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佐藤昭夫君 どうも当局は、国に指導
責任が向いてくることを何とか防ごうということで、非常に弁明的な法の解釈をなさっていますけれ
ども、しかし、自治体といえ
どもいろいろ
法律の専門家がおると思うのですよ。そういう
法律の専門家を含む自治体がいろいろ議論をして、しかも、後からも触れますけれ
ども、メーカーの側はつくる一方で後の回収は知りませんよと、こういう現状になっていることに対して、これでは逆に、国民のモラルを言うならばメーカーのモラルはそれで済むのかという問題として、今日これだけの大きな、自治体当局も含めての世論と運動に広がってきているという、ここのところを政府としてはよく受けとめてもらいませんと、行政執行者として悔いを千載に残すということに私はなると思うんです。
法で書いておるのは、処理が困難な場合という、これは再生処理とかいう、そういう狭く解釈をするのじゃなくて、だあっと散乱をしておる、これが回収が困難だということも含めて処理が困難だという、こういう因果
関係になっているわけですからね。そうした点で、そういう事態の解決のためにメーカー側のモラルを求めていくというのがこれは当然の方向だろうと思うんです。ところが、
法律上は解釈があいまいな部分がありますけれ
ども、さっきから言っています第三条、それから依命通達では、一般廃棄物においてもというふうに、わざわざまくら言葉をつけて、この事業者の
責任を記述をしている。そこまで書いておるのに、ところが実際の
仕事というのはもうほとんど
市町村に任されておるということの中から、どんなに今日自治体と
住民が苦悩をしているか、苦闘をしているか、これはよく御承知のはずです。
幾つかのことを申し上げてみたいと思うんですが、たとえば空きかんの回収処理費、これも京都市の推計数字ですけれ
ども、ごみ処理の
予算面で、この空きかんの回収処理のために使われておるという金が大体八円六十銭ぐらい。原価計算上は一個について約五円。まあボランティアなんかの
協力を得てだあっと集めておるわけですけれ
ども、こういうものを労力費換算をすれば三十円から三十五円ぐらいになるという資料が
——これは京都市に限りません、町田市なんかでも同じような数字が出ていますけれ
どもね。片一方、メーカーのかんの引き取り費、これは幾らかと言えば、一個当たりブリキかんについて二十五銭、それからアルミかんについては一円五十銭。大体百円ジュースでかんの費用というのは三十円ぐらいだというふうに言われているわけです。ところが、いよいよ回収の
段階で、メーカーが引き取るというのはまことにささいな額にしか勘定しない。それを自治体がかわって
仕事をやりますと、さっきから挙げておるように大変な負担がかさんでいる。結果としてそれは
住民の負担に帰結をしてくるわけですから、そういう姿になっているという問題が一つあろうと思います。
それからもう一つは、メーカーはつくりっ放しで、後の回収は考えないということで、かんの生産量、これが、私が聞いた数字でいきますと、ブリキかんについて、昭和四十六年三十四万一千トンから、五十三年七十万五千トン、七年間に二倍以上にブルキかんがふえていますし、アルミかんについては六千六百トンから三万六千九百トン、五倍以上にふえている。これだけのスピードでどどっとかんをつくっている。ところが、回収については
先ほどから繰り返し言ってるようなこと。
それから自動販売機、これが京都市でも九千六百九十四台あるわけですけれ
ども、この自動販売機でかんを扱っているのは八二%。その自動販売機にかん入れ容器をそろえているのが七〇%。そのかん入れ容器をメーカー負担で設置をしているというのはそのうちの二〇%にすぎないという状況であります。それから、いわゆる省資源云々ということが挙げて強調されているわけですけれ
ども、資源再利用を考えないメーカー側の使い捨て主義といいますか、ということで、たとえばかんについても、ブリキかんについてふたはアルミにするという、このことのためにずいぶん再利用の点でむずかしさが出ている。これも結局ただつくらんかな、売らんかなという、これだけでこういうやり方になっている。これに対しての国としての技術指導が十分やられておるというような節も見られない。
こうした点で、メーカー側の、それはもうつくる一方で、使い捨て、後の回収は知りませんよと、こういう状況で済むのか。環境庁の
先ほどの
答弁もありましたし、私が冒頭に触れました十月二十四日の衆議院の環境
委員会で、鯨岡長官としては、廃棄物処理法の精神からいって、事業者、メーカー側に一定の回収処理の
責任を求めていくというのはまあいわば当然のことでありましょう、というふうに言っているわけですけれ
ども、この点について、いろいろ申し上げましたけれ
ども、
大臣お聞きになって、どういう御
見解でしょうか。