○
大森昭君 具体的な問題を私出しませんが、世の中の人というのは、
郵便局というのはおかしなところだと言っていますよ。ある局で十二月の三十一日に——、去年は年賀かうまくいきましたよ、みんな。管理者の人が御苦労だったと、十二月の三十一日、早く仕事を切り上げて一杯飲んだというわけだ。ところが、若い人がいっぱいいるからけんかになった。そしたらなぐられた方が警察に行ったというわけだ。それを見ていたある区
会議員の人が警察へ行って、
郵便局でもってあした正月で、もうきょうは仕事終わって、まあ酒の上のことなんだから警察も穏便にと言ったら、その警察署長が、いや、あなたが仲へ入ってくれるのならいいですよと言ったというわけだ。そしたら、その人が
局長のところへ行って、
局長さん、私は部外者だから、警察署長には話をしておいたけれ
ども、
局長さんも何とか仲へ入ってまとめるようにしてくださいよと言ったというわけだ。ところが、
局長が何を言ったかというと、いや、それはお互いにけんかしてお互い同士で警察へ行ったりやっていることだから私は知りませんと言うのだ。そしたら、その区
会議員の人が私に、どういうことになっているのですかと。自分の職場の中で起きたことはなるたけかばい合って問題を外へ出さないようにしようというのが普通じゃないですかというわけだ。そうなんですよ。どこだと言うなら教えてもいいです。
ある局へ行きました。保険の人が、あさってから君は
郵便へ行け、君は貯金へ行け。私は人事権というものは最終的に
局長が持っているから、最終的に、保険の成績が悪ければ君は貯金に向くのじゃないかと貯金に行かせることも結構、
郵便に行かせることも結構、それは仕方がないわ。おれは入ったとき保険をやっているのだから、どんなに成績が悪くたっておれは一生保険だなんて言われたのじゃこれは
事業は成り立たないから。しかし、
局長が少なくとも朝来て、君はあさってからは
郵便やりなさい、あさってから貯金やりなさい、そういうのはないんじゃないですか。やっぱりその人に、君は保険をやっているけれ
ども、どうも保険を募集するのには向かないのじゃないだろうか、貯金なら貯金という仕事をやったらどうか、考えておいてくれよと。一週間ぐらいたった、何も返事が来ない。そしたらまた呼んで、君、この間ぼくが言ったのだけれ
ども、どうかね、ひとつかわって——そうでしょう。
だから、あなたが言うように、人事権というのはすべて管理者が持っているんだ、それは公平なんだというたてまえでいまの現場を見ていたら間違いが起きますよ。それは間違いが起きる
要素ができているんだから、ここに。そうでしょう。七千四百名しかいない管理者を三千五十名もかえているんだもの。よくかえると思う。えらいと思うよ、実際の話。どうやって当てはめていくんだか、まさかサイコロ振っているわけじゃないんだろうけれ
ども、本当にえらいと思うんだよ。一年間に三千五十名動かすといったら、普通の作業だったら大変な作業ですね。ああ、この人をここの
局長にした方がいい、この人をこの課長にした方がいいなんて三千五十名もやるんだったら、これは大がかりな仕事ですよ。だから、恐らく半年ぐらいかかっているのじゃないかと思うんだな。だから半年は人事の時代で、これではやっぱり落ちつかないですよ。
だから私は、もっと端的に言えば七十名の
局長でも五年間いてもらってもいいじゃないか、職員とうまくやって仕事もよくなれば。そのかわりこの人は七十名の
局長で五年間やってもらったんだから、大変りっぱな人なんだから次は百五十名の
局長にしたらいいんだよ。何で七十名から百名、百名から百二十名、百二十名から百五十名に行かなくちゃいけないんですか。だから、あなたがいま言いますように、非常にいい
局長さんでうまくいっていた。うまくいっていたけれ
ども、動かさなきゃいけないからうまくいっていても動かす。がちゃがちゃにして何が何だかわからなくてまた行っちゃう。これが実態でしょう、実際に。ぼくの言い方がオーバーかオーバーじゃないかにしたって、三千五十名も一年で動かすんだからそういうふうにならざるを得ないんだよ。
だから、どうかひとつ役所というのは長い伝統の中で、百名の
局長は二級官、百五十名の
局長は一級官なんというふうに決まっていて、ある級までくればお車がつくとかお車がつかないとか、俸給表が上がるとか上がらないとかあるけれ
ども、現業官庁なんだから、だから現業官庁なら現業官庁らしくやっぱり労働
集約型を特に強調し、特に
人件費が上がるんだから
郵便料金を上げなきゃいけないというのなら、それ以前の問題を解決してもらわなければ国民は納得できませんよ、本当の話。
局長は、おれが人事
局長になって急にあんなことを言ってと言われるかもわからぬけれ
ども、しかし、やっぱりポストがかわったらかわったらしいことをやってもらわなきゃいかぬな。岡野人事
局長というのは、いままでつまらない歴史、伝統を守ってきたけれ
ども、やっぱり大したものだということで、変わったことをやってくださいよ。
それと同時に、もう
一つは、私はいままで見ていますと、やたらと役職をつけるのが好きなんだよね。
郵便局の中には、さっき主事の問題までいったけれ
ども、主事がいて総括班長がいて主任がいて班長がいて、班長をつくったと思ったら今度は副班長がいて。
郵便局へ行くと総括責任者、主事、主任、班長、副班長。役付にするのは、それは気持ちはわかるんですよ。そういうふうにした方が給料が上がるということだと思うんだ。だけれ
ども、給料を上げて処遇をしてということにはならないんですよ。なぜかというと、
郵便局というのは取り集めをしたり配達をするでしょう。ところが、副班長だとかなんとかという肩書きをもらうと、少なくとも班員を監督しなくちゃいけないから主として官執になるわけです。そうすると、朝出だとか夜の勤務というのは残った兵隊が全部受け持つわけですよ。そうでしょう。大きい
郵便局は別です。普通の
郵便局というのは主事さんは官執勤務だよ。主任がそうでしょう、主任として仕事をするのに。班長をつくると、班長がまたそうです。そうなってくると特定の人に……。
いま端的に言いますが、田舎の場合にはまた別ですけれ
ども、都会でもって私
どもが幼いころ、私だって幼いころあったんですけれ
ども、大体
郵便屋さんが来ます、自転車に乗って。ああ、おじさんだよ。だから
郵便屋さんとなったんです。いま集配員を見てごらんなさい。機動車でダッダッダッと回る若い人が多いでしょう。これはある半面で能率を上げているという
意味からいけば
郵政省はほめられるかもわからぬけれ
ども、とてもじゃないけれ
ども楽な人は楽なんですよ。過酷なところは過酷なんですよ。これじゃやっぱり仕事うまくいきませんよ。みんな一生懸命やるのならみんな一生懸命仕事してもらわなければ、本当の話。
だから、そういう面からいきますと、どうもこんなことをくどくど言って、また例の話が始まったかぐらいで聞いているのかどうかわからぬけれ
ども、少し振り返ってみて、
郵便料金を
値上げするなんていうことを安易と私は言いませんが、これだけの
料金を
値上げするのなら、まさにみずからの培ってきた人間の任用についても活用にしても制度にしても変革をしたんだという問題を出してもらわなければ、何か知らないけれ
ども、
サービス、切手を取りかえるのに何だとか、結構な話ですけれ
ども、それも。しかし、そんな問題でこれだけの
郵便料金値上げするなんていうのは安易過ぎますよ。
きょう私、持ち時間がありませんから、これで終わりにしますけれ
ども、いつも文句たらしいことを言っているのじゃなくて、ひとつこういう際に見直しをしてもらって
郵政事業の
運営を図っていただくことを
大臣に特にお願いします。
大臣というのは偉いんだから、偉いということの自覚のない人はだめなんだよ。どうかひとつ、いま私の言ったようなことをもう一回省の人に確かめてもらって、あいつの言っていることは本当なのかを。それで少し
大臣の方から、なかなか役所の人というのは直すのはむずかしいらしい。余り仕事をしてぽっと出るとたたかれるというのが役所の仕組みらしいのだな、ぼくらよくわからないけれ
ども。だから、なかなか新しいことを発想するということがむずかしいので、
大臣の方から気のついたことはどんどんやらしていただくということをお願いいたしまして、
質問を終わりたいと思います。