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1980-12-18 第93回国会 参議院 決算委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十五年十二月十八日(木曜日)    午前十時開会     —————————————    委員異動  十二月十七日     辞任         補欠選任      下田 京子君     沓脱タケ子君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         野田  哲君     理 事                 井上  孝君                 高橋 圭三君                 降矢 敬雄君                 円山 雅也君                 小山 一平君                 峯山 昭範君     委 員                 伊江 朝雄君                 石本  茂君                大河原太一郎君                 河本嘉久蔵君                 北  修二君                 坂元 親男君                 塚田十一郎君                 内藤  健君                 仲川 幸男君                 成相 善十君                 福田 宏一君                 穐山  篤君                 佐藤 三吾君                目黒今朝次郎君                 沓脱タケ子君                 柄谷 道一君                 森田 重郎君                 喜屋武眞榮君    国務大臣        郵 政 大 臣  山内 一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        丸山 利雄君    説明員        公正取引委員会        事務局取引部景        品表示指導課長  波光  巖君        警察庁刑事局捜        査第二課長    漆間 英治君        行政管理庁行政        監察局監察官   鈴木 昭雄君        法務省刑事局長  前田  宏君        法務省刑事局刑        事課長      井嶋 一友君        郵政大臣官房長  奥田 量三君        郵政大臣官房首        席監察官     寺島 角夫君        郵政省郵務局長  魚津 茂晴君        郵政省電気通信        政策局長     守住 有信君        郵政省電波監理        局長       田中眞三郎君        郵政省人事局長  岡野  裕君        会計検査院事務        総局第二局長   堤  一清君        会計検査院事務        総局第五局長   丹下  巧君        日本電信電話公        社総裁      秋草 篤二君        日本電信電話公        社総務理事    玉野 義雄君        日本電信電話公        社総務理事    小澤 春雄君        日本電信電話公        社総務理事    小川  晃君        日本電信電話公        社監査局長    森谷 昭夫君        日本電信電話公        社職員局長    児島  仁君        日本電信電話公        社厚生局長    澤田 道夫君        日本電信電話公        社計画局長    岩崎 昇三君        日本電信電話公        社海外連絡室長  田代 穣次君     —————————————   本日の会議に付した案件昭和五十二年度一般会計歳入歳出決算昭和五  十二年度特別会計歳入歳出決算昭和五十二年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和五十二  年度政府関係機関決算書(第八十七回国会内閣  提出)(継続案件) ○昭和五十二年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第八十七回国会内閣提出)(継続案件) ○昭和五十二年度国有財産無償貸付状況計算書  (第八十七回国会内閣提出)(継続案件)     —————————————
  2. 野田哲

    委員長野田哲君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨十七日、下田京子君が委員を辞任され、その補欠として沓脱タケ子君が選任されました。     —————————————
  3. 野田哲

    委員長野田哲君) 次に、昭和五十二年度決算外二件を議題といたします。  本日は、郵政省及び日本電信電話公社決算について審査を行います。     —————————————
  4. 野田哲

    委員長野田哲君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算概要説明及び決算検査概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 野田哲

    委員長野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 野田哲

    委員長野田哲君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 穐山篤

    穐山篤君 最近、検査院から発表になりました電信電話公社決算の問題について、以下お尋ねをします。  まず冒頭に、検査院お尋ねをするわけですが、五十三年度、五十四年度決算内容につきまして、すでに公表が行われております。この中身につきましては逐次指摘をしてまいりたいと思いますが、いまだに作業が継続しているものがあるものと思います。それと同時に、その作業の完了を待って、改めて検査院として指摘もする問題もあるやに推測がされるわけでありますが、まず冒頭、その点についてお伺いをいたします。
  8. 丹下巧

    説明員丹下巧君) お答えいたします。  会計検査院では、決算検査報告不当事項その他の指摘を行うわけでございますけれども不当事項として指摘したものにつきましては、予算執行職員等責任に関する法律等法律によりまして、その事態に関与した職員につきまして、懲戒処分要求とか、あるいは弁償責任検定というふうな作業がございます。現在、電電公社の問題につきましては、検定作業をすでに開始しております。したがいまして、いま申し上げましたような懲戒処分要求、あるいは弁償責任検定等につきましては、今後の調査にまちまして結論がまた出されることと思います。  以上でございます。
  9. 穐山篤

    穐山篤君 電電公社総裁にお伺いをしますが、近年まれな多額な不正経理が行われたと、そういう意味で非常に国民も注目をしております。すでに昨年の国会でも、あるいはことしの春の予算委員会でも、電電公社経理問題について、それぞれの会派からも指摘がされた事実があります。  それから昨年はKDDのいわゆる不正問題が明るみに出まして、これまた世間を驚かしたわけです。なおかつ、鉄道建設公団ヤミ出張などの諸問題につきましても、当委員会で相当厳しく指摘がされまして、なおこれは警告の決議が行われたわけです。  そういうさなかに、率直に申し上げまして、そういう事態を無視しながら、従来の慣行に従って、これだけ巧妙に、なおかつ組織的に、そして大量に不正な経理が行われたということは、まことに遺憾でありまして、厳しくこれは指摘を、指弾をされなければならないと思うんです。この事態を招きましたことについて、当の当事者であります総裁として、どういうふうに事態認識をされておられるのか、まず冒頭にお伺いします。
  10. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) このたび昭和五十四年度決算検査報告書において、予算執行に関しまして私ども不正不当事項指摘され、諸先生方を初め国民皆様関係者方々に多大の御心配、御迷惑をおかけいたしましたことはまことに申しわけなく、ここに深くおわび申し上げる次第でございます。  私は、かねてから電信電話を預かる電電公社責任者としてえりを正して、国民からいささかの批判も受けることのないよう、常に厳しく戒めてまいりました。かかる事態が生じましたことは一言の釈明の余地もなく、本当に申しわけなく、責任を深く痛感しておる次第でございます。ここに謹んでこの委員会を通じまして、国民皆様に深くおわびを申し上げる次第でございます。
  11. 穐山篤

    穐山篤君 次に、郵政大臣にお伺いしますが、公社としましては、それぞれに基づいて決算書を作成をし、最終的に大臣承認を得て国会提出がされております。ここにありますのが昭和五十三年度の三公社その他の決算報告書であります。言いかえてみますと、電電公社処理の問題について、それはそれにいたしましても、監督官庁であります郵政大臣としては十分に責任を感じてもらわなければなりませんし、また出されました決算そのものについて十分に検査をし、検証をし、監査をするのが郵政大臣の任務だというふうに思うわけです。しかるに、国会提出されましたすべての五十三年度、五十四年度決算書は、決算委員会の立場から言いますと、不当な決算書国会提出をされた、それを私ども審査をしているという状況になるわけでありまして、はなはだ遺憾だというふうに思うわけです。これらの一連事件財政処理の問題について、監督官庁であります大臣責任は非常に大きいと、こういうふうに考えますが、どういう認識でおられますか、その点冒頭伺いをしておきたいと思います。
  12. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 今回、会計検査から指摘をされました電電公社の不当不正の事項がたくさんあったことにつきましては、まことに私は遺憾であるというふうに感じております。したがって、今後どういうふうに対処すべきであるか。まず不当事項内容について電電公社に私が言っておりますことは、徹底的にその内容を分析をして、どういう原因でこういうことになっているのか、そういう点をまず追及しなさい、その次には、これらに関係した者に対する処分といいますか、そういう点を厳正にやりなさい、今後こういうことがないように厳正にやるべきである、こういう点を電電公社指示をいたしているわけでございます。  もう一点、電電公社法に書いてあるのでございますけれども電電公社の自分の社の中に監査委員会を設け、監査機構を整備をして、十分にそれによる対策をできるようになっているのでございますけれども郵政省電電公社に対する監督というのは、総括的な監督にとどまっているという点が従来からもいろいろ言われておりましたけれども、そういう点につきまして、今後、電電公社の社の中における監査というものと、郵政省はもっとそういう点について徹底的にやるべきである、この両方のことを勘案しながら、ひとつ十分に検討さしていただいて、今後の問題はやってまいりたいと考えているわけでございます。今回の事項についてはまことに遺憾でございます。
  13. 穐山篤

    穐山篤君 総裁にお伺いしますが、ことしの二月、衆議院の予算委員会におきまして電電公社経理問題について指摘がされたわけですが、その際に総裁の御答弁といたしましては、わが社におきましては不正や不当なことは一切ないと確信をしている、もし指摘されるような事態があるとするならば厳正に処分をしたいと、こういうふうに明確に言われているわけですが、総裁がわが社に限ってその種の疑惑や不正がないと確信を持って言われた根拠は何であったか、その点についてもう一回お伺いします。
  14. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 二月一日か二日、予算委員会で私は本当に確信を持って、ただいま仰せられたような御答弁を申し上げました。それ以上に前からも記者会見等でも、公社ではカラ出張とか、カラ宴会などする予算的な制約も何もないんだと、だからそういうことはありませんということを私は自信を持って述べておったのでございます。その後、大阪事件を二月下旬ごろうちの関係者から耳にはさみまして、本当に私は偶然として、驚くというよりも怒りが先に立って、何ということをしてくれたかという、なぜこういうことになるのかということで、本当に私は驚いたのでございます。それが本当に私の真情でございます。  だんだんとその後調査が進むにつれまして、今回の年度決算報告書のような全貌が終結されましたけれども、本当に私はそういうふうに信じておったのでございまして、全く不徳のいたすところ、私の日ごろの監督指導の不行き届きであったということを本当に恥ずかしく思いまして、申しわけなく思っております。
  15. 穐山篤

    穐山篤君 検査院にお伺いをしますが、五十三年、五十四年度のこれは決算でありますが、五十二年度以前の問題について、本問題に関連をして特別に注意を払って、過去にさかのぼって調査を行ったことが今回あったでしょうか、その点お伺いします。
  16. 丹下巧

    説明員丹下巧君) お答え申し上げます。  ことしの電電公社のこの問題は幾つか問題がございますけれども中身的に言いますと、旅費等架空経理会議費等架空経理、あるいは決算予算総則違反とか公社法違反というのがあるわけでございますけれども、過去におきまして同種の事態があったようなこともあるんじゃないかというふうな気もいたしますけれども、ことしの作業というものは大変膨大な作業でございまして、架空経理その他につきましては、膨大な証拠書類との対比をやりまして、一年間全くこれにかかりきりでやったような次第でございます。  また、決算につきましても、これを本当に確認するためには出先のたくさんの機関決算をずっと積み上げていって確認するというふうな作業がございますので、私どもといたしましては五十三年度、五十四年度に限って、こういう検査結論を出したわけでございます。  なお、決算の問題は五十三年度の問題でございまして、五十四年度の場合には補正されているわけでございます。  以上でございます。
  17. 穐山篤

    穐山篤君 いまから十年前の大阪におきまして、いわゆる万博が開かれたわけですが、その際の電電公社ないしは近畿の電気通信局会計の問題についてお調べになったことはありますか。
  18. 丹下巧

    説明員丹下巧君) お答え申し上げます。調べたことはございません。
  19. 穐山篤

    穐山篤君 それでは、具体的に問題を詰めていきたいと思いますが、最初に、公社の本社にかかわります給与支払いの問題であります。  これは指摘をされておりますように、いわゆる団体交渉におきまして夏、冬、あるいは年度末などに一時金の交渉が行われるわけですが、その交渉の結果、いわゆる労使双方プラスアルファの合意に基づいて支払いが行われているわけです。いわゆる上乗せの問題でありますが、その処理指摘をされているわけです。  そこで、これだけの膨大な約五百十七億円ですか、膨大なものが給与として支払われるわけでありますので、公社法に基づきまして、すべからく郵政大臣承認を得て移流用の措置を行えば、財務的には処理が可能になるわけです。そのことはすでに法律にも指摘をされているわけですが、この給与問題というのは、労使双方で協定をしたものでありますから公のものですね。別に隠す必要のものではないと思うんです。また、それだけ業績が上がっているわけです。ところが、財務処理に当たって、なぜ郵政大臣承認を求めなかったのか、その背景なり理由というものがあるはずですね。その点いかがですか。
  20. 玉野義雄

    説明員玉野義雄君) お話のとおりでございまして、労使で協約して決めましても、予算上の規定がございますので、流用が必要な場合には、郵政大臣承認を得てやるべきだったとわれわれは考えております。その辺、深く反省いたしております。
  21. 穐山篤

    穐山篤君 私は、陳謝は冒頭総裁からいただきましたから、その都度陳謝してもらわなくても結構です。なぜ大臣承認を得なかったのか、何かそれは根拠なり、理由なり、背景というものがあったはずですね、そのことをお伺いをしているわけです。謝ってもらうことは別の機会にまたお願いしましょう。
  22. 玉野義雄

    説明員玉野義雄君) この問題につきましては、企業内限りで労使と協定して決めておりましたので、その辺の手続について所管のところで怠ったということでございまして、出てきております事態は、われわれも担当その他に調査しておるわけでございますけれども、何といいましてもそういう手続はわれわれは踏むべきであったということでございまして、その辺怠ったということに対しては非常にわれわれも申しわけないというふうに思っております。
  23. 穐山篤

    穐山篤君 これ怠ったというふうなことで釈明にはならないと思いますよ。少なくともこの財務処理については幾つ手順があるはずです。少なくとも役員会皆さん方が、特になかんずく経理担当のところで処理をする、それから総裁承認を得る、あるいはその前後に監事の点検を経なければならぬことになっているわけですね。なおかつ、その上には経営委員会決算を見なければならないと、こういうふうになっているわけです。いずれの段階でも、いずれの手順でもだれも気がつかない、だれも指摘をしないということも摩訶不思議でありますが、怠ったということじゃないと思うんですね、これは。あえて郵政大臣承認を求めないで、ないしょで処理をしよう、あるいは大臣承認を求めようとするならば、本問題について承認を得られないかもしれない、そういう危惧があるので、あえて正規手続をとらなかったと、こういうことも推定をされるわけです。怠ったというのはこれは弁解、釈明にはならぬと思うんです。今後もあることですから、なぜ郵政大臣承認を求めなかったのか、その点をはっきり明らかにしてもらいたい。
  24. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) お答え申し上げます。  電電公社給与総額基準内、基準外を含めまして一兆円を超える金額でございます。このうち超過勤務手当が御承知のように一千億円以上でございますが、これを半分以上プラスアルファとして支給してきたわけでございますが、その支給額決定の際に労使の話し合いがついて、それで、三十三万人に対して一定の金額を何十時間分ということで支給をして、これを給与として積み上げていった結果、これはどうも基準外が足りなくなりそうだということに当事者が気がついたようであります。そのときに、先生の御指摘のようにそうした協約ができた後ではありますけれども、遅まきながら郵政省に駆け込んで基準内、基準外流用というものの承認を求めて、お認めいただけるかどうかは別として、そういう行動をとるということも私どもとして当然やるべきことだったと思いますが、結果として、担当者が四十九億円というものを基準内の方の余りの金の方に決算をすると、こういうやり方をとって事務的に処理したということで、その結果もまた責任者の方に報告がなされなかったということで、これは予算の方を重視して決算を軽く見るという、非常に私どもとしては遺憾な事態であると、このように考えております。
  25. 穐山篤

    穐山篤君 財務諸表に百三十五億四千八百八万円の未払い金が立ててあるわけです。年度末になりますと、工事費を含めて未払いを立てるということはだれでもわかるわけですが、ただ、三月分の人件費未払いに立った場合に、これが正規の賃金であるのか、あるいは超過勤務手当であるのか、なおかつ旅費であるのか、こういうものは素人でも一目わかるはずですよね。それが十万円、二十万円というささいなものならばともかくとして、百三十五億円という数字は膨大なものでありますので、素人でも監査を行えばわかるはずです。言いかえてみますと、安易にこういう処理をやっていたのではないか。もっと厳しく言うならば、電電公社はもうけているんだからその処理の方については大目に見てくれるだろう、こういう安易な気持ちもあったのではないかというふうに思いますが、まことに私は遺憾だと思うんです。その意味で少なくとも本問題について、公社財政関係皆さん方監事、それから経営委員会皆さん方というのは、まことに国民の意に反した最も不適切な方々ではないかというふうに断定せざるを得ないと思うんです。なかんずく経営委員につきましては、国会承認を得て内閣が任命する相当権威のある人なんですね。その方々もほとんど中身を十分に検証をしないままに判こを押してしまってわれわれのところに出してきた、まことに遺憾千万だというふうに思うわけです。大臣、その点そういう経営委員だとか、あるいは公社役員であるとか監事というものについて、この際見直しをしなければならないというふうに私は考えますが、その点いかがでしょう。
  26. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 先ほど申し上げたことでちょっと訂正をさしていただきたいのは、監査委員会というのはございません。監査局の間違いで発言をしたことを御訂正を願いたいと思います。  それから、いま経営委員会お話ございましたけれども経営委員会も当然そういうことをやる役目であるわけでございます、これは電電公社法に書いてあるわけでございますので、穐山委員の御指摘のように、経営委員会は何をしていたんだという点も、私はいま電電公社の方に、この事件についてどういう経緯で経営委員会を通過したのか。もう一点は、経営委員会が任命した監事というのがいるんです。監事も何をやっていたのか。こういう点を十分調べて報告するように、いま電電公社の方に指示を出しているところでございます。それによりまして、経営委員会のあり方の問題、あるいは経営委員の問題について、ひとつさらによくなるような、どういうふうにやればできるかというような点も考えていきたいと思うわけでございます。
  27. 穐山篤

    穐山篤君 いずれ、この問題については締めくくりのところでもう一度確認をしたいと思うんです。  さて、旅費の不正の問題について、あるいは会議費不正経理の問題についてお話をするわけですが、その前に電電公社は御案内のとおり収支率制度というもので、非常に財政について、あるいは執行体制について、ある程度地方に権限をお任せをしているわけです。収支率制度というものは一応資料でわかってはおりますけれども、このメリットとデメリットというものについて、個条書きで結構ですからお伺いします。
  28. 小川晃

    説明員小川晃君) お答えいたします。  電電公社では昭和二十七年発足しまして以来、公共企業体にふさわしい活力ある運営を行うということのために、財務会計制度につきましても、従来電気通信省時代官庁会計から脱皮いたしまして、企業会計的な方向に前進するということで、先生指摘収支率予算制度をもって予算管理をしてまいってきております。  収支率制度メリットと申しますと、私どもやはり電気通信局以下の全機関経営自主性を高めていく。また、従来、官庁時代にはとかく支出面から幾ら支出できるかということにのみ着眼しがちでございましたけれども、あくまで支出というものは収入とは絶対不可分に連動する、関連するという、そういう基本認識を事業として持たなければならない。これは独立採算の考え方にも連なるわけでございます。そういった意味で、増収の努力というものが第一番に重要になってまいりまして、それを有効適切に増収に見合う経費を使っていくと、こういう権限をできるだけ幅広く現場の機関長まで付与していこうということでつくったわけでございます。  ところが、この制度、そういった点は非常にねらいとしましてはりっぱでございまして、今後もそういうメリットは生かしていかなければならないと思いますが、このたびの一連不正事件を反省してまいりますと、この不正不当事件というのは、やはりこの収支率制度の一面でございます予算統制上の包括的な支出権限の付与といいますか、そういったものの間隙を縫ったという見方もできるわけです。この点は具体的には支出結果、決算でございますが、そういったものに対する留意が欠けておるということになりますと、本来の趣旨を失うということになりますし、また基礎的な会計手続、こういったものを無視する、また公私混同するというような基本的な綱紀というものが欠けておれば非常に問題であり、またそこに相互牽制機能というようなものもさびついておりますというと、いろんな問題を起こすということでございまして、そういったことを未然に防止できなかったというのが今回の事態でございまして、まことに申しわけないというふうに思っております。
  29. 穐山篤

    穐山篤君 そこで、近畿通信局初め東北電気通信局などにつきまして指摘がされているわけですが、本来、旅費というのは実費支弁ということが性格でありまして、具体的に出張という、あるいは宿泊という行為があって、それに対して支払われるものでありますが、今回のこの処理を見ますと、すべて出張の事実がないけれども出張の取り扱いをしている、金をときにはプールをする、あるいは銀行に一時預金をする、そういうふうにためておいて支払いがされているわけですが、そのうちの約六〇%が、一億八千何百万円は飲み食いに使われている、その他四割につきましては、交際費であるとか、夜食であるとか、その他雑費に使われているわけですが、検査院報告で非常に奇妙な点が幾つか感じられるわけです。証拠書類が一応全部そろっている。事の正否は別にしましても、飲み屋からの領収書、あるいは一部支払い証明で処理しているところもあるわけですけれども、ことごとく裏づけになります書類がついていた。  この前のKDDの問題でもあるいは鉄建公団の問題でも同じでありますが、使途不明金というのが往々にして出やすいわけです。ところが、今回の旅費不正経理の中ではほとんど使途不明金が出ていないことに気づくわけです。率直に申し上げますと、昨年からことしにかけまして、マスコミでかなり使途不明金ありというふうに指摘をされたことがあったわけです。なお、検査院検査の中途で、好意的かどうかはわかりませんけれども、領収書がないじゃないかということを指摘をいたしますと、領収書をちゃんとうまくつくってきて当てはめてきた。非常に巧妙で作為的だというふうに言わなきゃならぬ。  そこで、お伺いをしますのは、これは通信局長指示をしたのか、その次の位であります部長が指示をしたのか、あるいは課長が指示をしてこういうふうな処理あるいは金をプールをするという措置をつくらしているのか、その点公社当局としてはどういうふうに理解をしているのか。さらに検査院としては、検査の過程で実際に実務をやっていたのはだれか、実務を指導しておったのはだれか。その点について明らかにしてもらいたい。
  30. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) お答えいたします。  近畿通信局の指摘されました部のやり方は、部長はこういうことを知っていたと私ども認めております。それから庶務担当課長等が中心になりまして、カラ出張によって得た金額を、これは庶務の会計責任者みたいのをつくりましてそこで管理をさせておった、そして御指摘の会食とか、慶弔の必要が生じましたときにそこから支出をしていく、こういうやり方をとっておったと認めております。したがって、その金を預かった担当者というものは、やはり自分が内容を明白にしておかなければいけないという義務感もあったようでございまして、したがって会食の都度、あるいは支出の都度領収書をもらったものもありましたし、また帳簿等にいつ幾日こういう会合があったというメモ等も記述しておったものも相当あったようでございます。したがって、そういうことで、今回の事件が起きましたことによりまして、そうした担当者が中心になりまして、残された記録あるいはメモ、あるいは当事者の記憶等をたぐりまして、検査院の御要望によりましてそうしたものを証明する書類をお出ししたと、こういうことでございまして、担当者が預かったカラ出張の金をやはり自分が責任を持って経理しているんだというそういう義務感があって、これも非常に奇妙なことでございますが——があってやっておったので、その点は一応自分が記録をしておくことが義務だというふうに感じて、いろんなものを整備し、あるいは整備できる状態にあったということでございます。
  31. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 厳密に言いますと、検定というふうな作業の中で、それぞれの責任を明らかにしていかなきゃいけないわけですけれども、私どもが現在まで調査したところによりますと、ただいま電電公社の方で御答弁があったような状態でございます。
  32. 穐山篤

    穐山篤君 そうしますと、整理をしますと、部長はこの事柄を十分に知っていた、課長が中心でカラ出張の指示をして処理を係長クラスに命じていたと、こういうふうに確認できるわけですね。
  33. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) はい。
  34. 穐山篤

    穐山篤君 そこで、近畿初め名古屋両方を含めまして、公社に与えた損害ですね、これは公社側としては幾らというふうに計算をされておりますか。  次に、同じように検査院の方から、幾ら公社に損害を与えたかということについて数字でお示しをいただきたい。
  35. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) 冒頭検査院の方からお話もございましたように、現在この不正経理支出額について検定が行われております。この検定の考え方は、不正経理ではあるけれども、その経理支出内容が一応公的と認定できるものと、それから私的であるというふうに認定するものというものをつぶさにえり分けをされておるというふうに私ども承知しております。一方、電電公社側といたしましても、そうした検査院検定とは別に、自主的にやはり公的、私的というものの区分けを明確にいたしまして、いやしくも私的と認められるものはすべて弁済するということで、目下大至急この金額を固めて、できましたら来年の一月中ぐらいにはもう返納といいますか、弁済実行まで行いたいと、このように急いでおるところでございます。金額につきましては、したがいまして、いま鋭意この金額を一つ一つ固めておると、こういう段階でございます。
  36. 丹下巧

    説明員丹下巧君) お答え申し上げます。  ただいま検定作業に入っておりますので、この検定作業が大変長くかかりますので、全金額が明らかになるというのにはかなりの時日を要するわけでございますけれども、除斥期間がございますので、私どもとしてはなるべく早期に、除斥期間の来るものから早目に検定作業を終えたいというふうに思っておりますので、この検定作業が全部終わらなければ損害額についてははっきりした御答弁ができないというふうなことでございます。
  37. 穐山篤

    穐山篤君 次に、会議費不正経理の問題でありますが、これも同様に、会議の有無を調べたところあるかないかはよくわからない、しかしながら、しかるべき証拠というものが全部そろっておったと、これも奇妙な一つ話であります。  そこでお伺いをしますが、会議費不正経理の中で、これまた同様に公的なもの、あるいは私的なものにいずれ分類をされると思うわけですが、概念的なことで結構でありますが、検査院の方から、これはおおむねこのくらいは公的支出だというふうに、認定がされるされないというふうなものについて、明らかにしてもらいたい。
  38. 丹下巧

    説明員丹下巧君) ただいま答弁いたしましたとおり、これはやはり検定作業を終えませんと、私どもとしてはおおよそということでも御答弁いたしかねますので、ひとつ御了承いただきたいというふうに思います。
  39. 穐山篤

    穐山篤君 公社はその業務の性格から考えてみまして、国際的にいろんなところに駐在を置かれていますが、この駐在にかかわります予算の配賦及び決算というのはどういう仕組みで行っていますか。
  40. 田代穣次

    説明員(田代穣次君) お答え申し上げます。  海外駐在事務所につきましては、公社の持っております海外駐在事務所は世界に六カ所ございまして、その場所並びに人員を申し上げますと、バンコク駐在事務所、これが二人でございます。
  41. 穐山篤

    穐山篤君 いや、予算決算のことだけで結構です。
  42. 田代穣次

    説明員(田代穣次君) 予算につきましては、従来の実績を積み上げまして予算を計上しておるわけでございますが、この六カ所全体の合計額が三億四千六百万円でございます。これは五十五年度の物件費予算でございます。
  43. 穐山篤

    穐山篤君 五十三年度はどうですか。
  44. 田代穣次

    説明員(田代穣次君) 五十三年度につきましては、ちょっと手元に数字がございませんので、後ほどまた調べまして御報告させていただきたいと思います。
  45. 穐山篤

    穐山篤君 検査院にお伺いしますが、この公社の海外駐在の決算というのは、今回もあるいは前回も行ったことがあったでしょうか、確認します。
  46. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 特に海外の事務所について、決算について検査をしたことはございません。
  47. 穐山篤

    穐山篤君 さて、時間がありませんのでまとめていきたいと思いますが、先ほどお話もありましたが、目下検証を行っている段階である、ですから、これだけ膨大な不正経理があったにいたしましても、公的な処理、私的な処理というふうに、いずれは明らかにされるものというふうに思うわけです。ところが、最近、ことし二回にわたりまして、公社関係者につきまして処分を行っておりますが、この処分というのは、何を根拠にして、あるいは何を基準にして処分をされたのか、その点お伺いします。
  48. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) お答え申し上げます。  最初に処分を発令いたしましたのは本年の五月二十八日でございますが、このときには近畿通信局のカラ出張の二億六千八百万円というものが検査院検査過程で明らかになりました。私ども監査機能を使いまして裏づけましたところ、これは間違いないということで、総裁も大変びっくりいたしまして、これは至急こうした関係者処分をして全国に知らせ、また国民にも深くおわびしなければいけないということで、進んで新聞にも発表いたしまして、百二十二名の処分を行いました。その後、非常に残念でございますが、さらに会議費あるいは経理上の不正決算というような問題も判明いたしまして、これが検査院検査過程で全貌がわれわれとして明らかにつかみましたのが本月の初めでございまして、これも五月二十八日と同じ思想で、内容が明確になった時点で直ちに関係者処分を行って、そして深くわれわれの自粛自戒の姿勢を示すと同時に再現を強く戒めると、こういうことで処分を実行した次第でございます。
  49. 穐山篤

    穐山篤君 今回の不正な財務処理に関連をしまして、その他北海道、東北などで一職員が着服をした、あるいは不正なことを行ったということで処分がされております。その資料は明らかにされていますから中身は結構ですが、個人が着服をした場合と、それからラインないしはラインの中のスタッフが着服をした場合とは、公社の考え方としてはどちらの方がよくないことだと、この点はどういうふうに御判断をしておりますか。
  50. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) 御指摘のとおり、北海道通信局ほか六局の横領事件はこれは犯罪でございます。したがって、直ちに警察にも通報いたしまして、刑事事件としての手続をとると同時に、五人を懲戒免職にしたわけでございます。カラ出張、カラ会議というものの不正経理はきわめて不正でございますが、先ほど来、公的、私的というお話もございましたように、この金をプールしておいて、そして会食とかあるいは慶弔に使ったという不正経理という問題でございまして、これは検査院検査を経ながらわれわれとしてこの問題の対処をしてまいらなきゃならないということで、特に予算執行職員等責任に関する法律というようなものに違反したいわゆる契約等担当役、これは部長でございますが、この責任が最も重いということで、公社内の規程に照らしまして必要な処分を行ったということでございます。
  51. 穐山篤

    穐山篤君 大臣、まあ「赤信号みんなで渡ればこわくない」という有名な話がありますね。これは、そのたとえのように、計画的に、個人が着服をしないにいたしましても、組織的に流用をして、それも架空の領収書をもらってつじつまだけは合わしているわけですね。片方の個人が何人か懲戒免職を受けているわけですが、この個人がもし同僚なり、あるいはラインの皆さんと飲んだり食ったりしていれば処分の対象にならない、こういう現実があるわけですね。——処分の対象にはなったようですけれども、片方は懲戒処分、片方は訓告というふうな、まあ身体生命には余り関係のないような処分ですね。これは非常に問題があると思う。なおかつ、先ほども検査院指摘をしますように、果たして横領であるのか、あるいは返す金額も明確にならないうちにばたばた処分を勝手にしてしまった。早く処分をして内外に公社当局の気持ちをあらわしたいということはよくわかりますけれども、個人にしてみますと、その量刑というものは将来いろんなことに影響をするわけです。にもかかわらず処分が勝手にどんどん行われるということは、私は客観的に見ましても郵政大臣に対しても失礼ではないか。ましてや、検査官が検査検定中にもかかわらず、その量刑を判断する基準さえも出ていないのにもかかわらず処分をして、ある意味ではしらばっくれてしまったというふうなことは許されないと思うんですね。この点いかがでしょう。
  52. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 穐山委員のおっしゃるとおりでございます。私も電電公社処分を決定をいたしましたときに、その時点はまだ会計検査院の正式な報告を受ける前でございます。どうして早まってしたのかということを強く忠告を与えたのでございますけれども、しかし、やった処分検査報告内容のとおりになっているかどうかということをもう一回見直しなさい、そして違っていたと、検査報告を受ける前はこういう事態でこういう処分をしましたけれども、正式な検査報告を受けますと違っていればこれは直しなさいということを私指示をいたしております。そして、早くやったから私はいいものだとは思いません。厳重に正確にやる処分が今後の問題に非常に重大な問題になってくるわけでございますから、その点を特に注意を与えたわけでございます。
  53. 穐山篤

    穐山篤君 その大臣の理解に基づきますと、検証が終わり、必要なことが明らかになれば改めて規律をはっきりする、あるいは責任の所在を明確にするということはあり得るというふうに理解をして差しつかえないですか。
  54. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 早まってやった処分でよかった人もいるでしょうし、その後の報告によって見直した場合に、これではおかしいじゃないかという点を、あるかないかをチェックしてもう一回見直しなさい、こういうことを言っております。
  55. 穐山篤

    穐山篤君 いまメモで五十三年度決算の海外連絡事務所の額がわかったということですから、ちょっとお願いしましょう。
  56. 田代穣次

    説明員(田代穣次君) 五十三年度予算並びに決算についてお答え申し上げます。  五十三年度予算は二億六千五百万円、決算が二億四千六百万円でございます。
  57. 穐山篤

    穐山篤君 検査院にお伺いしますが、検査院法の第三十三条によりますと、「職員に職務上の犯罪があると認めたときは、」以下云々というふうに出ています。そこで、今回の検査を通しまして、いわゆる犯罪というものが、不正な出張処理、それから不正な会議処理、それから本社の財務処理、この三つがあるわけですけれども、犯罪がありと認めるかどうか、あるいは犯罪があると認めるというのは、どういう分野で犯罪を構成するというふうにお考えですか、その点伺います。
  58. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 私どもは、この種の事件の場合に、電電公社の場合には不正経理と不正行為というものがあるわけでございますけれども、不正行為につきましては、明らかに業務上横領といったふうなものがほとんど構成されますので、これにつきましては電電公社の方でもそれぞれの告訴等の手続をとっておられるわけでございますけれども不正経理の問題につきましてはどういうものが当たるかということでございますが、検査報告の中でも書いてございますように、関係書類を作為しているというふうなことで、虚偽公文書作成あるいは行使、そういったものに当たるんじゃないか。あと詐欺とか背任とか、横領といったふうなものも考えられるわけでございますけれども、これについては、やはり手段自体としては、いろいろいま申し上げましたような虚偽公文書作成とか、いろんな手口があるわけでございますけれども、この判断というものは、そのお金が何に使われたかというふうなことが非常にポイントになっているようでございますので、この点の判断はそれぞれ一々について判断しなければならないんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
  59. 穐山篤

    穐山篤君 そこで、三十三条に示すところによれば、検査会議において答えを出し、その検査会議のお答えに基づいて検察庁に通告をする、しない、こういうことになっているわけですが、今回の事件につきまして、検査会議では最終的にどういう態度をお決めになったんですか。
  60. 丹下巧

    説明員丹下巧君) まだ検査会議で決定はいたしておりません。
  61. 穐山篤

    穐山篤君 そこで、先ほどお話がありましたように、公文書偽造あるいは変造、業務上横領をすべて確定をすることはできないと思いますが、その疑いがありというふうに私どもは判断をするわけですが、その考え方はいかがでしょうか。
  62. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 御答弁申し上げます。  第一に、虚偽公文書作成、行使といったふうなものでございますけれども、犯罪の捜査の端緒を与えるという点でございますと、私ども検査報告の中でこういう文書を作為している事態があるというふうなことで公表しておりますので、当然これによって捜査の端緒は与えられたというふうに考えられるわけでございます。通告ということになりますと、私どもとしては一々のものにつきまして、だれがどういうふうにやったということをそれぞれ決めなきゃなりませんし、これは先ほど申し上げましたように、横領とか、あるいは背任とかといったふうなものについてもそういうものでございます。私どもは、この架空の旅費あるいは会議費の件につきましては、三万件に上るような件数でございます。これ一々につきましてそういったものを判定し、これを通告するということは事実上できない状態にありますことを御理解願いたいというふうに考えております。
  63. 穐山篤

    穐山篤君 ということは、平たく言えば、検察庁に通告するつもりはないが、すでに検査報告書ですべてを明らかにしているので、検察庁が調べようとするならばそれはそれによりたいと、こういうふうなニュアンスに受け取りました。まあそれはそれでいいです。  最後に、この種事件があったのはまことに遺憾千万でありまして、田園調布にベルが鳴ってびっくりするような話と全く同じですが、これを根絶をしていかなければなりませんし、根絶をするためには十分責任を問わなければならぬというふうに思うわけですが、最後に、郵政大臣として根絶のためにどういうふうな法的な措置を検討されているのか、あるいは監督指導上で従来と違った方法をお考えになっているのか、その点をお伺いをいたします。  なお、率直に申し上げまして、一時間足らずの間にすべてを明らかにすることができなかったわけですが、私といたしましては、なお明らかにできなかった問題につきましては、別途にまた問題の指摘をせざるを得ないというふうな事情があることも十分理解をしていただきながら、最終的に大臣の決意を含めた御答弁をいただきたい。
  64. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 今後、絶対にこういうことはあり得ないように当然やるのが義務であるわけでございます。  そこで、電電公社法の、先ほどもちょっと申し上げましたが、電気通信省という一つの省が形を変えて電電公社になりましたので、そのときの電電公社法は自主的にいろんな点を運営するようにと、こういうような内容になっているわけでございます。したがって、監査の機構についても先ほど申し上げましたとおりでございますが、果たしてこれでいいのかどうか、どこか欠陥があったからこういう事態が発生したのでございますので、そういう点をさらにもう一回再検討すると同時に、郵政省公社に対する監督権限というものは、非常に総括的な公社法に相なっているのでございますので、その点両々相まって内部を再検討、それから郵政省としてもどうやるべきであるか、こういう点をいま鋭意詰めている段階でございますが、両々相まちましてかかる事態が再度発生をしないように、制度的、法制的にもやらなければいけないと、こういうふうに考えております。
  65. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) 委員長、ちょっと数字の修正をひとつお願いいたします。  先ほど穐山先生の御質問にお答えしまして、五十四年度の不正行為六件と申し上げましたが、五件の間違いでございました。
  66. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 非常に膨大な問題がありながら、きょうは郵政省全体の監査になっておりますから、時間がないわけで、さらにいま答弁を聞いていますと、まだ調査中であるとか、検討中であるとか、こういうことで、なかなかすっきりした答弁検査院の方からも出ていない。こういう状態ですから、これはひとつ委員長、理事に、もう一遍集中審議をする機会をぜひお願いを申し上げたいと思うんですが、その点ひとつ冒頭にお願いして、きょうはポイントだけひとつ簡潔に質問さしていただきたいと思います。  まず第一に、さっき質問がございましたが、どうしてもわからないのは、これは国民の皆さんもそうだと思うんです。これだけのことをしながら、いまお聞きしますと、手続に間違いがあったとか、こういう答弁になっておりますが、総裁、先般の決算委員会の際に私が申し上げたように、労働組合との間に一時金についてきちっと交渉なさったのは、総裁自身がなさったわけでしょう。総裁委員長の間で確認をして、一時金を何ぼ出すということを協定するんでしょう。そういうものについては、あなたは前回の私の質問に対して、これは隠したり云々する性格のものじゃありません、公然たる公社責任者と組合の責任者の協定なんだということをあなたはあのときに明確に言った。そういう手続になれば、必ず大臣認可を得なきゃならぬということはわかり切ったことなんで、それがどうして大臣認可をきちっととって、公式なものとしてしなかったのか、その点ひとつ、あなたあれほど明言したんだから、総裁自身からひとつこの問題についてきちっとした答弁をいただきたいと思うんです。
  67. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) ちょっと誤解がありますし、また先ほど私ども答弁とも関連しますが、私は国会で、予算委員会でもこの問題は、世間でいま、あの当時ヤミ給与ヤミ給与というものはヤミではありません。ちゃんとした予算総則の中でやれる範囲のものでございます。したがって、郵政大臣などの認可は必要のないものでございます。今度のはみ出した五十三年度の四十九億というのは、結果から見てああいうはみ出したと、これは予算総則違反でございまして、これは早く御承認を仰ぐなり、あるいは事後報告にすればあるいはお許しがもっと軽くなったかもしれませんけれども、はみ出したことが明らかならば認可申請をする。あの当時言ったことは、またずっとやってきたことは、予算総則の中で、超過勤務手当というものを年末手当あるいは夏期手当に上積みするということは、予算総則で堂々と許されておるわけです。だから、それは何もヤミではございませんと、そういうことを言って、昨年の二月一日か二日の予算委員会でも、私たちはヤミというものはやっておりませんということを言ったのでございます。  今度の五十三年度は、それを開いてみたところが、これを私知ったのは五月の処分のときに、ほかに何かないかと言ったらば、実は決算にこういう誤りがありましたということを聞きまして、それはいかぬなあということで、それは幾らだということになったら、四十九億基準内の給与が余っているので基準外流用してそれを粉飾した、糊塗した。わかりやすく言えば粉飾でございます、これは。明らかに粉飾でございます。それは大変なことだなということを私は発見したのでございまして、昨年のヤミ給与ヤミ給与という問題とはちょっと別なものでございます。
  68. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 だとすれば、あれは五十四年度ですかね、あなたが答弁したのは。五十四年度の場合にはきちっとした。ところが五十三年度の場合には、そのときいわゆる四十八億か、基準内の方に食い込んだと。そうすると五十二年度、その前のやつはどうなんですか。
  69. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) これは先ほど検査院からもちょっと関連の答弁がございましたが、五十二年度以前についてはそういう事実を調べることが不可能でございます。
  70. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 であるなら、この問題がヤミとかなんとかいうことではないということが、少なくともあなたが答弁した時点の問題を含めてきちっとしておるのに、五十三年度にやられてなかったとすれば、私はちょっと危惧を持つのは、五十二年度以降も、もしくはいままで国会に出されてきたこの決算報告そのものも、これはやっぱり偽造じゃないかというような感じがするんですが、そういうことについては、これは検査院ですか、どっちですか、そこはどうなんですか。
  71. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 決算につきましては、たとえば公社役員会や何かで決算を確定しますと、それでもう決まるわけでございまして、確かに振り返ってみて、それに対していろいろ瑕疵があるかもしれませんですけれども決算をそれで出したという事実は消えないわけでございまして、さかのぼってそれを修正するとか、そういったことはできません。
  72. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 どうもすっきりしない。じゃ、もう一つ聞きますが、六月の時点で八千万が使途不明という記事が報道されておりますが、今度の決算を見ると、そういうのはないですね。これはどういうことですか、検査院
  73. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 私ども検査の過程でいろいろ調べまして、今回の場合には裏帳簿がございまして、その帳簿といろいろ突き合わせましたり、あるいは領収書等を見ましたり、中には支払い証明というのもありますけれども、各個人のメモ、そういったものもいろいろ見せていただき、われわれとして一応確認できる、あるいは説明を聞きまして確認できるということで、全体にわたって確認したわけでございます。
  74. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 領収書その他はそろっておったというわけですか。
  75. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 全部がそろっているというわけではございませんで、支払い証明という形で出していただいたものもございますし、ただ、それにつきましては、それなりの説明をお伺いするとか、個人的なメモで説明していただくとかいうふうなことで、私どもが確かにそれに使ったという心証を得たもので確認しているというわけでございます。
  76. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 わかりました。  それなら検査院としては心証を得たけれども、まだ正確にきちっとしたものというふうには受け取ってないんですね。
  77. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 会計検査というのは、私どもはいろいろな検査の経験を積んでおりまして、検査に従事する職員といたしましては、単にそれが全く紙切れがあればいいということでもございませんし、あるいはないからだめだということでもございませんし、また私どもに説明していただく方々はそれぞれの責任ある立場にある方の説明でもございますし、またその説明につきましては、ほかのいろいろな情報とか、あるいは他の資料によって合理的に判断して確認するということでございまして、私どもが現在報告いたしましたこの内容につきましては、私どもなりに確認しておりまして、何らかの不明があるとか、そういったことではございません。まだ検定に入っておりますので、多少のいろいろな違いがあるいは出てくるかもしれませんけれども、私どもとして検査報告に出して、こういうふうに使っていると言いました以上は、責任を持って報告しているわけでございます。
  78. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 なぜ私がそれを聞くかといいますと、検査院報告概要によれば、カラ出張、旅費の水増し請求を証明する記録、資料類がないと、こう書いている。そうしてその下の方に、領収書を作為していたであろうがと、それらの交付先はどうだと、こういうあいまいなところが報告の中にあるから私は聞いておるわけで、わかりました。まだそこら辺の検定が済んでなければ、その時点でまた聞かしていただきたいと思います。  そこで、次にお伺いしたいのは、さっき出されましたが、院法三十三条の問題で、検査院の見解は聞きましたが、これは法務省の見解いかがですか。
  79. 井嶋一友

    説明員井嶋一友君) 見解と申しますと、どういう点でございましょうか。
  80. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 いま要約して、あなた横で聞いておったと思うのだけれども検査院の方は、通告をするについては一々三万何ぼとか資料をきちっと知っていかなければできないことであって、そういうことはいまの体制上不可能に近い、しかし、これらの内容については、一々公表して実態を明らかにしておるわけだから、当然これは、まあそこまで言ったかどうかはよく覚えませんが、推量として言うならば、法務省も知っておることだから、だから法務省として犯罪性があれば当然これに入ってきてもいいんじゃないかというような報告だったと思うんですよ。
  81. 井嶋一友

    説明員井嶋一友君) 私どもといたしましては、先般この決算検査報告書が公表されたという事実及びただいまこの論議がございましたように、現在検定作業が進められておって、より具体的な事実が徐々に固まっていくという発展的な段階にあるんだというふうにまず承知をいたしておるわけでございますが、こういった報告の中に犯罪があるというふうに認められるものがあるかどうかという点でございますが、これはこの事実の確定いかんによりましても判断が違ってまいるわけでもございますし、なお、先ほど申しましたように、段階的に発展していくものであるというふうにも理解しておるわけでございますので、現時点でこの具体的事件につきまして捜査当局が直ちに捜査をするとかしないとかいうことを申し上げることにつきましては、差し控えさしていただきたいというふうに思っておるわけでございます。しかしながら、捜査当局といたしましては、報告書に盛られております事実も踏まえまして、犯罪ありというふうに認められるものにつきましては、それなりに適切な対応をしていくものであろうというふうには申し上げることができると思います。  なお、検査院の通告の問題でございますが、通告があるかないかということは、私どもにとりましては捜査を開始するかどうかということの条件ではございませんので、そういった意味では無関係に開始することができるものであるというふうに理解をいたしております。
  82. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 私がなぜここの問題にひっかかるかというのは、鉄建公団の事件ございましたね。そのときにやはり同じような議論があったわけです。それに対して当時の法務省の見解は、重大な関心を持っておる、これは通告あるなしにかかわらず検察庁の独自の判断でやるんだと、こういう答弁であったと思うんですよ。ところが、結果を見ますと、結果的にはやらなかった、何にもやってない。こういう結果が出ておりますから、私はここでひとつ少し念を入れて聞いておきたいと思うのは、公文書偽造それからその行使、そうして今回のようにそれが酒食その他に使われておるという内容、こういう観点から見てこれは犯罪じゃないんですか。
  83. 井嶋一友

    説明員井嶋一友君) 先ほども申しましたように、犯罪捜査に着手するかどうかということも実は差し控えさしていただきたいわけでございますし、さらに具体的事実につきまして法律を当てはめて犯罪になるとかならないとかということを、この席で申し上げることにつきましてもあわせて差し控えさしていただきたい。と申しますのは、やはり捜査という事柄の性質上、こういった席で法律的な見解なり、あるいは犯罪が成立するとかしないとかいうことを申し上げますことは、結局私どもといたしまして一種の捜査に対する枠決めのようなことを行うことになったりいたしますし、また、さらにいろいろ詳細なことをこういう公開の席で申し上げますことは、もし今後犯罪捜査が行われるといたしますればそれに重大な支障を与えるということにもなりますので、そういった観点から、従来、明快な法的な判断というものはこの段階では申し上げることを差し控えさしていただいておるということでございます。
  84. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 これは法制局を呼んでくればよかったと思うんですが、私はきょうは法務省しか呼んでなかったんですがね。しかし、公文書偽造が——あなた一生懸命この問題で何か発言すると重大な波紋を起こすということで心配して言っているようですが、公文書偽造、その行使、そうしてその行使した結果の内容、こういう実態から見てこれは犯罪に入るんじゃないんですか。何でそんなにこだわるんですか。それが入らなければ、いまから公文書偽造オンパレードでやっていいということですか、どうなんですか。私は、国民の皆さんから見ると、鉄建公団の場合にあれだけのことをやって、そうして刑事事件にはついにならなかった、こういう物すごい割り切れなさ、不満が残っておると思うし、KDDの問題は後で申し上げますが、この問題でもそうですね。こういった行為が繰り返されていくことに対して、私は政治、行政に対して国民の皆さんは絶望感を感ずると思うんですよ、やっぱり役所のなれ合いなのかと。検察庁にしても、法務省にしても、そういうあいまいな態度なのかということを国民の皆さんが感ずると思うんだよ。だから、こういったものについてはこうだ、しかしこの事件についてどうするかについてはもっと慎重にというならわかりますよ。どうなんですか。
  85. 井嶋一友

    説明員井嶋一友君) 同じことの繰り返しで恐縮でございますけれども、先ほど来申し上げておりますことは、こういった行為がけしからぬとかなんとかいう評価の問題でございますとか、あるいはいわゆる社会的な意味の評価でございますが、そういったことについて私ども答弁をしておるわけでございませんので、要するに犯罪の捜査をするかしないか、あるいはその犯罪に当たるか当たらないかという具体的な事実をお聞きになるわけでございますので申し上げるわけでございます。  もちろん一般的に抽象的に申し上げますれば、捜査機関は犯罪ありと考えれば捜査をするというのが義務でございますので、社会的に見てそういう評価があるというような事実が指摘されておるということを検察庁としては一つの関心を持って見守り、そしてそれに対して適切に対応していくという立場にあるということを申し上げるわけでございます。
  86. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 どうも私はあなたの答弁理解できませんね。  そこで、これは検査院に聞きますがね、三十三条の規定、この規定が私は恐らくこれではないかと思うんだが、この規定がちゃんとある。「職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を検察庁に通告しなければならない。」と、こうなっている。しかし、この通告行為というものは最近やっていますか。恐らく二十年近くやっていないんじゃないですか。こういう規定があって、また私は思うのは、あるのに通告をしない、だから検察庁としても動けない、こういうことになるんじゃないかと思うんですが、なぜ、あるならばそれを行使しないのか。通告できないという事由があるなら、もうこの条文そのものをなくした方がいい、そう思うんですが、一体どうですか。
  87. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 先ほどちょっと触れましたけれども、私どもの、まあ皆さん方が見ると同じように見えるかとも思いますけれども、今回の電電公社の問題にいたしましても、不正経理というものと不正行為というものがございます。いま委員がおっしゃいましたように、検察庁に対する通告というのは二十年来いたしておりませんけれども、じゃ不正経理というのはそれ以前においてもなかったかといいますと、昭和二十年代には多数の架空経理が発生しております。不正経理と不正行為というのはそれだけの差がございまして、私どもが従来通告いたしたものは不正行為に属するものでございます。  不正経理の場合には、確かに先ほど申し上げましたように、関係書類を作為するわけでございますから、その作為ということにつきまして偽造公文書作成といったふうな犯罪に当たるんじゃないかというふうに思われるわけでございますけれども、実際に、じゃそれが背任とか、横領とかになるかといいますと、その手段の問題よりも、実際にそれがどういうものに使われたかということが判断になりますわけでございます。これは、私どもの通告といたしましては、それぞれ個人につきまして一件ごとにどういうものに当たるかということを判定しなきゃいけないわけでございますので、不正経理の場合に、それぞれについてそういうふうなことを判定するというのは、私どものこの膨大な作業の中では事実上不可能に近いことでございまして、その間の事情をひとつ御了承いただきたい。  それからもう一つ、そういう偽造公文書作成ということにつきましては、一般的に全体ひっくるめて申し上げますならば、その犯罪捜査の端緒になるという点におきましては、検査報告の中でそういう文書を作為して、こういうことを行っているというふうなことを記述してあるわけでございますので、それによって端緒は与えられているんじゃないかというふうに思うわけでございます。
  88. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 端緒は与えられておるけれども、鉄建公団のときになぜそれなら入らなかったのか。同じことを言ったわけですよ、検査院は。ところが、刑事局長も独自でやりますということを言った。国民の皆さんはそれを期待した。結果は何かと言えば、何にもない。私は、恐らく私の推量ですけれども、やっぱりせっかくこういう規定がある。その規定を検査院は行使しない。その行使しないのに検察庁が乗り込んでいくということについてはなかなかやりづらい。こういうものが役所間に私はあるんじゃないかと思う。大蔵省のカラ出張の場合だってそうです、先般の。全然放任であります。こういうことが繰り返されていったら一体どうなるか。私は、先日、川治のあのホテルの昼火事で四十五名亡くなった現場を視察に行ってみて、つくづくそう思ったんです。消防法の中にはきちんとそういう悪質なものについては告発をするということがある。十年前から再三にわたって勧告したにかかわらず、文書で三回にわたってしたにもかかわらず、旅館の方が聞かなかった。現場へ行ってみると、防火壁はちゃんとあって、真ん中に通路がある。そこから火がいっておる。そういうことから考えてみると、もしあそこに防火壁をつくりなさいという消防庁の十年前からの再三の通告がやられて、やらなけりゃ告発してぴしっとしておったら、四十五人の昼火事の惨事はなかった。私は同じことが今回の場合でも言えるんじゃないか。鉄建公団からどんどん続いてくる。まだまだあると思いますよ。なぜかと言えば、これは検査院調査しているのは八%でこれだけ挙がってきておるわけだ。だとすれば、電電だけでなくて、全体にこういう実態が多数あると見なきゃならない。そういう性格のものがまた今度もこういうふうに取り上げられて、しかも結果的に、検査院法三十三条がありながら、発動が実態上、体制上できないということで、検査院は消極的になり、また検察庁の方はこの三十三条があるために結果的には役所間の関係から入らない、こういう繰り返しをしていくんじゃないかという危惧があるから私は言っておるわけです。さらにもう一つ問題なのは、刑事訴訟法の二百三十九条の中に、この中にもきちんと「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と、こうなっている。ですから、この観点から言ってみても、私は検査院がこの際毅然として、きちっとし、同時に、検察庁がそれにこたえてこの問題に対して解明をしていくということが、これが私は基本でなきゃならぬと思うのですよ。検査院がどの程度検査してみても、これは捜査権がないわけですから、強制権がないわけですから、逆に言うなら、こういう組織ぐるみでやった場合、さっきの報告を見ると、個人じゃないですよ、組織ぐるみでやった場合に、その組織ぐるみの中から出されてくる資料でもって推測し判断していくしかないわけですよ、検査院の場合には強制捜査権はないわけだから。だとすれば、それはこちらが良心的に出したもので判断するしかないんですよ。それが国民の前にわかる限度ですね。本当の意味の真実というものは出てこないまま終わってしまうのですよ。それを出すためにこういう規定がちゃんとつくられておるわけだよ。どうしてそれが生かされぬのか、これを私は国民の本当の怒りだと思うのですよ。どうですか。もう一遍、ひとつ検査院と法務省の答弁をいただきたいと思います。
  89. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 確かに委員さんのお気持ちは大変よくわかるわけでございますけれども、院法第三十三条というのは犯罪捜査の開始の条件ではございません。ほかにいろいろ他の法律において告発の規定がございますけれども、これらは犯罪捜査開始の条件になっているのが多いんじゃないかというふうに私は考えております。こういう不正経理についての検査というのは大変困難な作業でございます。確かに委員さんおっしゃるとおり、私どもは相手方の説明、そういったものを承って事態の全貌を明らかにする。ただ、私どもの目的といたしましては、何も犯罪を摘発することが目的ではございませんで、やっぱり会計経理を正しくしていく、国民の前にそういう不当な事態があればそれを明らかにするということが大きな目的でございまして、さらにそれから進んで一人一人の個人につきましてそういう犯罪があるかどうかというふうなことを立証することは、私どもの仕事といたしましては、先ほど申し上げましたように多数の事案がありますので、それを個人個人につきまして犯罪通告する。その中で、先ほど申し上げましたように、背任とか横領とか、そういったものにつきまして判断するためには、その事態がどうであるかというその手口だけじゃなくて、その使途までも判断しなきゃならないわけでございまして、これは大変私どもにとりましては多大な労力でございまして、先ほど申し上げましたように、不正経理を発見するというのは大変な作業でございますので、事実上私どもとしてそういう犯罪通告するようなことが不可能な事情にあるということをひとつよろしく御賢察願いたいと思います。
  90. 井嶋一友

    説明員井嶋一友君) 先ほど申し上げましたように、検査院の犯罪通告がなければ捜査をしないというものではないということは先ほど申し上げましたとおりでございます。そこで、先ほど来申し上げましたが、私どもといたしまして、立場上犯罪の捜査を開始したいとかしたくないとかいうことが言えないという立場であるということを再三申し上げておるわけでございまして、それは犯罪の捜査という性格から来る事柄でございまして、国民のサイドから見ればこうだというようなお気持ちはよくわかるのでございますけれども、だからといって、ここでしたいということを申し上げるわけにもまいりませんし、したくないということも申し上げることができないという立場であるということを申し上げておるわけでございます。そういうわけでございますが、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、この報告書の公表あるいはこの本日の委員会の御審議といったようなものも、すべて私ども捜査当局の立場からすれば、一種の捜査の端緒というものであるということは認められるわけでございます。そういったものを踏まえて、検察当局が犯罪ありと認めるか認めないか、犯罪ありと認めて捜査を開始するかしないかということを、検察当局が独自の立場で判断をいたすという立場にあるわけでございますので、私どもはそれを見守りたいということが私の言える限度でございます。  なお、先ほど来、鉄建公団の事件につきまして何もしないというようなお話がございましたので、若干申し上げておきますが、もちろん犯罪通告はございませんでしたけれども報告書の公表あるいは委員会の審議、あるいは世論といったものも端緒の一つにし、さらに告訴、告発がいろんな方面から出ましたということも端緒といたしまして、東京地検で鋭意捜査をいたしまして、十分な捜査を遂げた結果、御指摘のように犯罪としては成立しないという結論を出して不起訴処分にしたということでございますので、つけ加えさしていただきます。
  91. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうしますと、鉄建公団の場合は明らかにあれもカラ出張、公文書偽造、行使、その結果の金は飲み食いと、これは犯罪じゃないわけですね。
  92. 井嶋一友

    説明員井嶋一友君) 鉄建公団事件と申しましても、御承知のとおり、非常に多岐にわたる告発事実が出ておりますけれども、主な事実は、御指摘のように、いわゆる予算の費目を流用いたしまして、特別手当として精励手当といったものを加算支給していたという事実、それからカラ出張を起こしまして裏金をつくって、それによっていわゆる超過勤務手当の補てんをしておった、あるいは会議費等流用しておったという事実、これが主な告訴事実であるわけでございますが、いずれにいたしましても、まずその精励手当の方につきましては、長年の慣行で労使協定に基づいて他の費目から流用したという事実でございまして、確かに予算の執行手続といった面におきましては、非常に不適切であるということは言えるといたしましても、全体といたしましてその犯罪性、つまり背任罪といいますか、そういったものの犯罪性を認めることはできなかったということでございます。  それから、カラ出張の関係につきましても、結局は私にしたものではなくて、結局公団の業務の遂行の必要上使われたものであったということが認定されましたので、これもやはり予算の執行の手順といたしましては非常に不適切なものではございましたけれども、犯罪というふうに問擬することはむずかしかったということでございます。もちろん、その中に担当者がいわゆるカラ出張の関係の文書をいろいろつくったという点につきましては、これはその事実を認めないわけにはいかなかったわけでございますけれども、その結果つくられました金といったものが、先ほど申しましたような公団業務の遂行の必要上使われた事実が確定できたというようなことから、結局はそういった担当者の文書の偽造の事実につきましても、あえて処罰の必要はなかったという判断に至ったということでございます。
  93. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうなりますと、今度の場合もこれは電電公社の必要のためにカラ出張をやった、こういう立証をすればこれは犯罪じゃないと、そういう論拠になりますね。まあいいでしょう。これはまたこれからひとつ追及の機会もあるでしょうから時間がございませんのでそれに譲ることとします。  そこで、郵政省にちょっと聞きますが、KDDの捜査が終結したという五月十四日ごろですか、衆議院の逓信委員会か何かでそういうのを警察庁が発表しまして、それを受けて六月の二十三日、ちょうど選挙の済んだ直後に処分が出ていますね。この処分内容と理由は何ですか。
  94. 奥田量三

    説明員(奥田量三君) 御指摘のとおり、本年六月二十三日付をもちまして、国際電電との間におきまして一部社会的儀礼の範囲を超える会食、あるいは贈答等があったと認められた職員並びにその指導監督の立場にあった者計七名に対し、それぞれ処分を行い、責任の所在を明らかにしたところでございます。
  95. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 これはおかしな話で、大西郵政大臣にこの問題を私が決算委員会で追及したときに、資料はもう全部警察庁が持っていっておるので、この問題に対しては調査が省としては一切できませんと、こういう報告をいただいたんですが、この七名の被疑事実については、警察庁の方から資料をいただいて判断したんですか。
  96. 奥田量三

    説明員(奥田量三君) 昨年の秋、省内に綱紀点検委員会を設けまして、所要の調査を行いましたところ、一部会食、贈答等の事実があったことが明らかになりましたが、その調査結果については、いずれも社会的儀礼の範囲内と認められたところでございます。  その後、本年の定期異動期を迎え、新たに業務の執行体制をしくに当たりまして、さらに点検を行いましたところ、先ほど申し上げましたような事実がございましたので、これについて六月二十三日それぞれの処分を行ったというところでございます。  なお、ただいま御指摘の司法当局からの通告とおっしゃいましたかというふうなことに関連をいたしましては、ただいま申し上げました六月二十三日の処分を行うに当たりまして、警視庁から必要な協力を得まして、これを参考として、さらに省の独自の調査により判明した事実に基づいて措置をいたしたものでございます。
  97. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 その協力の中に、たとえば佐藤公判の中で明らかになっていますね、検事調書で。廣瀬元郵政次官に四十万円の接待をしたとかいろいろ出されておるんですが、その協力の中では四月に辞任しています次官とか郵務局長も含まれておったんですか。
  98. 奥田量三

    説明員(奥田量三君) 先ほど申し上げました警視庁から受けました協力は、あくまでも全体として、今後の行政運営上参考となるべき事柄についての協力を求める趣旨のものでございました。また、警視庁当局もそういった趣旨によって郵政省に協力をしてくれたものというふうに考えるわけでございます。全体としての協力ということでございます。  処分につきましては、先ほど申し上げましたとおり、省の独自の調査、省の責任によって行ったものでございますので、警視庁からの協力の内容につきまして、個々人にわたる事柄を具体的に申し述べることは差し控えさせていただきたいと考える次第でございます。
  99. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 警察庁いかがですか、その協力の内容を含めて。
  100. 漆間英治

    説明員(漆間英治君) いわゆるKDD事件につきましては、警視庁が所要の捜査を遂げまして、その結果、証拠上刑事責任を問うべき事実があると認めた者につきましては、いわゆる立件送致という手続をとったところでございます。その中には郵政省関係者が含まれておったことも御承知のとおりでございます。しかしながら、このような手続をとらなかった者について、警察の方から郵政省にこれに関する事実を通告するというようなことは制度としてもございませんし、それからまた事実上もそのような手続はとっておりません。ただ、先般のKDD事件に関しまして、郵政省の方から今後の綱紀粛正あるいはこの種事犯の再発防止、そういった監督上の問題等行政上の参考にしたいという観点から、警視庁に対してアドバイスを求めてまいりましたので、警視庁としては応じ得る範囲内で参考となるべき事項郵政省に伝えたというように報告を受けております。したがいまして、その応じ得る範囲内で参考となる事項を伝えたということでお答えにかえたいと思います。
  101. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 そうしますと、さっき私が聞きました廣瀬元郵政事務次官の佐藤公判で出ておる四十万円というのは、捜査の段階ではつかんでおったんですか。同時にまた、四月に辞任しました現職の事務次官、郵務局長についてはどうであったんですか。
  102. 漆間英治

    説明員(漆間英治君) 先般のKDD事件に関連しましていろいろな方の容疑事実が浮上したということは事実でありますけれども、結果として立件送致した人たちは限られているわけであります。したがいまして、その立件送致をいたしませんでした人に関する事柄につきましては答弁を遠慮したいというふうに考えております。
  103. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 答弁を遠慮したいということになると、これはあれですが、官房長、それなら事務次官、郵務局長はどういう理由でやめたんですか。
  104. 奥田量三

    説明員(奥田量三君) 四月のその時点で当時の大西郵政大臣国会でお答えを申し上げておりますとおり、五十五年度予算の成立を機会に神山前事務次官は人心一新を図る観点から後進に道を譲るため勇退し、また江上前郵務局長は、いわゆる同期のある者が事務次官になれば他の者が勇退をするという官界の一種の習慣に従い、これを尊重するという立場、あわせて人心刷新を図るため退職したものと、かように承知をいたしております。
  105. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 それぞれ在任期間はどのくらいですか。
  106. 奥田量三

    説明員(奥田量三君) ただいま正確に記憶をいたしておりませんが、郵政省職員としての在任期間は。
  107. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 違う。次官と郵務局長の在任期間。
  108. 奥田量三

    説明員(奥田量三君) しばらくお待ちください。——事務次官、郵務局長いずれにつきましても、ちょっと概算でございますが、在職期間は一年八カ月ないし九カ月程度であったと存じます。
  109. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 どうもすっきりしませんが、恐らくKDD事件に私はかかわっておったんじゃないかと思うんですがね、これは推量ですが。つかまった松井さんたちの周辺から聞こえてきたのは、何もおれたちだけやったんじゃない、運が悪かった、もっと大きいのがおるじゃないか、こういうのが周囲から流れておりましたが、しかも次官については辞任と同時に外郭団体の理事長におさまる、こういう人事をやってのけておりますけれども、あり方というのが一体いいのかどうか。さっき郵政大臣もちょっと言っておりましたが、やはり事件の白黒をきちんとつけて、責任所在を明確にしてやっていくというルールが確立されないと、高級の者だけはさらっと外して、そうして下の者がつかまってそれでもうちょんと、警察庁の方は事件内容は差し控えたい、こういうようなことでは、私はいつまでも疑問が残るし、疑義が残るし、不信が国民につのってくると思うんですね。そういう意味で、きょうできれば鮮明にしてもらえれば、もっとこの問題についてすっきりしたものが出てくるんじゃないかと思うんです。大臣、この問題についてはあなたが就任の前の話だけれども、いまのやりとりを聞きながら、一体どういうふうにお感じになりましたか。
  110. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 私、残念ながら余り詳しく承知をいたしておりませんけれども、いまいろいろと捜査当局も捜査をされたことでございますし、郵政省内においても適正な処分というものをやっているというふうに聞いたわけでございますけれども、さらに私も詳細にはいろいろと勉強さしていただいて、今後のいろんな問題の対処の参考にしたい、いまここではそういうふうに考えているわけでございます。
  111. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 もう時間ございませんからね、きょう私はバイクの振動病の問題についても質問をしたいと思って人事院にも来ていただいたんですが、それもできません。さっき理事会の方にも、委員長の方にもお願いしたんですが、ひとつぜひ集中審議できる体制をお願いしておきたいと思います。  最後に、この問題で私がなぜ鉄建公団の問題、KDDの問題を引き出したかといえば、先ほど言っておるように、非常に国民の側から見ますとあいまいに問題を解決していっておる、そういう前例があるものですから今度もまたそのようになるんじゃないかという危惧が私はあると思うんですね。そういう意味合いで進んでまいりますと、私は、公文書偽造というものはもうこれはあたりまえなんだ、いわゆるその省なり、事務所なり、事業団体の業務遂行のためにはやむを得ない必要悪なんだ、こういうような気風がずっとびまんすると思うんです。そうなったら、これは検査院が少少追っかけたところで、これはどうにもなるものじゃありませんよ。ですから、私はそういう観点から見ると、この際、一罰百戒じゃありませんけれども、徹底的にこの問題について追及して明らかにしていく、この姿勢が検査院にしても、司法当局にしても、同時に、監督官庁としての郵政省にしてもなきゃならぬと私は思うんですが、そういう意味で、ひとつ大臣検査院、それから法務省に見解を聞いて、きょうの質問を終わりたいと思います。
  112. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 先ほども申し上げましたけれども、第一の段階はまず徹底的に内容調査をすること、これを電電公社指示をいたしております。だれがどういう理由でどういう経緯でやってきたということを徹底的に捜査をする、それに対する処分を厳正にやる、これが第一段階、一番必要なことであると思います。  次には、先ほどもちょっと触れましたけれども電電公社の自主的な運営という点は電電公社法に書いてあるとおりでございますので、それも結構だと思いますけれども経営委員会のあり方、あるいは監査局のあり方、そういうものがいまのとおりでいいかどうかという問題、それを再検討いたしまして、さらには郵政省電電公社に対する監督監督権というものが非常に総括的で平ら過ぎているんじゃないか、それをもっと突っ込んでやるにはどういうふうにすればいいか、こういう点を十分に検討して、かかる事態が再びないようにというふうにやっていきたいと思っておるわけでございます。
  113. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 昨年、幾つかの省庁あるいは鉄建公団などでこういう架空経理の問題が起こりまして、私どもとしては非常にしっかりやらなきゃいけないというふうなことを考えまして、引き続き本年はこういう予算経理の問題、私どもといたしましては当然予算経理の問題については、戦後いろいろ内部の監査機関どもありますし、そこでしっかりやっていただくということも考えながら、これまでの事業等の拡大というふうなこともありまして、やや事業等の拡大につきまして重点を置いたような検査を行ってきたわけでございますけれども、昨年そういうふうなことがございまして、本年は特にそうした予算経理につきまして重点を置いて検査するようにというふうな指示をいただきまして、私どもはいろいろ全力を尽くしてやってまいったわけでございますけれども、何せこういう事案というのはなかなか発見が困難な面もありますし、また、取りかかりますと本当に大変な労力あるいは精神の疲労というふうなことがございまして、電電公社の問題につきましても、一年間本当に担当検査課は相当な労力を使いましてやってきたわけでございますけれども、なお、まだこういうことが後を絶たないということでございますので、今後も一層予算経理の厳正ということにつきまして、検査をさらに進めてまいりたいというふうに思っております。
  114. 井嶋一友

    説明員井嶋一友君) 私どもといたしましては、本日の当委員会の御審議の模様につきまして、しかるべき方法で検察当局に知らせるということをいたしたいというふうに思います。
  115. 野田哲

    委員長野田哲君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午後零時三分休憩      —————・—————    午後一時開会
  116. 野田哲

    委員長野田哲君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和五十二年度決算外二件を議題とし、郵政省及び日本電信電話公社決算についての審査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  117. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 大臣お尋ねをいたすわけでございますが、私の考え方も少し申し上げてお尋ねをいたしたらと思うのは、四千八百億の、もうどうも本決まりのようでございますが、この件について、まず不正行為の犯罪の問題以前に頭でお聞きをいたしたいと思う。  あれが、五千百五十二億という風が大分吹き出して後に、大変なそれぞれのところの御努力もあったと思うんですけれども、四千八百億になったことがいいか悪いかという問題はあると思うんですけれども大臣、大変御苦労なさったと思うのでございます。私は、この問題がちょうどたまたまこの不正事件が起こったさなかに、この四千八百億の吸い上げ問題が起こったものですから、これはいかにも懲罰的なものの感じで国民が受け取っておるのではないだろうかということが一つであります。もう一つは、これはこの限りでとめないと、本来これ法律をつくらなければ取れない金でございますから、今回限りにしなけりゃならないということ、これと利用者サービスという問題がうらはらにあるのでございますから、そういう意味でこの四千八百億が多かったとか少なかったとかは私もわかりませんし、また恐らくいろいろな政治、あらゆるものを、いまの日本の命題でございます財政再建も含めましてのコンピューターにかけてもわからないほどの問題があったと思いますので、この金額については一切とやかく申し上げないのでございますが、今後こういう問題が起こってはなかなか企業意欲がそがれると思いますし、内部の、裏側にあります利用者サービスの問題も起こると思いますので、このあたりでひとつ大臣のお考えをお聞きしておいたらと思うわけでございます。
  118. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 電電公社の納付金の問題は、来年度予算編成をやるに当たりまして非常に歳入、増税というのがむずかしい点と、それから国債の発行を二兆円減らしていかないといけない、こういう点を考えていきますと非常に、財政再建といいますか、そういう時代に入りましたので、何とかして歳入になるような金額を準備しなければ予算が編成できないというような事態にいまなっているわけでございます。そこで出てきた問題でございまして、電電公社総裁がおられますけれども、従来の損益勘定において、五十一年の値上げの後、収支差額というものが相当額出てまいっておることは事実でございます。しかし、これは何も金を置いてあるわけではございませんで、いろんな施設、あるいは研究、あるいは利用者に対するサービス、たとえば十一月二十七日から行われました夜間の割引の問題、こういうことに充てて有効に使っている金でございます。したがって、一年度をとりますと、収支の全体のバランスはプラス・マイナス・ゼロと、こういうことに相なっているわけでございますが、経営の状態を、電電公社内容を見てまいりますと、ほかの会社よりも非常に優秀な経営をしていただいておりますので、会社で言えば本当に健全な会社である、したがって、この際、納付金を仮に出したとしても、それは取り返すことはできるであろう、弱い会社から金を吸い上げればつぶれてしまいますけれども、そういうような観点から、いろいろと折衝が行われまして、四千八百億円を四年間均等にひとつ非常事態だから納付していただきましょう、しかし、それについて利用者に対するサービスを落とすとか、そういうことはしないで、それは依然として続けてやっていく、そういうような状況でございましたので、私も心から賛成しているわけじゃございません。ただ、そういう財政の再建の観点から、昨日大蔵大臣と話し合いをいたしまして、そういう結果に相なったわけでございます。
  119. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 それでは、午前中にもございました不正行為のことでございますが、大分議論もされておりますので、時間もございませんから、わかりやすいお尋ねをして、お答えをいただきたいと思うのです。  まずヤミ賞与、この問題がいろいろ問題になり、それが先ほどから会計検査院の方でいろいろ御指摘があったわけでございますが、こういうふうに分けてひとつ御説明を願ったらと思うのですが、四十七億円の問題と、五百十七億円の問題と、別口の横領のあった六千万円の問題とを、先ほどからもずっとお聞きをしておるのでございますから、ごくひとつわかりやすい形で、この問題についてはこういう経過をたどって、こういう処分をしておるのだとか、経過の過程にあるものは経過の過程でも結構でございますが、この三つの問題に分けてお答えいただくと、非常にわかりやすいと思うのですが、いかがでございますか。それぞれのところからお答えください。
  120. 児島仁

    説明員(児島仁君) まず、五百十七億円の問題についてお答えをさしていただきます。  これは五十三年度におきまして、私どもの事業の中で、仕事量と要員との関係が、仕事の推移に従ってかなりなアンバランスが出てきたと、そういったことで要員の合理化、配置転換あるいは再訓練等を相当膨大にやらなきゃいけないという事実がございました。労働組合と鋭意激しい団交をやってまいりました。そういった年でございましたんですが、そういったことの背景もありまして、年末手当あるいは夏期手当の上に、まあ平たい言葉で言いますとプラスアルファとして、つけ加えて支払ったものが五百十七億円でございます。  それからもう一つ四十九億円、先生四十七億円とおっしゃいましたが、恐らく四十九億円弱の例の流用の問題ではないかと存じますが、これにつきましては、いま申しました五百十七億円というものを払っていった結果において、基準外給与の中に穴があいた額でございます。この四十九億円は、先ほど来申し述べておりますように、本来穴があいたときには基準給与から持ってくる、その際には郵政大臣承認を受けなくちゃいけないという性格のものでございますが、毎回お答えしておりますように、この四十九億円については、たまたま給与総額全体として余裕があったということのゆえをもって、まことに申しわけないことでございますが、基準内から基準外に持ってきて、埋め合わせをしたという性格のものがこの四十九億円でございます。  なお、その六千万のものについては別途にお答えをいたします。
  121. 森谷昭夫

    説明員(森谷昭夫君) 不正行為につきましてお答えを申し上げます。  五十四年度決算検査報告で明らかになりました不正行為は、信越、近畿、九州、北海道の各通信局管内におきまして、北海道が二件で計五件でございます。これらにつきましては、それぞれ横領事件ということで、犯罪でございますので、はっきりしました時点で懲戒免職にいたしまして、司直の手にゆだねております。監督責任者につきましても、それぞれ減給から戒告、訓告ということで、総計五十九名の処分を行っております。この横領金額の合計は、六千四百七十五万二千余円ということでございます。  以上でございます。
  122. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 それでは、会計検査院にお伺いをいたしますが、この五百十七億のヤミ給与というものを、会計検査院指摘をせられた五十三年、五十四年前後から、これをその時点で中止をして、今後行わないようになったということは、会計検査院の方からどういう御指示なり、どういう指摘がございましたか。あわせて、そのことについて電電の責任ある方からお答えをいただきたい。今後どうせられるかということも、できればあわせてお答えをいただきたい。職員局長でいいと思うのですが、それは労働協約というものとは全然関係のないことなのかどうなのか、これもひとつお教えをいただけたらありがたいと思います。
  123. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 私どもは五百十七億の問題につきまして、これは超勤の一律支給でございますけれども、これの裏づけになる資料、超勤の事実というものが確認できませんので、そういう裏づけのない——超過勤務手当というのは超過勤務という労働の実態があるということに応じまして出すものでございますので、そういうふうな裏づけのない超過勤務手当を出すのは、経理上適切でないというふうなことを申し上げまして、これについてそれぞれの是正の処置が講じられているわけでございます。
  124. 児島仁

    説明員(児島仁君) 五百十七億円を払いました事務手続の不適正さについては、いま会計検査院の方から御報告あったとおりでございますが、私どもの立場といたしまして、この五百十七億円というのは、労働組合と賃金支払いの問題の一環として団体交渉を重ねまして、一定の約束をいたしまして、この取り決めに従って支払ったものでございます。したがって、労働組合との間においては、これは正当なものであるということでございますが、第一点は、先ほど検査院の方から申し上げましたように、手続的に一つ問題があるということ、それからもう一つは、私ども政府関係機関として事業をやっておるわけでございますが、この政府関係機関として事業をやってまいります際に、当然のことでございますが、関係御方面からいろいろな御指導等をいただいておるわけであります。そういった御指導の範囲内で、私ども仕事をするわけでありますが、その範囲内で仕事をするに際して、こういった手当の問題は、手続の問題もさることながら、プラスアルファとしてこういうふうな額を積むということは適当ではないというふうな御批判等もございます。そんなことで、私どもといたしましては、五十五年度につきましては、すでにこのプラスアルファということを超過勤務手当のかっこうで支給することは一切しておりませんし、絶対額としても、今年度は追加の支給ということをやっておりません。ただ、事業をやるにつきましては、団体交渉権は労働組合は当然に持っておるわけでありまして、賃金問題はその団体交渉事項の大目玉でございますので、これの団体交渉をやっていく中で、やはり同じような要求というものは出てくると思います。しかし、これの取り扱いにつきましては、政府関係筋の御指導を得て、われわれは世間的にも、制度的にも許される範囲の中で、今後団体交渉で決めていきたいというふうに思っております。
  125. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 ちょっと、そのあたりが大変私はあいまいだと思うのですが、やってはならないことを団体交渉で決めて、それでやっていくんだ、そのやるかやらないかは御批判もいただきながらやるんだだのという話で、ちょっとそれでは御答弁にならぬのではないであろうかと思うのですが、御承知のように、これは人間の数で私がちょっとごく簡単なもので割りますと、一人十七万ぐらいですか、十七万上積みというのは、中小企業でございましたら、年末苦しいときには十七万もボーナスがあったらもう最高のときなんですね。それもそれなりに正規のルールを踏んでやるということだったらですが、ただ、ここで私はそれをやめるとかやめないとか言っているのではございません。それなりに今後やらなければならないが、会計検査院お尋ねをいたしますが、これは三公社、五現業、国鉄も含めましてこの問題が私はあるのではないかと思うのですが、何かその御見解がございますか。
  126. 丹下巧

    説明員丹下巧君) お答えいたします。  昨年、実はこういうふうなどうも各団体の特別な手当というのが非常に多過ぎるのじゃないか、その間におきましていろんな操作をしてやっているのじゃないかということで、私どもとしていろいろ調べまして、まあ種々あるわけでございますけれども、これは労使問題というふうなこともございますし、私どもとしましては鉄道建設公団に対しまして措置要求というふうな形で出しておる経緯もありますけれども、この点につきましては、政府当局においていろいろその後の対策といったものを検討して、それなりの是正というものを図られているわけでございます。私ども会計経理を適切にするという点から考えまするならば、先ほど申し上げましたように、超過勤務という実態がないのに、超過勤務手当を払うというのは適切な経理ではないというふうに考えて、その点を指摘しているわけでございます。  以上でございます。
  127. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 これはここだけの問題でございません。大きな問題で、これをやめるかやめないかということには、今後大変な問題ができてきたと思うのですが、これはまた別のところで論じさしていただいたらと思うわけであります。  時間がございませんから前へ参りまして、例のカラ出張についての問題を三つにひとつ分析をしてお答えをいただくか、ないしは現在までの状況の説明をいただくか。というのは、一つは、このことを計画をいたしまして、そしてそれを実行をした者の一集団があるわけであります。もう一つは、計画をしておることも実行しておることも見ておった、知っておった監督者がおるわけであります。もう一つは、全然知らないんだけれども、職責上責任をとらなければならないという三つのものがこの中にあると思うのです。  そこで、一番問題なのは、三十三万という公社の善良な職員たちも、一視同仁的な物の見方をせられることに、大変悲しい思いをしておるのが現在の状態だと思うのです。先ほどいろいろ、犯罪になるとか、ならないとかいうお話もございましたが、先ほどの御質問の中にお答えもあったわけでございますが、いまのような物の見方の中から、どうやらなければならないかということ、それから現在までどうやったかということ、これはできれば総裁からお答えを願えれば大変ありがたいと思います。
  128. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) まことに申しわけ次第もございませんが、確かに先生のおっしゃるように、三つに分類できると思います。しかし、九九・何%の管理者なり、従業員というものは、ほとんどこの問題を知らないで、また、まじめに日夜業務に精励している。このことを聞いて、従業員もまたその家族までも、非常に肩身の狭い思いで現在仕事をしているんではなかろうかということを考えますと、私は本当に残念でございます。御質問にずばりお答えもできませんが、担当者あるいは実行した人の気持ちというものは、やはり一つの惰性に流れて、今日まで来てしまったというのが現状でございまして、まあ一にも二にもこの惰性を、五十五年度からは一切これはもうやっておらないと私は確信するのでございますが、ここにおいて一日も早く国民の信頼を回復する、あるいは電話の利用者の信頼を回復するということが先決問題であろうと思って、いま非常に焦慮している次第でございます。  先生の御質問に関する具体的な答弁は、担当者からもお答えさせていただきます。
  129. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) ただいま総裁のお答え申し上げた点にさらにつけ加えさせていただきますれば、私どものこのカラ出張、あるいはカラ会議という行為は、やはり予算の執行行為でございます。したがって、予算の執行職員というものが非常に重い責任を負っておるわけでございまして、たとえばカラ出張をするという場合には、そのカラ出張の金額を出そうということを考えた課長なりあるいはそういう人たちがおりまして、そしてある人をカラ出張に仕立てて出す。それに対して、出張命令権者、すなわち契約等担当役は部長でございますが、その部長が黙って盲判を押す、それからそれの帰着報告といったようなものも確認しないとか、そういう問題はやはり責任が重大でございます。したがって、先生のおっしゃったような三つの分け方の中で、私どもはやはり予算の執行という点に着目いたしまして、予算の執行を適正、厳正に行わなかったという責任が非常に重い。それで、その執行者と、さらにそれの監督者と、そういうことで、私どもはそこに責任が最もあるということで、今後是正する場合もそのような点について厳しく是正してまいらなきゃならないと、このように思っております。
  130. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 ちょっとお尋ねが悪かったので、私の希望するお答えがいただけなかったんですが、それでは重ねてお尋ねをいたしますが、二百人処分をしたと言われるのですが、いまの三つのグループに分けた処分の仕方というものと、それにまた経過の中にあるようですけれども、公の費用が使われておりますので、その金がどういう形でどれだけが戻ってくるかという、このことをお答えを願いますと、よくそのあたりの事情がわかるのではないかと思うのですが、お願いを申し上げます。
  131. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) 最初の処分の点は、先ほども申し上げましたように、そういう予算の執行の責任の度合いに応じて処分をいたしております。  後段の、そうした不正経理の結果支出したものを弁償する場合に、だれが弁償するか、こういう問題でございますが、これはやはり当然にそうした予算執行の責めに当たった者、あるいはこれの管理監督、あるいはその会食等に加わった者というふうな直接の関係者がやはり中心にならざるを得ないと思います。したがって、今度の場合でございますと、近畿電気通信局が九割以上でございますので、近畿電気通信局関係者が中心になって弁償する。また、そのほか東北とか、関東とかございますが、あるいは東海ございますが、これらもその不正経理の実態に従って弁償額を決定していかざるを得ないと思います。しかしながら、何分にも金額が非常に多額でございますので、私どもは広い意味で、やはり電電公社全体のこうした国民に対する自粛自戒、おわびの姿勢というものを、気持ちとしては三十万職員、それからこうした金銭負担におきましては、これらを管理監督する監督者、あるいは管理者というものが不足分はやはり協力するという考え方で、弁済額の応援もしていく必要がある、このように考えておるところでございます。
  132. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 どうしても御答弁が行き違いますが、それでは、実際に企画をして一緒に飲み食いをして不正を働いたという人たちは、この二百人という数にあるんでしょうか。二百人という処分をした人の分析をしてもらうと、いまのことがよくのみ込めると思うんです。  それから、これは、私は報道とか、それからもう一つは組合問題というのはタブー、——もうタブーでないこともありましょうけれども、われわれにはそういうことで、ある程度公の場で言い聞かされておるんですが、今度の場合はちょっと違ったものが流れております。これは組合のためにもはっきりさせなければならない問題だと思うのでございますが、それはその不正使用の中に三割は組合の対策費が入っておる。対策費と表現違いますが、そういうことが入っておるんだと、こういう新聞記事が御承知のように流れました。そうして、そこから後に、五、六日前ですか、こういうことで全電通が声明を出した、公社責任と見解をただす団体交渉、これはあったのかなかったのか、それも一緒にお答えを願いたいと思うんです。それはこの記事が違っておるんだとか、その報道は違っておるんだとかいうことなら話は別でございますが、あの大きな金額の中で三割は組合と一緒に飲み食いをしたんだ。その後で、その事後処理の問題もお聞かせをいただいたら、大変組合自体としても迷惑しているでしょうし、また事実であれば、これは私は普通の形の不正行為というものとはちょっと違った、組合と手をつないで物をやったということになると思うので、そのあたりをこれははっきりとしておかなければならない問題ではないであろうか。これは今後、先ほど私が申し上げた協定の問題と関係も出てくるのではないか、こう思うのですが、そのあたりいかがでございましょうか、ちょっと詳しくこの問題はお答えを願いたいと思います。
  133. 児島仁

    説明員(児島仁君) お答えの順序がちょっと後先になると思いますが、組合と私どもがこの件に関しまして話し合いをいたしたのは事実でございます。その点からお答えをいたしたいと思いますが、この問題が世間に公表されました十日の日でございますが、組合から確かに申し入れがございました。  その主なる点を申し上げますと、第一点はその事実の問題であります。不当事項があったというふうに聞いておるんだが、その内容は一体どういうことなんだというふうな具体的な事実の説明を求められたのが第一点であります。それから、こういった不正経理が発生するその背景と問題点について、公社としてどういうふうに考えておるんだというふうなこと、あるいはこの問題の責任の所在と所信について明らかにしてもらいたい。あるいは労働組合というものは一切関与してないんだけれども、社会的には非常に被害をこうむった、イメージダウンをさせられた、これについてひとつ公社として態度をしっかり示してもらいたいというふうなことを申し入れられております。  これは事実この問題につきましては、私ども経営側の責任でありますので、これに対してやはり態度を明らかにしていく必要があるということで、私どもとしてはいろいろ事実の説明もいたしましたが、最終的に私どもの立場として、組合に大体次のようなことを言ったわけでございます。  それで最初は、この問題については弁解の余地がないんだということ。それからこの不祥事件はすべて公社側の責めに帰する問題であって、組合には一切関係がない、しかしながら一般職員に、先ほど総裁申しましたように、まじめに働く職員に肩身の狭い思いをさせたこと、またこれで非常な動揺を与えたということについても、われわれとしては申しわけなく思っておるというふうなことです。  それからこの旅費会議費等の具体的な使途については、その当時の時点では必ずしもつまびらかに私どもとしては持っていないんだけれども、全電通との間で、一時ちょっと新聞にも出たんでございますが、先ほど先生指摘の三割ということもございましたが、そういったふうな使い方には使っておらぬということは、正直はっきり申し上げました。組合に伝えてございます。つまり、全電通と大量のお金を一緒になって飲み食いしたというふうな事実はないんだということは明確に言ってございます。  それから、あと最終的に組合が非常に気にしておりました、全電通というのは電電公社とは別の法人格を持っておるけれども、やはり電電公社の中で仕事をしておる裏表の関係であるから、われわれというか組合として非常に社会的な評判を落としたと、これについて公社の方から陳謝というか、済まなかったということをぜひ言ってくれというふうなことがありまして、この点についても私どもその立場、気持ちはわかるわけでございますし、組合はこれ本当に関係がないことでございますので、それについて申しわけないというふうなことの意見を開陳いたしまして、団体交渉と申しますか、話し合いと申しますか、そういったことをやったのは事実でございます。  なお、その三割云々というものについては、私の方で、どこから三割というふうな数字が出てきたのかよくわかりませんのですが、先ほど私なりに申しました、そんな大きなものを飲み食いしておるということには、われわれとしては考えられないことでございます。
  134. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 組合とは、全然なかったというのに記事が出たんだということのようですが、それではもう一回お尋ねをいたしたいと思うのですが、これは私はここではっきりしておかなければならないことは、組合と会って飲んでもその一部はいいと思うんですよ。いいと思うというのは、この全体的のいいということではない、この一連の中でありそうなことだと思うんですよ。それがはっきり組合対策費としてやられたということになると別な問題が起こってくると思うのですが、もう一度局長お尋ねをいたしますが、この問題に組合はそれではあなたのいまの御答弁では一切関与をしておらないということでございますか。
  135. 児島仁

    説明員(児島仁君) ちょっと私の申し上げ方が足らなかったと思って恐縮いたしておりますが、全電通との間で一切会食をするとか、そういったことがないということではございません。組合も選挙で役員というものが出てまいりまして、全く新しい人が団体交渉の相手方につくということもしばしばあるわけでございまして、こういったときに、ある席を設けて会食をして今後の団体交渉に先立って、お互いの人物を知り合うというふうなことのためのもの等はあると思います。しかし、この全電通対策というか、つまりお酒を飲ましてどういうことをするとか、食事をたくさん食べさせることによって籠絡をすると、そういうふうなことは私ども考えておりませんし、また全電通としても、そういったことで乗ってくるような組合ではないというふうなことでありまして、したがいまして、また繰り返しになって恐縮でございますが、多額の金を全電通の対策に使ったという事実はないというふうに申し上げたいわけでございます。
  136. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 それでは、いまのようなことで受けとめておきたいと思うのですが、私たちの常識で判断をし、この報道を耳にする限りでは、またいま局長からのお話の中に、なかなかすっきりしないところがあるところは、今後の問題として注意をしてもらうという形でとどめておきたいと思うのであります。  ちょっと後先になりますが、そこで今後の問題に相なるわけでございます。先ほどからいろいろお話がございましたので、会計検査院の方からお話がございましたが、非常に私は奇異に感ずることは、先ほどの穐山先生の御質問にお答えがありました中で、このあたりがちょっとわからないんですが、もう一回お答えをいただきたいと思うのは、それはやった行為は不都合であったが、その金を使っておるところが不都合でなかったら、これはもうたくさんあり過ぎてとても手が負えないから、もうこれは見放すんだということでございましたか、そういうことでございましたか、表現ちょっと違いますけれども
  137. 丹下巧

    説明員丹下巧君) お答え申し上げます。  先ほど説明しましたけれども不正経理と不正行為というのがございまして、いま問題になっているのは不正経理でございます。不正経理の場合には、犯罪に関する問題といたしましては、偽造公文書作成といったものに当たるんじゃないかということと、それからその中で私に着服したり、それを私に費消したりした場合に、あるいは横領とか、背任とか、そういったものに当たるんじゃないか。そういうふうなものに当たった場合には、検査院法の第三十三条によりまして、公社会計事務職員が犯罪に当たる行為があった場合には、検察庁に通告するというふうな規定があるので、それを適用すべきじゃないかというふうな問題でございますけれども、最初の偽造公文書の作成に当たるんじゃないかというふうな問題につきましては、私どもとしては検査報告の中で関係書類を作為してつくっているというふうな形で表現しておりますので、それが実際に偽造公文書作成に当たるかどうか。昨年の鉄建公団の問題に対する政府の統一見解によりますと、当たることもあり得るというふうなお話もございまして、確かに当たることがあるというふうに考えるわけでございますけれども、私どもとしては、それにつきましては、一応検査報告の中で書いておりまして、これをお読みいただければ一応の捜査の端緒というものは与えられているんじゃないか。通告ということになりますと、一々につきまして、私どもが一人一人につきまして、どういう役割りをしたか、何をやったか、これが犯罪に当たるかどうかということを検討しなければならないということを説明したわけでございます。  それから、横領とか、そういったことになりますと、確かにその手口の中に、実際に使うというプロセスの中には、文書を作為するとか、いろいろなものがございます。それは先ほども説明したわけでございますけれども、さらに横領とか、背任とかというふうなことになりますと、実際の使途についていろいろ調べなきゃいけませんし、その使途も多種多様でございますし、一々の使途について何がどこまで当たるかということまで判定しなければ、犯罪に当たるということを認めて検察庁に通告するというふうなことにはならないというわけでございまして、三万件にも上るような膨大なこの事態につきまして、私どもが一々それを調べるということは、私どもの現在の人員からしましてかなりな労力でございますし、私どもには会計検査を行うという非常に大きな目的がございまして、それに多大の労力を使って専念しなければならないわけでございますので、こういうふうな私どもの事情を御了解いただきまして、捜査の端緒という点では検査報告の中で一応与えられる、目的が達するんじゃないか。私どもの犯罪通告というのは、捜査開始の条件ではございませんので、検査報告を見ていただければ、それによって何らかの端緒が与えられるんじゃないかということで御説明したわけでございます。
  138. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 それはそれでよくわかりました。私の常識とはちょっと違うんですけれども、もうお話はよくわかりました。  ちょっと、ここで、先ほどお話も出ておりましたが、収支率制度の問題について、この問題が私はこういうことになってきたのではないか、そういうことの心配はないのか。今後この収支率の問題——いま不正行為が起こった問題等でございます。これは御承知のように、もう説明の要はないと思います、線引きの問題でございますから。線引き以上のものが企業努力で上がってきた。これは企業の形だから少々、まあ不正をやってとまではないでしょうが、われわれで使っても構わないんだという物の考え方が、いまこの不正事項にはつながっておらぬであろうか、このことをひとつ、できれば総裁、そして今後その収支率制度という問題がそういうことを醸し出すということになれば、そういうことの温床になるということなれば、ひとつこの問題を検討をせなければならないのではなかろうか。ただし、このことにはうらはらなものがあって、この収支率制度というものが大変企業性を持って、その意欲を燃やすものでありますから、そのこと自体をどうするかという問題は大きな政治の問題でもありましょうし、運営の問題でもありましょうから、これはまた最後にひとつ大臣にもお答えをいただきたいと思いますけれども、いまたちまち起こりました問題で、この収支率制度という問題とかかわり合ったと思うかどうかということをひとつお答えを願いたいと思います。
  139. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) お答え申し上げます。  収支率制度電電公社になりまして、いままでの電気通信省、あるいは逓信省時代のいわゆる官庁会計から企業会計方式というか、予算制度が非常に、大げさに言えば革命的に変わりました。公社法にも公社予算は能率的、弾力的でなければならぬというような項目がございます。私は官庁の生活も五年ほどやりましたし、民間も十二、三年はやりましたけれども、この収支率制度は、官庁予算と違って、要はただただ支出を規制する。予算制度というものは支出を規制する性格を持っておりますが、収入は「収入」と別にありまして、公社ではやっぱり収入を上げて、昨年よりも収支率をよくする、金を使っても収入が上がればいい、それから人をふやしても収入が上がればいい、それから人が減っても収入が減ったらいけない。まあいろいろ方式をかませまして、通達を流して、毎年毎年それ以上の目標を管理しております。一面、これをとらえて目標管理の予算制度とか、やる気を起こさせる予算制度とか、そういう本をつくった私どもの同僚もありまして、非常に世間から評価されたのでございまして、現在もこれは各通信局では非常に私は効果を発揮していると思います。  いま仲川先生のおっしゃるように、この中に何かデメリット、弊害があったかどうかということを問われますと、これをまかり間違って悪用すれば、どうしてもああいう今度のような事態にもなりかねない。しかし、まじめにこの制度を実行すれば、私は非常に効果もある。せっかくできた公社予算制度でございまして、これは国鉄、専売と同じような、官庁会計と違った制度になっておりますが、一般の予算の制約というのはかなり弾力的になっておりますが、それぞれ持ち味の違った事項をやっていると思います。この問題に対しまして、昨今反省していることは、やはり会議費とか、一定の基準を設けまして、余りまたこれをきつくしますと、やはり能率的な弾力的な運用ができない。なかなかこの点の呼吸はむずかしかろうと思いますが、こういう直後でございますので、経理局長に命じまして、ある程度の枠というもの、国家的な予算そのものの制約じゃありませんけれども公社内での一つの基準を設けて、通信局に統制をさせてみたらどうかということで、先般も小澤総務理事を委員長とする実務の点検委員会をつくりまして、この問題の原因はどこにあったか、またどういう点を改正したらいいかということを、また現場の本当の貴重な、遠慮のないところの要望も聞きまして、りっぱなリポートができまして、いまはそれぞれのレクチュアとか、あるいは指導に懸命に努めているところでございますが、この制度に対する無批判の、ただメリットだけがあったというふうには思っておりません。いま多少の反省期に入っているということで、この改善対策を早く実行したらいいじゃないかというのが結論でございます。
  140. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 まず私がお尋ねをいたしましたのは、それが今度のにかかわりがあったろうかどうか、そのことをお尋ねしたんですが、お答えをいただいたんですから、先ほどのことがわかりましたらお答えいただきましょうか。
  141. 森谷昭夫

    説明員(森谷昭夫君) 大体、中心として実行したと思われますのは、通信局の課長クラス、それからその下に地区管理部というのがございますが、この課長クラスでございます。これが五月二十八日の分では、百二十二名のうち、通信局の課長等が五十九名、それから管理部の課長等が十五名、合計が七十四名、この辺が実行行為に重点を置いて処分を行ったというふうに思います。  それから、十二月四日の件でございますが、この処分では通信局の課長等が十名、調査役までで十一名でございます。管理部が百四十五名、管理部の方が今度は多くなっておりますが、合計の二百二名のうち百四十五名と十一名足したもの百五十六名、これが実行行為の責任を問われたと、こういうことでございます。
  142. 仲川幸男

    ○仲川幸男君 時間も大分たちましたから、私の少々見解も交えて、最後に電電幹部から弁解と、大臣からのお考えを承って質問を終わりたいと思うのです。  これは財政的な国家に損害を与えた、これもう大きな声で言うこともないことですが、一応これ会社に物を置きかえて考えてみましたら、私はとても株主総会では、そういういま電電のいろいろな対策をせられたり、処理をせられたことでおさまる事案ではないと思うのですよ。ある意味では倒産がくるだろうし、ある意味では大変もうその会社自体の生命にかかわる問題になると思います。そして、電電の皆さん方が、ここまで起こった問題でございますから、最もよき方法で処理をするときには処理をしなければならないと思う。私はこれが民間会社であったらどうするであろうかということにも思いをめぐらしていただきたいと思うのでございます。それは、この処分をした人たちを、三十余万の電電の公社員は見守っておるわけであります。いままで大変一生懸命にやってきておるこの問題外の人は見守っておるわけであります。それの処遇が今後の電電運営の上に大きな影響を、もちろん国民全部が見守っておりますけれども、それ以上に身近に見守っておりますのはやはり私は電電三十三万の職員だ、公社員だと思うのです。このことと、これだけの問題が会社経営の中で起こったなれば、どういう形になるであろうということを、重ねて申し上げますが、ひとつお考えをいただきたいと思うのです。会社の資本にしても、国の財産にしても私は同じ重さがあり、またより国民の税金の中の財産でありますから、それは公社が先ほど申し上げた企業努力でもうけたものでありましょう。けれども、それはそれなりの報酬をもらっておるわけであります。ラスパイレスを計算しても、必ずしもそれでは一般公務員より非常に不遇なところに置かれておるということではありません。そういう意味において、この収拾に万全を期していただきたい。そのことが私は電電公社のみならず、各種のところに影響をすると思うのであります。大臣も大変御心痛であろうと思いますけれども、このことは恐らく大臣の就任中の大変大きな問題であると思うのでございます。私はここで、本来総裁にも、一番よくわかっておる人がこういうときにやめていくべきでない、そして、しっかりと後のしまつをしていくべきだということを実はお尋ねをしようと思っておりました。ところが、いろいろなニュースも流れておる中でありますから、遠慮をさせていただきます。どうかひとつ、総裁大臣、よろしくお願いを申し上げます。御答弁をいただいて、私の質問を終わります。
  143. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 仲川委員からるるいろいろと御質問、御意見を賜ったわけでございますけれども、ごもっともな点ばかりでございます。私も、今回の事件処理と、今後の対策について、非常に頭を使ってるところでございますが、まず第一、どうしてもその内容を的確に明確にしてもらいたい。だれがどういう立場でどういうことをやったのか、どういう原因でこういうことになったかということをまず明確にしてもらいたい。それが今後の対策に一番重要なことであるということを電電公社に言っているわけでございます。  それから、会計検査院指摘内容について、その線に沿ったひとつ処分をしてもらいたい。だれがどういうことをやったので、どういうことをやるということを明確にしながら、これは電電公社のほかの関係のない人に対するというよりも、国民の皆さんに対して明確にしていかなければいけない。  それから、監査機構の問題でございますけれども、いまの電電公社監査機構は、先ほど申し上げたとおり、形では整っているわけでございますけれども、こういう事態が起きたのでございますから、郵政省電電公社に対する監督権限、非常に自主的に運営するようにという電電公社法律でございますけれども、こういう事態が発生をした以上は、郵政省がもっと監督できるようにすべきではなかろうかという点も考えながら、法制の問題もいま検討している最中でございます。このような事態が再び起こらないように万全の策をとってまいりたいと考えているわけでございます。
  144. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) ただいま大臣から仰せられた御趣旨を体しまして、この世界に誇る電電公社のとうとうたる流れというものに傷のつかないような方向に、一刻も早く国民の信頼を回復すべく努力していかなけりゃならぬ。ただし、この事件に対する反省と、それから改善というものに対しては強力に行いますが、電電公社の大きな流れに対しましては、長い歴史と伝統もありますし、国民の皆さんにも非常に大きな貢献をしておる事業でございますので、これに傷をつけないように一刻も早く国民の信頼を、皆さんの信頼を回復すべく、ただいま大臣の仰せられた趣旨に従いまして、懸命に努力していきたいと、こういうふうに考えております。
  145. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 きょうは午前中から電電公社の今回の問題につきまして、順次質問が続けられておりますが、私も参議院の決算委員会に所属いたしましてもう十三年近くになりますけれども、今回のようなこんなひどい内容のいわゆる不正事件というのは、私は初めてのように思います。午前中からいろいろ質問がありまして、もう大分総裁から、また大臣からも御答弁がございましたけれども、私は改めて幾つかの点をお伺いをしたいと思います。  とりあえず、この決算報告書によりますと、旅費不正経理が三億八千七百三十五万円、それから会議費不正経理が不当金額として九億四千五百三十九万円、それから職員給与支出及びその決算処理が不当というものが不当金額で百八十四億四千五百十三万円、こういうふうになっております。これはやっぱり私は、いろんな問題がたくさんありますけれども、どうしてこういうことになったのか。先ほどからいろいろ答弁ありました。また、小澤総務理事を中心にいたしまして内部にも点検の委員会ができたそうでございますけれども、その点検のこういうようなものができたというのもきっと会計検査院指摘があってからでしょうし、こういうふうなものは本来ならば会計検査院指摘がなくても、おのずからこういうことがあるんじゃないかというようなことは、もうだれかが気がついてしかるべき問題であろうと私は思うんです。そういうふうな意味で、やはりこういうふうな問題については、この監督責任としての郵政大臣あるいは公社総裁、これはやっぱり相当これからの監督責任のあり方という問題について深刻に考えなければいけない問題であろうと思います。  そこで、初めに郵政大臣並びに総裁にこの問題についての処理あるいは考え方、これからの方針等も含めましてお伺いをしておきたいと思います。
  146. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) まことに遺憾な事件でございまして、私も会計検査院報告を聞きまして、どういう順序でどうやっていくかということをいろいろ考えながら電電公社指示をしたり、郵政省としてもやっている最中でございます。  まず第一は、何としてもその実態と、どうしてこういうことが起きてきたかということ。まあいろいろ電電公社の説明もあるようでございますけれども、正当な経理をして使えるものまでどうしてやるのかという点は納得がいかない。そういう点を十分に解明をいたしまして、今後こういうことのないような方法を考える点におきましても、まず解明しないといけない。  その次は処分の点でございますけれども、だれがどういう役をやって、どうしたということを十分に調査をして処分をしてもらいたい。すでに処分はやったと言いますけれども、それはもう一回見直してもらいたい、こういうことも言っているわけでございます。  それから、電電公社ができましたときの法律でございますけれども、電気通信省という独立の省がありまして公社になりましたので、なるべく自主的運営に任せるような法律内容に相なっているわけでございます。したがって、経営委員会を設置し、監査局を設けて自主的に監査をしながら決算をやっている。郵政省といたしましては、普通の公社、公団に対するよりも監督権限がないのは——現在ありませんが、これはおかしいじゃないか、この点も一層強化をして、両々相まってやるべきであるというようなことを考えながら、いま懸命な対策、対処をやっているところでございます。  今後はこういうことのないように、ひとつ十分な体制を整えてまいりたいと考えております。
  147. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 今度の事件は、ことしの二月下旬ごろ私初めて耳にして、本当に愕然としたのでございます。先般、冒頭にここでおわびを申し上げましたけれども、本当に前代未聞の不正、不適正な事件でございまして、国民の皆さんに対しましても、また国会のこうした諸先生方に対しましても、何とも弁明の余地もない遺憾なことで、深くおわびを申し上げます。  要は、一刻も早くこうした事件内容を徹底的に洗って、これを将来の改善の種にする。先ほど峯山先生があわてて原因を探求する委員会か何かつくったと言いますが、私どもには部内監査監査局がありまして、常時検査院とも協力して部内監査はやっておりますが、ただ、こういう、顧みますと旅費とか会議費のようなものに対しては、監査はやっておらなかったことは事実だということをおわび申し上げます。  今度の事件にかんがみまして、実務の点検委員会をつくりまして、これはもう解散しましたが、結論を出しまして、なぜこういうものが起きたのか、どうしてこういうことをやったのか、これは原因は何かあるだろう、いろいろの点を洗うことが今度の点検委員会の目的でございまして、それでいろいろと究明して、かなりの原因もわかりました。  それから、あるいは従業員のいろいろの意見、不満、そういうものを率直に上司に伝えることの疎通、コミュニケーションがかなり欠けているんじゃないか、あるいはまた人事についてのいろんないままでの考え方にも相当反省の余地がありゃしないか、そういう点までもつけ加えて調べさせまして、一応の結論が出たのでございますが、いまそれをこの九月からそういうものを実行に移して、各地にそれをレクチュアして、二度とこういうものを起こさないように努力しております。  何回おわびしても、おわびの過ぎることもないようなことでございまして、深く反省をいたしている次第でございます。
  148. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 総裁、先ほどから話を聞いておりましても、二月の下旬に初めて知って愕然としたということでございますけれども、そこら辺のところもそうでしょうけれども、私は、公社総裁というのはそういうような意味では相当つんぼさじきに置かれているのかなという感じがするわけですよね。しかも処分した人が二百人近くでしょう。しかも、これにかかわった職員の数というのは何千人となるんじゃないでしょうかね。しかも一カ所じゃなくて、普通は会計検査院でもこういう問題が出てくるときは必ず一カ所か二カ所ですね。今回はこれはもう何カ所もですね。結局、これだけたくさんの、これだけの事件が巻き起こっているということは、これは公社全体として、いわゆるお金に対する感覚が相当麻痺しているんじゃないか。先ほど総裁は、監査局というのがわざわざできて、それがしょっちゅうやっておるということですけれども、その監査局自体も問題じゃないか。また経営委員会があるとするならば、それ自体もこれはもう責任を問われてしかるべきということになりますね。この辺のところは、後ほど順番にやっていきたいと思いますが、初めにもう一点会計検査院の方にお伺いしておきたいと思います。  会計検査院、今回のこういうふうな徹底的な実地調査によりましてこういう結果が出てきたわけでございますけれども、先ほどから、午前中の質問でも聞いておりまして、今回のこの検査は、昭和五十四年度を中心にして検査をして、そして五十三、五十四、五十五と大体全部やったんですか。どこら辺からやられて、それで今回のこういう結果が出てきたのか。その点ちょっと検査の概要とあわせてお伺いします。
  149. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 私ども検査は、御承知のとおり、毎年度決算についてやるわけでございますけれども、今回の検査は五十四年度決算を対象にして検査をしているわけでございますけれども、事案の性質上、これと関連いたしまして、五十三年度、あるいは五十四年度というふうなことで調べまして、ただ、さらに進んでというわけにもなかなかいきませんものですから、一応五十三年度、五十四年度でこのような報告をいたしたわけでございます。
  150. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、検査院は五十二年以前の検査はやっていないわけでございますね。
  151. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 五十二年度以前については検査はしてございません。
  152. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 五十二年度決算によると、検査院は、これは電電公社だけではないんですが、何か事務用品の売買というか、買うやつですね、ファイルがどうのこうのとか、そんなやつばっかりいっぱい出ていますね、検査院検査報告の中に。あれはやはり電電公社もやられたわけでしょう。
  153. 丹下巧

    説明員丹下巧君) お答えいたします。  従来は、そういう事業費関係に重点を置いて検査をしておるような次第でございます。
  154. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 今回は、それも含めて全般的にやられたわけですか。あるいは、今回問題になっている旅費会議費、そして給与と、その三点にしぼられたのか。要するに経理中身ですね。この間はファイルのところ、そういう事務用品とか、そういうようなもののところに焦点を当てて検査をされて、ああいう結果が出てきたのか。あるいはもっと早くチェックできなかったのかということを私は考えまして、こういうことを言っておるわけですがね。
  155. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 確かに委員さんのおっしゃるとおりでございますけれども、ただ私どもとしては、戦後になりまして、いろいろ検査を続けてまいりましたわけですけれども、二十年代におきましては、大変いろいろ経理上の問題なんかがございまして、私どもたくさん経理上の問題も、予算経理に関することなんかも指摘しておりますわけでございますけれども、その後だんだんよくなりますし、また、各団体におきまして内部監査等も充実してきまして、経理関係につきましては、かなり整っているというふうに見ていたわけでございまして、戦後三十年代以降、いろいろ事業のような点が非常に拡大してきまして、私ども検査も、予算経理についてはそういう内部監査関係が充実してきているので、どちらかと言えば事業関係に重点を置いて検査してきたわけでございますけれども、昨年、御承知のような鉄道建設公団とか、国有鉄道とか、あるいは各省とかというふうなことで、こういう予算経理に関する問題が起こりましたので、なお昨年来、ことしにかけまして、本年度検査におきましては、特にそういう旅費会議費等予算経理にもっと重点を置いて徹底的に調べるべきじゃないかということで、私ども検査決算検査でございますので、すべてを検査するという立場に立っておるわけでございますけれども、そのときそのときで、やはり検査の重点というものを、ある程度どこに置くかというのを考えておるわけでございますけれども、本年は、予算経理については特に意を用いて検査しておりますし、検査の調書などで旅費会議費についての調査をとると。今回の発見の発端も、そういうところが一つのきっかけになって、こういう不正経理がわかったわけでございまして、全設的に検査はしておるわけでございますけれども電電公社の場合には、この不正経理問題が非常に膨大でございまして、担当課としてはこの検査に大変な労力を使っておりましたので、あるいはそういう点では、これにほとんど全面的に集中したと言えるのではないかというふうに考えるような次第でございます。
  156. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは、あと簡単で結構ですが、五十二年以前については、これは検査はやっておられないわけですね、この問題について。
  157. 丹下巧

    説明員丹下巧君) もちろん私どもといたしましては、検査でございますので、それなりの検査はしておるわけでございますけれども、今回こういうことが発見されたということで、さらにさかのぼって五十二年以前を検査するという点につきましては、いろいろな書類の散逸とか、こういう問題は何かあっても、それぞれの証拠書類とか、あるいは関係者の記憶といったふうなものがなければ、なかなか確認できないようなこともございますし、五十二年度以前についてはさらに検査するというふうなことは考えておりません。
  158. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは公社の方へお伺いしますが、これはいつからこういうふうなことが起き出したのですか。今回のようないわゆる旅費不正経理とか、会議費のこういうふうな問題とか、あるいは給与の問題とか、いつからこういうふうな問題が起きたのか。その点についてはどうですか。
  159. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) お答え申し上げます。  五十四年度公社決算に関する検査が、先ほど総裁お答え申し上げましたが、昨年からずっと引き続いて、本年の二月ごろになりまして、こういう問題があるということが、まず五十四年度決算検査で次第に明らかになりました。それで一年前の五十三年度につきましては、証拠書とか、そういうものが部内にございまして、逆に五十三年度の問題も同じようなことがあったということで明らかになってまいりまして、近畿の二億六千八百万円のカラ出張の全貌を私どもつかみましたのが本年の五月ということでございます。
  160. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それは、現在わかっている分はそうですけれども、実際これはもうすでにいつころからあったという話は具体的には幾つか出ているわけですよ。そういうふうな意味で、検査院検査は五十二年以前については検査しにくいということですけれども、先ほど大臣が、何でこういうことが起きたのか、その実態を明らかにするとともに、どうしてこういうふうなことが起きたのかということを確認するためには、やっぱりいつからこういうことが起きたのか、ここら辺のところは明確に追及していかないと原因はわかりませんよ、やみの中になっちゃいます。ですから、いつからこういうことが起きたのか、これはやっぱり明確にする必要があると私は思うんですよ。そこら辺のところは、それをきちっと明確にする御意思はあるんですか。
  161. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) これにつきましては、五十三年度以前の問題につきましても、私どもできる限り内部監査の手を用いまして、過去にそういうことがなかったかという究明の努力は現在もいたしておるところでございます。
  162. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは、まことに失礼な言い方をして申しわけありませんが、監査局なり、何なりがいままで監査をしていてもわからなかったようなことですから、ですから電電公社がいまここで五十二年以前の問題をうやむやに済ますというふうなことでは、この問題は解決しないと私は思うんですよ。それで、この問題も、書類なんかもいわゆる証拠隠滅というか何というか、全部焼却しちゃって、むちゃくちゃにしちゃって、要するに五十三年度分からというだけにしてしまおうというのでは、それでは私はいかぬと思うんです。これは現実の問題としてそれ以前の問題がずいぶんあるわけです。そういうことを証言する人もいるわけです。ですから、そういうふうな意味では、もっと明確にこの先の問題も明らかにしていくんだ、そしてあるべき書類はきちっとそろえて、それで何でこういうことになったかということ、いまのその時期の問題はもう一つとして、さらにもう一歩突っ込んでお伺いしますと、どうしてこういうことが起きたのかという、もう一つはいつからということと絡んでいるわけですけれども会計検査院はこれはどうしてこういうことが起きたと見ておられるわけですか。
  163. 丹下巧

    説明員丹下巧君) お答えいたします。  電電公社の今回の検査報告指摘している事項には、いろいろございますけれども、やはり尽きるところは遵法精神といいますか、あるいは倫理観といいますか、そういったことが欠けていたのじゃないか、特にやはり管理監督に当たる方々が、そういう点でしっかりしていただきたいというふうな感想を持っております。
  164. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 検査院の方はそうおっしゃっていますけれども、確かにそれが欠けていたからそういうことになったのでありまして、どうして起きたかということについては、その現場の公社としては、それなりのその原因を明らかにする必要がある、この点はどうですか。
  165. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) 私ども本年の点検の過程で一つ非常にはっきりつかみまして反省しましたことは、昭和四十年代が電話の非常な拡充時代でございました。そういうときに、とにかく電話を申し込んでもつかない電話を一つでも多くつけよう、あらゆる仕事はそこへ集中してやろう、それでできるだけ仕事は簡素化して、たとえば三つある書類は一つにしてでも、手を省いて電話の拡充に努力しようという、そういう合い言葉の時代が昭和四十年代は続きました。  そういうことが一つの背景にありまして、たとえば出張上申簿というようなものも、本来なら私どもはこれからは一つの課なり部で、一冊の出張上申簿をつくって、一連番号で管理していく、そこに欠番とかそういうものがあればそれはわかるし、またその帳簿の下の欄に帰着の復命欄というのもつくって、本人がきちっとそれを確認する、それから上司に報告する、これは当然のことでございますが、これが非常に一冊の帳簿ではやりにくいからということで伝票方式にするとか、ですから伝票が欠番になっても一連番号管理ができていないとか、こういう基本動作が、大拡充時代のいろんな簡素化という名目に隠れて、簡素化してはいけないものまで簡素化しておった、こういうようなことが私どもつかめました。  したがって、これが今度の不正経理のすべての原因ではございませんけれども、そうした精神的背景の中に、何か会計経理とかいうようなものは、できるだけ手軽く簡略にすればいいんだというような物の考え方が非常にあって、これが不心得な職員につけ入らせるすきをつくった、こういうようなことが一つは大きな原因になっているというふうに私どもつかみ、また反省しておるところでございます。
  166. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 それでは、この三点についてもう少し具体的にお伺いしてみたいと思います。  まず、旅費不正経理という分ですが、どうしてこんなに架空の出張をしてまでお金をかせぎ出す必要があったのかということですね。要するに通称言われるカラ出張ですね、こういうふうなことをして、そしてお金をつくり出す必要があったのか。それで、その使った先というのは、これはもうこの指摘の中にもありますように、大部分が会議費ですね。電電公社というところは何でそんなによけい会議をせにゃいかぬのかという問題が出てくるわけです。  そこで、まず幾つかお伺いしたいと思うんですが、電電公社の中で、今回のいわゆる不正経理が出てきたところというのは、近畿、東北、名古屋、そして大阪ですね。こういうふうにばらつきがあるわけです。そういうふうな意味で、これは要するに出てきているところと、出てきていないところとがあるわけです。これは検査院、出てきていないところは、それも調べて出てきていないんでしょうか。
  167. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 私ども五十五年の会計検査におきましては、電電公社には本社を初めといたしまして、十一の電気通信局、それから四十九の電気通信部、八都市管理部、十二地区管理部の合計八十一の主要部局があるわけでございますが、そのうち、本社、それから十一電気通信局、十九電気通信部、三都市管理部、七地区管理部の合計四十一部局について検査したわけでございます。その中で、御指摘のとおり、不正経理に関しましては近畿電気通信局等九部局についてございまして、そのほかに不正行為が三部局についてあったわけでございますけれども、ほかの部局についてもこの面については偏ることなく全部精密な検査をしたわけでございますけれども、ほかの部局についてはございませんでした。
  168. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 ということは、これはやっぱり人事の交流とか、そういうことにも多少は関係があるかもわかりませんね。そういうことも含めまして、一つはいろんなことが出てくるわけでございますけれども、特に、不正金額の使途ですけれども正規予算というのでは、これは数字的にわかるかどうかわかりませんが、正規予算では、こういうふうな会食費とか、会議費とか、こういうようなものもやっぱりあるのだろうと私は思うんですが、これでは大分不足なんですかね、正規予算のあれでは。正規以外にこれは出ているわけでしょうからね。そうすると、正規予算というのは、たとえばこの表にあります近畿電気通信局とか、東北電気通信局ですね、ここにあります名古屋とか、こういうようなところで一つ一つ言っていただくと、大分金額的には開きがあるんですか。正規予算というのはどのくらいなんですか。
  169. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) これも点検の結果非常にはっきりしたことでございますが、予算の額は別途お答えするといたしまして、ただ通信局別の場合には、私ども収支率予算制度で、一年たつごとにパーセンテージで収入に対する支出率を改善していく、こういうことで、その収支率の営業費——会議費とか、旅費は営業費に入りますが、営業費の中の使い方は、科目別の計画とか、そういうものは通信局に任せておるわけでございますが、一点非常にこの問題の原因としてはっきりいたしましたのは、予算総額管理というよりも、こういう会合を行うときには、こういう種類のものは外部とはいい、それから内部の打ち合わせはこういうもの、たとえば電信電話記念日のようなときの会合はいいとか、こういうような基準がありまして、またそれぞれに非常に細かい、たとえば一人につきこれは三千円ぐらいの単価でやるべきだとか、四千円ぐらいの単価でやるべきだという、非常に細かい基準額というものを決めて運用してまいりました。それが非常に厳しく、たとえば三千円と決めたら、そこから五百円はみ出しても、千円はみ出してももうこれはだめだということで、仮に書類をつくっても三千円までしか認められないから、三千円までは支出する、あとの足りない分をこのカラ出張でプールしておる方から出す、あるいはこういう会合を持っていくと、この会合は基準に合わないからだめだと言われた、しかし、これはぜひやりたいということで、これがまたカラ出張のプールしたものにいくとか、こういうことがかなり不正経理を助長する真因になっておったということを点検の結果つかみました。これはもちろん今後改善することを目下鋭意やっておるところでございます。
  170. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 金額等は後であれするにしましても、もう一つ先ほどから午前中の質問でもありましたカラ出張、カラ超勤ですね、もう一つカラ会議ですか、これから総裁もそれぞれ責任を明確にしていくということでございますけれども、午前中のお話では、近畿電気通信局の例を引いて御答弁がございましたが、いわゆるだれに指示されて、こういうことをやったのかという問題ですね。先ほど総務理事の午前中の答弁によりますと、部長はこのことについて知っていた、それで、課長の指示で庶務の方の担当会計責任者がお金の出し入れや、集めをやっていた、こういうような答弁がありましたが、近畿はこういうことですけれども、あと名古屋とか、東北なんかはどうなんですか。
  171. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) カラ出張がございましたのはあと東北一千数百万でございますが、これも似たようなやり方をやっていたと思います。  それから、名古屋は、これはいわゆる会議費ではございませんで、さらに下の工事管理部の工事作業員が出かける際に超過勤務手当がわりとか、あるいは、いわば旅費が少し不足するだろうからということで、五回ぐらい出かけるときに一回ぐらいをつけ増しをして、手当がわりのような形でカラ出張の発令をしていたと、こういう種類のものでございまして、これはすべてそういう形で、内容は発令どおり本人に渡っていた、ただし実際には行かなかったと、こういう形のものでございます。
  172. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、大部分が同じような形態で行われていたということになりますね。  それで、部長は知っていたというんですけれども局長は知らなかったんですかね、本当に。どうなんですかね。局長も知っていたんじゃないでしょうかね。少なくともこれがこの二、三年だけのことなら別として、局長が部長時代にそういうことがあったということもあり得るわけでしょう。実際、局長も知らなかったのかどうか。これはどうなんですかね。
  173. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) 近畿電気通信局が九割でございますが、近畿の場合には大体歴代の局長が一年半から長い人でも二年という人はめったに少ないので、大体二年弱ということの任期で動いておりますが、私どもそういう点も本当に知らないのかということで究明いたしましたが、局長あるいは副局長くらいになりますと、各部と執務形態も全く離れておりまして、しかも秘書課とか文書広報課とか、そういうところが身の回りのことをほとんどやっておりますので、各部のそうした実態については全く聞いていないし、知らなかったということは、これはうそ偽りのない実態と私どもは認めております。
  174. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そこら辺のところは、この二、三年のことなら、それは理事のおっしゃるのもわからぬでもないんですけどもね、しかし、その人が課長さん時代に実際に指示してやっていて、あるいはその人が部長さんになって、あるいは局長になって、それでいまも同じようにやっているということは知らぬわけないわけですからね。ですから、そういうふうな意味では、私は本当にこれ一つ一つ見てまいりますと、これは大変なことになってしまう。しかも中身を、ずっと検査院検査報告を読んでみますと、特に旅費のところの、最後のところの、検査院のあれを読んでみますと、非常にこれは大変ですね。「本件1、2の経理は、いずれも日本電信電話公社会計規程等を無視して不正に資金をねん出し使用したものであって、その経理が著しくびん乱している」。これは弁解のしようもないでしょうし、また会計検査院がここまで書くというのは、よっぽどのことがあるから書いているので、普通はちょっとやそっとあったって、会計検査院は書かないんですからね。われわれがいままで何回かこういう問題についてここで指摘もし、いろんなことをやってまいりましたけども検査院なかなか書かないんですからね。そういうふうな意味では、これはちょっとやそっとの問題ではないというふうに考えられると私は思います。  それで、余り時間ございませんので、ばんばんと進んでいきますが、次に幾つかの問題をやっておきたいと思います。  それから次に、会議費の問題ですね。これは、会議費の不当金額が九億四千万円ということになっておりますが、これは私も中身が非常にわかりにくいんですけど、これは検査院の方でちょっと一つ、二つ説明していただきたいんですが、この表の1の「架空の会議費」というのはこれは大体カラ会議か何かのことだろうと私は思うんですが、その次の「不正規会議費」というのは、これはどういう意味なんでしょうか。1と2と両方あわせて説明していただけませんか。
  175. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 第一の部分は、架空の書類をつくって、それでもって自分たちの架空の妻子名義の預金口座に振り込ましたり、あるいは直接に現金で受け取ったりというふうな形で資金を捻出して、勝手にいろんな会議に使ったという事態でございます。  二番目のものは、実際の会議内容と著しく異なった名目によって会議を実施したということでございますが、これは先ほどちょっと説明がございましたけれども、いろいろ公社会議には基準というものがございまして、人数とか、あるいはその会議の一人当たりの金額とか、いろいろな基準がございます。俗に二次会とか、いろんなものは認められないというふうなケースがある場合に、そういったものを第一の方の会議費で出したり、あるいは一つの会議を二つに分割したりというふうな形で事実と異なるような会議をやっている。その中身も、ほかのところと会議している、部外者とやっているというのを自分たちだけでやっているといったふうな形で、事実と著しく異なる会議支出をやっているという事態でございます。
  176. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 そうしますと、これは公社の方でも結構ですが、ここで特に会議費の問題で、先ほども出てまいりましたけれども、先ほどのいわゆるここの旅費のところでも出てまいりましたけれども、いわゆる「部内者又は部外者との会食の経費」というのが使われた大部分なんですね。部内者というのはどういう人を言うんですか。もう一つは、部外者というのはどういう人を言うんですか。
  177. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) 部内者と申しますのは、一つの例を申し上げますと、今度の近畿の不正経理の一番多い部の一つである業務管理部というのがございますが、ここは電話局のサービスあるいは商品販売を担当する部門でございまして、そこが電話局のそうした営業の責任者、あるいは地区管理部の担当者とか、そういう人たちを呼び集めて打ち合わせをして、その後で御苦労であった、あるいはがんばってくれというようなことで飲むとか、あるいはもっと狭い範囲で、私どもこれは非常に疑問があると言っているのでありますが、同じ部の同じ課の人たちで、ひとつきょうは仕事が一段落したから一杯飲もうとか、通信局、管理部、電話局を通じたようなもの、あるいは通信局と管理部同士のもの、それから通信局なら通信局内部のもの、こんなふうな三つの形でいろんな目的で会合しているというのが部内でございます。  それから、部外はむしろ不正規支出の方で、部外者の名目を使ったものが多いという点が指摘されておりますけれども、別途経理の分で部外者と申しますのは、他通信局からの出張者とか、あるいは中には本社からの出かけていった役付でない職員との会食とか、それから純粋の部外としましては、たとえば公衆電話会の方に御苦労さんということで一杯飲んでおみやげを出すとか、こういう正規のものは正規で出せますが、これをもう少し範囲を広げたりとか、そういうことでやっておるのでありますが、部外というのは、正直申しましてこの場合には非常に少ないということが私ども非常に遺憾であると存じておるわけでございます。
  178. 森谷昭夫

    説明員(森谷昭夫君) 先生、ちょっと補足させていただきたいのでございますが、ただいまの説明で部内と部外の説明でございますが、部内と申しますのは電電公社職員という意味でございます。ですから、本社の職員でもほかの通信局の職員でもこの場合は部内ということで、ただいま総務理事の申しましたことは若干そごがあったと思いますが、御了解いただきたいと思います。
  179. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 私はいま聞けば聞くほど不思議になってくるんですが、いま総務理事の説明ですと、部内の皆さんのいわゆる会議費、会食費ですね、この表によりますと、近畿と東北電気通信局と、この二カ所だけで一億八千万ですね。こんなたくさんの会議費というのが、要するに仕事が一段落したからお互いに一杯やろうとか、こんなことで、そんなところにまで会議費を使うなんていうふうなことが、公社の中では一般的になっているんですかね。たとえば予算が足りないからどうのこうの言ったにしても、そういうようなことが一般的に行われているというふうなことであれば、私は問題であると思いますし、先ほどから組合とは関係ないという話もございましたけれども、たとえばそういうふうなことで、もし組合の対策をやっているなんということになれば、そのこと自体がまた問題ですし、しかも非常に短い年度の間に、一億八千万というような大変な金額をそういうところに使われるなんということは、われわれちょっと想像できませんね。そういう点はよほどこれから腹を引き締めて、そこら辺のところはきちっとしていただきたいと私は思います。この点についても一遍ちょっと御答弁いただいておきましょう。
  180. 小澤春雄

    説明員小澤春雄君) 御指摘のとおりでございます。特に近畿電気通信局の別途経理による使用状況というものは、ほかの通信局に見られないきわめて紊乱したものでございまして、私どもとしては、この内容を十分に今後に向かって点検をし、また改善等を急速に進めていかなければならないと、このように思っております。
  181. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 時間ありませんので、刑事局長お見えになっているようですから、ちょっと局長にお伺いしておきたいと思います。  これは、局長、今回の事件につきましては、もうすでに新聞あるいは会計検査院検査報告等にも出ているわけでございますけれども、先ほどから課長の方からも答弁幾つかございましたけれども、本来なら会計検査院がこの問題についての告発なり、何なり、きちっとすれば、それはそれに基づいてそれなりの捜査なり、何なりができると私は思うのですけれども、先ほどから検査院答弁を聞いておりますと、いわゆる犯罪捜査の端緒になる決算検査報告書で明確になっておる、したがって事件そのものについては三万件にも上る相当大変な資料またはそういう事件、事案なので、一件一件を通告するなんていうのはとても無理である、いわゆる検査院法三十三条の規定に基づいてる告発というのは無理だと、そういう答弁が何回かあったわけであります。しかしながら、捜査の端緒となるこの決算報告書というのは、もうすでに公開されているから、しかるべき処置はいわゆる検察庁の方でとるんじゃないか、こういうふうな答弁があったわけですが、この問題については法務省としてはどういうふうにこれからお取り組みになるか、その点ちょっとお伺いしておきたいと思います。
  182. 前田宏

    説明員(前田宏君) この問題につきましては、いま御指摘がありましたように、検査院報告まだ概要書というようなことであろうかと思いますが、出ておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても、この問題を刑事事件として扱うかどうかという問題が当然伴ってくるわけでございますので、さしあたって検査院の方からその概要を伺っておりまして、そのことをまた最高検察庁の方に伝えてあるという段階でございます。したがいまして、これからこの問題をどういうふうに扱うかということは、いわばこれからの問題でございますし、またどういうふうに捜査をするかしないか、またどういうふうに取り組むかということにつきましては、いわば捜査の内容といいますか、秘密的なことも含んでおるわけでございますから、現段階ではこの程度しか申しかねるわけでございます。
  183. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 これは検査院にもちょっとお伺いしたいんですが、先ほどからちょっと問題になりましたいわゆるカラ出張、カラ会議、カラ超勤、こういうふうな不正な経理ですね。これを行うに当たって、現実にいままで行われてきたわけでございますけれども、いわゆる公務員がその職務に関連をして、虚偽の内容の公文書を作成する、そして現実にこれは行使しておるわけですな、特に近畿電気通信局の場合なんかは。そうした場合には当然私は虚偽の公文書作成、あるいは同行使罪というのが、これは成立すると思うのですが、これはどうなんですか。
  184. 前田宏

    説明員(前田宏君) 先ほども申しましたように、まだ検査院の方の概要報告を入手したところでございますので、内容的にどういう文書がどういうふうにつくられていたかということは、これからの検討結果にまちませんと、はっきりしないわけでございますので、そういう意味でも明快なことは申しかねるわけでございます。  また、先ほど申しましたように、この問題を刑事事件として取り扱うかどうか、またその扱い方をどうするかというのも、これからの問題でございますから、いまの段階でどういう犯罪が成立するかということを明確にここで申し上げることもそういう意味で適当でないんじゃないかと思いますけれども、一般論として申しますならば、公務員が職務に関して虚偽の内容の文書をつくったという場合には、お尋ねのような犯罪が成立するということは十分考えられるということは申し上げられると思います。
  185. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 刑事局長、その場合、いわゆる一般論としてで結構なんですが、そういう場合、公文書を偽造する、そしてそれを使う、それはそれとして一つありますね。それと、そのことによって何らかのお金をもらうとかもらわぬとかという問題が出てくるわけですけれども、その場合にはそのお金がどう使われたかということがポイントになるというふうな答弁を先ほど会計検査院の五局長さんずいぶんやっておられるわけですけれども、私はそれはそれとして、当然お金の使い道という問題も一つの問題ではありましょう。しかしながら、それとは別に、いわゆるカラ出張とか、こういうふうな問題にちなんで、公務員がその職務に関連して虚偽の内容の公文書をつくる、そしてそれを使うという、裏帳簿をちゃんとつくっていたわけですから、そういうような場合は、お金のことには関係なしに、これは当然私は公文書偽造というか、同行使罪というのになるんじゃないか。お金はお金として別にプールして、お金はいい方に使っていたから、公文書偽造の方はそうはならない。そういうことにならないんじゃないの。どうなんですか、ここのところは。
  186. 前田宏

    説明員(前田宏君) 先刻の御質疑答弁を聞いておりませんので正確でないかと思いますが、一般的に申しまして、委員が御指摘のように、犯罪の成否というものとそれをどう評価するかということは二面あるかと思うわけでございます。したがいまして、犯罪の成否は犯罪の成否として、それぞれの罰則に該当するかどうかという問題で決まってくることであろうと思います。ただ、その場合に、それがどういう目的でそういうことがなされたかということが一つまた関連して問題になる。それによっては、その行為自体の重さ軽さと申しますか、評価といいますか、そういうことはおのずから違う場合もあるだろうというふうに考えるわけでございます。
  187. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 結局、重さ軽さのあれはあるけれども、お金の使い方によっては。しかし、そのいわゆる犯罪そのものが全くないということはないんでしょう。これはもう一遍ちょっと。
  188. 前田宏

    説明員(前田宏君) ただいまも申し上げましたように、まず犯罪が成立するかどうかということは、当該行為がその問題になる罰則に当たるか当たらないかという問題でございますから、目的がどうであるかどうかということは直接は関係がない。しかし、それをどう評価するかということは、やはりその事情なり、背景なり、目的なり、そういうもろもろの事情を総合勘案して、その評価を決めるべきであろう、こういうことであろうと思います。
  189. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 次に、もう時間がございませんので、最後に、いわゆる第三点目の給与の問題ですね。職員給与支出及びその決算処理が不当であったということで、先ほどから四十九億、正確には四十八億九千七百五万円、この問題について先ほどから何回か御答弁がございました。もう詳細のことをやっておる時間がきょうはございませんが、まず総裁、これどうですかね。この問題にちなんで、いわゆる政府関係決算書ですね、これは五十三年度決算書をどういうふうにされるおつもりなのか、これはわれわれに提出している決算書の数字というのは全くこれでたらめなわけです。これどういうふうに処理するかというのが結局最終的には大きな問題に私はなると思っております。これは総裁大臣両方から御答弁いただきたいんですが、大臣はこの問題についてこれはどういうふうに処理をされるのか、これちょっと一遍お伺いしておきたいと思います。
  190. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) いわゆる基準内外の給与流用の問題でございまして、郵政大臣承認を得てもらえば、正当な経理ができたのじゃないかと思いますけれども、もう現実の姿として出ているわけでございますので、検査院と十分に相談をしながら対処してまいりたいと考えております。
  191. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 大変申しわけない過去の不正な経理事務処理を行って政府に提出したことは、何とも申しわけございません。もうすでに出されたものでございますが、この問題の対策につきましては、政府の指示に従ってやるよりほかには方法はないというふうに私は存じております。
  192. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 大臣、ちょっと勘違いされておられるようですけれども、要するに検査院とこんなもの相談したってだめなんですよ。国会提出している数字は、基準内と基準外と入れかえたとか、そんな問題だけじゃないんですよ。トータルも違うんですよ。基準内も違うし、それから基準外賃金も違うし、そのトータルも違うわけだ。ただ入れかえただけと違う。全部違うんです。ということは全部でたらめだということですよ。いままでも決算委員会でこういう問題を何回か取り上げたことがありますけれども、要するに政府の決算書というのは過去一回も訂正したことがないわけです。わが決算委員会で二、三年前に輸出保険の決算の問題で訂正したことがありますけれども、あれは訂正じゃなくて後で修正したわけです。あのときはやっぱりコンピューターの故障というような具体的な問題があってやったわけですけれども、今回こういう事態、実際問題としては初めて起きているわけです。これは検査院の方は実態を明らかにしたわけです。ですから、検査院の結果というのはもう出ているわけですから、検査院と御相談したってこれはだめなんですよ。だから、政府で閣議決定したいわゆる決算書が違うわけですから、そこをどうするかという問題が起きてくるわけです。この点をどうされるのか、もう一遍お伺いしておきたいと思います。
  193. 守住有信

    説明員守住有信君) お答え申し上げます。  公社決算書類に関します会計検査院検査というのは、国の場合と同様確認的な性格を持つというふうに考えておりまして、決算が過去の記録であることにかんがみまして、検査の結果非合法、不的確と判定されましても、これを部分的に取り消したり、あるいは修正したりするものではなくて、個々の会計行為の効力に影響を及ぼすものではないと考えてはおります。しかし、私どもの手を経て、郵政省の手を経て内閣を経て検査院に送付され、検査院から国会へ送付された書類でございますので、そういう意味合いにおきまして検査院等とも十分御相談をして対処したい、このように考えておる次第でございます。
  194. 峯山昭範

    ○峯山昭範君 いや、そんなことを局長ね、あなたがそんなことを言うんならこれはちょっと大問題でっせ。過去の決算を変更するものじゃないと、それはあたりまえですよ。当然そうあるべきです。ところが、どうしてこれはわが決算委員会にこんな間違えた決算書を出したんですか。検査院が違うともう明確にしているじゃないですか。正確なやつを出してもらいたい、正確なやつを。正確なやつを出さなきゃわれわれ審査できないじゃないですか。こんなもの会計検査院と相談して何ができるんですか。あなたのような答弁なんか聞いているととんでもないことですよ。閣議決定して出したやつが、郵政省もだまされているけれども大臣全部もだまされているわけだよ。数字を一つ直すのさえ大変でしょう、決算書予算書というのは。そういうふうな意味ではあなたのような答弁はだめですよ。決算委員会審査できないじゃないですか。きちっとした、これはこれからどうするか、この問題についてはっきりしないとだめですよ。これは私はいますぐ結論が出ようなんて思いません。少なくともやっぱりこの問題については閣議で決めたやつを修正するわけですから、少なくとも閣議に諮る以外にない。閣議に諮る前には官房長官なり、総理とも相談せにゃいかぬ。相談する前には郵政省としてどういうふうにするかということを明確にしなくちゃいかぬ。明確にする前には、やっぱり公社の方ともよく相談をして、公社の方は指示どおりすると言うているわけだから、要するに郵政省としてこの決算をどういうふうに処理をするか。要するに、国会報告したこれが三つとも全部違うんですよ。だから、これはそういうふうな意味で明確にする必要があるんじゃないですか。そうでなくちゃ、明確にした、きちっとした決算書を出さなければ、この決算の審議はできないと言われてもそれはしようがないですよ。きょうはわれわれは五十二年の決算をやっているわけですから、五十三年じゃありませんので、余り私強くは言いませんけれども、いわゆる木で鼻をくくったみたいな局長答弁を読んだってだめですよ。
  195. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 峯山委員のいまの御意見、本当にごもっともでございます。ともかく間違った決算国会までずっとやってまいったのでございまして、いまの御意見を参考にしながら検討させていただいて、やってまいりたいと考えております。
  196. 柄谷道一

    柄谷道一君 本日の決算委員会は、電電公社集中審議の感を呈しておりますが、私は、最近、郵政関係で犯罪行為や不正経理問題が続々と明るみに出てきておることについて、全く遺憾にたえません。これは郵政事業そのものの綱紀のたるみを示すものではないかと考えられるわけでございます。  その第一は、去る十月三日の新聞報道によりますと、京都府綾部市の特定郵便局長が、園部郵便局幹部であった三年前、近所の八十一歳になる老女のとらの子の四百万円を定期預金にしてやると言ってだまし取り、自分のマイホーム資金として使っていたということが報道されていることでございます。これは人道的に見ても許されることのできない言語道断の悪質犯罪だと思います。また、このことは郵政事業に対する国民の信頼を失うこともはなはだしいと言わなければなりません。しかも、私がここで問題にしたいのは、この犯罪は特定郵便局長に任命される前の、普通局の貯金内務主事時代の犯罪であると承知いたしております。  私は、このような人物が特定郵便局長に任命されたということに問題があると指摘せざるを得ないのでございます。特定郵便局長の任用規程を見てみますと「年齢満二十五年以上ノ者」「相当ノ学識才幹アル者」とだけしか書かれてありません。郵政事業の第一線の責任者として、国民に接する重要な任務を持つ特定郵便局長が、その任用についてどのような人物考査等に基づいて行われているのか、その不備を露呈するものであると私は指摘せざるを得ないわけでございますが、今回のこの不祥事件の処置とあわせ、大臣の明確な御答弁をまず求めたいと思います。
  197. 寺島角夫

    説明員(寺島角夫君) ただいまお話のございました京都府の綾部にございます山家という特定郵便局の局長をいたしておりました平野という者が、御指摘のように、特定局長になる前、園部の郵便局の貯金保険課の内務主事をいたしておりましたときに、預金者から預かりました四百万円の金を預入手続をしないで横領をしたという事件が、最近これが発覚をいたしたわけでございます。そのことにつきまして、すでに九月二十二日付をもって本人に対しまして懲戒免職処分ということを発令をいたしておること、先生お話しのとおりでございます。  そのことに関しまして、この特定局長任用以前の犯罪でございますので、任用に当たって一体どういうふうな調査なり、審査というものをやって、特定局長に任用いたしておるのかというお尋ねかと存じますので、その点につきましては人事局長の方からお答えを申し上げます。
  198. 岡野裕

    説明員(岡野裕君) 特定局長の任用に当たりまして、およそ刑事法に触れるような行為がありました職員、これを実際的には任用をしてしまったわけでございまして、まことに面目次第もございません。およそ特定郵便局長の任用につきましては、国家公務員法三十六条に基礎を置きまして、先生お話がございました当省の特定郵便局長任用規程というものを適用いたしまして、任用をするという実態に相なっているわけでございますけれども、しからば実際の任用はどんなふうであるかという点につきましてお答えを申し上げたいと存じます。  まず、本人につきましては、やはり現職職員でございましたものですから、それの在来の勤務実績、あるいはこれが人物、あるいは特定郵便局長として管理能力を持っているや否やというような点につきまして、あるいは教養試験を課し、あるいは郵政局の面接試験を課しというような中から、やはりその地域住民の皆さんに溶け込んで、特定郵便局らしい経営ができますような、そういう能力のある者を選ぶということに相なっておりまして、本件につきましても、そのようなことで選任、選考をいたした次第でございます。ただ、三十三年にわたりますところのこの当該本人の勤務につきましては、普通局あたりも三つほどの郵便局をけみしておりまして、一見その過程の中ではきわめてまじめ、実直であるというようなことでございました。ただ、ふたをあけてみましたところが、もう三年ほど前に、実際にはいまお話をしましたような犯罪行為があったということで、これを見抜き得ませんでしたことはまことに遺憾に存ずるところでございます。今後十分注意をいたしまして、任用の実績を上げてまいりたいと、こんなふうに存じているところでございます。
  199. 柄谷道一

    柄谷道一君 いまたてまえとしての御答弁があったわけでございますけれども、去る昭和五十二年に、神奈川県相模大野郵便局における前特定郵便局長による二億円以上に及ぶ空前の郵便貯金詐欺、横領事件が発覚をいたしました。国会で鋭い追及が行われたところでございます。その際、郵政省はこの種の犯罪の再発を防止するために、抜本的に防犯対策を強化する旨の答弁を行っておられます。しかし、今回の事件は、その対策が十分でなく、実効を上げ得なかったことを示す左証ではなかろうかと私は思います。事実、五十三年度会計検査院決算検査報告では、三十六件、一億一千九百三十八万円、五十四年度の同報告では十六郵便局で十七件、一億四千六百二十三万円もの職員による不正行為が明らかにされております。  私は大臣にお伺いしたいのですが、国民のこの貴重な財産を預かる郵政事業としては、郵政犯罪というのは減少すればいいという問題ではございません。完全にその根絶を図るということが、国民の信頼をかち得る最重要課題ではないかと、こう思うわけでございます。大臣の御所見をお伺いしたい。
  200. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 郵政事業全般もそうでございますけれども、特に金に関する事業につきましては、国民が信頼をして預けてくれるものでございます。したがって、私も就任以来一番大切なことは、国民に信頼を得るようにしなさいとか、郵便局なら絶対大丈夫であるというような精神を持ってやりなさい、こういうことを指示してまいりましたけれども、これは五十二年また五十三年、五十四年もこういうことの事例が出たわけでございまして、この点はもう何とも言いようない、申しわけない次第でございます。  今後はさらに監査機構を強化をいたしまして、今度こそ絶対に出ないように、ひとつ部下を督促してやってまいりたい、こういうように考えております。
  201. 柄谷道一

    柄谷道一君 大臣、再びこの決算委員会でこの種の不正問題というものが追及されることのないように、篤とこの点には対策を強化を願いたいと思います。  第二に、KDD事件に続いて今回会計検査院から指摘された電電公社不正経理問題でございますが、すでに今朝より四人の委員によりまして、いろいろの角度からの質問が行われております。私は、あえてこれらの問題について重複することは時間の関係で避けたいと思います。  現在の公社法では、その七十五条に、公社郵政大臣監督すると規定されております。そして、これに基づいて七十六条で、業務報告提出、命令権を包括的に定めているわけでございます。したがって、公社の業務運営に関して郵政省の監視の網がかからない部分があるのではないかということは、従来より指摘されておったところでございます。電電公社というのはわが国最大の企業でございます。そして、電電王国としての甘え、独走があるのではないかということもまた今日まで指摘されてまいりました。それが今回、普通出張、特命宿泊等旅費の不正三億八千七百三十五万五千円、カラ会議や会合の名目の異なる不正会議費九億四千五百三十九万一千円、設計と相違した施工千七百六十六万七千円、職員による不正行為六千四百七十五万二千円、これに加えて職員給与の不正決算処理、いわゆる帳じり合わせが行われた。このことに対しては全国民が大きな憤激を持っているところであろう、このように思います。  公社総裁及び大臣からいろいろ今日まで所見の表明があったわけでございますが、私は公社法三十九条、五十三条、七十二条、予算総則二十四条、二十六条及び二十七条、会計規程三条及び四条に今回の問題は抵触するのみならず、すでに指摘されておりますように、見方によりますならば公文書偽造、背任、横領と言われてもやむを得ない問題を含んでいるのではなかろうかと思います。  電電公社には公社内の不正をチェックするために本社に監査局、全国十一の電気通信局監査部を置きまして、他の公社公団と比較いたしました場合、内部監査のシステムとしてはすぐれた機構を持っております。しかし、今回このような不正経理問題が会計検査院から指摘されたということは、内部監査としての限界を示すものではないか、このように思うわけでございます。  そこで、重複を避けるために、大臣に確認いたしますけれども、ただいままでの答弁を聞いておりますと、この問題について、一つは郵政大臣監督強化と公社法の洗い直しを行いたい、第二に、今回の原因の徹底的究明と厳正な措置を行いたい、第三に、それに基づいて再発防止の対策を確立したい、これが本問題に対する郵政大臣の現在のお考えである、こう理解してよろしゅうございますか。
  202. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) そのとおりでございます。
  203. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は、今回の会計検査院指摘のうち、職員の着服、横領等の不正行為、設計と異なった工事の施工、及び正当な業務執行とかかわりのない会合費、これらについては全く弁解の余地のない問題であろう、こう思うのでございます。そして、このことに対しては当然厳正に措置されなければならないと考えます。その他の項目について、私は、当然予算の執行が適正でなければならない、法に違反する行為があってはならぬ、これはもう言をまたないわけでございます。  これは大臣にお伺いするんですけれども、再発防止を行うために次の三点について配慮が必要ではないか、こう思うんです。  その第一は、職員給与につきまして決算を紛飾したということについては、許されるものではございませんけれども、労働基本権、いわゆる労働組合の団体交渉機能と公社当事者能力をどう尊重し、その結果としての協定をどのように財務処理として調整するか、この問題でございます。二月一日、わが党の塚本書記長が予算委員会でこの問題を鋭く追及いたしておりますが、たとえば、違法ストライキを中止させる代償として、取引の条件に使われるということは私は許されるべきではないと思いますが、正当な団体交渉の結果として妥結されたものについては、これを堂々と表に出し、大臣に認可、許可を求め、大臣もまた団体交渉権を正当に評価して、これに対して弾力的に措置していく、この体制がなければこの問題の根本的解決というものはあり得ないのではないかと思うことが第一でございます。  それから第二は、特命宿泊。これは私の聞くところ、一部労働組合の超勤拒否に対応いたしまして、保守業務を完全に遂行するための苦肉の策も含まれている、このように聞いております。とするならば、労使関係の正常化というものが定着しなければ、保守業務の執行をどのようにして完全に確保するかという視点の解決がなければならないと思います。  第三に、民間の企業が懸命の減量経営をしている中で、その経費の節減に努めることば当然公社としての姿勢であるべきだと思います。官庁会計企業会計というものを画一視して取り扱うということになりますならば、公社としての特質を無視をいたしまして、かえって角をためて牛を殺すといいますか、その企業努力そのものを減殺していく、この問題をどう取り扱っていくか。  このような三つの問題が私は含まれていると思うのでございます。これに対する大臣の所見をお伺いをし、大臣がそのとおりだと言われたその今後の対策とあわせ、これに対する対策の確立について御所見をお伺いいたしたい。
  204. 守住有信

    説明員守住有信君) ただいま先生の御指摘のように、紛飾決算それ自体は重大な問題でございますが、公社それ自身は、やはり民間の活力を生かした自主的な公共企業体として、もちろんその職員は公務員に準ずるものという立場の自覚は必要であると、こう認識いたしております。しかし、その自主的な公共企業体として、いろんな電話社会の建設へ向かっての活動をしなければならぬと思っておるわけでございますが、しかし、その中にあっても、自主的であるだけに、やはり逆にその責任は重いと、こういうふうに思うわけでございますし、また給与の問題にいたしましても、給与総額の中で基準外基準内ということがございますが、その決算処理のあたりが、基準内外が明確に毎月本社段階でわかるような仕組みになっていなかったということも、私どもは把握をしておる次第でございますので、その給与総額の枠内では、いろんなルールに従いまして、それが明白にわかり、かつ郵政大臣流用等の承認を受けるような手だてさえ講じていただければ、そういう問題についての弾力的な運営もよりよく、会計処理は的確に処理をしながら、弾力的な運営ができるのではないか、このように考えておる次第でございます。  その他いろいろ示唆に富む御指摘もございましたので、私ども十分また踏まえて、公社と話していきたいと考えておる次第でございます。
  205. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は、これ閣議の姿勢にも大臣、問題があると思うんですよ。これも同じく二月一日の予算委員会で塚本議員の質問、追及に対しまして、当事者能力を持つ公社と、団体交渉権を持つ労働組合、これが正常な形において交渉し、そこで妥結したと、この問題について、閣議決定の枠からはみ出すという場合どうするんだと、こういう質問に対して、法制局長官は、そのときは週休二日制の問題が議題になったわけでございますけれども、労働条件を労働協約で定める限り、政府の方針との調整という問題は一応あるが、違法ではないと、こう答えておられます。そして、塚本議員から、質の高い生産性をした場合、それだけ報われるような方向を当然とっていかなければならない、しかし、頭が閣議決定で抑えられている、この矛盾をどう調整するのかという追及に対して、亡くなられました大平前総理は、政府としては新しいルールの上に、表に出してきちんと処理すべきものは処理する、今後改めなければならぬものは改めるという、けじめをつけて処理していくという方向で、内閣官房を中心に具体的改善策を考えることとしておるので、しばらく時間をかしていただきたいと、こう総理みずからがお答えになっておるわけです。ということは、今回の問題もうすでに多くの委員から指摘されましたので、まことに遺憾千万でございます、それはそれとして、この問題を総理大臣がお答えになっておるわけですから、どう対処していくかというこの一面を忘れて、対応策を確立するということになりますと、私は片手落ちの事後対策になりはしないかと、こう思うわけでございます。大臣、いかがです。
  206. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 私、今回どういう理由で、どういうふうにこういう問題が起きてきたかという中に、やっぱりいろんな原因があると思うんです。やりたくても規則が非常に厳格過ぎるとか、そういうような問題を避けて通ろうとしてこういうことに走るということもあり得ると思うんですね。だから、そういう点については、それが適正にできるように規則等は改正をして、今後そういうことはないようにということの考え方もぜひとっていかなければいけないと、こういうふうに考えているわけでございます。特に労使交渉して妥結したものについては、当然正当に払い得るような経理の正当な処理をしてやっていけば、こういう問題は起きてこないと、こういうふうに考えているわけでございます。
  207. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は、この電電公社問題はいろいろ他の委員からも質問しておりますけれども、ある問題は調査中、ある問題は検討中、こういうお答えから一歩も出ませんので、私は今後引き続いて郵政大臣のとられるべき措置、公社としてとられるべき措置、これらを十分見守っていきたいと思います。そして、その結果に応じまして、再びこの問題について私としての質問、意見を申し上げていきたいということをこの際申し上げ、これ以上の問題は一応留保しておきたいと思います。  次に、電電公社の直営病院でございますが、私が調べたところによりますと、四十八年度八十億円、四十九年度百四億円、五十年度百二十六億円、五十一年度百三十八億円、五十二年度百五十五億円、五十三年度百五十四億円、そして五十四年度は百七十四億円と慢性的な赤字を続け、その赤字は年度年度ごとに増加いたしております。会計検査院は五十二年度決算検査報告書の中でこの問題に触れまして、赤字の原因として診療報酬点数表の診療単価一点十円であるのに対して、公社が一点八円としておること、さらに一般病院の新設など全国的な医療水準の向上に伴って、直営病院の利用者数が減少していること、この二つが要因である、そしてその改善策に努めるようにという報告書を出しております。しかし実態はその後も赤字が累増いたしておるわけでございます。この問題について検査院報告に基づき、公社としてどのような対応をしてこられたのか、お伺いいたします。    〔委員長退席、理事小山一平君着席〕
  208. 澤田道夫

    説明員(澤田道夫君) お答え申し上げます。  先生いま御指摘になりましたように、昭和五十二年検査院からの指摘があったわけでございます。いまお話のございました二点のうち、診療に関します門戸開放と申しますか、診療の数をふやすという面についてまず申し上げますと、私ども公社の病院、この病院の医療施設を一つにはその利用の効率を高めるという考え方、それからもう一点は、われわれの持っております医療資源、これを地元に還元するというふうな観点から、公社病院につきまして、保険医療機関の指定を受けまして、一般の方々の御利用にも開放する、そういう方向で努力を重ねてまいりました。幸い本年の八月、これは口幅ったいことではございますけれども、三公社の中では初めて東北逓信病院につきましてこの保険医療機関の指定を受けることができまして、一般の方々の診療を開始いたしました。他の公社病院につきましても、いろいろ病院あるいは背景となります地域の事情、ところによりましては大変むずかしい事情もございますけれども、いずれにいたしましても積極的に取り組みまして、体制の整ったところから、逐次実施したいというふうに考えております。  それから診療料金あるいは単価、こういった面の改正でございますけれども、大変残念なことでございますが、支払い側でございます電電公社の共済組合、これ一般の場合で言いますと健康保険に当たる短期経理でございますが、この収支状況が非常に逼迫しておりまして、過去四年をとってみましても毎年社員の掛金率を上げるとか、あるいはまた給付の切り下げを行うとか、そういうことによりまして、何とか収支の均衡を保っておる状態でございます。したがいまして、何とか具体化の方向で取り組んでおりますが、なお若干の時間をおかしいただきたいというふうに考えております。    〔理事小山一平君退席、委員長着席〕
  209. 柄谷道一

    柄谷道一君 私は、公社直営病院の赤字というものは、最終的には電信電話利用者が負担することになる問題でございます。これは電電公社直営病院に限りません。逓信病院も同様でございます。きょう関係ございませんが、鉄道病院もまた同じでございます。私は、この公社病院のあり方というものについて、大臣会計検査院から厳しい指摘があるわけですから、もっと本気になって取り組んでいかなければならぬ問題ではないか。そこに私は、国民から甘いと言われてもやむを得ない一つの要因がここにもあると、こう指摘せざるを得ないわけでございます。  時間の関係で、これは意見の形に切りかえますので、大臣としても、また総裁としてもこの問題に対して真剣に取り組まれるように強くこれは求めておきたいと思います。  次に、これも遺憾なことでございますが、キャッチホン・サービスの問題でございます。システム上の欠陥によりまして、一方の通話者である電話加入者側では電話を切った後も他に通話できないとか、反対にキャッチホン利用者側では、かけもしない通話料が徴収される、こういった問題が起きております。私は、ここで指摘しなければならぬことは、電気通信分野における技術進歩は日進月歩でございます。そして、これに伴い、新製品が開発されてきておること、それは関係技術者の努力を多とするものでございますし、このことによってまた国民も大きな恩恵を受けております。しかし、機械は万能ではございません。そこで、新製品の開発に当たって細心の注意を払って慎重を期すと、これはもう当然でございますけれども、やはり問題は、公社がこのような欠陥に気づいていたということ、しかも気づきながら、その販売に当たって欠陥を利用者に周知しなかったということ、そして、監督官庁である郵政省にもこれを知らせずに、交換機の改修に手をつけていたということ、これが問題でございます。私は、郵政事業に対する信頼、電電公社に対する信頼というものを高めていくためには、やはり欠陥を発見すれば、郵政省に対しても、国民に対しても、遅滞なくこれを連絡、報告をして、速やかにその改善策を講じていく、その経営姿勢こそ必要ではないかと、こう思えるのでございます。総裁、いかがでございます。
  210. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) キャッチホンに対する事故の問題は、全く先生のお説のとおり、私自身も、またかなり専門分野の者も余り気づかなかった。しかし本当の担当の者は、ひそかにそういう欠陥があるということは知っておったようでございます。しかし、これを使う国民皆様は、ほとんどそういう欠陥があるということは知らずに、たまたま一、二の人からおかしいということがございまして、クレームなり、投書がございまして、そういうものが発見されて私どもの耳に入ったと、非常にこれは申しわけないことでございまして、しかもその間、半年ほど前からその欠陥を直すべく非常に努力しておったのでございますが、これはいまも作業しておりますが、近々完了すると思いますが、公共企業体として、国民大衆の利用に供する電気通信設備というものは、刻々に高度な技術の進歩に伴って、非常にデリケートに、しかも精細をきわめる技術に進んでおりますので、ちょっとのごみ一つのようなものでも、大きなクレームになって、国民皆様に御迷惑をかける事態になりますので、これからの電気通信を預かる者としましては、こういう技術の進歩と開発に対しては、全力を挙げるとともに、これがユーザーに対してどういう影響をするかということは、徹底的に部内で検討して、もうこれならよしと言ってからサービスを開始するという構えにしなければいかぬじゃないかということを、私は強く関係の者に指示をした次第でございます。全く申しわけないことでございました。
  211. 柄谷道一

    柄谷道一君 大臣、私は時間の関係もありまして、三つの問題をここに取り上げました。それが氷山の一角であるかどうかは別といたしまして、最近国民の強い批判が寄せられておりますのは、やはり郵政事業そのものに対する綱紀の弛緩ということが、強い指摘を受けておるわけでございます。私は、このような現状を放置いたしますならば、これは将来の郵政事業にとってゆゆしい問題に発展していくんではないか、そのことを恐れます。  そこで、行管にお伺いしたいわけでございますけれども、私たちは、かねがね行政内部の自己監察だけでは不十分ではないか、欧米諸国における国会任命によって、行政監察委員会制度をとりまして、国会による行政監察と行政救済を図るための具体案の提示を要求いたしております。行政管理庁でもこの問題を真剣にいま検討中だと聞いておりますけれども、確認質問になるかもしれませんが、この問題については第二臨調の中で取り上げ、この問題の考察を深めると、こう理解してよろしゅうございますか。
  212. 鈴木昭雄

    説明員(鈴木昭雄君) 第二臨調で取り上げるかどうかという問題でございますが、私はたまたま第二臨調の担当じゃございませんので、正確にお答え申し上げることはできませんけれども、私の承知している限りにおきまして、第二臨調でどのような事項を審議事項として取り上げるか、これはまだ委員さんも決まっておりませんので、具体的に固まっているわけじゃございません。そういうことでございまして、オンブズマン制度を具体的に取り上げるかどうか、これにつきましては、まだ現段階では具体的には決まっていないというふうに承知いたしております。
  213. 柄谷道一

    柄谷道一君 課長答弁としてはそこまでしかいけないと思うんですが、中曽根行政管理庁長官はこの問題に強い関心を持たれまして、第二臨調で積極的に取り上げ、検討してみたいという趣旨を各所で述べられておることを私聞いております。行管としても、この種の問題を契機に、現在の内部監察制度でいいのか、それともオンブズマン制度にまで問題を発展させて、国民の信を完全に回復することがいいのか、この問題につきましては、きわめて重大な課題でございますので、この点、ひとつ私の意のあるところを長官にもお伝えをいただきまして、この種の問題は一月に行管関係の決算委員会がございますので、改めてその節細部お伺いをしていきたいと、こう思います。  時間が参りましたので、最後に、ずいぶん質問を用意してきたところでございますが、最近問題になっておりますのは、子供向けテレビコマーシャルの改善対策の問題でございます。  子供というのは判断力や批判力が未熟でございます。したがって、そのテレビコマーシャルというものの子供に与える影響というのはきわめて大きい。欧米諸国では、時間の関係で事例は省略いたしますけれども、これらに対して非常に厳格なガイドライン、規制を課しておるというのがその実態でございます。  そこで、一つば公正取引委員会に対しまして御質問いたしますが、公正取引委員会では実態調査を、総点検を消費者に依頼いたしまして、本年度中にテレビコマーシャルに関するガイドラインを策定するという方針で作業が進められているということを仄聞するわけでございますけれども公正取引委員会として、この問題に対する所見をお伺いいたしたい。  そして、大臣に対しましては、子供向けテレビコマーシャルに関する自主規制に対する郵政当局としてのお考えと、自主規制で改善が期待できないとするならば、法規制そのものを私は検討すべきではなかろうかと、こう思うわけでございますが、郵政大臣答弁を求めまして、通告いたしました質問事項の三分の二ぐらいしか消化しておりませんが、時間は守りたいと思いますので、私の質問を終わることといたします。
  214. 波光巖

    説明員波光巖君) 御説明をさせていただきます。  テレビコマーシャルは景品表示法に規定する表示に含まれますので、それに不当な表示があれば当然に規制の対象になるのでございますが、景品表示法による規制は、従来どちらかといえば、活字媒体に目が向けられていたということが言えると思います。しかしながら、ただいま御指摘のように、テレビコマーシャルの持つ影響力がきわめて大きいこと、また最近、テレビコマーシャルに不当な表示があるという問題が指摘されておる実情にかんがみまして、私どもとしましては、テレビコマーシャルにおける問題点の把握をする必要があるというふうに考えております。当面におきましては、消費者団体等でも一番指摘しております子供向けテレビコマーシャルの景表法上の問題点を把握するために、学識経験者にこれに関する専門的な調査研究を委託しておる状況でございます。  ただいまガイドラインの話が出ましたけれども、これを作成するかどうかにつきましては、現在専門的調査研究をお願いしておるその結果を見て対処したいと考えております。
  215. 田中眞三郎

    説明員田中眞三郎君) ただいま先生の御指摘の民放テレビのいわゆる子供向けのコマーシャル等でございますけれども、私どもいろんな御批判、あるいは要望があるということは十分承知しておるつもりでございます。郵政省といたしましても、こうしたコマーシャルのあり方については、強い関心を持っていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。  しかしながら、先生指摘のように、放送法の第三条というものがございまして、いわゆる放送事業者に放送番組編集の自由は保障されておるということで、広告もまた放送番組の一部となるというようなことでございまして、事は言論の自由にかかわる問題だけに、規制につきましてはきわめて慎重であるべきだというふうに考えておるわけでございますけれども、御存じのように、広告番組の内容等につきましては、民間放送事業者の団体でございます民放連で基準を決めてございます。そして、各放送事業者にありましても、個別に番組基準というものを設けまして、自主的に適正化に努めておるということで、さらに子供向けのコマーシャルにつきましては、現在のところ民放連の方で児童向けCMに関する留意事項ということで、五十年に改正いたしました放送基準というものを、さらに詳細な運用基準を設定するという検討を精力的にただいま進めておるというふうに聞いておる次第でございまして、郵政省といたしましては、非常に関心を持っておるわけですけれども、放送広告番組の改善につきましては、放送事業者の、いま申し上げましたような自主的努力にまず第一義的には期待するのが望ましいというふうに考えており、放送事業者自体が放送の公共性というものをより深く認識していただきまして、世論の批判を招くことのないよう、努力をまず続けていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
  216. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それでは、今回検査院報告によって明らかになりました電電公社不正経理問題についてお尋ねをいたします。もう各党各派からすでに質問が行われておりますし、私の持ち時間きわめて短うございますので、端的にお聞きをしていきたいと思います。  この問題はすでにわが党の東中議員が、昨年の二月に衆議院予算委員会の分科会で指摘をし、私が昨年十一月の十五日の本決算委員会お尋ねをしたところでございます。その中で私は、そのときに東中議員から指摘を受けて、検査院会計検査を行ったけれども、そのときに電電公社に巧みにだまされたというか、巧みにすり抜けられていたこと、それからカラ会議の実態、そういったものを具体的にお示しをして質問をしたところでございます。したがって、今回会計検査院が精力的に検査をなさいまして、先日の決算報告不正経理の実態を明らかにしようという熱意をあらわされたことについては、一定の評価をしていきたいと思っているところでございます。昨年十一月十五日の私の質問に対しまして、秋草総裁は、公社会計というのは官庁と違って、弾力的にできておって、カラ出張とか、あるいはカラ宴会をする必要はないと、なぜそういうことをしなければならないのかという趣旨の御答弁をなさいました。今回の不正経理事件で解明をしなければならないというところはそこだと一つは思うわけです。やる必要がないことをなぜやったのか、そういうやる必要のないことをなぜやらねばならなかったのか、その背景というのは一体何なのかというあたりが明確にメスを入れられませんと、これは現象だけを追っていたのでは、本当に再発防止の対策もできないのではないかと思うのでございますが、その点について、総裁と、これは大臣の御所見もあわせてお伺いをしておきたいと思います。
  217. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 昨年秋にこの委員会で、沓脱先生自身の質問に対しまして、私みずから先生に向かって、先ほどのような答弁をしました。本当に先生に対しましては不明の至り、申しわけないと思って謹んでおわびをします。当時も、十月半ばでございましたが、近畿の一局所にああいう事件が発生して、決算委員会で質問がありまして、カラ宴会というもの、非常に偽った宴会ということがあったと、これは新聞社等からも摘発されて知ったわけでございますが、当時、私はカラ出張のようなものはありませんということを言明した覚えがございます。その翌年——ことしの二月下旬ごろ、大阪のまた大きな事件があるということを私聞いて、しかもこれはカラ宴会もある、カラ出張もあると、本当に愕然としたのでございます。御質問の、この原因は何かというのは、きょう午前中からいろいろと御質問がございまして、関係の者も答弁しておりますが、やはり安易な経理をするということに尽きると思うのでございますが、そこに、まあごく事務的に言えば、単金が辛いとか、いろいろ一々決裁文書をつくって、正規の経費を出すということもなかなかうるさいということから、だんだんと大きくなって、めんどうなことだから、ひとつカラの宴会をつくって、袋内預金をしておいて、手軽に雑費とか、レクリエーションとか、香典とか、そういうものに使うと、これは重宝ではありますけれども、とんでもないことでございまして、本当にこういうことを私は、電電公社経理というものは官庁の経理と大分違いまして、予算の厳しい定額制の令達というものがございませんので、自分が正しいと思う支出はいかなることでもできるんだと、部内の宴会でも、これは必要だと思えば、課長会議を三日間やって、最後これで帰るんだというときには、一杯ぐらい飲ましてもいいだろうとか、そういうことを自分で考えて、だれにも恥ずかしくないということがわかれば、一定の基準もなくても、また上司もおりますから、相談相手にもなってこれぐらいのことはできるということは、そう検査院からああいう御指摘を受けて、カラの旅費をつくって、現金化して自由に使うということは、私は何でする必要があるかという気持ちでいっぱいであったのでございます。御質問に真正面のお答えになっていないと思いますが、今後、いずれにしましても、絶対にこういうことはないように懸命に改善策を立て、厳しく全国に指示をしているところでございます。大変申しわけない発言をしたことを深くおわびをします。
  218. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 今回の事件は本当に遺憾なことでございますけれども、どうしてこうなったかということを私は徹底的にまず究明してくださいと、正当な会議、正当な出張というものは当然出るようになっているのでございますから、どういうわけでそういう経理をしなかったのか、そういう点について十分に検討して、それをなくするように、正当な経理ができるように、そういう点に第一に注意をしてやってもらいたいと思います。
  219. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 この点は、他の委員からの御質問をお聞きしていても、さっぱりわからぬですね。総裁のお言葉のように、もっと自由に、弾力性を持ってやれるというふうな予算の仕組みであるのに、にもかかわらず、裏金をつくってやるというのは、よほど秘匿しなければならない会食をやっているんじゃないかという疑いを国民に持たせる結果になると思うんです。その点を十分お考えをいただいて、その点についての解明はぜひやっていただきたいと思っています。こういった事件の再発防止については、全容解明を徹底的にやるということが何よりも大事だという点は、大臣すでに何回も御答弁になっておられますが、私もまさにそのとおりだと思っているわけです。  時間が限られておりますので、不正経理のうちの会食費にしぼってお聞きをしたいと思っています。会計検査院がつかんでおられる会食費の総額、これは時間がありませんから、私が事前にお伺いをした数字を申し上げますから確認をしていただきたいと思います。旅費の不正経費の中の会食費、これが一億八千二百九十五万円余、それから架空の会議費が二億三千九百万円余り、それから不正規会議費が六億五千十七万余り、合計十億七千二百二十九万円、間違いありませんか。
  220. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 間違いございません。
  221. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 その十億七千万余りのうちの部内、部外に分けた内訳でございますが、これももう時間がありませんから、部内、部外をお聞きをいたしますと、それぞれ旅費不正分とか、不正規会議費、あるいは架空の会議費、それぞれ若干のパーセントの違いがあるようでございますけれども、この三つの平均が部内の会食費というのが六六%、部外が三四%と伺っていますが、これも間違いございませんか。
  222. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 間違いございません。
  223. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 このいわゆる不正規経理部分の中の会食費が十億七千万余りというんですから、これはまあずいぶんたくさん飲んだり食ったりしたということになるんですが、これをつかまれるのに検査院はどうしてつかんだのですか。裏帳簿や伝票類があって、それを全部検査したんですか。
  224. 丹下巧

    説明員丹下巧君) お答えいたします。  こういう別途経理により捻出した資金につきましては、これを担当する職員——通常、庶務担当の係長でございますけれども、この方が裏帳簿を持っておりまして、まず裏帳簿について中身、人、そういったものを調べる、さらに業者からの請求書、領収書、そういったものを対査確認する、さらに関係者からこれらの帳簿書類の記載事項について説明を受けるなどの方法で調査を行ったわけでございます。
  225. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 ところで、部内、部外の内訳は先ほどの御質問の中で明らかになっていたようですが、労働組合は部内ですか、部外ですか。
  226. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 部外でございます。
  227. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 先ほど公社の総務担当理事からのお答えでは、労働組合の役員などとは改選などで顔合わせ等の懇談会はやっておるということでございましたが、そういうことですね。
  228. 玉野義雄

    説明員玉野義雄君) 先ほど職員局長からお答えいたしましたように、役員等の交代とか、そういうようなときに顔合わせいたしていることは事実でございます。
  229. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 そういうときはどんなところでやるんですか、顔合わせの懇談会というのは。
  230. 玉野義雄

    説明員玉野義雄君) 私の方の寮がある場合には寮とか、それから華美にわたらない場所とか、そういうところでやっておると聞いております。
  231. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 また別の機会にお伺いをしたいと思うのですが、検査院にちょっとお伺いしたいんですが、部外者——労働組合の幹部との会食というのがあるということは公社の方もお認めになったんですが、労働組合の幹部や関係者との会食というのがあったというお話でございますが、検査院検査作業中で把握できたのは、この不正経理分の食費の中でどの程度の部分が把握できたでしょうか。
  232. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 私どもは、この検査におきまして、不実の経理の実態を把握するために、領収書等の資料をもとにいたしまして、支出金額について押さえてございます。ただ、この会食の目的等につきましては、これは別途経理でございますので、正規伺い書等はございませんので、私ども公社の方から説明を伺っているわけでございますが、特に組合関係の懇談を行ったという説明を受けておりますけれども、組合関係の懇談が幾らになるかというふうな集計はしてございませんので、その金額についてはお答えできません。
  233. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 作業過程で、これはいま検定中ですから一件一件はこれからでしょうが、作業過程で把握できた率、金額といったらちょっとむずかしいでしょうから、率としてはどうなんですか。事前にいろいろとお話を伺っておるところでは、九%ないし一〇%という感触であるということをお聞きしているのですが、それはどうですか。
  234. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 事前の説明でいろいろ言っていると思いますけれども、これは人によって、感触でございますのでいろいろ違う点があると思いますけれども、新聞発表などで言われているような三〇%というふうなことはないというふうに私は聞いております。
  235. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 いや、三〇%ということがないという点を明らかにするためにお聞きをしているので、ないと思いますだけではあかんですよ、あなたのところは検査しているんだからね。だから三〇%でないという否定をなさるのなら、感触として九%ないし一〇%だというふうにおっしゃっておられるけれども、ほぼそういう感触の把握ですかと聞いているんです。
  236. 丹下巧

    説明員丹下巧君) これはたくさんの人たちがそれに参加しておりますので、幾らかと、何%かということはそれぞれによって違うんじゃないかというふうに思っております。
  237. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 局長おかわりになったばっかりですから、どちらかというとよく御承知でないんだと思いますが、私は労働組合が三〇%も飲み食いをしたというふうな宣伝をされたという点では、労働組合としても、公社としても大変重大視しているに違いないと思うんですよ。だから、その点はむしろあいまいにすると、かえってそういう疑いを助長すると思う。むしろはっきりさせる方がよろしかろうと思って特にお聞きをしているわけですよ。あなたの方の、事前にはいろいろと私ども伺いしましたけれども、これから検定をするんだから、細かい点はわからないだろうけれども作業過程で把握できた程度というふうなものというのは、これは九%ないし一〇%だと思うと言うておられるけれども、それはどうなんですかと言うて聞いているんですよ。
  238. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 先ほど私御説明申し上げましたように、私ども伺い書等で正規にわかるというものではなくて、電電公社側の説明を聞いて懇談があるということを承知しているわけでございますので、この説明については電電公社側から御説明を受けた方がよろしいんではないかというふうに考えております。
  239. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 ちょっと、いまの最後のところわからなかったのですが。
  240. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 私どもは、最初から申し上げましたように、支出につきまして、どこの会食に使ったという事実は、どこにどう払ったということで承知しているわけでございますけれども、何の目的でだれが参加したかということは、その人に聞いて確認するとか、いろんなことができればいいわけですけれども、そういうこともできませんし、そういう説明を受けて懇談があったと、組合関係との懇談でございますという説明を受けておるわけでございます。その内容につきましては、公社側が一番よく承知しているわけでございますので、もし、さらにお聞きしたいということであれば、公社側からお聞きしていただいた方がよろしいんじゃないかというふうに思うわけでございます。
  241. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 それは検査院としてはきわめて不見識な答えですよ。あなたの方が検査をして、検査院報告をお出しになって、そして裏会計による会食費というのが十億七千万もあるということが明らかになったわけでしょう。その中で部外者、部内者の割合までつかんでおられる。労働組合との関係というのは、労働組合の幹部の何々委員長とか、執行委員とかいう関係でやっぱりつかんでおられるので、内容まではつかんでなくたってわかるはずですよ。秘匿するつもりですか。あなたは参加してないから知らぬのですか。
  242. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 私どもはそういう説明を受けておるわけでございまして、それを集計していないから答弁できないと、こういうふうに申し上げているわけでございます。
  243. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 これは時間がありませんのであれですが、三〇%というふうに言われたということで急いで集計をしてみた感触が、ほぼ九%ないし一〇%であるというふうに私どもは感触としてつかんでいるという話を聞いているわけですよ。そうしますと、これはあなたがお認めにならないならお認めにならないでしようがないですけれども、われわれにはそういうふうな御説明があった。私は非常に大事だと思うので、特にお伺いをしているので、公社の方はちゃんとやっていると言うておられるんですからね。何もあなたは隠す必要はないんですよ。九%ないし一〇%ということになると、これは十億七千万の一〇%ということになれば一億を超すんです。それならそれで大変なことではないかと思うので、これは明らかにしておかなければならないと思うから申し上げているので、それはあなたの方がそういう態度なら、ほかの部外者の分だって言わないんですか。部外者のほかの人はどこがやったんですか、労働組合幹部以外は。
  244. 丹下巧

    説明員丹下巧君) 会食の内容については、だれと会食したかということについてはお答えいたしません。
  245. 野田哲

    委員長野田哲君) 沓脱君、時間が参りました。
  246. 沓脱タケ子

    ○沓脱タケ子君 もう時間なので終わりますが、先ほど電電公社がおっしゃっておったのは公衆電話会とおっしゃっているんですね。これは私もう時間がありませんので、最後に申し上げておきますが、検査院会計検査院法三十三条による検察庁への通告もいまのところやる意思はないということを午前中からの審議で明らかになさいましたが、これからの検定作業の中で、虚偽文書の作成またはそれの行使だけではなくて、背任、横領あるいは詐欺などを構成するという事実を把握したら、その場合には当然通告をするんだと思いますけれども、それはどうなんですか。これをやらなかったら、あなたのところは今度検査をやったというのは水泡に帰しますよ。それはどうですか。
  247. 丹下巧

    説明員丹下巧君) これから検定調査に入るわけでございますけれども、明らかにそういうふうな犯罪に該当するというふうなことがございました場合には、院法三十三条の規定によりまして、通告をいたすことになると思います。
  248. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 私は、初めに郵政大臣電電公社総裁お尋ねいたします。  先ほど来、不当経理の問題でいろいろな角度から論議されておるわけでありますが、私はいまさら同じことを繰り返す必要はないと思います、時間の関係もありますので。それで、大臣総裁は、委員各位の質問に対して、たびたびえりを正して今後はこのようなことがないように、二度と再び起こらないように厳しい反省と決意を述べておられたと私は確認いたしております。ところで、病膏肓に入るという言葉がございますが、やっぱり名医は病状を早期に診断し、そしてその診断の上に立ってメスをふるい、そして治療を早目にする、これが医者の世界のとるべき道だと思うのでありますが、そういう立場に立って考えた場合に、病膏肓、ここまで問題が落ち込み、そしてただれ切っておるという、このことに私は重大な問題があると思うのであります。いまからでも遅くはない、やっぱりメスをふるい、そうして完全回復を急がなければいけないことは申し上げるまでもありません。  そういう立場を踏まえて、この体質のよって来るよりどころがどこにあるかということを厳しくさらにさらに反省していただきたいという気持ちを込めて、私は、政治の主人公は主権在民、国民大衆、人民大衆である、その国民の声が怒りとなってエスカレートしつつあるというこのことを、厳しく国民の声に耳を傾けなければいけないと私は思うんですが、まずそのことについて大臣総裁の決意をお聞きしたいと思います。
  249. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) 今回の事件は本当に残念でございますけれども国民の信頼というものを非常に傷つけた、損なったということは、もう間違いのない事実でございます。したがって、一番そういう点が重要でございますが、こういう点の信頼の回復、これをまず心がけて、今回の事件の処置、対策をやってまいりたいと考えております。
  250. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 今回の不祥事件というものは本当に申しわけなく、私、日ごろの指導監督の不行き届きの結果だと思いまして、本当に申しわけなく思っております。先ほど来御答弁申し上げましたように、一日も早くこの国民電電公社に期待する信頼感というものを回復する、そのためには内部の職員の自粛、自戒に対しまして、一層徹底して、二度とこういう事務処理をしないように、懸命の努力を続けております。現に、五十四年度以後は誓ってこういうものは私はないと信じておりますけれども、今後ともこの努力は続けていかなきゃならぬということを深く反省しております。
  251. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 私が恐れるのは、国民の政治不信、そこから起爆剤となっていろんな形での怒りが出ておるわけでありますが、さらにそれに火に油を注ぐということもありますが、税金のむだ遣いを許さない。それで、一方では増税、物価高、生活の圧迫、福祉の切り捨て、こういった騒然たるいま国民の底辺に大変な問題が起こっておるわけでありますが、そういった国民の声を背にして、このようなことが行われておるということは私は事は重大である。  そこで、私は、いま抽象的な言い方になったかと思うんですが、最近のマスコミ、毎日のようにその問題がもう燎原の火のように広がり高まりつつあることは、いまさら私が申し上げるまでもありません。  具体的に私が目についた国民の声をメモしてありますので申し上げますと、一つ「世論の声にエリ正せ」、こういう見出しで。二つ「ああ公費天国」、三つ「不正手口、犯罪と紙一重」、四つ「反省どこへ」、五つ「国民のため息が聞こえないのか」、六つ「この不正天国を許せるか」、七つ「ただれ切った電電の経理」、八つ「徹底的責任追及せよ」、九つ「この国費むだ遣いをどうする」、十「電電公社法改正へ」、十一「郵政省の法監視強化せよ」、十二「裏金で連夜豪遊」、十三「独占にあぐら、乱脈電電」、十四「第三種扱いずさん審査」。もう枚挙にいとまがございません。  こういう物言わぬ国民の怒りが日ごと毎日のマスコミに燎原の火のように燃えさかりつつあるということを、いま一度、いま国会の中でのきょうは論議でありますが、国民の底辺はこのように断じて血税、われわれの税金をむだ遣いさせない、許さない、こういう怒りがあることを重々御承知の上に立っての反省、そして決意を述べられたと私は信じますが、間違いありませんでしょう。もう一遍念を押すようですが。
  252. 山内一郎

    国務大臣山内一郎君) そのとおりでございます。
  253. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 先ほどの私の誓いといいますか、答弁かたく守りたいと思います。
  254. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 それでは郵政の問題で、この第三種郵便の取り扱いについて、十一月二十五日付郵政大臣あてに指摘したこの資料には、これは一部検査の実態報告であるようでありますが、一部を見ても全く唖然たる事実だと思うのでありますが、まだ検査してない郵便物についての検査については当然検査の必要があると思うんですが、これをどのように思っておるか、どのように検査をしていかれるつもりであるのか、お聞きしたい。
  255. 魚津茂晴

    説明員(魚津茂晴君) お答え申し上げます。  まず、私どもこのたびの検査院からの御指摘についての受けとめ方を最初申し上げさせていただきたいと存じます。  第三種郵便物の取り扱いにつきましては、刊行物の増加、多様化に対応して必要と認められる規定等の整備を図る中で、適正な運用を期するよう努めてきたところでございますが、このたび会計検査院から御指摘を受けましたことはまことに遺憾に存じております。  この同院の指摘に対しましては、省として正すべきは正していくという基本的姿勢に立って、早急に対処してまいりたいと考え、早速同院から指摘を受けました刊行物の発行人に対しまして警告を発し、改善をさせる等の処置を講ずるよう、また現在第三種郵便物として認可をしている全刊行物の見直しについては、その具体的方法等について報告を行うよう地方郵政局長指示をしたところでございます。今後とも第三種郵便物の取り扱いにつきましては、今回の会計検査院指摘を十分踏まえまして、適正な運用を期するよう努力してまいりたいと考えております。
  256. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 それでは、電電に一つ聞きます。  結局、このようなあの手この手で不正なことが行われるということは、やっぱりそこに迷いを起こさせる財源が豊富にある、豊かにある、このことも大きな原因になっておると私は思うわけですが、そこで、予算配分上、旅費額が多過ぎるのではないかという、こういう疑問も持つわけなんですが、その予算の配分上の旅費のバランスの問題ですね。多過ぎるというと残す、残すとまた来年削られるから、何とかかんとかこれを完全に消化した方がよろしいと、こういう考え、悪知恵もだんだん生まれてくる可能性もあるわけですが、その予算が適正な旅費予算であるか。どうですか。
  257. 小川晃

    説明員小川晃君) お答えいたします。  適正な旅費かどうかという問題ですが、私どもとしては、こういう事態が起こりまして本年度からも相当旅費中身を十分審査しまして、これを抑えるように指導をいたしておりますし、また来年度要求におきましても、本年度に比べまして相当これを切り込んでいくというふうにして進めてまいりたいというふうに思っております。
  258. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 次に、まとめといたしまして、私は、この問題の浄化していく、軌道に乗していく一つのかなめをこのように考えます。時間の関係上抽象的な表現になると思いますが、まず第一点は検査の厳正、第二点は法の盲点、第三点は綱紀粛正、第四点は監督責任の完全遂行、それからもう一つは予算の編成。こういった角度からこれを科学的に合理的に検討していくならば必ず目的は達成すると、こう思っておるわけなんですが、大臣総裁、いかがでしょうか。
  259. 守住有信

    説明員守住有信君) 御指摘のような点のまずやっぱり原点は、綱紀の粛正と申しますか、やはり公社職員といえども公務員に準ずる職員であるというところが一番のポイントではないかと思っておりますが、さらには御指摘のように監査の体制、方針もいままでは業務考査的な、あるいは営業成績考査的な監査ではなかったか、このように私どもも承っているところでございまして、監査の体制なり方針なり、その徹底なり、もっとそういう本当の経理面での監査的なものに重点を置いて指導していこう、このように考えております。さらにはまた、公社内部の自主的な、自律的な体制と同時に、私ども監査の体制ということについても、両面からあわせて大臣お話しのようにやってまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
  260. 秋草篤二

    説明員秋草篤二君) 御指摘のとおりだと思います。十分今後気をつけてまいります。
  261. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 それじゃ次に、時間が迫ってまいりましたので、二つの問題は、僻地、離島区の解消は通信網の整備、これが最も大事なことであると私は思うんですが、いかがでしょうか。
  262. 守住有信

    説明員守住有信君) 委員指摘のように、電話網の整備の中で離島、僻地の問題、これは非常に私どもの政策課題として大きな問題だというふうに認識をしておる次第でございます。
  263. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 じゃ、沖繩は離島県であると同時に多島県であります、どの県に比較しても。ところが、東京を中心とする大都市では、電話架設は一週間あれば間違いなく架設できる、その他の県は一カ月以内には架設できると、そう聞いておりますが、これは事実でしょうか。
  264. 玉野義雄

    説明員玉野義雄君) 早いところでは一週間以内、遅くとも一カ月以内というふうな状態であることは確かでございます。
  265. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 ところが、沖繩では四年、五年前からの申し込みが積滞しておるんです。五十五年の九月現在でも三万台以上積滞しておるんですよ。これはどういうわけなのか。理由はどこにあるんですか。
  266. 玉野義雄

    説明員玉野義雄君) 先生御承知のように、沖繩が復帰いたしました時点では、加入数は八万四千でございましたが、その後鋭意努力をいたしまして、現在までほぼ千三百億円程度の投資をいたしておりますが、沖繩におきましては、御承知のように基礎設備が不足しておりまして、大量販売がなかなかできないと、そういうような状況がございましたり、もう一つは敷地の取得がなかなか困難であるというような事情がございまして、この辺につきましても鋭意敷地の獲得、局舎増設等に努力いたしました結果、今年度の十月末でございますが、積滞は二万九千ということでございまして、復帰時はたしか積滞が六万九千ほどあったと思いますが、かなり減らしてまいったわけでございます。恐らくこれは五十五年度末には二万四千程度に減ってくると思っておりますが、私たちといたしましても、できるだけ第六次中に一刻も早く即時架設できるように対処してまいりたいということで努力しておる次第でございます。
  267. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 いま一刻も早くという言葉がありましたが、十年よりは九年は早いですね、九年よりは五年は早いですね、三年よりは一年は早いですね、その一刻も早くということは、それでは私は承知しませんね。何年度まで、何年何月までに完全に解消します、この答弁が欲しいんです。それをお聞きします。
  268. 守住有信

    説明員守住有信君) 先生初め沖繩県民の皆様方が、この電話の積滞解消というのは非常に長い間の問題で、私ども政策マンとして受けとめておるところでございまして、いま五十六年度の概計要求をやっておる段階でございますが、目いっぱい見込みまして、五十六年度末で積滞なお少しは残ります、四千。目いっぱいの概計要求をやっております。ただし、これが今度は予算の執行という問題になりますと、これ民間の電話工事関係の方々へ委託するわけでございますけれども、やはり沖繩県下のそういう民間の方々の業界の育成、振興ということで、本土の方の方々へ委託するのではなくて、なるべく沖繩の民間の方々へ委託するという方針を公社もとっておられまして、いろんな沖繩県下における消化力と申しますか、こういうものが多少実行上はその後の問題として出てこようかと思いますけれども、一応概計要求としては五、六で目いっぱい要求すると、こういう構想で臨んでおる次第でございます。
  269. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 五十六年度いっぱいで解消すると、こういうめどで臨んでおられるということですな。
  270. 守住有信

    説明員守住有信君) まだ解消までは至りませんが、概計の計画といたしまして、これが完全に実施できたといたしまして積滞四千、五十五年度末では二万四千を見ておりますけれども、五十六年度末では四千という計画で進めよう、こういうふうな概計を構想しておる次第でございます。
  271. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 やや具体的に答弁してくださったんですが、現地ではコザ市の管下は五十七年の初めまで、その他は五十六年いっぱいで解決のめどを持っていますが、これとの結びつきはどうなりますか。
  272. 岩崎昇三

    説明員(岩崎昇三君) お答えいたします。  現在、私どもが把握しておりますので、お申し込みを受けましてから最も長い間おつけできずに御不便をかけているお客様でございますが、それはコザ局管内でございまして、申し込みが四十八年の五月でございます。まだおつけできない状況でございますが、コザ局の第二コザという新しい局を建設しておりまして、私どもの予定では五十六年の二月にはおつけできるようになるということでございます。
  273. 野田哲

    委員長野田哲君) 時間来ていますよ。
  274. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 いますっきりした御答弁をいただいて、それを信じます。五十六年いっぱい、このめどでひとつしっかりがんばってくださるよう、県民にいままでのハンディを、五年も六年も待って離島区、僻地区の解消ができないということではいけません。それを信じて私の質問を終わります。
  275. 岩崎昇三

    説明員(岩崎昇三君) 私の御説明が不備だった点はおわび申し上げますが、いま申し上げましたのは、現在お申し込みを受けまして、最も長い間お待ち願っている方がコザ局におられる。その方につきましては五十六年の二月に解消できます。ただ沖繩全体につきましては、先ほど守住局長がお答え申し上げましたように、五十六年度いっぱいをかけまして、ほぼ積滞解消ということを満足したいということでございます。
  276. 野田哲

    委員長野田哲君) 他に御発言もないようですから、郵政省及び日本電信電話公社決算については、本日はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後四時三十三分散会