○戸
叶武君 大来さんの
時代から、
ECの
国々の
責任ある
政治家と話し合うとお互いに通ずるものがあるという確信を得たと思うのでありますが、シュミットさんは、すでに十八日ごろはワシントン入りをする
予定であるということですが、シュミットさんは初めからレーガンの勝利を見抜いていたということも言われております。その見抜いていたという根拠というものは、
カーターの不安定な、
一貫性のない、信念のない、貫くものが欠けているやり方では
外交においては相手にしにくいという気持ちからで、やはり今度レーガンが
大統領になった場合に、いままではタカ派といわれているが、国際
関係においてきわめて現実路線で物を語り合っていく、選挙における
態度とはまた別に
アメリカの将来を
考えていくならば、何を
自分たちはやらなけりゃならないかということを、
政治的な先輩でもあるシュミットさんなんかと話し合うならば、先入観が変わってくるという確信を持って、やはり説得されていかなくとも、
自分の
考えを率直に打ち出して
世界のために語り合おうという
予定を立てての行動とも思われる節もあります。
それから、
エジプトにおいても、
日本の
政治家の多くは
石油だ
石油だと言って、
石油の方にばっかり踏み込んで、
石油が出ない国の
エジプトを素通りしていったけれども、何といっても
中東において
近代国家としての形をなしているのはやはり
エジプトや、よかれあしかれイスラエルのような国であって、
エジプトのサダトのごときは出色の
政治家だと思うんですよ。命がけで局面を打開しようとしてイスラエルにも飛び込んでいった人であるが、
アメリカの
大統領選挙が済まないうちは動かないぞと言って沈黙を守っていたのは、やはり
アメリカなり
ソ連なりが本当に変わってくれない、変わってくれるという見通しがつかない以上は簡単にはやはり動けないという見通しの上に立っての自重だったと私は思うんですが、
ソ連も事実上アフガンにおけるところの中途半端な革命家の情報によって戦車を入れてみたりしたが、かえってあの
民族や近代的な
国家を形成していないような状態のもとにおいて、部族、種族
時代の
宗教の違いその他でゲリラに遭って大変な苦労をしている、進むこともできない状態。
アメリカはまた
イランに空母を突っ込もうとしても、沿岸諸国が戦火を拡大することは反対だと言い、また、
イラン革命がアラブの王国の
国々に波及したら大変だというような形において、
イラン、
イラクの
戦争やサウジアラビアのそれに対する援護等の動きも出ておりますが、あんなことを繰り返している間に
中東というものは非常に不安定な状況から脱出できない。それをどうやって脱出するかということを
中東の
国々も真剣に
考えてくるし、そのときにこそ私は
エジプトや何かもやはり沈黙を破って、そうして
中東の自主的
責任において問題を片づけようと、バルフォア卿におけるイスラエルの建設、あるいはローレンスにおけるアラビアの分裂、そういうようないろいろなことがあったとしても、それを乗り越えて新しい体制をつくろうという形が私は
中東自身の中からも出てくるであろうし、それに対して
フランスなり西
ドイツなりいろんなやはりバックアップや、あるいはインドなりのいろんな動きがあると思いますので、私はいま
スエズ運河を見るという形も必要ですが、あの周辺は
ソ連が共産勢力の地帯に、エチオピアその他アデンまでそうしてしまっておりますけれども、それによってあすこから戦火の火ぶたを切るというようなこともできないと思いますし、そこいらを、
中東国の
ヨーロッパにおける配慮、そういうものを見抜いた上でやはり
アメリカにおもむろに乗り込むのが賢明であるかと思われるので、
アメリカだって
考えなけりゃならない、
ソ連だって
考えなけりゃならない。第三次
世界戦争ができないとはわかっていながらも、メジャーや軍需産業におだてられて、莫大な賄賂をばらまいて、
世界の
政治を腐敗させながら軍需産業を維持していかなけりゃならない
戦争屋並びにその手先の生存というものが
世界を滅ぼす、混乱に陥れる末期的現象を生むおそれがあるので、そこいらのところをひとつ
伊東さん、これ以上われわれがとやかく言うよりも、あなたが、やはり
外交に対する最高
責任は行
政府が持っているんですから、しかし
日本では
国民の大衆が非常に成長しているんですから、あんなばかげた
議論をやっていると、もう多数党とったなんといっても、それはへのかっぱでどっかへ吹っ飛んじゃいますよ。私は保革伯仲の
時代、いつでも生命線は
国民が握っているということをやはり
考えながら、権力を
自分たちが持っているから何でもできるなどという平清盛のような変な
考えは起こさないで、ひとつ
国民とともに苦悩し、
責任を持ち、
世界の
人々に共鳴共感を得られるような悔いなき
外交を
日本がやる以外に
日本の自主
外交の奪還ということはあり得ないと思うんですが、
伊東さん、それをどういうふうにあなたは受けとめていますか。