉱山とか税務とか、特殊なところに出先機関があったわけであります。しかし、戦後になりまして地方自治、地方分権ということになりまして中央と切断されましたので、中央官庁が不安を感じてかあるいは不便を感じてか、やたらに地方支分部局、ブロック機関等をつくりまして、地方に手足を伸ばしてきて、ちょうどタコの足みたいになってきた感を禁じ得ません。  それで、戦後のそういうものが果たして必要であるのか、戦前のものが果たしてまだ持続しておく必要があるのか、そういう点はよく洗う必要があるように思うのであります。そういうような点もよく検討いたしまして、これは選別しながら考えていく必要があるのではないか、そうとも考えられます。あるいはさらに、地方ブロック機関を全部統合するということも考えられます。昔、総監府というのがございましたけれども、それも一つのアイデアで、そういうアイデアを出している方もおります。  それから、国家公務員の定員削減はいま持続的に努力しておるところでございまして、この点については今後も努力していくべきものであると思います。  それから、公務員の定年制導入は、いま法律を出しておりまして御審議を願っておるところで、この成立を期しておるわけであります。  それから、特殊法人の統廃合等、これも五十五年行革努力しておるところでありまして、いま御審議願っておるところでもありますし、また五十九年までにいろいろ努力する面もあるように思っております。これらの情勢を見まして、引き続いて努力していくべき対象であると思っております。特殊法人というものが、やっぱり戦後、特に高度成長時代ににょきにょきと雨後のタケノコのごとく出てまいりました。これにはそれ相応の理由もあったのでございますけれども、今日の時点において、現状で置く必要があるのかどうか、そういう点はわれわれも勇断をふるってさらにやる必要があると思っております。  それから、補助金の大幅整理はいま実行していることであり、さらにこれも持続してやるべきことであると思っております。  それから、各種審議会整理合理化も同感でありまして、われわれも今回は地方ブロック機関地方にある審議会を特に重点的に整理合理化しようと努力しておるところでございます。  許認可事項の整理合理化も申し上げたとおりでございます。  それから、地方分権の推進という点がございますが、これも原則的にそういう方向に行く時代の趨勢にあるように思います。冒頭申し上げましたように、地方ブロック機関との関係等におきまして、これをどう具現化していくかという点は研究課題であると思います。  行政改革特別委員会及びオンブズマン、これを議会を中心におつくりになるということは、これは議会の方で御審議願うべきことであると思っております。  それで、別表に具体的な統廃合の原案が出ておりますが、これらを見ますとかなり思い切った統廃合で、私ら一見してみて、これができればいいなあと実は感じておるのが私の実感であります。ただ、実際これを具体的にやる場合になると、いろいろ検討すべき点もあるように思います。しかし、これはかなり思い切った、しかもよくお考えになった案であると拝見しておるところであります。  総じて、全般的に見ますと、われわれも非常に同感の点が多うございまして、この趣旨を体してぜひやりたいと思っておるわけであります。
  164. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 試験の答案用紙みたいに、これはいいなあと言っておるだけではいかぬので、この点はよく御存じだと思いますが、やはり勇断を持って、取り上げられるべきものはだれかが口を開いて、そして八方からたたかれるであろうが、実行しなければ行革は前向いて進まないというふうに思います。  この三十九年の臨調答申というのが非常によくこの間の経緯を書いておると私は思うんです。「旧憲法下においては、国の直轄出先機関である特別地方官庁は例外的に設置され、特定の省の特別の事務について、中央省庁の事務を分掌していたが、その所掌事務は、多くは現業的なものに限定されていた。」で、「地方公共団体の事務と関連する分野は皆無に等しかった」と。「このような国の地方出先機関のあり方に大変革を及ぼしたのが、新憲法の制定に伴う地方制度全般の改正であった。この制度改正を契機として国の地方出先機関は減少するどころか増設の一途をたどることとなった。」、またこの理由が、大変これはうがっておると思うんだけど、「第一に、中央省庁の公選知事に対する不信の念、第二に、中央省庁の権限拡張欲が主なものであつた」というふうに指摘されておるところです。そのような形で行政事務が地方にどんどん出向いていく、そのために「地方公共団体の事務処理に対し権力的関与をすることにもなった」と、これがために、地方における事務を一層複雑化しておる。  この点は、私は三十九年の臨調答申は非常によく書けておると思います。これらに対して、長官はどのような判断をしておられるかですね。
  165. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 非常にすかっとさわやかな感じがいたします。それで、やっぱり本質をついているお考えではないかと、そう思います。
  166. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 大変割り切って臨調が出しておるわけです。したがって、この辺のところも歴史的経緯というのをよく国民に私はPRする必要があるんじゃないかというふうに思います。経緯がなかなかわかっていない、できてあるものという形でなじんでおるわけですから、その辺はすかっとさわやかならすかっとさわやかに、やはり国民にPRすべきだろうと思います。  そういった意味からお聞きしたいわけだけど、行革白書がこのところずっととだえておるわけです。この行革白書というものを、やはりいま言ったような面も踏まえて私は発表をすべきであると思うんだけど、いかがなものでしょう。
  167. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 行革白書を出す必要性を私も非常に痛感しておりまして、行革に対して国民皆さんに御報告も申し上げ、また御支援もいただかなければならぬ事態にあると思います。そういう意味におきまして、来年の秋白書を出すように、いまいろいろ準備を進めて努力さしております。
  168. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 来年の秋出されるということでございますから、この際これから準備に入られると思うので申し上げておきたいんだけど、やはり言いにくいことも客観的に明示すべきだと私は思うんです。たとえば、定員削減した部局と増員した部局のリストなどは明示すべきだ、あるいは経費節減額なども明確にすべきである、あるいは整理合理化した補助金の名称、額と、あるいは逆に新設された補助金の名称、額、行管庁勧告に対しての各省庁の対応状況、こういったものをぜひ行革白書に載せて国民だ明らかにすべきだと思いますが、いかがでしょう。
  169. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) その点は同感でございます。そのように努力いたします。
  170. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 今回の行革について、法令の洗い直しというのが具体的な問題として一番私は表に出ておることだと思うんだけど、この法令の洗い直しの作業の進捗状況はどうなっておるか、いかかですか。
  171. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 法令の整理についてでございますが、当然のことながら、行政減量化を図るために行政事務の根拠となっている法令というものを洗い直すべきだということで、現在鋭意検討中でございますが、これは各省庁において、現在私どもの方と連携をとりながらその現行法令の見直しを行っている最中でございます。その結果に基づいて、政府として法令整理の全体計画を年内をめどに取りまとめまして、できますればその法令整理のための法案等を御提出したいというふうに考えている最中でございます。現在各省庁と鋭意詰めているところでございます。
  172. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 年内をめど。これは年度じゃなくて、暦年の年内ですね。
  173. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 現段階予定としましては、年内に取りまとめたいと、全体計画を年内につくりたいと、そういう予定で進んでおります。
  174. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 法令洗い直しの基準はどういうふうにとっておられるのか、いかがですか。
  175. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) これは御存じのことでございますけれども、現在法律、法令と申しますと、まあ法律あるいは政令、若干勅令が残っておりますが、その実効性喪失法律というものもあるわけでございまして、すでに実効性がないといったようなものも残っているものもございます。そういうものは当然整理の対象にするわけでございますけれども、なお必要性が薄くなったようなもの、そういうものも行政簡素化のために、仕事減らしというものとの関連においても、できるだけ必要のないような法令は整理していきたいというのがその基準でございます。
  176. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 それは必要ない法令を廃止するというのはもうわかり切ったことであって、やはり行管庁として法令の洗い直しをやるというからには、一応の基準を設定して、それをやはり示してもらわなければだめだと。私どもが考えるだけでも、地方に移譲可能な許認可事務を伴う法令、これは地方に移譲可能ということについてどのように見ていくのかということにもなりましょうし、あるいは補助金を義務づけておる法令の整理なども、これは基準をつくらなければ、私は現在ここで論議されておるように、やはりいざ廃止となるとなかなかこれは根強いものが出てくる。だから、不要になったというのは主観であって、やっぱり客観性を持つ基準というものを示すべきである。それをやらなければ法令整理も私は進まないことになると思いますよ。どうですか。
  177. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 現在生きている法令でございますけれども、これにつきましても、いま先生御指摘のとおり、許認可権限の所在をどういうふうにするか、あるいは補助金等につきましてもどういうふうにするかといったことと非常に絡み合ってまいりますので、それぞれのケースについて検討しなければなりません。でございますので、それらを通じてこういう基準でという一般的な基準というものはなかなか述べにくいわけでございますけれども、仕事減らしということもございますので、そういうものとの連携において、極力法令整理の実が上がるように努力していきたいということで、先ほど申し上げましたように、それぞれの主管省庁と鋭意折衝して詰めているところでございます。
  178. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 不要となった機構を抱えている法令を廃止することはきわめて簡単だと思うんだけど、機構がなくなってしまっておるのに法律だけが歩いておるというのは簡単だけど、やはり法令の整理というものは私はそう簡単なものじゃなかろうと思うのです。しかるがゆえに、この基準というものを、内々ではお持ちでしょうが、やはりそれはオープンにしていくべきものであろうというふうに思いますので、これはひとつ御検討いただきたいと思います。  大臣にお伺いいたしますが、しばしば論議されておることですけれども、機構いじりはしないという方針ですね。前行管庁長官宇野さんであったわけですが、彼の場合には機構をいじっていくという形であったと思うんです。中曽根長官になられて、機構いじりはしないということが一つの大きな柱になっておる。これはなかなか、細かい論議を詰めていけば理解できないわけでもないけれども、一般的に、たとえば民間産業などが減量経営を行うというときに一番最初に着手するのは、やっぱり機構をいじらなければいけないということなんです。そういった感覚を普通の国民は持っておるわけなんで、機構いじりはしないんだということについてもう一度大臣の基本的な考えをお聞きしておきたいと思う。
  179. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 率直に申し上げますと、民間と官庁制度というものの差があると思うんです。民間の場合には私経済でございまして、それで子会社もずいぶん持っていたり、非常に融通がきいたりするところがあります。しかし官庁の場合には、国会の、参議院の内閣委員会の御決議もございまして、出血を伴う整理をしないとかあるいは強制配転はしない、そういうような御決議を尊重しなければなりません。そういう場合等もいろいろ考えてみまして、結局機構をいじったという場合にどういう結果が出るかというと、ある時間的経過においては効果もあると思いますが、結局看板の塗りかえとか、あるいは課長というものがなくなると管理官とか主幹とか、そういうものが出てくるとか、あるいは机の位置が東から西の方に変わっただけで人間はかわらないとか、いままでの例はわりあいにそういう例が多いのではないかと実は見たわけであります。  それで、実効性のあることとは何ぞやということを考えてみまして、やはりそれはまず仕事を減らして、そしてさらに自然減耗をできるだけふやしていって、それで仕事が減れば人間も要らなくなるんだから自然減耗も補充する必要はない、そういう形で今回の行革はいこう。将来はわかりません。しかし、今回はそういう方針でいこう、その上に八本の行革関係法案がまだ成立しておりませんので、それらを成立させることが私たちの第一の身近な仕事でもあります。そういう面から見まして、行政管理庁の力自体もはかってみまして、余り大き過ぎることをやってもそうできるものではないし、ともかく実効性のあることと言えばやっぱり仕事をなくすということが大きな分野として残っている、そういうように考えまして、そちらに矛先を向けてきたというわけでございます。
  180. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 民間産業と役所というところが一様に比較できないというお話ではございますが、民間産業の場合ですと、入社して定年を迎えるまで同じ職場で同じ仕事を継続的に続けておれるという人はきわめてまれであって、企業それ自体は同じ品種をつくっていても、日進月歩の機構といいますか、技術の進歩に伴って工程がカットされる、あるいは企業が生き延びていくために新しい業種に転換していく、こういう中で常に練摩を怠ることなく十年、十五年と続けてきた仕事から新しい仕事にスイッチされる、こういうことはもうあたりまえのことなんですね。したがって、一つ仕事についたらもう終わるまで一切かわらぬのだということは、これはもうナンセンス、民間産業ではナンセンス、この辺のことが私は行管庁の役人さんも、失礼だけれども体で知らないと思うんですよ。  だから、私は働く人たちの労働条件というものはきちっとやっぱり守らなければいけない、これは当然のことです。しかし、職種がかわるという場合にそれなりの、民間産業がやっておるような、たとえば有給の形の中で六カ月なら六カ月日勤に回って、そして新しい仕事を覚えるための教育をやる、そのことによってそこで働く人たちも守備範囲がふえてむしろ昇進、昇格の道が開かれる、こういうものがもう定着しておるわけなんだけれども、残念ながらお役所ではそういうものがない。ないことがあたりまえということになっておる。そういう感覚で行政改革を進めていても、それはもう改革にはならない。  いみじくも長官おっしゃったように、変わったかなと思ったら看板かけかえただけだったという、まあきつい言葉で言えばごまかし的な行革に済んでしまう。こういう点は十分気をつけてもらわなければいけないし、そういったものをよく行管庁の方たちも勉強してもらいたいというふうに私は思うんだけれども、その辺についてのお考え、いかがですか。
  181. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) やはり民間産業と同じようにものをやろうと考えますと、現在の公務員制度、人事制度あるいは配転、そういうようなこと、官庁間のなわ張りや境界線の排除、そういうような基本的なものまである程度考えませんと有名無実になるおそれもあると思うんです。そういう点につきましては、どういうふうにやったら民間的にやれるか、これはわれわれの研究課題、非常に大事な研究課題であると思いまして、単に表層部だけをいじっても、もっとこれを構造的に仕上げている基本も考えないと長続きする改革にはなりませんものでございますから、そういう点も検討してみたいと思っておるところでございます。
  182. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 十月三十日に出された「府県単位機関等の整理合理化について」という行政監理委員会意見、この内容はさきに申し上げた大臣の基本方針の、機構いじりはしないという柱に沿って出されたものと理解してよろしいですか。
  183. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 末端機関の事務所や支所とか出張所とか、そういうものは引き続いてこれは整理していく、そういう方針で貫かれております。しかし、いわゆるブロック機関とかあるいは府県単位にある諸機関とかというものについては余り今回は手はかけない。そのかわり、人員の縮減を行う、それから仕事減らしを行う、そういうところに重点が入っていると思います。
  184. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 余り時間がないから先に移らざるを得ないわけですが、今回のブロック単位機関整理によって経費の節減効果はどのぐらいあるかということを各委員がお聞きしておるわけだけれども、局長は今度の予算との兼ね合いで試算はできていないんだということをしばしばお答えになっておられます。これは五十五年行革の時点で全体計画ができておるわけですね。たしか五千何百億かだったわけですね。そして、そのうち五十五年度が二千二百七十億でしょう。だとすると、全体計画の中から、予算の編成作業の中で多少の振れは出てくるかもわからないけれども、一応行管としては節減効果はこのぐらいだというめどはつけておられると思うんです。その辺はどうなんですか。
  185. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) ただいまのお話は今回のブロック整理に伴う財政上の節減効果でございますが、この点はブロック機関整理に伴って機構その他簡素化が図られるというふうに考えられるわけでございますので、御指摘のように経費の節減効果が期待できるわけでございますが、実は整理の再編後の定員とか機構等が今回の予算編成過程で決まるものでございますので、これによる経費節減の具体的な数字等めどについていまお答えできる状況、段階にはないわけなんでございます。その点は御理解いただきたいと思います。  いまお挙げになりました五十五年度の二千二百七十億という数字は、五十五年行革の五十五年度分として前回の予算編成過程においてそれだけの試算が行われたという数字でございまして、いま先生お話しの今回のブロック整理に伴う財政上の節減効果については、現段階ではいまお答えしたようなことになるわけでございます。
  186. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 これは私の方が勉強不足なのかもわからないけれども、余り理解できないんでね。各委員からもこの辺全部それぞれに質問があったけれども、いま局長がお答えになっておるような御答弁しか得られていない。まあ、それぞれ時間の経緯があって皆さん方それ以上の追及をしていないんですが、私もまだこれはいまの答弁ではわからないまま終わります。また第二臨調の折にでも、いずれ私も勉強してお聞きしたいと思います。  先に移りますが、地方出先機関の問題について、さきにもちょっと私触れましたけれども、たとえば行管庁と会計検査院とはほぼ似たような性格の官庁であると私は解するわけです。会計検査院は、もう言うまでもなく中央にあるだけなんで、やっぱりせめて行管庁が他の省庁に先がけて範を示すべきじゃないかと思うんですけれども、これは素朴な物の考え方なんだけれども、この点はどうなんですか。
  187. 中庄二

    政府委員(中庄二君) 行政管理庁出先機関仕事でございますが、まず第一に、行政相談の仕事、これは行政相談委員法がございまして、市区町村の単位に相談委員を委嘱するという仕事でございます。市区町村単位に相談委員がおりますので、その出てきました相談のあっせん等になりますと、どういう形が一番いいのかということになりますが、一部では郡単位にお集まりいただいていろいろ連携等もやっておりますが、委員さんとの連絡それから事案の処理等を考えますと、やはり府県単位にいる必要があるのではないか、これが一つでございます。  それから、もう一つの検査院のお話ございました。確かに検査院は、証拠書類が全部こちらに集まりますので、まずそれをごらんになってから現地を見るのが仕事だと思います。私どもの方から言いますと、検査院とは立場が違っておりまして、行政の能率性、経済性といった面を主にいたしております。現地の資料が一番の問題になろうかと思いますが、検査院でございますと、約八百五十名と申しますか、検査に当たる方が。そういう方が本庁に一本でおりまして、証拠書類を見て現地に行く。私どもの監察の要員そのものは、ほぼ全国で本庁、管区、地方を通じまして六百三十名ほどでございます。これをどう配置していったらいいのか、先生の御議論でございますと、管区あたりに集中しろというお話かもしれませんが、管区に集中しますと、今度はその出先に見に参ります場合の旅費が要るわけでございます。各省庁と、それからただいまの三公社——国鉄、専売、電電等の特殊法人を見ておりますが、やはりこれも府県単位以下に多うございますので、旅費等を勘案いたしますと、あるいは現地の生の実情を常に見ておるということもございますので、その辺を見てまいりますと、やはり府県単位にはどうしても機関が要るのではないか。  そのほか具体的に環境庁等の業務がございますが、いま申しました、大ざっぱに申しまして三つの仕事から申し上げますと、どういう形にしろ府県単位に機関を置いた方が非常に効率的ではないか。ただし、非常に簡素な形で置こうということで現在やっておる次第でございます。
  188. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 これはどこでもそういうことなんですよ。だから、それを言っておる限りにおいては何もできないんですよ。機構があって人がおるんですからね。毎日遊んでおる人間じゃないんだから、どこもそうなんです。それを言っておったらもう何にもできないんですよ。機構があれば仕事があるんだから、やっぱり何かで割り切らなければもう絶対になくならない、行管庁自身がそのように言われるんだから。  他の省庁にしてみれば、先ほど三十九年臨調の答申で申したように、それぞれの縦割りによって拡張欲をみんな持っておるんだから、パーキンソンじゃないけど、仕事をどんどんどんどんふやしていく、そうすれば人もふえるということになるわけです。だから、これはやっぱり行管からそういう声を聞くというのは全く心外であって、そんなことを言っておったらもう何にもできないし、よそが同じことを言ったときには、なるほどごもっとも、私のところと同じですねと、こういうことになりますよ。だから私は、そういった面で四党合意というのは現業は別だ、現業は別だと、だから不当にむしろ介入して——地方自治体からも不当に介入しておるんだといって迷惑がられておるところの府県単位みたいなものは、もう思い切ってやらなかったらこれはどうしようもないということを先ほど申し上げたわけです。  そのためには、やっぱり機構というものを——これはもとに戻るけど、長官機構いじりはやらぬのだと言われるけれども、機構というものをやっぱり考えなかったら私はなかなかうまく進まぬのじゃないかという気がしてならない。まあ、その衝にあられるお立場の方ならいま言ったような答弁になるかもわからぬけど、大臣どうですか。
  189. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 機構いじりを永久にやらないというんじゃないのでありまして、今回はやらないと、そういうふうに申し上げておるのであります。先ほども申し上げましたように、中央地方の関係、特に戦後、地方自治の本旨に基づいて、新しい憲法のもとに新しい体制ができてからの由来、それから、現にどのような機能が行われておるか、能率性が行われておるかと、そういうような点もよく精査して実はやる必要があると思うのであります。私は、原則的には藤井委員のお考え方向に傾いている人間でございます。  ただ、これを実践した場合にいろいろもっと深く検討すべき部面もあるだろうと思います。たとえば県庁に渡してしまったと、そういう場合に人間の数は変わらない、県庁の方でじゃ今度は中央の方がひもつきでいろんな仕事がそこへくっついていったり監督、監査を受けたり、そういう形でいった場合には、今度は知事さんの方が厄介者になってしまって、そんなに一々チェックしたらどうか、チェックしないやり方でやったらどうかと。ところが、いまの官治行政と自治行政との関係でなかなか不安も残るという問題もあるんじゃないか。じゃ、一部中央に引き揚げてしまったらどうかと。そういう場合に、なるほどそれはそれでまたいいと思いますが、しかしまた、ある場合には、いろんな問題が緊急に起きたという場合になかなか機能しないと。また、継続的によく見ておく必要もあるという部面もあります。そういうようないろんな条件もよく考えてみて、一つ一つの官庁機構についてよく精査してみる必要もあると思うのであります。  一般論としては私も同感でありますけれども、じゃ具体論としてそれを適用した場合に知事さんや県庁の方の機能がどうなるか、あるいは中央部局でその人間を引き取った場合にどこに置いてどういうふうにしたらいいのか、そういう具体論になると、やはりこれはよく検討してみなきやならぬところもありまして、そういう点はよく検討してみたいと思っておるわけであります。
  190. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 自治省おられますか。——自治体の行革をそれなりに進めて、地方自治体みずからの努力行革を行って、そして経費の節減ができる。私は、その経費というのは、当然地方自治体の一般財源にその原資が組み入れられて有効に使用さるべきものであると思うんだけれども、一部で地方交付税率の引き下げを主張する団体もあるわけですね。現在すでにもう地方交付税率を据え置いておることはナンセンスだと、だから、国の財政が逼迫しておるなら税率をむしろ下げた方がいいんだという論をなす人もある。行革地方でどんどん進めて、その浮いた金の分だけずっと減らせばいいんだという考えを持つ人がおるんだけれども、私はそれは反対です。当然、経費節減できれば、地方自治体の一般財源化するのが本当だろうと思うんです。この辺について何か自治省としてお考えがあるのか、どういうふうに聞いておるか、お聞きしたいと思うんです。  それから、先ほど来私何回か申しておるように、地方分権という立場に立ってみたときに、出先機関が権力的に介入する、不当介入だと、大筋はもう中央で決まっておるんだから、地方にあってはむしろ出先機関というのは邪魔だという声があります。地方自治体においてですね。いま長官の言われたような問題もありましょう、それは。しかし一面、それはむしろもう地方に移管して、そして地方分権を確立すべきであるという論も大きいわけなんです。ある雑誌に、地方公務員の職員のアンケートをとったときにも職員の中からやっぱりそういう意見が出ておる。したがって、この面についてもどういうふうに自治省としては考えるのか、意見を集約しておられるか、お聞きしておきたいと思います。
  191. 津田正

    説明員(津田正君) 前段の交付税率引き下げの問題でございますが、そういうような意見があることは承知してございます。ただ、先生御承知のとおり、国の財政と同様、地方財政も昭和五十年度以来大幅な財政収支の不足を生じておりまして、実は法定の地方交付税率三二%ではどうにもなりませんで、現に五十五年度におきましては四〇%程度になっておる、いろいろな措置を講じて実質的にその程度の額になっておる。こういうような事態でございますので、現行の三二%の交付税率の引き下げを論ずるということは、現在の地方財政の実態から申しますと、非常にその点の理解というものが十分されていないのではないか、かように思う次第でございます。ただ、御指摘が、地方団体におきましても自主的に行政簡素化効率化をやるべしであるという御意見も寄せられております。これは私どもも当然と思いまして、地方団体にもそういうような行政改革への取り組みということについてなお一層の努力を図るべきものと、かように考えております。
  192. 田中暁

    説明員(田中暁君) 後段の御質問でございますが、行政改革につきましての自治省としての基本的な考え方といたしましては、国、地方を通ずる行政の簡素効率化を進めますと同時に、住民の生活に密着した行政につきましてはできる限り地方公共団体において処理すべきものである、こういうことでございます。こういった観点から、国の地方出先機関整理合理化におきましては、地方制度調査会の答申等におきましても再三指摘されてございますとおり、国の地方出先機関と本省、それと地方公共団体との間におきます二重行政あるいは二重監督の弊害を解消する意味におきましても、国の地方出先機関の所掌する事務が、これが一つ都道府県に係るものにつきましては、原則として地方公共団体に移譲することが望ましい方向考えておりまして、今後ともそのような方向努力いたしたいと考えている次第でございます。
  193. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 自治省もういいですから……。  サンセット条項についてちょっとお伺いしておきたいと思うんだけれども、本法案昭和五十五年三月二十八日の閣議決定をもとにして法制化されたものと思うんですが、この間からこの委員会で問題となっておる福岡財務支局あるいは四国行政監察支局などが「昭和六十年三月三十一日までに廃止するものとする。」ことという、いわゆるサンセット条項があるわけです。これは閣議決定はこのような形じゃなかったわけなんで、いつの段階にこのサンセット条項というのが決まってきたのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
  194. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 国民に対する行政サービスをできるだけ低下させないようにということで、ブロック機関整理の後に事務処理機関を配置するわけでございますが、これにつきましては、御指摘の三機関について法案の作成過程において行政簡素化の趣旨を徹底させる意味において「昭和六十年三月三十一日までに廃止するものとする。」ということが加わったわけでございます。
  195. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 前長官宇野さんは、昭和五十五年行革の特色として、従来の行革が中途半端に終わった反省から、特殊法人の廃止についても今回はすべて廃止時期を明示した点を強調されておったわけです。したがって、「昭和六十年三月三十一日までに廃止するものとする。」という条項もこの意味と了解すべきだと思うんですが、前回どなただったか、当委員会で質問した折、「昭和六十年三月三十一日までに廃止するものとするわ」という条項自体の法律的意味として、手続的には再度廃止するための法案提出が必要であるというふうに答弁なさっておられますね。この点はそのように解釈するのかどうか、再度明確にしておいてもらいたいと思います。
  196. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 「廃止するものとする。」というこの条項につきましては、現段階における方針を明らかにしたものでございまして、決められました期限までの経過期間中に、簡素化の趣旨を踏まえつつ、組織あるいは行政サービスのあり方等を十分検討して結論を得るということでございまして、いずれにせよ、改めて法律的な手続をとる必要があるということはそのとおりでございます。
  197. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 意地悪な質問かわからぬけれども、裏を返して言えば、そのような所要の論議をしたけれども、「廃止するものとする。」ということにかなわなかった場合には、法手続はなくてそのまま残るというふうにも解釈される。当該部局にあっては当然これはペンディングの問題だと、これからの問題なんだというふうに解釈しておる。そういう雰囲気の答弁も本委員会でなされておる。これはやっぱりどっちともとれるようなことであって、どっちともとれるということはやらぬということになる方が強いわけなんです。そのように解釈せざるを得ない。後に問題を残しておると理解しておきます。これは行管庁がそう言っておるんだからしょうがないことだね。  それからもう一つ、ここの委員会で論議されておる中で、私も大変不満を感じたわけですが、それぞれの行政サービスという面において、なくなるものについて大変な不安を皆さん持っておられる。私は論議を聞いてそのとおりだというふうに思いました。そのためにはやっぱり行管庁がもっと親切でなきゃいかぬ。なくなった後の下部機構を含めた将来図というものをやっぱり併託して示さぬことにはなくなったところはわからぬわけですからね。たとえば、問題になった新潟の問題でもそうですね。局長が部長に変わって、同じ仕事をさせますというけど、それは法律改正が必要だぞと、そのとおりですと、一体それじゃどうするんだと、おれたちは毎日の問題として一体どうなるんだと。ここのところにぴしゃっとやはりセットされたものを出さぬから、だから私はいつまでたっても不安はぬぐい切れない。行政サービスの低下を来さないと言ったって、どうやって来さないんだということになる。絶対大丈夫だと言えば、そんなら何も行革しなくていいじゃないか、いまのまま置いておけばいいじゃないか、こういうことになるんですよ。その辺、やっぱり行管庁として私は不親切だと、そのような不安を起こすのは当然だと私も思いました。  したがって、いまからでもいいから、国民の理解がないところにやはり行政改革というのは進まないわけなんだから、だからセットされた形で、受けざらがどうなるんだと、皆さん方への行政サービスはこのようにしていくのだと、そのための機構はこうなっていくのだということを図示して、そして国民に示すべきだと思うけどいかがでしよう。
  198. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 整理されましたブロック機関の後に置かれる機関及びそのいろいろな組織その他の問題でございますけれども、現段階で法律の改正を要するというふうに考えられる事項につきましては、これを盛り込みまして御審議いただいている次第でございますが、その他法律を要しない事項につきましても、設置される支局等の内部組織、定員等の検討とあわせて、その権限の配分について十分検討してまいりたいと思うわけでございますが、いまの段階でどのようになるかということは、現在予算編成過程でございますので、これから詳細煮詰めていく問題でございますので、それをまちましてでないと詳細が決まらないということでございますので、その点は御理解いただきたいものと思います。
  199. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 時間が参りましたから最後に一点だけ。  これは固執するわけじゃありませんが、本法案と同時に承認案件が当委員会に付託されておるわけです。この承認案件というのは、地方自治法基づくものである以上は、地方自治という立場、地方住民自体の立場からこの委員会で一括処理するということが果たして適切であるかどうか。この点にいささか疑問を私は持っております。今回はもうこのような形で衆議院も推移してきておるわけですから、いまさらこれをとやかく言うものではありませんが、今後行革を進めていくに当たって同種の問題が出てくるんじゃなかろうかというふうにも思われますので、この辺についての考え方を聞かしておいてもらいたいと思います。
  200. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 御指摘の地方自治法第百五十六条の第六項の承認の問題でございますが、ブロック機関の再編成につきまして、そこにかかわる機関の一括整理のための法律案を御提出して御審議願っているわけでございますが、国会承認案件もこの法律案に伴うものでございますのであわせて一括御審議をお願いしているというのが実情でございまして、ブロック機関の一括整理のための法律案とそれに伴います地方自治法規定基づく国会承認案件でございますので、これは一応セットとして御審議をお願いするのが適当であろうというふうに考えた次第でございます。
  201. 藤井恒男

    ○藤井恒男君 もう時間が来ましたので、また後で……。
  202. 矢田部理

    ○矢田部理君 行政管理庁長官に最初に伺いたいと思いますが、まず林野庁の問題であります。  林野庁は森林、木材等を相手にする現業官庁であります。したがって、一般行政官庁のように、過密過疎の関係はありましょうが、全国を八ブロックに分けてそのブロックに出先を貫くというようなものとは異なっていて、言うならば山を相手にする、森林の分布を対象にするという特殊性を持っているわけでありますが、そういう点で、そういう特殊性についてどの程度認識をなされているかというのが第一点であります。  それから二番目には、普通のブロック、出先の官庁でありますれば、その下に県庁の所在地程度下部機構を持っている場合もありますが、そう数は多くございません。ところが、この林野庁に限って言いますれば、局の下に営林署がある、数多くの営林署があります。無数の現場や担当区、事業所がある。まきにそういうものを統合するものとして局が置かれるという特殊な性格を現場官庁であるだけに持っているわけでありますが、そういうことの特性についてどういう認識を持っておられるか。  この二つの点を指摘をいたしましたのは、言うならば一般行政官庁と同じように八ブロックに配備をして、それ以上のものは、一省一ブロックではありますけれども、削減をしていくんだということには必ずしもなじまない官庁である。山が多い、国有林が広く存在をする府県もあれば必ずしもそうでない地区もあるわけでありますから、そういう点で、その認識なり特色についてどういうふうに行管庁としてはお考えになっているのか、まず第一点として伺っておきたいと思います。
  203. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 私も材木屋のせがれに生まれたものですから、山のことはわりあい知っているつもりであります。非常に地域性を持っておって、そして、しかも必ずしも接続している地帯ではない、そういうような特異性もありますし、また営林署というものは、その地域その地域によって非常に千差万別であって、それから地元の森林組合やそのほかと非常に有機的な密着性を持っておる、そういう点もよく知っております。
  204. 矢田部理

    ○矢田部理君 つけ加えて申し上げますならば、長官大変造詣が深いようでありますからあえて言うのもなんでありますが、山を守るという事業は非常に長期的に考えなきゃならぬものでもあります。一般行政のように——行政は短期的でいいということを必ずしも言うつもりはありませんが、そのときどきのニーズにどうこたえていくかということだけではなしに、森林を育てる、植林をする、育てる、そしてまた市場に出すというようなことでは、言うならば非常に、三十年、五十年あるいは百年、二百年という長期の計画なり努力が必要になってくるわけでありますから、その点で短期的にどうするかということにはこれまた必ずしもなじまない性格を実は持っているわけであります。  特に、最近の国有林野事業というのは、単に木材の生産をして市場に出す、木材の需要にこたえていくというような局部的な見地ではなくて、治山治水、あるいは緑やきれいな空気を環境問題も含めて守っていくという大きな事業、あるいはニーズにこたえていかなきゃならぬという要求を持っているわけであります。  そういう点で言うならば、一律どこか削減しろというときに林野庁をねらったのはいささか理解に苦しむわけでありますが、同時にまた、林野庁の場合には、御承知のようにいま日本の木材市場は非常に苦境に立たされております。外材の輸入が非常に大量になってきている、新建材等にも押されてきている。木材といいますか、森林経営というのは非常にむずかしくなってきているのは御承知のとおりであります。  したがって、そういうことをひとつ前提にして、収支の改善あるいは構造的な問題についてどう改革をしていくかということで、御承知のように五十三年に改善特別措置法というのがつくられました。これは林野事業の改善特別計画ではありますけれども、同時に、行革という位置づけも可能な法律であります。現にこの改善計画に沿うていろんな機構の統廃合が次々と行われてきました。たとえば、北海道の特殊的な事情だというふうに説明をされておりますが、北海道で五局あった営林局が四局廃止をされて一局に統合をされているのもその一つでありますし、営林署に至ってはすでに九つの営林署が廃止をされて、これから三百五十一ある全体の営林署数をさらに十カ年かけて一割削減をしていこうということで言うならばこの改善計画が進められているわけであります。人員についても、私から言うのもなんでありますが、一番この国有林野関係の職員数の多かったのは昭和三十九年であります。この時期には八万八千人の職員数を抱えておりました。ところが現在では六万人であります。二万数千人の人たちが実は山から離れているということになります。この改善計画がスタートをいたしました五十三年に六万四千強おったわけでありますから、すでにこの二年ないし三年の間に四千人の人たちがこれまた山を去っている。非常に厳しい合理化が改善計画という名のもとで実は進められておるわけであります。  したがって、また現場の作業とかさまざまな深刻な課題を現場的には実は抱えることになっておるわけでありますから、そういう改善計画を五十三年に立てて、十年間の計画で言うならば非常に長期的な構えでこれから進めよう、現に進めているときになぜ林野庁をブロック廃止の一つに選んだのか、まず行管庁にお尋ねをしたいと思います。
  205. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 日本の森林政策というものは非常に重要であると私考えます。御指摘のように、植林から伐採まで約四十年ぐらいはかかると考えなければなりませんし、また最近は日本で使っている木材の六割以上はもう外材になってきておって、外材が最近は非常に安くなっているために国産というものは非常に苦しい立場に立ち至ってきております。外材が非常にふえた理由にもよりますけれども、ともかく間伐の代金も出ないと、そういう情勢で、日本の森林というものが非常に荒廃に帰して憂うべき状態にあったし、いまもあるということは否定し得ない事実であります。そういう面から、構造改善をやって林道の開発であるとか機械化であるとかあるいは森林組合あるいは公団の育成、公団造林、そういういろんな改革が盛られてきたことは当を得た措置であり、まだ足りないだろうというぐらいに思っております。  しかし、いままでの経過全般を見ていますと、民間の材木屋や林業家に比べて、営林署はかなり人間も余っておって、そしてまた営林署の管理運営が必ずしも民間と比べて能率的だったとは思えない、そういう点も実は指摘されております。そういうような全般を見ながら、この民間と国家、国有林との調整をどうしていくか。特に国有林の場合は、ある程度国が金を出して管理しておりますからわりあいに目が届いておりますけれども、民間の場合はもう間伐もできないという状態で荒廃に帰しつつあるという憂うべき事態が出てきている、こういうバランスをどうするかという問題も実は抱えておるんだろうと思います。  そういう全般を見回してみた場合に、全般としては森林政策は非常に重要な性格を持っておるけれども、しかし部分的に見ますというと、営林署が多過ぎるとかあるいは昔と違った情勢にもなってきておるというようなことも否定し得ないのでありまして、そういう点はやはり改革すべきところは改革しなければならぬと、そう思います。しかし、森林政策が重要であるという点は、これは否定することはできません。  そこで、では営林局になぜ目をつけたかと、こういう御質問でございますけれども、これは行政機構全般の効率化という面から見まして、各役所、各官庁等もみんな重要性を持っておる。そういう中でやはり農水省においても御協力を願うと、重要性はわかっておるけれども、その中でみんな一つずつ出しておるんだから、まずひとつ農水省も御協力を願うと。そういう点で重々わかりながらお願いをしているというのが行革のせっぱ詰まった情勢にあるんではないかと考えております。
  206. 矢田部理

    ○矢田部理君 重々わかっておられてやるというのは余り感心した話ではないわけでありますが、林野庁長官見えておりますか。——先ほど指摘をしましたように五十三年に改善特別措置法ができて、十年間にわたって改善計画を立てて現在その作業を進めているようでありますが、この改善計画の進捗状況はどうなっているでしょうか。
  207. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) ただいま御指摘ございました改善計画の進捗状況でございますが、営林局の再編整備につきましては、先ほどお話ございましたように、昭和五十四年の一月北海道の五営林局を一営林局、四営林支局に再編整備を図っております。  また、営林署の統廃合につきましては、改善期間、つまり昭和五十三年から六十二年度中に一割——大体三十五署になりますが、の統廃合を行うことを目途といたしまして、昭和五十四年三月に九営林署の統廃合を実施いたしております。  それから、改善計画に盛られております中にやはり事業所の統廃合というのがございますが、これは事業量の見通し、能率性等を総合的に勘案いたしまして統廃合を図るということにいたしておりまして、昭和五十三年度には三十六事業所、五十四年度には六十二事業所の統廃合を実施いたしております。  それから、次が要員規模の縮減でございますが、先ほど先生からお話ございましたように、最盛期には相当な要員を抱えておったわけでございますが、現在、伐採量を中心といたしまして事業量が相当縮減してございます。そういう関係から要員の規模の縮減を行っておるわけでございますが、経営改善にとって最も重要な課題と考えておりまして、昭和五十二年度末までに締結を見ました高齢職員の勧奨退職協約に基づきまして退職の促進を図るとともに、新規採用の抑制に努めておるわけでございます。この結果、定員内・外職員合わせまして昭和五十三年度には約三千人、昭和五十四年度には約二千人、この二カ年間で約五千人に及ぶ要員の縮減を図っておるわけでございます。したがいまして、現在約六万人の要員規模ということになっておるわけでございます。  そのほか、素材生産事業につきまして従来請負実行のなかった三営林局並びに支局について新たに請負の導入を実施いたしたほか、請負の活用に努めまして、現在素材生産事業については約二割強、造林事業については約六割強の請負実行を行っておるわけでございます。  また、直用事業の能率化につきましても、作業仕組みの改善等によりましてその向上を図っておりまして、たとえば素材生産事業の労働生産性は昭和五十一年度を底といたしまして以降、向上に転じまして、五十一年度対比で五十三年度は七%、五十四年度は一四%の向上と、逐年改善を見ておるわけでございます。  主要事項は以上のとおりでございます。
  208. 矢田部理

    ○矢田部理君 そこで、農水大臣に伺いたいと思うんですが、いま中曽根長官も理解を示されましたように、林野事業の特殊性あるいは重要性等についてお話をいたしました。同時にまた、にもかかわらず外材等に押される等の関係もあって非常に経営に苦しんでいる。そこで、率直に言って現場的に見るならば、きわめて厳しい合理化計画という名の改善計画——合理化計画、実態はそうでありますが、改善計画が現に進行中なのであります。  したがって、この統廃合が問題になったときに、たとえば衆議院の農林水産委員会等でもしばしばこのことは問題になってまいりました。武藤農林大臣の時代でありますが、たとえば五十三年の五月ですか、その前になりましょうか、北海道の特別な事情から五局あったのを四局廃止して一局にした。しかし、これは北海道の特殊事情に基づくもので、内地に及ぼすつもりはないというような政府答弁がこの時期になされています。そして、ことしの三月十九日の衆議院の農林水産委員会では、武藤農林大臣がかなり強い姿勢でこの問題に言及をしているわけであります。で、局を一つでも廃止することは改善計画に支障を来す、逆に行政改革をやろうというのが行政改革をしにくくする、どんなことがあっても避けなければならないと考えているというような答弁までしているのでありますけれども、数ある農水省のブロック機関のうち、こういう特別な事情、重大な役割り、しかも現に厳しい状況で改善計画が進んでいるのに、なぜ農水省として林野庁を選ばれたのか、この点の事情を説明いただきたいと思います。
  209. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) いま沿革、経緯につきましては長官からお話があったわけでございます。農林水産省といたしましては、やはり行政改革の果たすべき使命の重大なることに思いをいたしまして、実は御指摘のありましたように、十年計画を立てて現に厳しく実行中にもう一度局統合といったようなことの話が出たわけであります。当時、私も党におりまして、とにかく三年前にやったばかりであるから、この辺はもう林野庁関係はいいじゃないかという議論を私どもしたわけでございます。しかるところ、財政再建というどうしても私どもとしては越えなければならない関所を越えるためには何といっても行政改革、本当にもう厳しい厳しいところではあるけれども、そういうところをやるという決意を見せてこそ初めて行政改革というものに対する国民の信頼を得るんじゃないかと、そういうような気持ちも恐らくあったんだろうと、こう思うわけでございます。  私自身もそういう気持ちを持ちまして、そうして党がいろいろ言いまして、党と政府で妥協をいたしまして、林野庁の特殊事情はそれじゃ認めようということで五年間検討をしようと、こういう一つの妥結点を見出して提案をされたわけであります。  今度の国会に提案をするに当たりまして、私といたしましては、行政改革というものを鈴木内閣として最重要政策として進める以上は、やっぱり厳しいと思われるところに改革の実績を上げていくという意思も大事であるということで、しかしすぐにはだめですよと、五年間の余裕を置いてくださいと、こういうことで本法案賛成をいたしたところでございます。
  210. 矢田部理

    ○矢田部理君 農水大臣としては苦しいところなんでありましょうが、やはり行政には大臣がかわっても一貫性を持たせないといかぬと思うんですね。つい三月に前任の武藤農林水産大臣が、五十三年に始めた改善計画に狂いが生じると、逆に行政改革をしにくくするというようなことまで委員会で言っておられるわけですね。それを今度はそうでないのだという説明をしてもなかなか説得性を持ちにくいというふうに私は考えるのが一つと、それからもう一つは、この改善計画は大変な合理化計画です。厳しい合理化案だというふうに私は思いますが、同時にまた、これは行政改革としての内容を大きく含んでいるのでありまして、行政改革そのものと言ってもいいんです。機構減らし、人減らし、急ピッチでいま行っているわけなんです。だから、行政改革が全然手をついていないところに改めて国家的要請行政改革をおろすんだという趣旨とは実は全く違う内容なんですね。現に進んでいるわけなんであります。その辺をやっぱり農林水産大臣としてどう考えておられるのか、もう一遍伺っておきたいと思います。
  211. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) もうその点は先ほど申し上げましたとおり、私も十分承知の上であの十カ年計画が今後の国有林の、いろいろといままで批判を受けてきた面を改革をし、改善をし、そうしてりっぱな国有林経営というものをやっていくための大きな計画であるということでありますがゆえに、北海道における営林局を統合をした、さらには事業所の廃止等についても思い切った措置に労使とも一応の協力のもとに計画が着々と実績を上げておるわけでありますから、こういう中でもうすぐにそれじゃ今度のこの法案各省一局削減というようなことはできませんよと、五年間待ってくださいと、その間にいま検討いたしますよと、こういうことで賛成をいたしたと。お気持ちは、矢田部委員御指摘のとおり、私どもは先ほど長官が御指摘になりましたように、林野事業というものは大変重要な政策であるからと、こういう御指摘があったわけでございますから、五年間、よくその間においてこの立法の趣旨に沿えるかあるいは沿えないか、そういう点も十二分に検討をさせていただきたい、こういうことでございます。
  212. 矢田部理

    ○矢田部理君 五年間待ってくれるからというのは、これはほかの機関もそうなんでありまして、農水省だけに限ったわけではないのでありまして、必ずしも理由にならないと思うのでありますが、時間の関係もありますので先に進みます。  やや各論的な問題になりますけれども、改善特別措置法は十年間という期間をひとまず区切って改善計画を立て、実施に実は移しているわけであります。したがって、五十三年度からスタートをいたしましたから、六十二年までこの計画基づく具体的な作業が現に進められつつあるわけであります。ところが今度の法律では、大臣もおっしゃいましたように、六十年の年度末までにめどづけをしなさい、方向づけをしなさいと、こういう期限に実はなっているわけであります。  先ほど申しましたように、非常に長期の計画、将来をにらんだ事業として改善計画を法定の期間——法律で定めた期間として十年としてセットしたのが、まだ二年か三年しかたたないうちにもう一つ、五十九年度末までにもう一つ仕掛けろと、これは少しくおかしいのではないかというふうに感じを強くしているわけであります。法律的な立場から見まするならば、短期間に法を変更するというのは特別な事情の変化、どうしても変更を余儀なくせざるを得ないような合理的な理由あるいは客観的な重大な環境の変化などがなければならないはずでありますが、改善事業計画そのものは、順調に進むのがいいのかどうかはまた一つ問題は残るとしましても、先ほど林野庁長官がおっしゃられたように、ある意味では着々と進捗をしているように見えるわけです。  しかもこの法律では、特に附則なのでありますが、この十年間の改善期間の中で計画の実施状況や収支の状況について検討を加え、その結果に基づいてさらに必要な措置をとるとなっているわけです。もともと改善特別措置法は。そういう総括をしかつ検討を加えて結果を出さない、したがってまた、結果に基づかないで六十二年までの改善計画を、五十九年の年度末を目途に法律的に変更するような措置をとるということは、法的安定性の点から見ても、現に改善計画を十年計画推進している立場から見ましても、これはいかがなものだろうかというふうに率直に実は感ずるわけであります。その辺、行管庁としてはどう思っておられるでしょう。
  213. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 国有林野事業の改善特別措置法、これは附則の第二項でございますけれども、ここでその改善計画の実施状況等について検討を加えて、その結果に基づきまして国有林野事業の改善を図るために必要な措置を講ずる旨を定めております。この現行の改善計画の内容から見まして、当然そこには組織、機構の問題はこの規定が予想しているところであろうというふうに思われるわけでございます。したがいまして組織、機構の問題、特にその経営改善推進の中核的な役割りを果たすべきこの営林局の取り扱いにつきましては、改善計画の全体の幅の広い検討の過程で決めていくべきものというふうに理解されるわけでございます。  一方、今回お願いしておりますブロック機関整理法案につきましては、「改善計画につき必要な検討を加え、その結果に基づいて営林局を統合するために必要な措置を講ずるもの」というふうにされているわけでございますが、この検討の対象範囲は、法文の文言やいままでの経緯等からかんがみまして、基本的にはこの特別措置法の附則第二項のそれと同様にやはり幅の広いものであると、検討が必要であるものというふうに考えられるわけでございます。  このブロック機関整理法においては、この検討の結果に基づく措置の内容を営林局の統合のために必要な措置に限定しております。それと二つ目には、当該措置を講ずる期限を、やはりこのブロック機関整理法のよって立っております五十五年行政改革の最終年度である五十九年度末までとしていることから、そのときまでに特別措置法の方での経過を見ながらこちらの整理法の方では措置をするということに定めたわけでございまして、この整理法は特別措置法の特別な規則、特則的な規定を定めたものというふうに考えているわけでございます。  でございますので、改善計画全体は御指摘のように十カ年計画でございますけれども、それと五十五年行政改革計画である六十年三月三十一日、五十九年度末というものとの兼ね合いでございますけれども、いま述べましたような点から、六十年三月三十一日までに措置するのが適当であろうということでこの法案の御審議をお願いしている次第でございます。     —————————————
  214. 林ゆう

    委員長林ゆう君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、片岡勝治君が委員を辞任され、その補欠として目黒朝次郎君が選任されました。     —————————————
  215. 矢田部理

    ○矢田部理君 その程度なら説明を聞かなくてもわかるんですが、改善計画を行い、事業の実施状況や収支のバランスについて検討を加え、その結果に基づいて何をやるかは、やっぱり林野庁自身があるいは林政審等の意見を聞いて適切に進めるべきだというのが改善計画なんです。それを統合ということで、改善結果が出ないうちに、検討結果が出ないうちに一つの枠はめをする、時間的にも六十二年が最終期限なのに五十九年に短縮をする。そこに法の整合性や全体としての法の安定性から見て問題があると言っているわけであります。しかも、その短縮をする重大な環境の変化とか、どうしても特別規定を置かなきゃならぬほどの根拠に欠くというのが私の指摘なんであります。  その点で、今後この法の運用に当たっては十二分に、先ほどから議論をしております林野事業の特殊性や重大性あるいは長期的な視点、改善計画の進行状況等もにらみ合わせながら、この運用をやっていっていただきたいということを特に注文しておきたいと思いますが、行管庁いかがでしょうか。
  216. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 御趣旨をよく体しまして慎重に処理してまいりたいと思います。
  217. 矢田部理

    ○矢田部理君 趣旨を体してということでありますので、もう少しその趣旨の内容について一、二点触れたいと思いますが、なるほど林野事業に関する部分については、この一連の法案の中では特別な文言になっています。他のブロック機関等については、「六十年三月三十一日までに廃止するものとする。」というふうになっておる上に、その機関の個所づけまでしているわけでありますが、個所づけがない。加えて、廃止するものとするという文言でもないということから、特別の扱いをしたものというふうに理解されるわけでありますが、先ほど同僚委員から出ておりましたように、「廃止するものとする。」という規定の場合にも、直ちに廃止をするのではなくて、廃止のためには特別の立法を含む措置をしなければならないというふうになっているわけでありますが、この五条で農林水産省の設置法の規定は、「営林局を統合するために必要な措置を講ずるものとする。」ということでありますから、必要な措置を講ずるというのとまた違った意味で、先ほどの「廃止するものとする。」と同じように理解をしていいのでしょうか。
  218. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) この条文は、「営林局を統合するために必要な措置を講ずるものとする。」ということでございまして、営林局をたとえば統合することになれば、どこを統合するかというようなことは、当然法律の措置が必要であるというふうに考えます。
  219. 矢田部理

    ○矢田部理君 同時にまた「統合するために必要な措置を講ずるものとする。」というふうにあるわけでありますから、別途立法措置が必要だということはもちろんのこと、この「必要な措置」という場合には、直ちに廃止するということだけではなくて、統合の目的、「するために」とありますから、これは目的は一つ決まるわけでありますが、そのための基盤整備をするとか、十年間の改善計画の実施状況を六十二年度まで見てその上で検討をするというようなことも含めて「必要な措置」というふうに文言上は読めるわけでありますが、そう理解してよろしゅうございますか。
  220. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 当該の条項において「必要な措置を講ずるものとする。」というふうに表現されておりますのは、現在進められております経営改善計画の進捗状況を踏まえて改善計画の見直しを行いまして、その結果に基づいて統廃合の対象となる営林局を具体的に決めようという方針を現段階で明らかにしたものでございます。したがいまして、統廃合を具体的に行うに当たっては、別途法律改正等の措置を講ずる必要があるというふうに考えられるわけでございます。営林局についての必要な措置は今後検討されるべきものでございますので、現段階においては「講ずる」という表現を避けて一般的な方針を示しまして、行政機関等にある種の拘束を与える場合に、通常用いられております「ものとする」という表現を用いたものでございます。
  221. 矢田部理

    ○矢田部理君 あなたの解釈だけではなしに、私の解釈も文言上許容範囲ではないかということを伺っているわけなんでありまして、それに正確に答えていただきたいと思うんであります。言い方を少し変えてみますと、要するに改善計画につき、まず必要な検討を加えなきゃならぬ。その検討を加えた結果に基づいてということになるわけでありますから、検討を加えた結果、六十年三月三十一日までに、いま直ちに廃止することは全体の改善計画の流れからいって必ずしもよろしくないということになった場合には、統合をするという目的の看板をおろすわけにはいかぬけれど、何もその時点で廃止の立法措置をとらなければならぬという性質のものではないということも含めて解釈できるわけでありますが、そういうこととして理解をしてよろしいかと、こう言っているんです。
  222. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) この当該条項は、現在営林局についての方針を明示したわけでございまして、この条項について、ここに書かれてあります「その結果に基づいて営林局を統合するために必要な措置を講ずるものとする。」ということでございまして、これは現段階の方針を明らかにしたというわけでございます。
  223. 矢田部理

    ○矢田部理君 どうも時間がもうなくなったんで申しわけない、あとちょっぴりだけあれしますが。  いや、そういうことを聞いているんじゃないですよ。それはこの前も伺ったからわかっているんですが、つまり六十年の三月三十一日までに改善計画につき必要な検討を加えるわけでしょう。加えた結果、十年間続く改善計画の進捗状況等もその検討の対象にはなるわけでありますから、そういうことも含めて検討した結果、すぐに営林局を廃止するという措置をとることもある。しかし、改善計画はさらに六十三年まであるわけでありますから、その全体的な終末の状況を見た上で改めて検討するという措置をとらざるを得ない場合もある。あるいはそのときまで条件整備をしてはどうかというような議論もあり得るわけであります、検討の結果がですよ。そういう結果が出た場合には、その結果に基づいて、言うならばここで言う「必要な措置」もとればいいと、こういうふうにも読めるわけでありますが、いまの私のような理解でよろしいですねと、こう言っている。よろしいと答弁すればそれで質問は終わるわけです。
  224. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) いまの点につきまして現段階で私から申し上げられることは、この条項は改善計画の見直し等を含めまして、その結果に基づいてその統廃合の対象となる営林局を具体的に決定しようという方針をここに明らかにしたものでございまして、したがって、その時点において具体的な別途法律改正等の措置を講ずることとされているということ以外に私から申し上げることはございません。
  225. 矢田部理

    ○矢田部理君 そういう言い方だと大分違いますよ。そんなことはここに書いてありませんよ。五十九年度末までにどの営林局を統合するか決めるんだというようなことは何一つこの条文には出ておりませんでしょう。統合という看板、目標はありますよ。そのために必要な措置をとれということなんだから、どの営林局をこの時点で統合しますということを決める条項だというふうには断じて読めませんから、そこは訂正してください。
  226. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 国有林野事業の改善の進捗状況を考慮して、その結果に基づいて営林局を統合するために必要な措置を講ずるわけでございまして、統合するということは、常識的にはどことどこを統廃合するとかいうような話になるわけでございまして、その点を私先ほど申し上げたわけでございます。
  227. 矢田部理

    ○矢田部理君 別に、この文言そのものを私は読んで言っているわけですから、言うならば統合という目的はここで一つ定まるわけでありますが、統合の内容については、言うならば検討を加え、結果に基づいて決めるわけですから、それが直ちにどことどこを統合した方がいいかという結論が出る場合もあるし、直ちには出ない場合もある。場合によっては改善計画の最終段階に来るわけでありますから、その改善計画をいま少し見守った方がいいということも結論として検討結果の中で出る可能性もある。いろんな可能性を秘めているんだから、ここでは、秘めているがゆえに余りしぼらない「必要な措置」と、こう言っているんではないでしょうかと。つまり、ある一本調子の解釈でない、ある程度幅を持たせた文言になっている。単純化して言えば、抽象化して言えばそういうことになると思いますが、そう受けとめてよろしゅうございますね。
  228. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 原則論、一般論としてはいろいろとその間に検討をするわけでございますが、ここに言われていることは統合するために必要な措置でございますので、現段階ではやはり営林局を統合するために必要な措置がどうあろうかということについていろいろと必要な検討を加えるというふうに理解しております。
  229. 矢田部理

    ○矢田部理君 現段階でというのを大変強調するから……。  そうすると、その段階でまた違った条件が出てくれば別だというのは、先ほど、あるいは前回の財務局の配置などについて、特別な事情の変化とか問題点等があれば廃止するものとするという規定もまた別な解釈が可能だという言い方もしておりますので、そういうものとして受けとめておきたいと思います。  もう一つ、いろんな議論がありますし、この解釈についても私は率直に言って幅があるというふうに考えるわけでありますが、それはそれといたしまして、この改善事業が十年計画で進行中である。そこへもう一つ、こういう必ずしもぴりっとした条項ではありませんが、一つ方向づけを内容とする法文がかかるわけでありますから、両方の関係を一般法と特別法だとか、先法よりも後法が優先するとかいう形式的な論理をこねるのではなくて、その整合性や実態、条件等を十分考慮して混乱のないような、あるいは整合性を十分に図れるような取り扱いをしてほしいということを行管庁にも特に要望しておきたいと思いますし、それから農林水産大臣や林野庁にもお願いをしておきたいと思うんでありますが、いかがでしょうか。それが一点。  もう一点は、この統廃合の問題が仮に進行するということになりますれば、非常に労働条件とか職員の処遇とかいうことにも強い響きが出てくるわけでありますので、その点でも他省庁と同じように本人の意向はもとより、労働組合等の考え方も十分に徴しながら、話し合いを十分に進めながら円滑にこの問題が処理されるよう期待をしておきたいと思います。  以上、二点について答弁を求めて、私の質問を終わりたいと思います。
  230. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) この法文の解釈につきましては、法制局等ともよく相談をしまして正しい解釈が行われるようにいたしたいと思います。  それから、職員の処遇等につきましては、いままで申し上げましたように、無理のない穏当な政策が行われるようにいたしたいと思います。
  231. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 国有林の整備は労使の信頼関係からスタートすると言っても私は過言ではないとさえ思っておるくらいでございます。したがいまして、そういう意味において混乱の起きないように、十二分に十カ年計画の執行に当たってまいりたいと考えております。
  232. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 私、いままで運輸委員会で国鉄の問題をやっておりましたので、前段の話を聞いておりませんから、ダブるところがあればおわびしますが、いまの矢田部理事の引き継ぎをやります。  農水大臣と行管長官にお伺いしますが、五十二年の十二月二十三日の閣議決定で、農水省関係でどういう閣議決定をしておるか教えてもらいたい、こう思うんです。行管と農水、両方。
  233. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 農水省関係におきまして、五十二年十二月二十三日の閣議決定でございますね。
  234. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 はい。
  235. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 農水省関係におきましては、  1 地方農政局等の統計情報事務所の出張所に   ついて、五年間以内に一割を目途として整理   統合を行う。  2 食糧事務所の出張所を三年間以内に全廃す   るとともに、支所についても、一割を目途と   して極力整理統合を行う。  3 旭川営林局、北見営林局、帯広営林局及び   函館営林局を昭和五十二年度に廃止する。  4 営林署について、一割を目途として整理統   合を行う。  これが五十二年十二月二十三日の閣議決定の中の農水省関係の事項でございます。
  236. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 函館行政監察局、旭川行政監察局及び釧路行政監察局昭和五十三年度に廃止する。  以上でございます。
  237. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうしますと、いま両大臣が確認したことは、農水省関係の行政改革行政整理と、そういう角度から閣議決定されたものだということを、私は社会党の林業対策特別委員会の副委員長として、前の中川農林大臣それから渡辺農水大臣からじかに、やっぱり行革の一環としてこの点がなされておるので、ひとつ実施方については御理解と協力をいただきたいという御提案を受けて私が取り組んできた経過があるわけでありますが、いま問題になっておる行革の一環としてこの問題が閣議決定され、いろんな経緯を経て一定の決着になったと。そういう意味では、現在の行革の先取りと言えば語弊がありますが、そういう点でこの閣議決定がなされておるし、それに基づいていろんな諸法律の整備なりあるいは国会審議が行われたと、こういう点で林野庁関係は行革についてはもう整理済みというふうに私は思うわけでありますが、この認識が間違っておりますかどうか、両大臣から行革という立場から見解を述べてもらいたいと、こう思うんです。
  238. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 営林署については、まだ実はぎちんとした行革のルールができておらないわけでございます。いま先生の言われた考え方もあるわけでありますけれども、やはり行政整理とか改革とかいうものはもうその都度その都度やはり厳しく整理をし、改革をしていかなければならないと、これが政治的筋道ではなかろうかと思います。しかし、あの当時中川大臣のときに、御指摘のように閣議決定した事項が立法されたという御趣旨は私どもも十分理解できておるところでございます。
  239. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 行政改革は井戸水をくみ上げるようなもので、くみ上げて、またたまったらまたくみ上げなきゃならぬ。やはり、歴代内閣が営々として持続的に努力して初めて成果を上げ得るもので、これでおしまいだというように永遠に打ち切りを宣言できるようなものではないと思います。  行政機構というものは、鈴木総理も言われましたように、枝葉繁茂して根幹蟠錯せる一大木のごとしと。そういうようなことを原敬も言ったとかと指摘されておりましたが、やはり生き物でありますからどんどん成長もしてくるし、いろいろ変化に応じて肥大をしてくるというので、努力していかなきゃならぬのだと思います。それが国民の期待しておるところでもあると思います。  それで、行管庁は北海道のいまのような処理を前にやりましたけれども、今度は四国につきましても、やはり行政監察局を一局廃止する、そういうことも涙をのんでやっておるわけであります。
  240. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そういう説教などあなたに聞こうと思って私は質問しておるわけじゃないんですよ。行管として、五十二年の十二月二十三日の閣議決定行革の一環として行われたということを大臣として確認してもらえばいいんですよ。それは確認できますな。
  241. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) それはそのとおりであると思います。
  242. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうしますと、この五十二年十二月二十三日の閣議決定がいろんな国会審議とか、地方のいろんな折衝を重ねて、結局これは——私は目が悪いから御免こうむりますが、昭和五十三年七月七日法律第八十八号。先ほど矢田部同僚が言っておった国有林野事業改善特別措置法ということに実が結んで、一定の仕上げをしたわけですね。ただ、農水大臣が言うとおり、営林署の統廃合については、一割という目標については、本州という言葉を使っては悪うございますが、まあ青森からこっちの方は一定の始末をしたけれども、北海道——津軽海峡から向こうの方と、あと本州関係の第二次の方は、一割という点から逆算すればまだ二十一残っていると。これはまだ残っておりますが、現在問題になっておる営林局の統廃合と、こういう角度から見ればこの五十三年の段階で一件落着と。そして、十年間の年次計画でありますから、毎年毎年林野庁が事業計画を出して農水大臣が認定をして、その進行をしながら次の段階考えると、そういう流れになっているわけですね、法律そのものは。  そうすると、五十三ですから、五十四、五十五。まだ二年もたたないのに、閣議決定で営林局の廃止という問題について、北海道は全部営林局の廃止はできなかったけれども、いろんな折衝で営林局の支局ということで四つ決着をつけたわけですね。まだ二年もたたないのに営林局の統廃合ということは一体どういうことなんですか。それは、中曽根長官の意気込んだ、水をくみ上げる、そんなことは子供じゃありませんからわかりますよ、そんなこと。やってから二年もたたないのにまたこの法律で統廃合をやるというのは、余りにも無計画といいますか、見ようによってはもうこの際押せ押せと、ダブル選挙に勝ったからこの際押せというふうに、おごり高ぶった姿勢で営林局の統廃合にまた拍車をかけてきたと、こう言われても私は過言でないと思う。  他の官庁は大分ありましょう。それは私は何も言いません。営林局に関する限りは、まだ二年、たっていないんだな——二年たったのか、やっと。それではちょいと余りにもせつな的ではありませんか。もう少し特別措置法の精神にのっとって、少なくとも十年間でやるから、中間の五年あたりではやっぱり中間点検をしながら、見直しをしながらさらに考えていこうというのが特別措置法の精神ではなかったんですか。農水大臣林野庁長官、前の答弁と今回の答弁違うなんて許しませんから。  その特別措置法で、国会で答弁したりわれわれが農水大臣交渉、長官交渉をやった際に答えたことを、前の中川あるいは渡辺農水大臣から引き継ぎがあると思いますから、それを素直にひとつここで御答弁願いたい。どういうことで二年もたたないのにやるのか。やはり中間であります——五十三、五十四、五十五、五十六、五十七、五十八、いみじくもあなたが五十七、八年と言ったのは、そのことが頭にあるから、やっぱりうそは言えないですね。いみじくも五十七年か五十八年に統廃合の時期を考えなきゃならぬというのは、ちゃんと裏書きで、それは間違っているということを私は——あんたの発言はどうか知りませんよ。五十七年か五十八年に中間的な見直しをするというふうになっているんですよ。だから、中間的な見直しが出る前に、こんな営林局の統廃合なんということはナンセンスだと。したがって、法的にこれは無効だと。そう私は前回の関係から考えるんでございますが、先ほどの矢田部先生の問題と角度を変えて、こんなでたらめな法律はない。したがって、営林局の統廃合に関する限りは、前回の法律の経過からいって撤回すべきだ、こう私は思うんでありますが、どうですか、大臣
  243. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 先ほども申し上げたとおりでございますが、一方には十カ年計画があって、五十二年の十二月二十三日の閣議決定で、もう林野庁の問題については行革済みじゃないか。だからこの法律に、まだ二年もたたないうちにもう一度林野庁関係を持ってくるということはもう納得いかぬ、こういう御指摘だろうと思います。  先ほど申し上げましたように、しかし私ども鈴木内閣といたしましては、行政改革というものはもう至上命令であって、国民の前に公約した最大の政治課題である。したがって、本当にやったのかやらぬのかというのは、一番痛いところをみずからえぐり出して、そうして国民の前に、このように行政改革に取り組んでおりますよという姿勢を示すことも一つの大きなやっぱり方向ではないか、こういうことも私は政治家としてわかるわけであります。  しかし一面、現在国有林野の経営をよくしようということで、労使ともに一体となって、十年計画基づいて計画どおりにきちんきちんと実施をいたしておるという現実も踏まえまして、この法案が内閣でいろいろ論議されましたときには、やっぱり私としては、五年間の検討をさしていただいて、そうして、行革に対する姿勢を示すと同時に、十カ年計画という行政上の立法に基づく措置というものも果たさなければならない、こういう調整をとるところに私は政治家としての使命があるのではないか、こう考えまして、この法案農林水産大臣としては賛成をいたした、こういうことでございます。
  244. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 林野庁長官、答弁をもらいたいのですが、大臣が忙しいようですから、あなたでなければ答弁できない。  国有林野事業改善特別措置法第二条の三項「農林水産大臣は、改善計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、関係行政機関の長に協議するとともに、林政審議会意見を聴かなければならない。」四項、林政審議会は、林業基本法に基づいて云々、この事項を調査研究して大臣意見を述べることができる。こういう条項になっているんですが、この林野庁の事業計画については、時間がありませんから後ほど長官に聞きます。  それで、あなたに直接お願いしたいのは、この法案は百歩譲って、百歩譲ってですよ、この事業計画には先ほど言った営林局の廃止、支局の問題あるいは営林署の廃止の問題がちゃんとあります。この問題は事業計画の変更ですからね、いいですか、事業計画の変更であると私は認めます。これは三月十九日、衆議院、前のわれわれの社会党の芳賀林対特別委員長が当時の農林水産委員会大臣に究明した際も、これは事業の変更だということを認めております。事業の変更であるならば、法に従って林政審議会に諮問して、林政審議会が調査研究して農水大臣にその調査研究の結果を答申をして、それを受けてあなたが判断をすると、そういう法律的な手続行為があるわけであります。  したがって、私は簡単に具体的に聞きます。何月何日林政審議会に諮問して、何月何日どういう答申があって、その答申の原本をここで見せてもらいたい、答申の原本を。したがって、その答申の原本があれば私はそれなりにまた議論しますが、その諮問と答申と、時間的な経過も含めてどうなっているか。これは直接大臣の任務でありますから、大臣から直接この二条三項、四項に関する手続行為についてあったのかなかったのか、あればどういうことになっているのかお答え願いたい、こう思うんです。
  245. 亀岡高夫

    国務大臣(亀岡高夫君) 本法律案は、営林局を統合するために必要な措置を講ずることに関連して、昭和六十年三月三十一日までに改善計画について必要な見直し、検討を行うべきことを規定をいたしておるものと理解しておるわけであります。一方、本法案作成の段階も含め、現段階は緒についたばかりの現行改善計画に従って経営改善推進に専念することがきわめて重要であると考えているところでありますから、昭和六十年三月三十一日までに行う検討の結果、改善計画の変更がどうしてもしなけりゃならぬという際には当然林政審議会意見を聞かなければならないと、こういうふうに理解をいたしておるところでございます。
  246. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 いや、林野庁長官、あなたは専門家のくせにうそを教えなさんな。林野庁が決定したこの五十三年九月二十二日、これはわれわれに示した最後の案、これが現在「国有林野事業の改善に関する計画」、こうありまして、この計画の、ずうっときて第3の「国有林野事業の運営の能率化に関する事項」のずっと後にきて、3の(1)、ここで「営林局・営林署の統廃合と内部組織の簡素化」と、こうありまして、ここにちゃんと函館と旭川と帯広と北見営林支局にすると、こう書いてあるんですよ、これ、ちゃんと、ここに。いま提案されているのはこれの変更でしょう、違いますか。変更じゃないというの。それじゃあなた大臣にかわって、変更じゃないんですか、変更ですか。それを一問一答だ、もう。変更でしょう、あなた。
  247. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) 先ほどからこの法案について御議論がありますように、六十年三月三十一日までに改善計画を見直すということでありますから、もし変更するということになりますと、その時点で変更するということになりますから、先ほど大臣がお答えいたしましたように、当然その時点では林政審議会意見を聞かなければならないというふうに考えているわけでございます。
  248. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 だから、今回の法案はこの条文の変更ですか、変更でありませんかと、まるで小学校の質問しているんですよ。簡単に言ってくださいよ。
  249. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) 変更ではありません。
  250. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 ではこの条文は、これミスプリントですか、この営林局の統廃合と営林署の統廃合と、この条文は。ここに、いまこの条文に出ておるやつをだれがどういう権限で挿入できるの、だれができるんですか。
  251. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) 先ほど来ありますように、見直しの結果、当然その措置を講ずるわけでございますから、その際には、いま先生が御指摘の改善計画の変更をまずしなければならない。そういたしますと、その際に林政審議会意見を当然聞かなければならぬことになるわけでございます。その林政審議会意見を聞いて原案が——仮に原案がよろしいということになりますれば立法措置にかかるという、そういう段取りになると私どもは理解しておるわけでございます。
  252. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 現在ある営林局の数を一つ減らすという提案でしょう、どことかということは別の問題として。営林局を一つ統廃合するという提案なんでしょう、こっちの提案はね、そうでしょう。営林局を一つ統廃合しますということなんでしょう、今度の提案は。違うんですか。
  253. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 「営林局を統合するために必要な措置を講ずるものとする。」ということでございまして、一つとか二つとかいうことはここでは表現されておりません。
  254. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 だから、営林局の統廃合——じゃあなたの言うとおりにしましょう。営林局の統廃合だね。営林局の統廃合ということは、この改善計画における現状の、これは固有名詞まで言ってあるんですからね。固有名詞まで言っているこの基本計画の変更につながりませんかと、私はつながるものと、こう思うんですがね。みんな傍聴いっぱいいるのでね。固有名詞やらないで抽象論ならいいですよ、抽象論なら。営林局を、一つか二つは別にして、統廃合するということは、この計画自体をやっぱりおたくが見直した結果、林野庁の組織、運営についてやはり検討する必要があるなという結論に達したから、見直しをした結果そういう結論に達したから行管として提案しているんでしょう、これ。違うんですか。私の頭が悪いのですかな、おたくの頭が悪いのですかな。そうすると、この計画書というのは何ですか。あれだけ芳賀委員長当時、かんかんがくがくあんたたちと中川大臣、渡辺大臣含めて林野庁長官、林政部長——ずいぶん私も全国歩きましたよ、この問題で、北海道へ行きました。あんたたちどれだけ山歩いているか知らぬけれども、私は少なくとも北海道から沖繩まで全国三回ぐらい歩いている、営林署。全部、あれほど話して出た結論がこの計画じゃないですか。この計画の一部変更につながらないというその理由を教えてもらいたいですな。
  255. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) おっしゃるとおり現行の改善計画には、営林局につきましては北海道の五局に統合する計画しか載っていないわけでございますから、仮にさらに営林局を統廃合するということになりますれば当然改善計画の変更になるわけでございます。しかしながら、この法案が仮に成立いたしたといたしましても、現行の改善計画はそのまま生きておるわけでございまして、この改善計画を見直すという段階で初めて変更ということが起こり得るわけでございます。したがいまして、先ほど言いましたように、これは変更に直ちにつながるものではないということを申し上げておるわけでございます。
  256. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 では百歩譲りて、あんたたちはもうあと三十分も粘ればこの法案終わりだから、目黒何言ってもしようがないなんて時間切れ答弁やっているのだろう、これね。  では聞きましょう。「このため、営林局については、「農林省設置法の一部を改正する法律」により、北海道は、北海道営林局並びに旭川、北見、帯広及び函館の四営林支局で構成することとする。また、営林署については、」云々と、こうあるのですね、この文は。そうすると、百歩譲って、さっきの行管の管理局長の答弁もあわせて、行管の中曽根長官の言うことも善意に解釈して、最終的にどこどこの営林局を廃止統合する必要があるなということをあなたたちの、行政段階でまとまったと仮定した際に、そのまとまった際には、この法律に従って林政審議会に諮問をして、林政審議会で十分に議論をしてもらって、林政審議会の答申を待って、必要があれば改めてこの計画の一部変更と同時に農水省設置法を変更する、そういう手続であると、百歩譲って。であるから、まだ流動的であるから、見直しの結果がそこの結論にいかないかいくかについては、この法律のとおり必要に応じて云々という表現をしている意味なんですと。百歩譲ってこういうことですか、手続論として。これ、私の言ったこと確認していいですか、長官
  257. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) 前段の百歩譲ってと、こういうお話でございますが、手続的にはまさにそのとおりでございまして、先ほど私が御答弁申し上げたとおりでございます。
  258. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 しかし、私、法律をつくる際に山のものやら海のものやらわからない期待可能性の法律をぱかんと大砲上げておって、やってみてから本法の変更にいきますなんということは、こういうことは、私は小学校しか出ていないから法理論のむずかしい法学博士のことは知らないけれども、常識論としてそんなこと私は……。それならわざわざこの法案に出さなくて、あなた方が行政のサイドでしょう、農水省、林野庁行政のサイドでこの計画書に従がってずっと点検をしてみて、そして私が言った昭和五十七年か五十八年か、中間的な見直し点検をする際に必要があれば改めて林政審議会に諮問してもいいじゃありませんか。あなたの言うとおりであるならば、このブロック関係で農水省関係営林局の問題をわざわざここに出して大騒ぎをするほどの法的価値がないんじゃありませんか。あなた、林野庁の当然の仕事、ちゃんとネタがあるんだもん。  私はきょう時間がないから、全部聞こうと思ったけれどもこれだけしかできないんだ、もう時間がないから。全部この法律に従ってやるんだったら当然仕事ができる、当然やらなきやならぬと、そういう可能性を十分に持っているこの改善事業措置法であり、それに基づいてこれは七月ですね、そして九月につくったちゃんとりっぱな計画書があるんではありませんか。そして、中間においてやっぱり林野庁は実施状況、改善状況について点検をすると。もっと一言言えば、三年か五年で中間点検をした際にはわが党の林業対策特別委員会にその経過を報告するとまで言明したじゃありませんか。そうすれば、この基本構想、この計画で十分林野行政がやれるんじゃありませんか。それを行政管理庁行革の一環としてやったんだと言ったら、行革の一環としておお林野庁よくやったとむしろほめこそすれ、こんな追い打ちをかけるような法律をつくって大騒ぎする必要ないじゃありませんか。法的根拠がないならいいですよ、実行できる、執行できる法的根拠を持っているでしょう、林野庁と農水大臣は。ですから、三月十九日、当時の農水大臣が、営林局統廃合は改善計画基づく国有林経営の改善及び行政改革に逆行するものであると、ちゃんと衆議院の農林水産委員会大臣が逆行するんだと答弁しているじゃありませんか。ここまでくれば何の法的価値があるんですかね。  したがって、私はこれは大臣がいなくなっちゃったから中曽根長官、あなたは自民党の実力者であって、しかもさっき私にお説教ありがとうございました。ありがとうございましたが、これだけはっきり客観的にも主体的にも条件がそろえば、管理庁の管理局長がうちの矢田部理事に追及されてのらりくらり官僚答弁しなくても済むんですよ。林野庁と農水省に任しておけばいいんじゃないですか、この計画を忠実にやってくださいよと。それはあなた方の行政指導で結構じゃありませんか。法律がないなら法律つくって結構ですよ。ちゃんと法律があるんですから、基本計画が守れるんですから、可能なんですから、やろうと思えば。これはどうですか、長官、最終的に。
  259. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 五十五年行革一つの区切りといたしまして五十九年度末という、いわゆる五年のスパンを考えたわけでございます。事業改善計画の方は十年のスパンになっております。この差があると思うんであります。
  260. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 とにかく私は、そんな関係で大臣というのはその場その場でうそをついちゃいけませんよ。予算委員会でなければできないんですかね。中川さんもいまや時めく科学技術庁長官、渡辺農水大臣は大蔵大臣。ちゃんと元大臣、前大臣並べて実力者としてこうこう言えばいいんですけれども、もうみんなぽろぽろといなくなっちゃったからね。  ただ、ここの時点で確認しますが、私たちはそういう見解を持っています。そして一言だけ言えることは、この問題を検討した段階で、必要な場合には林政審議会に諮問する、計画の一部変更として諮問すると。その答申を得た上でやはり必要な措置をしなければこの問題は発効しないんだと。これだけはこの段階でいみじくも一致したことですから、これはいいですね。この点について林野庁長官大臣にかわって、確認します。
  261. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) 国有林野事業改善特別措置法の定めるところに従ってそのとおりになるわけでございます。
  262. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そのほかの問題は、矢田部理事がいますから、時間の関係で省略します。  それからもう一つ、私は林野庁長官にこれ聞くと余り酷なんですが、農水大臣に聞くつもりで、林業問題のいろいろなことがありますが、この計画書にもありますとおり、林業労働者の労働条件というようなことについては、やはり不均衡のないように、国有林、民有林を含めて公正妥当な水準に引き上げる、そのための努力をする、こういう行政の指導のこともあるんですよ。この際端的に、国有林の労働条件を一〇〇にした場合に、全般の一人親方まで言いません私は、議論が混乱しますから。森林組合の労務班に雇用されておる方は、国有林の労働者が一〇〇にした場合に基準内賃金の場合は幾ら、あるいは全部総手取りの場合は幾ら、国有林を一〇〇にした場合にどのくらいの位置づけになっておりますか。また同時に、それを国有林と同じにするためにどういう努力を林野庁としてはやろうとしておるのか、これらを含めて、時間の関係もありますから、見解を聞かせてもらいたい。あくまでもこの計画基づ行政の執行の現況について、森林組合の労務班、結構ですから。
  263. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) ただいま手元に資料がございませんので、的確なお答えになるかどうかわかりませんが、国有林の労働者の労働条件、いま賃金とおっしゃいましたので端的に賃金について申し上げますと、民有林と相当開きがあると、国有林の方がよろしいということでございます。  そこで、今後民有林の労働力対策をどうするかという御質問でございますが、これはまさに民有林の林業経営の今後の育成といいますか、これにかかる問題でございまして、林野庁の行政挙げていまこの地域林業の振興とかいろいろな手だてを打っておるわけでございまして、その中でやはり当然処遇の改善といいますか、労働条件の改善ということを進めていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
  264. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 それから、直用、民託の条項についても大分激しい議論をされまして、中川農林大臣は当時の予算委員会で山は荒れていると、私は北海道、特に札幌の定山渓あるいは白老あるいは室蘭あるいは苫小牧、そこの山の点検の全部、工区ごとの荒れぐあいを全部持ってきて農林大臣に見せて、あなたは北海道だから、私が東北で東北の山を持ってきたって農林大臣が北海道だから、北海道だからわかりませんというのはいやだから、あなたの最も好きな北海道の資料を持ってどうですかと言ったら、委員会一時中断しちゃって、全部林野庁の皆さんが調べたら、大体山の実態はこのとおりですと、山は荒れていますと認めたわけです。  山が荒れておりますということは認めたのですが、その裏づけとして国有林は能率が悪いから民間だと、こういう暴言を吐いて、じゃその民間でいま言った労働条件ですね、これは直用、民託という場合の公正な条件の整備ということが必要だと、民託をした場合にどういういい点と悪い点があって、直用の場合にどういういい点と悪い点があって、労働者の振動病の認定を一体どう考えるかと、そういうところまでずいぶん論議しました。それで、このまとめとしてここのところに、直用と民話の場合の公正な競争条件ができるように条件整備をして、どちらがいいかは各地方によって選択の自由を保障しようということで書いてあるわけです。  そうしますと、こういう問題について具体的にどういう作業をやっているんだろうか、林野庁として。あるいは労働省もこれは一枚かんでいるんですが、労働省もこの公正な競争条件、直営と民託の場合の問題、こういうことについて実際に作業をやっておるんでしょうか。やっていれば、現在の中間報告を営林署、営林局廃止ばかりの中間報告でなくて、こういう労働条件の中間報告も、二年たつわけでありますから、どういう作業状態でどういう見解を持っておるか、いまの労働条件と同じく教えてもらいたい、こう思うんです。やってないならやってないでいいですよ。
  265. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) おっしゃるとおり、直営直用事業それから請負事業、つまり請負事業は民間の事業体に頼っておるわけでございまして、やはり平等な条件下で競争しながらりっぱな仕事をしていくということが改善計画に書かれておるわけでございまして、私どもといたしましても直営直用はみずからやっておるわけでございますから、これの能率性の向上についていろいろ努力をしていただいておるわけでございます。その結果、逐次能率性も上がってきております。また、民間の事業体につきましても、やはり健全な経営体でやっていただかなければならぬわけでありますから、請負事業体の育成指導ということも常々行っておるわけでございまして、これらの点につきましては、請負事業体につきましても逐次改善されつつあるということでございます。
  266. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 私は余り人が悪くて、いま、では林野庁長官の答弁したことを具体的な調査の数字をもってぜひ目黒議員に出してもらいたい。改善されていますと、どこをどう改善したかわかりませんからね。私は全国歩いている感触では、森林組合労務班はまあ多少はよくなっていますが、公正な競争条件に見合うようないわゆる条件整備はほとんどと言っては悪いですが、行われていない可能性が十分あると、こう見ていますから、いまの林野庁長官の答弁を裏づけする具体的な資料をぜひ御提示願いたい。いかがですか。
  267. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) 非常に資料とおっしゃいます内容がよくわからないわけでございますが、お求めになる資料につきましては、後ほど御相談をしながら要求される資料について提示をしたいと思います。
  268. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 やっぱり長官が答弁する以上は、調査の実績に基づいて私に答弁しているんでしょうから、だからあなたの答弁の裏づけになる資料をあなたたちなりに提示願えれば、それを見て私の方から足りないとか、あるいはここをくれとか、あるいはこういうことを出してくれと言うことでありますから、まずあなたの方からあなたの答弁の裏づけの資料を、先ほどの賃金の問題、労働条件の問題、いまの雇用形態の問題、それについてお出し願いたい、こう要望をしておきます。  それから、もう一つは、私は、これはおたくが出した資料だと思うんですが、同じ労務班で、社会保障の関係、これはおたくの資料なんですが、社会保障の関係が非常に労務班の方が悪いんですよ。労災保険は、労務班の関係は五十一年、五十二年、大体五万六千三百人労災保険に加入していると、労務班ですよ。ところが、こっちの方の失業保険の方に来ると二万三千六百五十四人、約二万三千六百、失業保険に来ると。それからもっとこっちの方に来て、健康保険になってしまうと三千三百九十四人。それから、ずっと農林年金とか中小退職年金はまあこれは例外として、労災と失業と健康保険で同じ森林組合の労務班に入っておってなぜこんなに掛ける人間が違うんでしょうか。ここに、私は先ほど賃金と言いましたけれども、やはり森林組合労務班、これは森林組合の労務班というのはまだいい方ですよ。それで社会保険がこんなにアンバラというのは一体どういうことなのか。  これは労働省が来ていれば、労働省はこういう社会保険の関係を社会労働委員会ではこういうのを解消するということを再三再四労働大臣、厚生大臣が答弁しておるんですが、依然として改善されていない。この原因は何なのか。この問題を、これもやっぱり社会保障でありますから公正な競争条件の大きなファクターですね、いま賃金と社会保障というのは。社会保障がこれですよ、これは労務班。この実態はどう理解いたしまして、どう改善しようとしますか。
  269. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) 実はそれ、資料を手元に持っておりませんし分析をしておりませんが、お許しをいただければよく調べまして次の機会にでも御答弁申し上げたいと思います。
  270. 目黒今朝次郎

    ○日黒今朝次郎君 あなた方は国有林の労働組合をいじめることは精いっぱいやるけれども、結局民有林の、実態を把握してないということですよ。天下の林野庁が、民有林の社会保障はどういう関係になっているのかということは大概林政部長とか職員部長ぐらいの頭の中にあって、長官よと、こうメモが行くのが当然じゃないですか。職員部長いるかもしれませんけれども、職員部長とか労務課長あたりがおっても長官の方にメモが行かないということを見ると、もう民有林の皆さんとか労務班の皆さんの社会保障についてはきわめて無関心だと。無関心というより無責任だと、こう私は断定せざるを得ません。ですから、その断定を覆すような、自分でもう一回調べて、やはりこの計画に従ってどうするのかということも含めてひとつ資料と方針を御提示願いたい。これは時間がないから皆資料要求ばかりで申しわけないけど、これはいいですか長官。民有林の皆さんの、特に森林組合労務班の社会保障の実態と問題点と改善方向について出してもらう。
  271. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) 本日、担当部課長が参っておりませんでまことに申しわけないと思っておりますが、資料につきましては後刻提出をさしていただきます。
  272. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 ではもう一つ。もう一つばかりで申しわけないけど、おたくの一番きらいなマツクイムシ、これはふえているんですか、減っているんですか。私も全国汽車で歩いて——飛行機からはマツクイ見えないから、汽車で歩いたり車で歩くと、マツクイは国有林、民有林ともまあ私はふえていると見ているんですよ。ところがこの前、これおたくから、これは林野庁業務統計ですな、マツクイムシ。たとえば昭和五十年百六万九千平方メートルに対して五十三年は二百七万三千平方メートル。これは国有林、民有林両方ともマツクイがふえておりますね、これ。だから、人をいじめることだけ一生懸命やって、虫を放任しておくんですか、これ。虫は放置しておいてそれでいいと。人間ばかりいじめると。このマツクイは何だ、マツクイは。  それからもう一つ、労働災害。この労働災害も全産業は四十九年、五十年から見ればどんどん減っていると。ただし、林業関係だけは度数率と強度率、これもふえていると。マツクイムシはふえる、労働災害はふえる、民有林の方はさっぱりわからぬ。一体この計画何をやっているんですか、計画。こういう当然のことをやらないで、営林局の廃止とか営林署の廃止とか事業所の廃止ばかりやったって何にもならないじゃありませんか。  やはり林野庁として、山は国民の共同の財産ですから、もう少し自信と確信を持って大蔵大臣なり行管長官とつばぜり合いをやり合うぐらいの迫力を持って、先月の二十日から二十二日の働く皆さんの全国集団交渉のとき、大分おたくの方は長官初め現地へ行かれたらしいですがね、私は出ていかなかったけれども。あのような現地をぐるっと回り見して、やっぱり大蔵大臣とか大物である中曽根長官あたりに、労働組合に言うあの根性で回り見してやってもらわないと、少なくともこの計画は死文になってしまう、こういうように思うんですよ。  私は一つ一つ意地悪い質問をしたわけじゃないですよ。この計画がちっとも実行されていないじゃないかということなんですよ。山の造林も同じ、再生産も同じ。でありますから、その点でやっぱり私はこういうものを一つ一つ点検しますと、営林局なり営林署を強化こそすれ、これを減らすなんということは、なかなか実態論としては出てこないというのが私の結論なんですよ。ですから、営林局と営林署の廃止ということについてはこれから検討されるというから、検討される段階にそういう山の実態、そこに働いている労働者の実態、老齢化の問題もあるでしょう、そういうものを含めて総体的にやっぱり山を守るという立場で検討してもらって、いやしくも林政審議会に諮るようなことの事態のないように前向きの努力をしてもらいたいということが私の結びです。  いろんなネタがありますが、時間がありませんから言いません。そういうことを言えば、まだまだ山には問題があり過ぎるということを知っておるんでありますが、そういうことについて、計画実行するに当たってわれわれの提言を十分考え実行してもらいたいということについて、最終的にあなたの見解を聞いて終わります。
  273. 須藤徹男

    政府委員(須藤徹男君) ただいまマツクイムシ問題労働災害問題、いろいろ事例を引かれて言われておるわけでございますが、現在策定いたしております改善計画、これも何も実行していないじゃないかというお話でございますが、いずれにいたしましてもこの国有林は昭和三十六年ないし九年、伐採量の非常に多い時代でございまして、年伐量約二千五百万立方程度切っておったわけでございますが、最近では環境保全あるいはいろいろな問題がございまして千五百万立方を切っておるというような、一千万立方も減っておるわけでございます。そういう中でやはり事業量に適応した組織、機構なり要員ということがどうしても求められるわけでございまして、そういう努力を続けると同時に、やはり国民からお預かりしておる山をしっかり守り育てていかなければいかぬというのが、つづめて言えば改善計画の本当の趣旨であろうというふうに考えておるわけでございまして、何が何でも人を減らし、何が何でもがむしゃらに帳じりを合わせるというのが改善計画ではないというふうに私ども考えておるわけでございます。  やはり基本はりっぱな山づくりをしていくということでございまして、そのためにも国民皆さん方から御批判のないような仕事の進め方をしていかなきゃいかぬということを基本に置いてやっておりますので、その辺につきましては今後とも十分内部検討も加えながら進めてまいりたいというふうに考えております。
  274. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 時間あと二十分ありますが、新潟海運局の統廃合の問題についてお伺いいたします。  新聞とか地方の論説とかあるいは各大臣がいろいろ発言されておる問題などいろいろあるわけでありますが、それらについてはもう時間がありませんから申しませんが、海運局と港湾ですね、港。港湾にも特定重要港湾それから重要港湾、こういうのがありまして、この港と海運局というのは表裏一体で活動されておって、しかもきわめて地域性の強いものである、特異性の強いものである、こういうふうに一般的にも具体的にも客観的にも私は認識してきて間違いないと思うのでありますが、この認識については間違いがあるかどうか、港湾局、海運局、両方からまず見解を教えてもらいたい。
  275. 永井浩

    政府委員(永井浩君) 御指摘のように、私どもの海事行政行政の需要の大部分は交通の接点でございます港湾から発生するものと、このように考えておりますので、行政の中で港湾の位置づけというものはきわめて重要なものであると、このように考えております。
  276. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) 先生御指摘のとおりだと存じます。
  277. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうしますと、港湾についても、三木内閣当時から五カ年計画を何回か計画されまして、運輸委員会でも大分議論もありましたし、また一面、構造不況がありまして船舶、船員、造船も含めて非常に不況に陥ったときにも、いろんな立法をつくって時限立法で措置をしたり、あるいは海員雇用促進特別センターというものをつくってサービスをしたり、いろいろやってきたわけですが、私はそういう幾つかの今日までの状態を見てみますと、やっぱり両局長が言ったとおり港湾と海運というのは表裏一体だと、きわめて地域の経済と密着していると、そういうことについては私は同意を得たものだと、こう思うのです。  そうしますと、その新潟海運局を統廃合するということについてはどうしても私も納得できないものがあるんだね。たとえば、ここにはこれは地図がかいてあります。いわゆる港湾の関係と海運の関係あるいは運輸省直轄の海上保安庁、この三つ、四つを見ればこの真ん中、この一番右上が新潟海運局ですよ。管轄からいってむしろ私はこっちの方が不自然で、あとの三つの港湾の管理と海上保安庁の管理、管轄、こちらの方がむしろ地理的にも日本海から見てもきわめて自然な考えではないかと、むしろこのように中曽根長官国民のニーズにこたえるということになれば、もちろんこちらの方の海上保安庁であるとか港湾の関連のような方向に拡大整備をしてやるのが皆さんのニーズにこたえると、こういうことになると思うのですが、その点はいかがでしょうか。これは港湾と海運に、まず——きょう海上保安庁来てなかったか、一般論考え方としておたくたちの見解はどうでしょうか。
  278. 永井浩

    政府委員(永井浩君) それぞれ海運局が行っておりますいわゆる海事行政、それから港湾建設局が行っております港湾の建設管理、それから海上保安庁の管区本部が行っております海上の警備、安全といったものは、それぞれ行政目的が違うために管轄区域が違う、また過去の沿革的なものがあろうかと、このように考えております。
  279. 吉村眞事

    政府委員(吉村眞事君) ただいま海運局長から御答弁申し上げましたように、港湾の場合は、過去の内務省時代の管轄地域をそのまま踏襲しておるというような関係でいまの管轄地域になっております。
  280. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうしますと、行管ね、そういう両港湾と海運の関係、それから地理的な関係、そういう関係から見ますと、どうしても新潟を関東に統合するというのは、どうも私も陸海空の車へんの一人としてなかなか合点がいかないし、あるいは私も北海道、東北、表日本、裏日本、ずうっと全国区でありますから回って歩きますと、それなりに条件が違うわけですね、表日本と裏日本。裏日本でも新潟を中心とした日本海と、島根、鳥取を中心とした日本海ではこれまた違うと。そういうことを私は気象条件その他から見ております。そういう点から見ますと、やっぱり私は、今回せっかくある新潟を関東に統合しなければならない理論的根拠は何なのか、強制的な根拠は何なのか、前の方がやったかもしれませんが、どうしてももう一度やっぱり今後のために行管の考え方を聞かしてもらいたい、参考までに。どうして統合しなければならないか、その根拠あるいは行政上の措置、将来の展望、それをお聞かせ願いたい。
  281. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 新潟海運局を今回の法案に盛り込みました理由、私どもはもちろん主務官庁の運輸省とよく協議して折衝の末新潟海運局ということに落ちついたわけでございますけれども、その際もいろいろと折衝を通じて考えていることは、海運局の中では相対的にいろいろ対象業務等がほかの海運局に比べてやはり少ないというようなことが主な理由であるというふうに聞いております。運輸省にも当然種々のブロック機関があるわけでございますけれども、これは運輸省内部でいろいろと御検討の上私どもの方と協議して新潟海運局ということになったわけでございます。
  282. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうすると、あれですか、主管局と相談した結果、まあ業績が一番悪いと、簡単に言えば。業績が一番悪いから政府の方針に従ってやるので、運輸省の人柱になってくれと、その人柱が新潟だと、こういうことですか、簡単に言えば。
  283. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 別に業績が悪いというふうに考えているわけではございませんで、種々のブロック機関のうち海運局だけ見ましても、他の海運局と比較した場合に業務量が少なく、他の海運局に統合してもいろいろと国民に対する行政サービスの問題につきましては、後に置かれます新潟海運監理部というものに権限等を内部委任等の措置によって、御迷惑がなるべくかけないような措置をとることによって統合が可能であろうというような結論に達したということでございます。
  284. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 あなたは微妙な発言をしているね。  そうすると、地方皆さんに迷惑かけないということに、何らかの機構をつくって、新聞に出ておる何とか監督部とかという、これは新聞ですから私はわかりませんよ。ここに新潟——私は目が悪いものだからちゃんと原稿用紙にもう一回書き直して、この別な原稿に書き直しても、何か港湾監督部をつくって、そこに権限を任すとか任せないとかという語句が出ているんですね。たとえば、そういうものを置いて、実質的にいままでの新潟の海運局が行ってきた航海の安全とか船舶の検査とか造船の指導とかあるいは船員の職業あっせんであるとか、地域形態なり、地域の海運行政にかかわる問題等の大体のことは、この何とか部と言いやしませんか、そこでやるから支障がないと、こういう認識ですか。行管。
  285. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) おっしゃるとおりでございます。特に民間、対国民に対する行政サービスにつきましては、そのように配慮していきたいというふうに考えておるわけでございます。
  286. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうすると、大体統合という場合には局長とか、部長とか、課長とかという管理職の方は新潟を離れて東京へいらっしゃると。実際の実務するいろいろな官職ありますな、船舶検査官とか、いろいろありますな。こういう地元のいろいろな天候の条件とか検査条件とか、そういう方々、そういう実務的な業務に必要な組織、機構、人事、予算、これについてはそのまま残すと、こういうように考えていいんですか。
  287. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 新潟海運局の後に置かれます新潟海運監理部の内部組織、人員等をどうするか、現在運輸省と協議して検討しておる段階でございます。いま先生おっしゃるように、管理職がみんな移っちゃうのかとかいうような点でございますけれども、まだ詳細は決まっておりませんけれども、別に管理職だけ移ってしまうというようなことではないように考えております。
  288. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 だから、われわれも役人で飯を食った端くれだから、そんなきれいな言葉で言わなくてもいいんです。もう上の方の局長以下管理とか統計とか、そういう集中できる仕事は関東に持ってくるけれども、実際地方仕事につながった、密着した仕事については原則としてやっぱり地方の監理部ですか、監理部に置く。組織、それから人間、それからそれの行動に伴う予算、そういうものについては、当面そういうことをしながら地元の期待にこたえたい、こういう考えである、その細部については主管局でいま詰めているんだと、こういう認識でいいんですか。
  289. 佐倉尚

    政府委員佐倉尚君) 大筋において先生の御指摘のとおりに考えております。
  290. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 主管局どうです。
  291. 永井浩

    政府委員(永井浩君) 御指摘のように、新潟海運局を廃止いたしました場合に、関東海運局と地理的に非常に離れておりますので、ただいま行政管理局長から御答弁申し上げましたように、新しい組織といたしまして海運監理部を置く。この海運監理部長の職務権限につきましては、御審議いただいております法律の附則で各実体法の改正をお願いしてございます。それによりまして従来の地方海運局長と同等の権限が行使できると、こういうことになるわけでございます。これによりまして行政サービス水準の低下を来さないように、このように私どもは考えております。そして、これに伴います内部組織、定員につきましても、行政サービス水準が下がらないように現在行政管理庁等と協議中でございます。
  292. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 きょう時間があれば、県内の漁業の実態であるとか、それからいろんな海難事故が起きた際の、仮に新潟にあった場合と東京に本局があった場合の物理的な通信とか連絡も含めてこういう問題があるじゃないかと、こういう幾つかの事例が来ているわけですよ。時間がありませんから、たとえば佐渡汽船の欠航率に伴ういろんな措置であるとか、それからもう一つは造船の検査、特にこの船舶検査官が強調しておりましたのは、まあ目黒議員は線路の上を走っている試運転だから余り心配はないけれども、海上試運転というのは大したものだと、私はこの前海上試運転に乗せてもらいました。われわれのレールの上を走る試運転とはまた想像つかないような悩みや問題や苦労があるということを現場でいやと言うほど、まあわれわれもまだ勉強不足だなと教わってきました。  それで私は、そういう現場のいろんな現地に接触している各仕事の方々、船舶検査官あるいは船員の職業安定所の方々とか海技試験官とか、いろいろありますね。こういう方々のいろんな今回の機構改革に伴う要望については、原則的にその要望を満たすように最大の努力をしていくんだと、そういうような前向きな当面の措置については主管局においても考えてもらいたいし、行管においてもそういうものについてやっぱり主管局と相談しながら前向きに取り組んでいくと、そういう姿勢と言っちゃ語弊がありますが、取り組みのサービスの問題についてはいかがでしょうか。これは主管局と行管、お願いします。
  293. 永井浩

    政府委員(永井浩君) 従来から私ども現場職員の意向、要望というものについては十分把握しておるつもりでございます。今後の機構簡素化に伴いましても十分意思疎通を図ってまいりたいと、このように思っております。
  294. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 運輸省と同じ考えで実務的には皆様方にできるだけ御迷惑のかからないようにいたしますし、また、転換に伴う職員の措置につきましても、十分本人の意見等も聞いて穏当な措置をしていきたいと思います。
  295. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 ぜひそのようにお願いしたい。  私は、きょうは時間があれば、四国の今治地区造船所を対象とした「船舶検査事務に関する聞き取り調査の結果について」と、こういうような調査の中身についてお話し申し上げようと、これは現場の皆さんと地域住民がどれほど具体的な問題で密接な関係があるかということを、関係者が具体的にことしの三月二十二、二十三、二十四日に聞き取り検査をして、調査をして非常にきめ細かくまとめた資料です。これは私は直接には参考になりませんが、今回の海運の行政に当たってこういうものについても十分に参酌しながら、やはり地元のニーズにこたえることがどれほど大事な関連性があるかということについて参考までにこれらも調査してもらいたいと。時間がありませんから、あと後ほど、行管と主管局に一部ずつもらってありますから、十分参考にしてもらいたい。機会があれば、この問題を含めて私は質問したいと思うんです。これは要望です。  最後に、私は大臣にお願いしますが、このごろ行管——政府の答弁、うちの運輸委員会も一緒ですが、第三セクターとか何とかという言葉が出てくるんですが、その際必ず官僚とか、官庁とか、親方日の丸でけしからぬと、民間の活力という点が大分出てくるんですね。私は民間の活力ということであるならば、今回の新潟海運局の問題をめぐる地元のいろいろな問題と、それからこの新潟商工会議所会頭大久保さん、あるいは新潟港振興協会の渡辺さん、新潟海事広報協会の小林さん、こういう方々がプロジェクトを皆つくって考えている日本海における海運行政、ソ連とか朝鮮とかのいわゆる日本海の対外貿易を含めて今後どうあるべきかと。きょうは林野庁いなくなりましたが、新潟港に入ってくる木材といいますか、これも大変なものなんですよ。そういう全体から含めると、やはり日本海ブロックというものを真剣に考えてほしいと、余りにも太平洋と日本海は差があり過ぎると。われわれ東北でも、宮城県と岩手県と青森県に新幹線が通って、裏日本は新潟まで新幹線が通っているのに、一体山形、秋田はどうするんだと、こういう問題がぽんとそこに出てくると。やっぱり亡くなった大平さんの「地方の時代」についても、こういう着想、構想について真剣に運輸省も行管の方も前向きに検討してもらいたいと、そういうことを私はこれを読ましてもらいまして、きわめて同調、同感だなという点がいっぱいあるんです。  だから、これをひとつ、きょうは将来の新潟海運のあり方あるいは日本海のあり方を検討する意味においても貴重な私は提言だと受けとめておるわけであります。したがって、この貴重な提言をぜひ前向きに検討する意味も含めて検討することをお願いいたしまして質問を終わりたいと、検討することについてひとつ御要望申し上げておきますが、行管と主管局の考え方を聞きまして、大分東北人でせわしい言葉で言いましたけれども、短時間で全部やれというんでありますから、まことに申しわけありませんでしたが、私の質問を終わりたい、こう思っていますが、要望に対する考え方だけ、ひとつ大臣運輸省からお答え願って締めたいと、こう思うんです。  以上です。
  296. 永井浩

    政府委員(永井浩君) 各種経済団体等からの御要望については私どもも承っております。勉強さしていただきたいと思います。
  297. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 新潟は日本海をめぐる沿岸貿易の基地でございまして、将来を考えれば、やはり非常に重要なところであると認識しています。地元の生の声はよく拝読いたしまして勉強いたしたいと思います。
  298. 林ゆう

    委員長林ゆう君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十分散会      —————・—————