○島田
委員 新盛
委員の
質問に対しましてお答えがあった中で、畑作物の価格決定、とりわけ甘味作物の決定に当たっての他作物とのバランスということを言っているわけでありますが、これはビートの
論議をしたときもそういう横並び、バランスの問題がありまして、私
どもそのバランスをとる上で、高い山を削って低い谷に埋めてバランスをとるというやり方、これは実情を無視しているのではないか、さらにはまた畑作物の置かれている重要性というものを全く無視しているのではないかという厳しい指摘を十月の本
委員会における
論議の席上もやりました。
とりわけサトウキビというきわめて限られた
地域における特用作物の取り扱いというのは、単純にバランスをとる、横並びだというだけで、
政府がお
考えになっているサトウキビの
振興あるいは砂糖の自給率の
向上、こういった点に結びつかないという
意見を私は長い間持ち続けている一人であります。とりわけサトウキビは、沖繩を中心にして南西諸島でつくられている全く固有の、つまり
地域にとっては基幹作物である、こういう立場を十分認識しないといけないのではないか。だからパリティ方式を単純に用いるというだけでこの目的は達成できない。そこから現地の
皆さん方は生所方式を採用してほしいという
意見もまた出てきているわけです。
それは何かと言えば、何といったって忘れてならないのは、沖繩が、二十七年余にわたります外国支配の中において、サトウキビを連綿として歴史の大事な
過程の中でこれを守り続けてきた。ようやく本土に復帰をしてまだわずか八年足らず、本格的に沖繩の
振興が軌道に乗るというのには復帰後二年ないし三年の期間を要して、ようやくいま軌道に乗るか乗らぬかというところにあると思うのです。しかもそういうさなかにあって、先ほどそれぞれの
質問の中にもありましたように、台風銀座と言われている沖繩あるいは南西諸島の現状から見て、災害がいわゆる経済的なあるいは
地域の産業
振興の上にきわめて大きな影響をもたらしている。そういう実態がことしはまた顕著になった。したがって総体のサトウキビの収穫量に対しても予想通りに進まないという現状にいま置かれている。こういうふうに
考えますと、サトウキビの価格決定に当たっての
考え方というのは別な
角度からなされなければ、単に横並び、バランスだけで物を
考えるということが許される状況にない、こう私は判断をしているのですよ。
しかももう
一つつけ加えておきますと、法律に基づくパリティ方式を採用する、法律を守る立場にいる
政府としてはそうお答えにならざるを得ないのでしょうけれ
ども、しかし私はいま申し
上げましたように、法律に基づくパリティ方式というのは二十四、五年ごろを
基準にしてやっている。つまり大方のアメリカ支配の中に置かれたときの数値を用いて現状のサトウキビの状態というものを的確に反映できるとは私は思えない。そしていろんな災害とかそのほかのファクターが加わってその年々の
生産費というものは大きく振れていく、こういう現状を
考えますならば、私は当然キビ価格決定に当たっての方式というものは別に
考えられなければならぬと思うので、何としてもバランスをとるという感覚だけでのサトウキビ価格決定に対して私は問題があるというふうに
考えるのですが、いかがです。