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山中郁子君 こういう状態が通研にどういう情景をもたらしているかということを、私が
総裁に実際に行って見てほしいと言うのはそういうことなんです。
ここに「
日本の科学者」という雑誌があります。ここに「
電気通信研究所の場合」として田代耕治さんという方が書いていらっしゃいます。この中にも引用されているんですけれ
ども、通研では一九六五年から七八年まで十一人の人が自殺ないしは自殺と思われる異常死を遂げているという事態が起こっています。
それからこれは「通研新聞」ですけれ
ども、七九年二月一日、去年の二月一日ですね、高原さんという新しい本部長が
就任されました。そのときのごあいさつで彼がこう言っているんです。「
最後に、研究所の管理について
お願いがあります。それは通研のなかから火災、
事故、ノイローゼを追放することであります。」。何でこの三悪追放の中に通研ではノイローゼが入るのか、火災、
事故と並んで。この十二、三年の間に十一人の自殺者が出ている、ないしは自殺者と推定される異常死が起こっている。まさに、いま私が
幾つかの申し上げました事態は本当に異常な事態ですよね。研究所でしょう。研究して成果を上げるために
電気通信研究所があるんですよ。それをいかに成果を上げさせないか、そういうことに一生懸命苦労して管理者研修をやって、そしてそれにお金も使っている。
電電公社として私はあるまじきことだと思うんです。そういう荒廃がこうした事態を生み出しているんです。私は、この点については本当になまはんかなことでなくて、公社としてきちんと取り組んで、
決意を持ってこういう問題を一掃するためにやっていただかなきやならぬと思います。
そうは言っても、私は、それは通研が
総裁やその他の幹部の人たちと全く無縁にそうした労政策をとったり反共管理者教育をやっているなんて、お人よしに伺うことはもちろんありません。これが
電電公社の体質の中の大きな問題だということは、私自身も長年の経験からよくわかっております。
いずれにいたしましても、そういう荒廃がいま、本来研究して成果を上げて
日本の
電気通信、エレクトロニクスの発展に大きな貢献をすべき、また貢献しているとあなた方が自負していらっしゃる
電気通信研究所で起こっているということについて私は重要視するから申し上げているわけでございます。
最後に、お約束をいただきたいのですけれ
ども、科学技術の発展に大きな
影響を持っているんですね、通研の仕事は。それだけに、反共思想教育、組合介入、研究者の干し上げ、思想
調査を
内容とする管理者特別研修、これらを一切今後やめる。組合員の思想
調査、いまの問題ですけれ
ども思想
調査もやめる。それから仕事を干したり研究成果の発表を制限したり妨害したり、思想、信条を理由とした差別、こういう差別を一切やめると同時に、その差別によってもたらされた不公平な現状、任用その他、もう目に余るものがあります。こういうものを早急に回復すべきである。この点についても私はたくさんの歴然たるデータを持っております。きょうは時間の関係でそちらには触れられませんけれ
ども、この回復についてもお約束をしていただかなければなりません。今後の公社としての、いまの私の
要求に対するお約束と回復についての約束をあわせていただきたいと思います。