○上田(卓)
委員 法律の施行によって解決できるものではないと言うが、
法律に基づいてこれは解決してもらわなければならない問題でございます。しかし、恐らく長官がおっしゃっているのは、
法律があろうとなかろうと、この問題の解決を図らなければいかぬという
意味じゃないかと思うのです。
法律がないときにはいざ知らず、
法律があって一定の目的に向かって解決のために同和対策がなされているということの中で、なおかつ同和問題が長期にわたって残されるということになれば、やはり
法律の存続というものが大きな問題になるのではないか、このように考えるわけであります。
政府においてもこのことについて鋭意検討し、各省とも連絡されて
努力されているんじゃなかろうか、このように思うのです。
いずれにいたしましても、再来年の三月になればこの三年延長が切れる、こういうことになるわけでございます。御存じのように、一昨年の臨時
国会での三年延長のときにいろいろ
議論がございました。中にはもう打ち切ったらどうかという
意見もあったようにも聞いておるわけでございますが、同時にそのときには
法律の見直しをすべきではないか。ただ単にいまの
法律を延長するのには問題があるのじゃないか。と申し上げるのは、やはり
法律の不十分さから地方自治体が非常に負担が大き過ぎるのではないか。このままいけばそれでなくても地方自治体の赤字財政の中で同和対策をやれば赤字がさらにふえていく。そのことがなぜ同和対策だけそうやって前進するんだという形で、市民の潜在的な差別意識が顕在化する、こういうことがあるので単純な延長には反対だ、こういうことが与野党を問わずあった。このように私は思っておるわけです。ただ、時間の
関係からとりあえず三年の延長ということになったと私は思います。当時の稻村
総理府総務長官は、三年で打ち切るという
意味合いのものではない、今後三年間の中で実態を調べて基本的な問題をどう解決していくか、同和対策事業をどう進めていくか、それを研究検討するところに延長の意義があると本
委員会で述べられておるわけでございます。また三つの
附帯決議が
委員会でなされたわけでございます。その中でも「法の有効
期間中に、実態の把握に努め、速やかに法の総合的
改正及びその運営の
改善について検討すること。」など三つの
附帯決議がなされておるわけでございまして、そういう点で、臨時
国会の冒頭におきましても、鈴木総理大臣は、この三つの
附帯決議については尊重するとお述べになっておるわけでございます。
そういう点で、前の三年延長の際の稻村
総理府総務長官のそういう発言
内容といいますか
趣旨を踏襲していかれるお気持ちかどうか、変わりがないのか変わりがあるのか、それと同時にこの三つの
附帯決議の
実施、尊重について決意を述べていただきたい、このように思います。