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説明員(高木文雄君) まず第一に、東北、上越新幹線が経営的にどうなるかということでございますけれども、私どもは長い目で見れば東北、上越新幹線いずれも経営的になり立つというふうに考えております。現に東海道の場合におきましても、また山陽新幹線におきましても、開業後しばらくは在来線と総合して考えまして
赤字であったわけでございますが、その後今日までに至る間におきまして、現在東京から博多まで、全体を通じまして、しかも東海道線、山陽本線の収支も総合的に見ましてやっと
黒字になったということから考えまして、ある期間を経過すれば
黒字になるというふうに考えております。
そこで、その期間がどのぐらいかということにつきましては、当初はもう少し短かく見ておりましたが、最近は東北あるいは新潟地区におきます道路の整備が非常に進んでおります
関係もありまして、計画当時よりは経営状況がうまくいかないということでございますけれども、まあまあ大体十年ぐらいで東北新幹線へ上越新幹線、それから東北線、上越線といったものを総合的に見まして単年度で収支が合ってくるというふうに考えております。特に、新幹線の場合には、在来線に比べますと建設投資額が相対的に大きい、そのかわり
運営費は相対的に小さいということになりますので、開業後しばらくの間償却等の
負担が相当な額になりますので、開業から十年ぐらいまでの間はどうしても、在来線も含めてでございますけれども、収支が償わないというかっこうになると思います。しかし、冒頭に申しましたように、長い目で見れば十年ぐらいたちました後は十分収支償うような
運営ができるのではないかというふうに考えております。
それから、いま開業をいつやるのかと、また開業の形式としてどういうふうな方式がとられるのかということについて、ごく最近新聞紙上等でいろいろ推測報道がなされておるわけでございますが、私どもは、これをどうするかということについて、いま深刻に
検討をいたしております。いずれにしましても東北
地域あるいは新潟方面の方々も、新幹線ができるということの
意味は、スピードが上がりますから速く行けるということもありますが、その場合にもう
一つのメリットとしては、鉄道の場合には都心部にステーションがある。飛行場は都心部から離れたところにありますから、そのアクセスに時間がかかるわけでありまして、鉄道は、たとえば仙台にしましても新潟にしましても、また東京の都内におきましても、町の中に駅があるということが非常に大きなメリットであるわけでございますから、したがいまして、それぞれ御利用になる
地域の方々の強い希望としては、当然上野なり東京駅なりで開業すべきだということを期待をしておられるわけでございまして、まことにごもっともなことでございます。
それがためには、もし大宮から東京の間が建設にやや時間がかかるというのであればしばらく待ってもいいよという御
意見もいろいろ耳にするわけでございまして、そういう強い願望なり念願なりを持っておられることはよく承知をいたしております。しかし、大変巨額の投資をしておるわけでございますので、その巨額の投資をそのまま寝かしておいていいものかどうかということは、理想を言えばもちろん一挙に都心までつなぐということが理想でございましょうけれども、事実問題としてまだ一部、特に大宮と東京の間が用地の問題で難航しておるということでございますので、大宮から新潟まであるいは盛岡までの間の投資したものをそのまま休ましておいていいかどうか、メンテナンスにもまた金がかかるものでございますから、それもあっていま苦慮をいたしておるわけでございます。
それらにつきましても、そう長くいつまでも不安定のままおいておくわけにもまいりませんので、いろいろな角度からいま
検討をいたしておるわけでございまして、けさの報道でも伝えられておりますように、一部の地区、県南でなしに県北の地区、埼玉県の県北の地区において一部いわゆる収用法による収用というような強硬的な方法によってでも用地の確保に取り組んでおるわけでございまして、きょうの報道にありませんものにつきましても、まだまだ何カ所か相当問題が残っておるものでございますから、それらを総合して、どうやったら一番早く
目的を達せられるであろうかということで、いま私ども自身の手元で、具体的な
地域の具体的な権利者の主張その他をにらみ合わせながら、いつどういう形で開業すべきかというふうなことを最終的な
判断をするための勉強をいたしております。
同時に、その勉強をいたすと同時に、どういう形の開業にでも
対応できるようにということで、たとえば要員を配置を考えるとか、また要員の訓練を行うといったようなことは開業方式、開業時期を決めない現在ではございますけれども、そのための職員が準備されていないからという
理由で開業がおくれるとかということになってはいけませんので、現在、要員の手配なり要員の養成なりを開始をいたしております。
そういうものから、外部からごらんになりますと、あるいは大宮から南の方はまだ全く手がついてないわけですから、大宮で開業をするということを
国鉄として決めたのではないかという推測が生まれてくるわけでございまして、その推測に基づいていろいろ報道も盛んになされておりますけれども、私どもとしましてはまだその点は白紙でございますし、どっちとも決めておりません。しかし、そうかといっていつまでも白紙状態に置くわけにもいかないわけでございまして、そう遠からざる時期にこれを決断をいたすつもりでおります。でございますから、いまお尋ねの大宮でスタートするのかどうか、そして、大宮と東京との間のアクセスについて何か考えているようだがということでございますが、それは考えてはおります。考えてはおりますけれども、それを、その案を採用することになるかどうかはまだ決め切ってないわけでございまして、その点きょうここでお
答え申し上げることはどうかひとつ御勘弁願いたいと思います。