○伊藤説明員 住宅局
関係で三点ほどございましたので、御説明申し上げます。
第一点は、大都市地域を中心に公共賃貸住宅の供給を促進すべき時期ではないかという御
意見でございますが、私
どもも大都市地域の現在の居住水準の
状況あるいは低所得層、中堅都市勤労者も含めまして、大都市特有の賃貸需要がございます。そういったものに対して、より適切な規模を持った良質な賃貸住宅を公共の手で供給すべきだというふうに常日ごろ
考えております。
五十六年度を初年度とします第四期住宅建設五カ年
計画におきましても、同じように一層の
努力を進めたいというふうに
考えております。
ただ問題は、大都市地域で公共賃貸を供給する場合にどうやって建てていくか、用地難の克服の問題がございます。この点に関しまして、先ほど先生のお話の中にもございました住宅宅地審議会の五十五年、今年七月の答申でございますが、その中では、一つは関連公共公益施設
整備へ資金をできるだけ重点的に配分をするということで、公共賃貸を建てやすくしようというのが一点。
それから再開発関連事業、いろいろな手法がありますけれ
ども、広い
意味の再開発関連事業との連携を強化をしょう。
それからいま
計画局の方からも話が出ておりましたが、土地所有者等ともう少し共同事業方式を取り入れながら公共賃貸も建ててはどうかというようなことが
指摘されておりまして、五十六年度の概算要求の中で具体の施策として、いまの
三つの方向に沿ったいろいろな要求をいたしておるところでございます。
それからもう一点、これは公営住宅の場合には、過去に、戦後
相当の
努力をいたしておりまして、ストックとしまして百七十万戸ほどございます。東京都の場合にも二十万戸を超しておるかと思いますが、これが
相当老朽化し、狭小のものが
相当ございます。立地の非常にいいところにあるということでございまして、これの建てかえを進めたいと
考えております。これは居住者
対策、すでに住んでおる
人たちに対する
対策を含めてできるだけ円滑に建てかえが進むようにしたいということで、所要の施策の準備を進めておるところでございます。
それから第二点の御
指摘は、公共賃貸住宅相互間つまり公営住宅、公社住宅、公団住宅相互に住みかえをもっとスムーズにいくようにすべきでないかという御
意見でございますが、大変ごもっともな御
意見だと思います。われわれも、居住水準を向上していくためには住みかえが非常に重要である。特に中高層の賃貸住宅の場合には、大きさをかげんするわけにまいりませんので人が動かざるを得ないということでございまして、家族の人数がふえ、世帯
構成が変わった場合に、居住水準を上げるためには住みかえが必要だと
考えております。
現在は、公営住宅に入っておられる方々の収入が超過した場合に、公社や公団住宅で新規に募集をするというときに二割程度、つまり収入を超過してしまって公営住宅には本来おられない
人たちができるだけ公社や公団の方に移っていただくという
意味で、優先的に入居する
制度がございます。それから公団住宅も
相当、七十万戸近いストックがございまして、公団住宅相互間でできるだけ家族の成長に応じて住みかえていただくということで、公団独自の住みかえ
制度がございます。
しかしそれ以外の、全体を含めてもっとスムーズにいかないかという点につきましては、確かに現在ございません。先ほど話をいたしました五十五年七月答申では、こういった住宅変更
制度を公団だけじゃなくて公営の中の問題公社の中の問題それと公営住宅、公団住宅、公社賃貸住宅相互間の住みかえの
措置について検討する必要があると言われておりまして、私
どもも今後こちらの方の検討をやりたいと
考えております。
三番目に、農家の賃貸住宅の建設に際しまして、低利融資とか税制
措置とかそういうものを拡充する必要があるのじゃないかというお話でございます。われわれ政策担当者としましては、土地所有者、農家も含めました既成市街地の中の土地所有者もございますけれ
ども、そういった方々ができるだけ賃貸住宅を自分の土地に建てていただくことを進めていただきますと、お説のとおり家賃を取る場合も地代につきましてそう厳しいことを計上しなくても済むということがあるわけでございます。したがいまして、土地所有者の協力を得て良質の賃貸住宅を供給するというものにつきましては、
制度的には四つほど大きなものがございます。
一つは、住宅金融公庫融資によります土地担保賃貸、それから同種のものでございますけれ
ども特定土地担保賃貸というのがございます。これは前のものは五・五%、後のものは四・五%という金利のお金を貸すことになっております。
それから、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時
措置法によりますいわゆる農住
制度というのがございます。これは当初の十年間、五・五%程度の金利になるように利子補給をするというものでございます。
それからこれは予算補助でございますが、
特定賃貸住宅
制度というものがございます。これは木賃の建てかえを主眼に置いておりますが、当初十年五・五%になるように利子補給をするという
制度でございます。
それから、住宅公団が地主の土地に賃貸住宅を建設しまして、それを地主に分譲します。そして地主がそれを賃貸住宅として経営していくという、民営賃貸用
特定分譲住宅
制度というのがございます。これも当初十年間五・五%程度の金利になりますが、そういったいろいろな
制度がございまして進めているわけでございます。これは毎年毎年事業の
実施状況を見ながら
制度の改善を行っておりまして、今後も拡充をしていきたいと
考えております。
それから税制につきましても同様に、現在法人税、所得税の割り増し償却
制度を初めとしまして、不動産取得税、固定資産税についても減税
措置がございます。この点につきましても、実際の経営
状況その他を勘案しながら改善の
努力をしてまいりたいと
考えております。
以上でございます。