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島田委員 そこで、もう一遍
造林方針書に戻って一点お尋ねをしておきたいと思うのですけれ
ども、これも、当委員会においてもあるいはそのほかの
場所においても、林野当局とわれわれの
考え方やあるいは実態の把握についての食い違いが目立っておる問題の
一つであります。われわれは不良
造林地という表現をいたしますが、
林野庁としては、不良
造林地という言葉は使わないで不成績
造林地と、こう言うわけでありますが、その実態についても正確な把握がいまだにどうも明確でない。面積的な面で言えば、私
どものつかまえております数値と
林野庁が言っておられる面積とでは大変な違いがある。この辺のところが今後の
施業計画の中でも食い違ってまいりますと、結果的には大きなそごを来す、こういうふうに私
どもは
指摘をしているところであります。
過般、私も改めて
林野庁から
資料としていただきました。私の方から五つほど問い合わせをいたしまして、それに対しての
お答えは、依然、正確な私
どもが納得できるような数字や内容ではない、こういうふうに実は
考えているのでありますが、簡単で結構でありますから、その中の
一つについてお尋ねをしておきます。
過去の
造林地で不成績となって天然林として切りかえた面積、これが実は問題なんですね。
お答えとして私がお聞きをしておりますのは、
局ごとの
施業計画編成
時点でこれは処理をいたしました、したがって、
施業計画の集計という形での把握は時間がかかって、できないということではないけれ
ども、なかなかむずかしい、しかも十年とか二十年に区切っての数量把握をやれと言われるとこれはなかなか困るのですという
お答えでありました。実情私もわからぬではありません。しかし正直言うと、やはり
造林をやったわけです。
成林ということを期待しながら
造林をいたしました。しかし、その過程において、実は予期したような成績を得ることができなかったので、これは自然林というか、天然林として戻しました、こういう面積が意外に多い。これが私は、
施業計画の
冒頭から
計画そのものがきわめてずさんだ、だからこういう結果になるのではないかという
指摘と、もう
一つは、しかし、
手抜きしないで手を入れるならば、それは予想以上の成果を上げるということはむずかしいとしても、一定のいわゆる
造林地としての成果を上げることは可能ではなかったかという部面も、ずいぶん
全国的に私も見てまいりました。もっと手を入れればなと、ツタ切りもやってやればもっと伸びるのに、何でこんなところを手を抜くんだろうなというところをずいぶんたくさん私は見てきたのであります。
ですから、私はこの点をいま
指摘をするのでありますけれ
ども、覆水盆に返らずという
考え方でお取り組みなら話になりませんが、せっかくまだ
造林地としての形跡があるのであれば、やはりそこにも手を入れて、そして
成林にする、そういう
努力があってしかるべきだと思うのですが、実にあっさりとあきらめよくそこを手を引いてしまうといったような
現場をたくさん見てきているのですけれ
ども、この点については私の問い合わせに対する
お答えのとおりで、それ以上はなかなか困難というふうにお
考えなのか。実は私に言わせれば、ここはほおかぶりして、そこのところはもう伏せちゃって、
一つの
計画の中から外してしまうということが、
森林造成上コストもかからないし、そんなところに変な力を入れていくということが、抜ければ、全体の
国有林の財政といいますか、経理の上にも大きな得になるのだ、こういう
考え方に立って、この大事なせっかくの
造林地を自然林に戻してしまうというようなことを安易におやりになっているのではないか。だとすれば、これからの
施業計画なり
造林方針書に基づきます
造林計画というものが全く
意味をなさないものになってしまうのではないか。こういうところの
努力というものが私は今後さらに必要になるんだというふうに
考えますときに、この辺の実態というものはやはり早晩明らかにしてもらわなければならぬと思っているのですが、いかがですか。