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坂井委員 大臣は余りそういう先を見越したような、先走ったようなお答えはなさらない方が私はよろしかろうと思うのです。と申し上げますのは、確かに
個人献金というのは集まりにくい、これは事実です。だからといって、ではいきなり
企業献金だ、これはまた逆戻りの論理でして、これが起こった背景には何があるかというと、ともするとというわけで、先ほど申しましたような従来の苦い経験にかんがみて
個人献金の方がよろしかろう、こういうことで国会が意思を決めたわけです。
したがって、私は冒頭申しましたように、
一つは
政治献金があります。しかし
政治活動ないし
選挙の金の問題を
政治献金一本だけで議論するのはどうも片手落ちだ。一方には党費の収入があります。もう一方には国庫の支出があります。これはやはりバランスを
考えなければいかぬ。そして総合的な組み合わせの中で議論をしなければならぬということだろうと私は認識しておる。したがって、
個人献金への移行は非常にむずかしいが、なおやはり
努力してみましょうという姿勢は、
自治大臣、
自治省としてはお持ちになった方がよろしいのではないかということを私は申し上げたいわけなんです。
だから、私は決して一方的な言い方で申し上げているのではないということを何回もお断わりをしているわけでございまして、繰り返すようでございますが、
企業献金イコール悪、
個人献金イコール善、こんな図式ははまらないと私は思っております。
企業献金の中にも、
大臣がおっしゃるような悪ではない、善な
献金もそれはあるでしょう。また
個人献金の中にだって、これはイコール善ではありません。まさに悪の権化みたいな
献金もあったことは事実であります。したがって、この
献金の金の質について、企業と
個人の二つの
献金を善悪という単純な図式で並べ立てて議論することは、私はよろしくないという認識を持ちながら、なおかつ
個人献金に移行していくという
努力をしていくべきではなかろうかということを申し上げているわけでございまして、これは意見としてきょうの場合は申し上げておきたいと思う。
五十四年度のこの
自治省の
政治資金収支報告、
塩崎委員からもるるございました。確かにああいう
報告がなされたわけでございますが、あれを見ましても、二千万円以上の大口
献金、これは銀行、商社あるいは鉄鋼、自動車、そういう業種に偏っておりますね。これまた、何も大きいからイコール悪だと決めつけるわけじゃございませんが、従来の経験からいたしますと、こういう
企業献金というのがともすると後々問題視されるようになった、あるいは事件を生み起こす背景にこうした企業の癒着した
政治献金ならざる
献金が行われておったというような事例が、もう頻発と申し上げてもよいくらいあるわけですから、あえていま申し上げました意見にそのことをつけ加えて、やはり
企業献金から
個人献金に移行する
方向をさらに探求していくということが望ましいのではないか。これはまさに附則八条で言われる
個人献金への移行ということとも合致するわけでございますから、望みを捨てないでひとつ大いに検討を進めていただきたいと思うわけでございます。
さらに、今回出されました
改正案、これは航空機
疑惑問題等防止対策協議会、この提言に基づいているわけでございますが、この提言を見ますと、
政治活動の金と私経済とを
区分すべきである、こう言ってますね。これはどういうふうに
改正案で生かされたのですか。