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鈴木(貞)
政府委員 大変盛りだくさんの御質疑でございますが、順を追って申し上げたいと
思います。
まずその一つの、
内ゲバ事件に巻き込まれて市民が死亡あるいは負傷した場合の補償はどうなのかという御質疑でございます。これにつきましては、労災等の他の
法令に基づく
損害補償等の給付は別といたしまして、このような
事件が発生してそれによりまして一般の市民が死亡したりあるいは重度の身体障害を受けた場合には、その
事件が明年の一月一日以降に発生したものであり、かつ故意の犯罪
行為によるものであると認められる限り、犯罪
被害者等給付金支給法の規定が
適用されまして、犯罪
被害者等給付金が支給されることになる、かように理解いたしております。
それから、
内ゲバ事件捜査に市民の協力を得るためにどのような配慮をしているかという御質疑でございますけれども、この種
事件の
捜査のためには
犯人それから犯行についての目撃情報、これが非常に有力な手がかりになるということは申し上げるまでもございません。これまでも、聞き込み
捜査はもとよりでございますが、各種広報による協力依頼をしまして、その結果多くの市民の
方々から
犯人やあるいは遺留品に関する情報の提供を受けておるというふうな
状況でございまして、これら協力をいただいた方には迷惑をおかけしないというふうな種々の配意もして
捜査を進めておるというところでございます。今後とも広く国民の皆様の理解と協力を得まして、この種
事件を何としてでも根絶していきたいということで、未然に防遏することは当然でございますし、万が一起こった場合には早期に検挙していくというふうなことでまいりたいということでございます。
また三点目の御質疑の、
内ゲバ事件の今後の
捜査方針という面につきましては、
先ほど来申し上げましたように、これら極左暴力集団によりますこの種暴力
行為に対しましては、私
たち警察としまして、従来とも厳正な取り締まりに努めてきたわけでございますが、さらに厳正かつ徹底した検挙、取り締まりを行いまして、国民の
皆さんの不安を解消するように最善の
努力を尽くしてまいりたい、こう思っております。
それから次の白鳥
事件の
関係でございますが、この
事件は、ちょうちょう申し上げませんが、
昭和二十七年一月二十一日、非常に古い
事件でございまして、当時札幌市
警察本部警備
課長の白鳥一雄警部が勤務を終わりまして自転車で帰宅途中に、市内路上で背後から拳銃で射殺されたという
事件でございまして、
捜査の結果、
犯人は当時
日本共産党札幌
委員会委員長あるいは同
委員会軍事
委員長であります村上及び同
委員会所属の中核自衛隊員七人の計八名による犯行と判明いたしまして、二十七年に一人、二十八年に二人を逮捕いたしております。この三人につきましては、殺人罪あるいは殺人幇助ですでに有罪判決が確定しております。
その後五十二年に一人、五十三年に一人が中国から帰国いたしましたので、殺人幇助容疑で逮捕、取り調べの上検察庁に送致しておるというふうな
状況でございます。残り三名につきましては外国に逃亡中と認められますので、引き続き
捜査中でございますが、御質疑の中国に残っているかどうかということにつきましては、残り三人の
被疑者は中国にいるもの、こう思っておるわけでございますが、詳細につきましては
捜査中ということで御了承願いたいと
思います。
またこのケースにつきまして、中国に
捜査依頼をした事実があるかどうかということでございますが、この
事件の経緯あるいは中国との
捜査共助
関係の経緯、そういったものを勘案いたしまして、現在までのところ中国に
捜査を依頼したという事実はございません。が、将来につきましては、また進展を見ていろいろ考えてまいりたい、かように思っております。