○
城地委員 十月十七日に
通産大臣並びに
経済企画庁長官の
所信の表明をいただきました。私もなれないものですから、むしろこの
所信表明を、活字になったものを細かく私なりに検討をしてきょういろいろ伺いたいと思います。そういう
意味では、ただ単に言葉じりをつかまえるという
意味でなくて、むしろ
日本語の
意味を詳細に、厳密に考えてどうなるかというような質問等もあろうと思いますが、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
それともう
一つは、前に
原田委員、そしていま清水
委員、それぞれ質問をいたしました。質問の内容としては重複しても差し支えないということかもしれませんが、重複することは余り好ましくないので、そういう
意味では重複を避けて質問を申し上げたいと思います。とすれば、その重複を避けたというために、また時間的ないろいろな
関係や個人の能力の
関係から、若干結論だけを急いで理解しにくい点が出るかもしれませんが、それらについてあらかじめ了解をしておいていただきたいと思います。
それからもう
一つは、
通産大臣の
所信の表明と
経済企画庁長官の
所信の表明、非常に似通っている部面が多いわけでございますし、さらにもっと突っ込んで言えば、
経済企画庁長官の内容は、
所信の表明よりもむしろ九月五日に行われた
経済閣僚
会議の八項目の
経済対策というようなものが後段にほとんど盛られているということなものですから、きょうのところはこの
通産大臣の述べられました
所信の表明を
中心にして質問をしてまいりたいと思います。しかしお答えは、先ほどからもありますように、
物価問題であれば
経済企画庁長官に答えていただくということでお願いを申し上げたいと思います。
そういう
意味では、各項目別に質問をしてまいりたいと思います。
最初に、この二ページにあります「機動的な
経済運営」、これの中では特に
消費者物価の問題、先ほどからいろいろと問題になっております。この
消費者物価の問題の中で、この二ページにあります「
消費者物価も落ち着きの
方向にあります。」という断定をしておられますが、「落ち着きの
方向」というのは
経済学的に見てどういうような考え方でこういう表現をされたかということが
一つでございます。
それから次に、
物価の
動向の結論でございますが、先ほどから二人の
委員の質疑、答弁等で、いろいろ考えていることの大綱は理解をしたつもりでございますが、私はどう考えても
消費者物価の
動向を見ますと、前六カ月を経過している現在、さらにあと六カ月しかないというこの五十五年度の
物価の動静を見ますと、先ほど長官が言われましたが、今後の六カ月間を毎月四・六ないし四・八%で抑えていって一年度通算で六・四になるというようなことはむずかしいのじゃないかというふうに率直に考えます。これはきわめて断定的な言い方ですが、ほかのいろいろな
経済の専門家、さらにはわれわれが具体的に試算をした内容の
数字もありますが、時間を多くとりますので
数字の点は省略をいたしますが、どう考えても七・六ないしは七・八にしかならないのじゃないかというふうに、断定的で失礼でありますが、そういうように考えざるを得ません。もう一度この点についてはっきりしたお考え方を申し述べていただきたいと思います。
さらに
景気の
関係では、
成長率の
関係で、当初
予算の四・八%の問題について、先ほど、何としても努力をして何とかそういうことにいきたいという答弁がございました。しかし、何と言いましても四月、五月、六月が二・五%の成長である、そして七月、八月、九月も、これは予測がまだ完全に出ておりませんが、考えられる線ではやはり二%台の成長で、三%を超えないのじゃないかという見方が専門家の中でなされているという
状況からして、この四・八%という本年度の
経済成長率も、非常にこれも独断的でありますけれ
ども、一番悪い面で見ている
経済の専門家は二・九%というように見ております。いい方で見ている人は四・〇%というふうに見ておりますが、先ほど企画
庁長官が断定されました。私
どももできれば
成長率が
伸びた方がいいし、
物価の上昇もとどまった方がいいという考え方には変わりがありませんが、その辺について再度、はっきりした考え方を申し述べていただきたいと思います。
次に、
経済企画庁長官の
所信表明の中に、下期から再び堅実な拡大
傾向を回復するというように述べられておりますが、この
見解については私
どもはそういうふうに考えておりません。そういうふうにいった方がいい、望ましいとは思いますけれ
ども、残念ながら現実はそんな甘いものではないというふうに考えておるわけで、それらの点についてのお考え方を伺いたいと思います。
なお、四ページの結びのところにございますが、
民間の
設備投資の役割り、これは先ほどから質疑で解明されました。私も、
民間の
設備投資の役割りは非常に重要であるし、そのことを通して
経済運営を軌道に乗せていく、また、活気を呈する
経済運営をしていくということで、必要なことだと思いますが、この結びのところにあります通産省は、「所要の投資
環境の整備に努める所存」というふうに書かれておりますが、こういうふうに言い切っている「所要の投資
環境の整備」というのは具体的にどういうことを考えておられるのかということについて伺いたいと思います。
さらに、
物価の問題で一点だけ伺いますが、五十五年度の
予算の際に、五百億の
物価関係の
予算というようなことでそれが決まったというように聞いておりました。本日、各政党の間でこの五百億円の問題について、
物価を上げさせないために、また
物価対策としてこの五百億円をどういうようにしたらいいのかという政調会長レベルの話があるという話を聞いておりましたが、政党次元ではやはり
現状の
物価の
状況の中で緊急的にそういう
対策を立てる必要があるということでそういう
会議が持たれておるわけでありますが、
政府としては具体的にそれらの内容について何か検討しておられることがあればお聞かせをいただきたい。先ほどからの
物価のやりとりにつきましてもかなり抽象論が多いし、前回の
予算委員会等の質疑を伺っておりましても、またこれはこういう
国会の場とは違いますが、テレビ討論等で言われておりましてもかなり抽象的なものが多くて、具体的にたとえば
野菜の値上がりを抑制するために
出荷奨励金で三十億円使いますとか、これこれこういうことのために二十億円使いますとか、こういうところに五十億円使えばこうなりますとか、なるということは断言はできないかもしれませんが、そういう具体的な
施策、具体的な金の使い方という点をはっきりさせなければ非常に理解がしにくいんじゃないかと思いますし、
現状からしてそういうところをはっきりさせていただいた方が大方理解がいくんじゃないかというふうに考えますので、それらの点についてお伺いをしたいと思います。
「機動的な
経済運営」に関連して、一ページにあります「はじめに」ということで前書きがありますが、これの中に「今後の我が国
経済をめぐる
環境は、決して楽観してよいものではありません。」というくだりがございます。「楽観してよいものではありません。」ということですから、楽観はするなということでありますが、私は、この表現とこの書き出しの「はじめに」全体にわたって述べられている考え方は、やはり「楽観してよいものではありません。」と言いながらも、過去こういうわけで
石油ショックを乗り切ってきた、しかも、他の国よりも
日本の場合にはうまくいった、そういうようにやってきたというようなことを述べられて、しかも「決して楽観してよいものではありません。」というように述べている。そういう全体の中から、いま厳しいんだという
意味で非常に厳しく受けとめるよりは、むしろ厳しい中にも何とかなるさというような、そういう
意味の楽観的な気分があるように何回読んでも感ずるのですが、それらの点についてお考えがあればはっきりと答えていただきたいということでございます。
あと、次の項目以降は答弁をいただいてから伺いたいと思います。