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金子(み)
委員 とりあえず
都道府県に置いてみた上でというお話のようで、大変に石橋をたたいて渡る感じで、また
行政はそうでないといけないのかもしれませんけれ
ども、私
ども国民の立場から
考えれば、一番持っていきやすいところ、身近に持っていけるところ、相談に乗ってもらえるところ、そういうものが必要だと思うのですね。一々県庁まで行かなければ聞いてもらえないというのは、つくっても余り直接の意味がないのじゃないだろうか。たとえば、いまのお話のように
専門家でいらっしゃるから、福祉事務所、保険の事務所の方だとか、あるいは保健所だとかというふうに区分しておっしゃいますけれ
ども、
国民の側からいけば、そんなに一々区分してなんか相談に行かないですね。ですから、お金の問題であろうと健康に関する問題ですから、保健所へ行こうとどこへ行こうと、とにかく行けば、そこから話をつなげてもらえるというふうにして、
国民の人々は一番身近なところで物が言えるというふうに仕組んでいただかないと、私は余り役に立たないのじゃなかろうかというような気がいたします。ですから、これはお返事をいただく問題ではありませんけれ
ども、そういうことも
考えて、どうせ、つくってくださるんだったら、本当に、みんなが役に立ってよかったということになるようなぐあいに、ぜひ
考えていただきたいというふうに思うわけでございます。
続けて質問させていただきます。その次に、お尋ねしたいと思っておりますことは、今度の健康保険法案の改正の問題については、いろいろと
審議もございました。ですから、そのことはそのこととして受けとめるわけでございますけれ
ども、私はここで、直接その問題の中に触れてこなかった問題、いわゆる、いま大変に問題になっている周辺問題というものがございますが、周辺問題というのは、あれは本当は周辺じゃなくて基本問題だと私は思うわけでございます。そういう
言い方がされていますが基本問題だ、大変重要な点だと思います。ことに私がいま取り上げたいと思っておりますのは、
国民の側に立って、健康保険の仕組みその他むずかしいことは、みんなにはわかりません。だから、そうではなくて
自分たちに直接かぶさってくる問題で、どういうふうになっているのかというので非常に問題があるわけですから、この点について申し述べてみたいと思うのです。
それは何だと申しましたならば、いわゆる健康保険が見てくれない問題なんです。見てくれない部分なんです。健康保険で取り上げてもらえない部分、いわゆる保険外負担、自己負担の問題でございます。これはもう前々から問題になっています、自己負担の問題を解決してもらわなかったら困るということはですね。ところが、これは余り手がつけられないで、放置されたままになっておりますので、大変に深刻な問題になってきております。
実は五十二年十一月、政府が
医療保険制度の抜本的な
考え方について十四項目の公約をなさいましたね。これも御存じですから
一つ一つ申し上げませんけれ
ども、その十四項目を実現するということによって、保険外負担を含めた問題の解決に当たろうという御計画だったわけです。しかも、この十四項目には、ごらんになればわかりますように項目のほかに、それの立法の時期だとか、あるいは実施の時期だとかいうことまで、きちっと計画を立てて公約をなさったのです。
ところが、それが一向に実行されていないというところに問題があるわけなんでして、五十三年の二月の
予算委員会で、私の質問に当時の
小沢厚生大臣が答弁をしてくださいましたことでは、それらの問題は、今度、
医療費を値上げする——九・六%の
医療費の改定があったときでございますが、これが問題の解消には
効果がある見通しだからということを強調なさったわけでございます。しかし、それは実際問題といたしましては、そのとおりにいかなかったんですね。
大臣はそうお思いになったんでしょうけれ
ども、実際問題としては、そうなっておりません。
この九・六%の
医療費の改定の結果、何ができたかといいましたら、病院、
診療機関では今回のアップで物価のスライドと人件費の
赤字が何とか片づいたということだけであって、いわゆる一般の
国民が一番問題にしている
差額ベッドの料金ですとか、あるいは付添看護の料金ですとか、こういうものには
一つも関係しなかった、
一つも
効果をあらわさなかったわけです。ことに、このとき五十三年一月、全国公私立病院連盟の会合で
厚生省の
保険局の当時の
医療課長さんがおっしゃった
言葉は「今回の引き上げで室料を千円にして室料差額が解消できるのかという批判をいただいておりますが、私
どもは今回の改定に際して
医療費をただ上げただけでは室料差額問題は解決するとは思わない。」とおっしゃっているのですね。
厚生省の課長さんが、そうは思わないと言っていらっしゃるというのは、私
どもとしてはどう理解したらいいだろうと思うわけですね。
大臣は、そのことによって解消するというふうに見通しをつけているんだとおっしゃったんですけれ
ども、事務当局は、そうは思わないという返事をしておられるのですね。そうだとすると、この
医療費の値上げというのは余り意味がなかった。
どういうことで、そのように
大臣がおっしゃったのかわかりませんけれ
ども、それをいま
園田大臣に御答弁をいただくのは無理かと思いますから御答弁はいただくつもりではおりませんけれ
ども、そういう矛盾が省内でもあるということは大変問題だと思うわけでございます。事務当局の御説明が十分行き届かなかったのか、あるいは
大臣はそのつもりだったけれ
ども、そういう方向には全然なるようにはならなかったのか、そこら辺のところが、私はやはり
行政庁としては、お
考えいただかねばならない問題ではないかしらんというふうに思っております。
それで今回また、いまも提出していらっしゃるように健康保険法の改正があるわけですが、今回もまた、これらの問題はそのまま素通りにいってしまうのじゃないだろうかという不安が非常にあるわけでございます。いつでもいつでも素通りされているわけです。ですから、具体的に
効果的な
措置を今度はお
考えになっているかどうかということを私、
伺いたいわけなんです。たとえば、また
医療費をお上げになりますか。いま
診療報酬を上げるように上げるようにという声はあるようでございますね。また、それをお上げになれば解決つくと思っていらっしゃるのでしょうか。上げても、また病院の
赤字対策になるだけで目的は達成されないんじゃないだろうかと思います。あるいは前回は通達をお出しになりましたね、通達を二回も三回もお出しになった。それで果たして解決がついているかというと、そうでもございません。今度はどうなさろうと思っていらっしゃるのか、私それを
伺いたいのです。