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国務大臣(
藤尾正行君)
柄谷先生非常に御心配をちょうだいをいたしまして、ありがたいことでございますけれ
ども、私はやってやりきれないところはないと思うわけでございまして、やるだけのことはやってみなければいかぬと、こう思っております。
御指摘のとおり、あめとむちというようなお言葉をお使いになられましたけれ
ども、決してあめでもなんでもありませんで、そんなことはあたりまえのことでございますけれ
ども、いかなる
企業におかれましても、その安全
措置をお講じになるというときに、それに対してお金が足りないとか、あるいは助成をしてほしいとか、技術的な指導をしてほしいとかいうようなことがありましたならば、それは何でもいたします。でございますから、その点は決してあめでもなければ何でもないわけでございまして、あたりまえのことをあたりまえにやるわけでございますから、どんどんと私
どもにそういったことをお言いつけをいただきたい。
それから、実は大
企業、中小
企業という分け方にいろいろ問題があるわけでございまして、たとえば建設業というようなものを例にとってみました場合に、大
企業がその元を請けて、そうしてその
下請にどんどんどんどんと仕事を回していく、そこで最前線に立っております
下請に、その
労災事故というようなものが発生する
可能性が非常に強いというようなことが間々ございます。そういうことは元請のこれは責任でございますから、その責任を一番
下請の中小の
方々にしわ寄せをしていくという
制度の方がこれはおかしいわけでございまして、私
どもは、そういったことは、逆にそういったことが起こりましたときには、それは元請に全部その責任をかぶってもらいまするように、その責任を持てということを指導をいたしますし、いまのところ建設業界におかれましては、そういった業界のそれぞれの責任ある
方々は、そのようにいたしますと言っておりますから、そういった点は、若干これから私はいい
改善の方向に向かうのではないかと
考えております。
ただ、非常に市町村の仕事でありますとかあるいは県単位の仕事でありますとかというようなことで、大
企業は何も
関係なくて中小自体がその責任をお持ちになられる、そういったときに、中小の
方々がその札を落とされるときに正当な安全見込みといいまするものを積算の中に入れておいて、そうしてその仕事をお取りになられればよろしいわけでございますけれ
ども、それを怠られて安全施設の面をお外しになられて下値をお出しになられるとか、あるいはそんなことはないと思いまするけれ
ども、場合によりましたら、そういうことは間々あるいは起こるのかもしれませんが、安全上の対策費を盛り込んでおきましてもそれを倹約をいたしまして、もしそこがすうっと抜けていかれればそれだけもうけだというような物の
考え方で運営されますと、これはお働きになられまする本当の
労働者の
方々に対しまする私は
企業者の責任は果たし得たものとは思いません。そういったことにつきましては、私は中小の
企業者の方方にもそれぞれお集まりをいただいて、十二分にそういったことのないようにという指導を徹底させるということが大事だと思いますし、非常に残念至極なことで、そんなものはなくてもいいわけでございまするけれ
ども、やむを得ぬ場合にはその監督官といいまする者に後を十二分に精査させまして、そうして非違な点がある、落ち度があるというような点はびしびしと指摘をさせて、そして将来に対しまする姿勢を正してもらうというようなことはやっていかなければならぬ、かように
考えておるわけでございます。でございまするから、そういった
方々に多少恨まれましてもやむを得ませんから、やるべきことはやるというようにひとつ御勘案を願います。