○渋谷邦彦君 ロッキード、グラマン、そしてダグラスと、
航空機輸入をめぐる
疑惑についての
調査、もうすでに衆参両院においてさまざまな角度から審議がなされ、そしてまた解決をした案件もありましょうし、依然として
疑惑を残したままという状況の中で現在を迎えている。そして、ここで再びこの種の問題について当
委員会が開かれ、さらに問題の追及をしなければならぬということはまことに残念であり、きわめて屈辱的なことではなかろうか。一
国民の冷静な判断を通して
考えてみた場合、やはり
日本国民として無念やる方ないと、そういう心情が多くの方々の胸の中に依然として残るであろうと、こう思うわけであります。
海のかなたで起こった
事件、それが
日本に飛び火をいたしまして、そして大変な社会的な大きな問題に発展した。いま私は、すでに衆議院あるいは
参議院の
航特委においていろいろ審議された問題をここで繰り返し申し上げるつもりはございません。言い尽くされた問題もございましょう。ただ、これからこうあってもらいたいという願望を込めて
政府当局に確認をしながらお尋ねをしてまいりたい、このように思うわけであります。
初めに、自治
大臣の御都合もございますので、順序を変えて、まず石破さんからお伺いをしていきたいと思うわけであります。御
承知おきいただいておりますように、先ほども若干お触れになった内容でありますが、ロッキード
事件が起こった直後にいわゆる再発防止の
対策と今後検討すべき事項ということで、
関係閣僚の
会議がずっと持たれてきておる経過がございますね。それは五十一年、いまから四年ほど前のことでございます。五十一年十一月十二日なんです。そこで、なるほどもっともだと思う
提言が実はなされていることも私ども
承知をしております。しかし、残念ながら、その後時間の経過があるわけでありますけれども、依然としてその結論らしいものが出てこない。具体的に申し上げますと、非常に御熱心に、と申し上げたいわけでありますが、
政府部内において検討された大きな柱は、個人の政治献金というものに限定をすべき方向で改善しなければならないという項目があったはずであります。
そして、第二点としては、
政治家の個人の収支も明確化すべき必要があると。今回政治資金規正法の一部手直しが国会へ上程されるようであります。しかし、その中身を拝見いたしますと、果たしてそうした手直しだけで再発防止というものに役立つであろうか。先ほど宮澤さんは
選挙に金がかかり過ぎると。こういうことで、やむを得ないということはおっしゃいませんでしたけれども、したがって、勘ぐって物を申し上げては大変恐縮でありますけれども、どうしても癒着が起こる危険性があるというような受けとめ方を、いま私は
答弁を伺っておりましてお聞きをしたわけであります。倫理の
確立だとか
政治家個人の自浄作用によってこの種の問題は解決を図るべきであろう、そのように私も思います。できるならば、法律によって拘束をされなければ
政治家の
姿勢が正されないなんということは、これは非常に遺憾なことであろうかと私も思います。かといって、しかしある程度の交通整理をいたしませんと、そういった問題の再発が果たして防げるであろうかというような心配は、私のみならず多くの方が胸に抱いている一つの大きな疑問点であろう。
ロッキード、あるいはグラマン、ダグラスは未遂に終わったとは言われておりますけれども、しかし、この種の問題があるいは形を変えて起きないという保証は果たして現在の環境の中であり得るだろうかと、そのように思うわけでございまして、そうなれば、まず次善の策として、当然、いままで各党とも大変熱心に鋭意検討されてまいりました政治資金規正法の合理的なこの内容の改正、あるいはこれに伴う
選挙制度のもう一遍基本的な見直しというものをやらないことには、金にまつわる問題というものは後を絶たぬであろう。
政治家として非常に残念なことだと思うのです。収支を明確にしなければならぬとかというようなことは、いかがなものであろうか。
そうしたような経過をいま私おさらいをしながら申し上げたわけでございます。恐らく非常に熱意を持って石破さん御
自身が現在の
選挙制度のあり方については鋭意御検討もなされ、将来展望の上に立って、この種の問題の再発防止をめぐり、もうすでに着手をあるいはされているのではなかろうか。まず、主務官庁であります自治省において、どういういま方向性に立った——まあ与党のいろいろな御意見もございましょう、そういうものを整理しながら、こうあるべきだ、これが
日本の将来において政治を浄化する基本であると。それをまずここでお聞かせいただきたいと思うわけであります。