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吉田正雄君 ぐあいが悪いというのは何がぐあいが悪いのか。ただ言葉の上でぐあいが悪いじゃ全くわからないのですよ。当初の
契約段階の
指名入札の際、見積もりがつくられますよね。この見積もりというのにはだれが参加したんです。わからなければわからぬでいいですよ。
大臣聞いていてください。これはまさに
原子力産業会議、それから七大
造船会社が挙げて、とにかくこれは
国家的
事業として造船界も
原子力産業界も協力をしてこれに取り組もう、こういうことになって、いろんな
民間会社から
原子力開発事業団に来たり、
設計段階でも特定の一社じゃないのですよ。あらゆる
民間の人たちがこれに関与して、分担して業務というのはずっと進められてきた。したがって、この見積もりについても造船七社、大手七社というものがみんな関与しているのですよ。中身はわかっているのですよ。何も
秘密にする
内容じゃないのです。まさに大っぴらでやってきたのです、これは。ところが、何らかの
理由でその見積もりの三十六億円では安過ぎるということでもって、衆議院の科学技術対策振興特別
委員会で中曽根康弘議員が、今度は随意
契約にしたらどうだと、三十六億じゃだれも引き受け手がないから、それでは随意
契約ということで金額も上げたらどうだというような話になって、そして七十億ですか、これは後で正確な数字聞きますけれ
ども、こうなったんで、ということで、何にも隠すべき性格のものじゃないのですよ。みんなわかっているのだ、
造船業界の中だって原産界の中だって全部どういう
内容であれは幾らぐらいかかる、こんなことみんなわかっているのですよ。ただ、一つの企業が全く
自分の資本で、独自の研究費で開発をやっていくということになりますと、これが失敗するかもわからないし、大変な危険性があるわけですよ。だから、こういう
研究開発段階では国の
事業として、国が最大限めんどう見るべきだということで、これには金つぎ込んできたわけでしょう。そしてこの
研究開発が終わって、いよいよ本当の商業船として運航するような
段階になってくれば、実用船の
段階では今度は
民間がやればいいわけなんですよ。だから、この
段階までは
民間も総力を挙げて各社協力できる部分でそれぞれが全部やろうということでやってきたんで、
秘密も何もないのですよ、こんなものは。あっちゃ困る、あっちゃ困るような
契約はやるべきじゃないですよ、そんなもの。何がぐあい悪いんですか。
国民の前に明らかにされて何がぐあいが悪いのですか。単にぐあいが悪い、ぐあいが悪いじゃ困るんですよ。ぐあいの悪いことを具体的に言ってくださいよ。そうでなかったら
審議できないじゃないですか。何がぐあいが悪いんです。
契約書の中身がわからなかったら
質問ができないんですよ。この前の二年前の
質問だってはっきりしていないから、またきょう同じ
質問をせざるを得ないんですよ。たとえて言うならば、こういうことでもわからない。まず、
放射線漏れ事故が起きた
段階でどういう
条件で船を受け取るのか、
完成はどこまでをもって
完成と見なすのか、こういうことが明らかでないんですよ。核燃料装荷をして
出力試験をやるというのは、一定の
保証期間内で
原子力事業団の
責任でもってやるんだと、この前こういう
答弁なんですよ。ところが、その
試験が
保証期間過ぎちゃったものだからと、こういう
言い方なんです。こんな無
責任な
答弁はないんでして、そうであるならば、一体何でその
保証期間の中で核燃料装荷と
出力試験を完了しなかったのかということでしょう。じゃ、もし
保証期間内にその
試験が行われて、この間の
事故が
保証期間内で発見をされた場合のその
責任はだれが負うのか、そういうことはみんな明確に書いてありますか。だから、保証の期日がどうなっているのか、そういうことがちっともこの前の
答弁じゃわからぬですよ。一例で言うとそういうことなんですね。こういうことで、
契約の
内容を見ないとどこが
責任を負ってやるのか、共同の
責任になるのか。
研究開発段階で国の
事業としてやってきているんですから、故障が起きた場合、あるいは未
完成でまたぐあいが悪いことになれば、やっぱり国がある程度めんどうを見てやるんだというのはこの
段階ではぼくは当然だろうと思うんですよ。賛成するか賛成しないかは別にして、経過からすれば多分そうなってくるんだろうと思うんですけれ
ども、しかし、
契約内容がはっきりしないで、そして何か
責任があいまいだ。もし、本当に
事業団の
責任なんですということになれば、それは
責任とってもらわなきゃだめじゃないですか。そのような
責任がまた全然とられていない、無
責任体制もいいとこだというのは、そのことを言っているんですよ。だから、
契約書の
内容を明らかにしなさいと言っているんだ。それでもまだ明らかにできないんですか。