○
上田耕一郎君 あなたは報告を受けてないかもしれぬけれ
ども、県庁でちゃんと文書もできているわけです。以上のような問題があってたとえば農地転用の申請が出てきたんだが、県では二回もむしろ突っ返すということでいったのが、五十四年にばたばたっと決まってしまうわけですね。それで二番目の問題が出てくる。政治家の介入。それで、五十四年は四月八日がちょうど知事選挙がありまして、ここで千田県知事が中村県知事にかわるわけですね。
中村県知事にかわると、五十四年四月十六日、知事選挙の後一週間たつともう一度事前審査が申し出で出るわけです。そうすると、五十四年八月三十日農林
大臣の
許可が出るんです。
宅地開発の
許可も五月十八日に
許可申請が出されて、九月に県知事の
許可がおりるんです。つまり、五、六年めちゃめちゃに問題があるのでそのままほうっておかれたのが、知事さんがかわるとばたばたっと両方の
許可がおりてしまうということになるわけです。この問題については、落選した千田元知事、この方がいろんなことを話されていますし、週刊文春八〇年七月三十一日付でかなり詳しいことを述べられておる。
彼はこういうことを言っているんです。私
どもも、千田元知事に私の秘書が会ってお聞きしました。こう言われました。中村氏は現職の私を追い落とすために鈴木善幸によって担ぎ出された、小佐野がかんでいるニュータウン
開発についても、中村知事のもとで急に決められていったことは間違いない、そう言われています。この週刊文春の記事でもちゃんとそのことを言っています。都南村乙部のたんぼの問題、
住宅、いまの問題ですね。そういうことについても、そういう動きの中で行われたということを千田前知事がはっきり証言しております。
最初、坪二万三千円で買収したのがいま十三万円。これでもう
宅地造成していよいよ分譲というので仕事が進んでいるわけです。これは日本電建がやっているんですけれ
ども、現地事務所では坪十三万円というのが坪二十万円になるかもしれないということも言われていて、もちろん造成費もかかりますけれ
ども、当初十三億で買って差し引いてみますと利益が全部当たるかどうかわからぬけれ
ども、土地を買った値段と売り出しの値段の差は百億円を超すというような利権問題がここに生まれているという疑惑がある。この点で小佐野ファミリーが、特に小佐野氏が東北に進出してきて——きょうもう時間がないので花巻温泉問題なんかできませんけれ
ども、東北のバス、電鉄、観光地、温泉、ニュータウン等々、非常に手中にしていく仕事を始めているわけですけれ
ども、この小佐野氏がたとえば岩手県にも来る際、だれが紹介したかというと、やっぱり鈴木現総理なんですね。
週刊文春でも、小佐野が私のところへやってきたのは、岩手で国体が開かれた
昭和四十五年の春だった、鈴木君の紹介でやってきたんだ、私も、鈴木君の紹介ならと会ったんだ、ということを千田前知事は証言しております。このことは鈴木首相がもう認めておりまして、この週刊文春によりますと、鈴木総理の「材津昭吾秘書官がにがり切った顔で答える。」と。「
昭和四十五年の国体前に。ストつづきで
経営に行き詰まった岩手中央バスを、小佐野さんの国際興業に引き受けてもらおうという話になり、鈴木が角さん(田中角榮氏)に頼み、小佐野さんに会う手筈をととのえてもらって会ったんです。」と。小佐野氏が東北に進出してくる。鈴木善幸氏が田中角榮氏とのつながりで連れてくる、千田前知事にも紹介するということでこういう仕事が始まって、きょう私が取り上げております都南村のこういう
都市計画法、あるいは農地法違反の疑いのきわめて強い
開発許可が、知事がかわるとばたばたっと決まるという
状況が生まれているわけです。
われわれの
調査によりますとこの岩手県の幹部、かなり上の方の幹部です。この幹部に対して大平派の国会議員の働きかけがあったという証言も得ました。その裏には政治献金もなされているのではないかという疑惑も言われている。もしそういう事実があるとすると、これはやはり地位
利用、贈収賄など大変大きな問題になるというように思うんです。いつもこういう問題は政治絡み、政治家絡みがあるんですけれ
ども、どうもこの問題も経過全体を
考えてみると、きわめて奇怪な様相を示しているということを指摘しておきます。
次に、第三の問題として、公的
金融機関からの多額の融資についても大きな疑惑があります。通産省の
中小企業庁、商工中金盛岡支店からこの都南村ニュータウンにどのくらいの融資をしていますか。