○塩田
委員 そのようなことのないようにぜひともお願いいたします。
ところで
物価への影響、コンピューター等はじいていろいろやられるのでしょうが、分析されるのでしょうが、たとえば
公共料金の値上げが電気、ガスにおいてどのような影響があるか、あるいは鉄道運賃、郵便料金等々のそういった直接の
消費者物価への影響は幾らか、これはもう一分もかからないですぐにはじけますね。ウエートを掛ければいいんですからできますが、間接的な波及効果ですね。郵便を使わない企業はない、家計はない。それから運賃も相当なウエートで各商品に影響するわけですね。そういった波及効果を
計算してどうかということを、どれぐらいになるかと聞いても、それはわかりませんということですね。これは私は経済企画庁、これだけのスタッフを持ち、これだけの近代的な施設、コンピューターも入れてやっておられながらいまだに――そういう波及効果の研究、コストの研究も含めまして、それをもっと深めた研究をなさるべきだと思うのですが、これについてはなかなか回答が得られない。ぜひともそういった研究の深化をひとつお願いしたいと思います。
それから
消費者物価の上昇、実質賃金の低下、そして
国民総
生産の増大という中におきまして、
生産性の向上が相当あるということも先ほど言われましたし、国際的な環境も非常によかったという点、幸いしたという面もございますが、実質賃金の
関係でベースアップが適当なものであったというような表現でございますけれ
ども、いまのような
状況が続くと来年度の春闘、賃金
要求はいままでのような節度あると言われてほめられたようなそういうものではいかない。これが
動き出しますと、
物価の安定はいまのようなことで進まないと思うのですね。また、賃金は
消費者物価の
関係から対前年比を下回っているのですから、そのようなことは許されない、回復をしてなおかつ実質賃金の上昇を求めるという
方向で動くと思うのです。
そういったことも
考えますと、先般来
政府において
政策の転換をしつつある、
物価重点から景気回復
政策、つまり両にらみという
政策転換はまだまだ早いのではないか。景気回復の
政策転換をするときは、雇用失業情勢が非常に悪化している。これは非常に重大なことですからやらざるを得ない。これを余りやりますとアメリカのいまのような
状況、スタグフレーションですね、これは新古典派総合の
政策的限界の露呈だと言われておりますが、このような
状態に陥る。それを避けていくためには、まだまだ失業が増大しているという
状況ではないわけですから、安易に借金払いを容易にするようなことに役立つインフレーション
政策に頼らない、そのようなものを起こす
政策転換をすべきではない。企画庁のある方が書かれた本の中にも、不況からの回復は焦ってはならないということをは発表されておられますが、私はそうだと思うのです。この不況回復からの
政策転換はまだまだ
物価のことを重点に置いて、そう焦って両にらみとかあるいは景気回復のために転換すべきときじゃない、
物価優先で生活をもっともっと
考えないと、来年以降本当に大変な
事態になるということを私は思うわけでございます。
時間がありませんので、もう
一つ最後に申し上げたいと思いますのは、
生産性の向上、これは各分野で行われております。
政府もそのように強力に指導され、力を入れておられます。結構なことであります。民間の産業はそれにこたえてかなりの犠牲を払い、企業の合理化、効率化に努めてきております。ところが、
政府関係公共部門におきましてはまだまだなまぬるい面がございます。親方日の丸という
経済企画庁長官のお話もございましたが、そのような
状態の中で国鉄の運賃、郵政の郵便料金、健康保険につきましても給付内容をよくしようと思えば健康保険料を上げざるを得ない面があります。しかし、上げる前にやるべきことがまだまだある。たとえば薬九層倍といって薬が余りにも高過ぎる。これは本当に市場
価格だけでやっているものですから、原価
計算で薬価基準を決めますと半分にもなる。四兆円の薬代が二兆円にもなるという説をなす人もあるくらいです。これは具体的な例を私も社会労働
委員会できのう質問したところでございますが、そのような問題がある。それから学校教育の問題にいたしましても、授業料が
公共料金の中で一番上がっておりますね。これにしてもいろいろ改善の余地はある。
それから行政機構の改革、安い
政府、レーガンのあれではないですけれ
ども、安い
政府。税金の
負担が文句なしにかかってきているわけですから、このように生活水準の低下しておる中で増税が行われるような
状態では因る。
財政再建はもう国家的な
課題でございますが、増税によらずして、安価なる
政府、行政機構の改革を思い切ってやるといったことによりましてもっともっと大所でやるべき
物価対策や
政策があると思います。もちろん、先般十月三十日に
物価担当官
会議で当面の
物価対策の推進についてきめ細かく
対策をしておられます。われわれも与野党で話し合って五百億の緊急
物価対策費、これもいま
検討されて、また一部は三十七億円という
予算額をもって当面の緊急
対策をやっておられる、これも結構なことでございますけれ
ども、企画庁当局は企画庁
長官を
中心として、経済閣僚の
中心ですから、もっと大きな
立場から大きな問題にメスを入れ、この問題の解決のために本当に勇気を持って臨んでいただきたい。最後に政務
次官のお
考えをお聞きしまして終わります。