○鈴木(強)
委員 これは非常に大事なことですから、ちょっと関連して大臣に承っておきたいのですが、実は文教との連合
審査の際に、あなたに私ただしました。その前、文教
委員会に傍聴に行きまして、
田中電波監理
局長の答弁を聞いておりましたら、ほとんど関係ない、こういう答弁でした。私は非常に不思議に思いましたね。そこで、大臣に同じような
質問をいたしましたところ、大臣はあの席で、確かに競合する場合が出てきます、ですから、その面については調整をする必要がある――議事録を私はっきり見ておりますが、そういうふうにお答えになったと思うのです。そこで、
田中電波監理
局長のは、何か全然関係ないのだというような答弁でしたから、私は非常に不思議に思っておりました。ところが、あなたが答弁されたので、少なくとも大臣として最高の責任にあるのだから、大臣の言を私は信頼するということまで議事録にあるはずなんですね。ところが、その後阿部
委員が立って
質問をしたようですね。私ちょっと留守にしておりまして、後議事録を拝見しました。ところがまた大臣の考え方が監理
局長の方に近寄っていってしまって、ニュアンスがかなり違っているのですね。ここら辺は、少なくとも大臣が言われたことですから、その方針がまた途中で変わるということは合点がいかない。きょうも聞いておりますと、ほとんど影響がないという考え方でございますね。
私たちは、
NHKの
会長も何か遠慮して物を言っておられると思うのですけれ
ども、少なくとも
公共放送としての
NHKの使命は大変なのですから、本来
NHKがこれをやっていけばよかったと私いまでも思っているのですよ。あれは
経営主体が国営になってしまったのだ。したがって、これは
NHKの教育
放送と完全に競合してくるのですよ。だから
電波を使ってむだのないように、そこを競合しないように調整をしていくということは当然出てこなければならぬことだと私は思うのですね。ですから
NHKとしてはかなりの影響を受けると私たちは考えるわけですよ。その点を
郵政省はぼかしていこうとしている。あなたも、
NHKという機関ですから、何か遠慮して物を言っているように思うのだけれ
ども、やはりちゃんとするところばしておかないと悔いを千載に残すと思うのですよ。
だから、根本的には、
放送体制のあり方について二本立てでいくのがいいということが答申として出ているのですよ。そういう答申が出ておるにかかわらず、今度は準国営的な
放送として第三の
放送が出てくるから
放送体系を乱すことになる。なぜもっとここで根本的な論議をさせなかったか。これは
郵政大臣の責任だって大きいですよ。
放送法の
改正、
電波法の
改正でもそうじゃないですか。もう十年も、毎年やります、やりますとわれわれの
質問に対して答えておきながら一遍も出してこないのだ。そうしておきながら、こんな基本的な体制にかかわる問題を逓信
委員会を抜きにして「附則」でもって文教へかけるなどということは言語道断だ。
われわれはいままで
電波行政に携わってきて、政治の面からこれを見てきましたけれ
ども、実際これはむちゃくちゃなんです。これは公聴会でも開いて、前の臨時法制
調査会の
審議をもう一回やるならやり直して――これはやるだけの値打ちがあるのですよ、そういう重大なことを置き去りにして文教ペースでもってやってしまった。これは前に前田
会長が
NHKにおられたが、
放送衛星のことも考えながらやられたことば事実ですよ。文教サイドが入ってきて、そして
経営主体でもって悩んだけれ
ども、結局ああいうふうな財団法人というものでやることになってしまった。だから自民党の中にだってまだ反対している人はたくさんいますよ。私はそれを知っているのですよ。こんなむちゃくちゃな、しかも東京タワーから波を出してそこだけやるような、そんなことは時期尚早じゃないですか。だからそういう点をもっと明確にしてもらわぬと困るわけだ。大臣が右へ行ったり左へ行ったり、答弁が揺らいでは困るのです。必ず競合しますよ。調整もしなければならぬと思いますよ。だから
電波にむだがないように、そういう点ははっきりしてもらわなければ困りますよ。そういう趣旨においてちゃんと答弁してもらわなければ私は困る。