○小渕(正)
委員 いま
お話に出ました崎戸というのが、
産炭地の中での炭鉱が閉山されて以来今日まで、全然新しい
産業の
誘致ができないで過疎化現象を呈している非常に代表的な
地域でございます。したがいまして、先ほど
お話がありましたが、県挙げて、自治体挙げて何とかこのコールセンターを
誘致して、それを
一つの新しい再生のきっかけにしようということで、そういう意味でのお互いの世論形成その他すべてでき上がっておると思います。
問題は、そういう専門的な立地
条件とか何かいろいろあり得るでしょうけれ
ども、そういう
産炭地の中でいろいろな
施策をしながらも、地理的な
条件その他ありまして非常にむずかしい、
振興ができないような
地域でございますので、そういう意味で、このコールセンターというものは、
地域性から見ましても、地理的
条件から見ましても、私は非常に
条件にかなっているというふうに思います。また、
地元もそういう意味では大いに受け入れるということで積極的に
推進しようとしておるわけでありますので、
産炭地域の
振興という中の
一つの大きなあれとしてとらえていただいて、計画の場合にぜひこれを
推進していただくようお願いしたいと思うのであります。
次に、これは
大臣の決意を聞きたいと思うわけでありますが、要するに、今回こういうふうにしてまた十年
延長。今日取り残されているといいますか、今日まで十九年間
地域振興についてはいろいろ
努力されたにかかわらず、これがなお十年間今後
延長せねばいかぬ。そういうことを
考えますと、いままでのようなやり方だけではただいままでの繰り返しで、後ろ向きの
対策だけでまた十年が終わってしまうのじゃないかという気がするわけです。
それで、実は長崎の場合にも
一つの例を挙げますならば、松浦市がございます。これは長崎県北松浦郡という中小炭鉱が三百近くあった
産炭地を控えた市でございます。この松浦市がそういった
産炭地の中の代表的な都市として、それで現在実は九州最大の火力発電所建設の基地にしようということで、電発と九電とが
中心になりまして二百万キロワットぐらいの発電所建設をしようという計画、動きがあるわけです。
これは松浦市を
中心にした
産炭地の背景にあるそういう
産炭地振興の経済浮上の
一つのきっかけにしていこうということで、実はかなり話が進んでいるわけでありますが、残念ながら、いままでの動きを見ていますと、単なる電発とか九電の当事者と漁民との
関係だけで問題がいろいろやられておる。もちろん松浦市を挙げてこの問題については何とか積極的に取り組もうという姿勢はあります、県もあります。
ところが、実際の作業の進め方を見てみますと、結果的には単なる漁民に対する電力
会社関係との、当事者同士の話だけの進め方になりまして、本当の意味における松浦市と北松を含めた
産炭地振興の大きなあれになるんだという、そういう
地域全体の
一つのプロジェクトとしてとらまえて
推進していこうという雰囲気にどうしてもならない。単なる
関係者だけ、漁民対あれだけになってしまう。
これからこういう
産炭地振興のいろいろな計画を立案しながら進めていこうとしても、そういうやり方だけでは、全体の本当の意味における理解を得て進めるということにならぬじゃないかという気が私はするわけです。一部の、それぞれの
関係者だけにおける利害得失、エゴ的な
関係だけで問題が処理されていくようであっては、
一つの
産炭地振興としての効果が上がらぬのじゃないかと思うのです。
端的な例が、先ほど出しました伊王島でも、実は一ころLPGの基地にしようかという
一つの話も出たのでありますが、そこの
地域の漁民の反対でだめになる。本当に
地域振興をどうするか、これを全体のものとしてプロジェクトという形の中でやろうという雰囲気といいますか、そういう傾向がないわけですね。ややもすると、そういう単なる
関係者だけの間における話し合いになってしまう。私は、こういう形はあちこちでも出てくるのじゃないかと思うわけです。
したがいまして、ぜひひとつ、これから十年間
延長するわけでありますから、それが本当に生きた金としてこれから生かされる、いままでのように単なる後ろ向き
対策だけに金がどんどん使われていくだけであってはもったいないと思いますから、そういう意味では国が
一つの強力な政策の
方向性を持ちながら、それぞれの
地域における指導もやっていただかぬことには、単なる当事者だけの話し合いの中ではこういう
地域振興というところまではなかなか話がまとまっていかぬのじゃないか、一、二の例を見ながら私はそういう感じが率直にするわけです。
したがいまして、今回
通産大臣としては
一つの決意をお述べになっておるようでありましたが、行政サイドの中においてそれぞれ所管官庁の問題があるかもわかりませんけれ
ども、ひとつぜひ
産炭地振興、しかもそれぞれの
地域にお互いが何らかの
産業を持ち込みながら
地域振興を図ろうという場合において、国がもっともっと指導
助言するような積極的な姿勢をもって臨んでいただきたい。こうならなくては、単なる当事者だけの話し合いによって話がまただめになっていく
可能性がこれからも私は続くんじゃないかという危惧も持ちますので、そういう意味においてひとつ
大臣の決意等をぜひお願いしたい、かように思うわけです。