○田中(昭)
委員 各大臣も、農林大臣、そういうことをいままでも言ってこられたと思いますし、私は大臣のおっしゃっていることも、そういうことがあれば大変遺憾であるとか、それからちゃんとした
処置をとるとかそういう意味だろうと思いますね。そうでしょう。それはいいのですが、問題は——それは当然のことですよね。私が聞いておるのは、農家を困らせるような
補助金があるのでは困るのじゃないか。それは何だろうか。それはどういうものなんだろうか。さらに、そこに反省点を見つけ出して、今後の
農業政策の中にそれをどう生かしていくか、これが問題でなければならない、こう思うのです。ここで、そういう遺憾であるとか、今後は必要な
処置をとるとかいう答弁を繰り返しているだけでは私は納得できませんから、
検査院の
指摘事項もそうでございますけれども、現実の農家からどういう声が上がっておるかをもう少し大臣に聞いてもらいたいと思います。
まず、ある——あるというよりも秋田県の米作農家の大変優秀な方ですが、この人がこういうことを言っております。
高橋さんという方ですが、
補助事業でつくったサイロは二十九万円かかったのに、自分の手でつくれば十二万円でできた、これでは何のための
補助事業かわからない、業者をもうけさせるだけじゃないか、こういう趣旨のことが報道されております。
そして、今度は有名な米作農家の
日本一の石川県の竹本さんという方がこういうふうに言っております。農家の生活の破壊と滅亡に通ずるという表題になっているのですけれども、農林省の手厚い
補助と
指導により協同組織をつくり、
水田二十七ヘクタールを耕作のため、不必要と思われる
機械力、すなわち二十馬力から三十五馬力もの大型トラクター五台とそのほか田植え
機械などいっぱい至れり尽くせりであるが、こういうことをやっておってここの十アール当たりの、一反当たりの装備費、専門語はよくわかりませんが、装備費は十八万六千九百円になっておる。ところが、竹本さんの言われるのは、私のところではトラクターも一台で、装備費はわずか——もちろん
面積は小さいのですよ、トラクターも一台であり、わずか六万一千八百円でやっておる。三倍もかかっておる、こういう余分なことをやっておるということの意味。だからこの方がおっしゃっていますよ、米作
日本一の表彰された方ですよ、こういうことを農家がやっておれば、
補助事業に頼っていたら
農業では飯は食えない。これは本当の切実な、農林省の言うとおりやっておっては飯が食えぬ。そこから問題が出発している。
補助金のでたらめ。先ほど私が言いました、必要のないもの、地元は何にも知らないのに開発
事業に
補助金がついておったとか、言えば切りがないですよ。
補助金を出さないでもいいところに出しておったという、先ほどの
検査院の
指摘もあったわけです。そういうふうに言っておりますよ。
それから、そこには
補助事業を拒否する会というのがあるというのだ。大臣、そういうことは知っておりますか。——知っている。それじゃ、ただ
補助金は正確に適正にやっておるということだけじゃなくて、考えてもらわなければいけないのじゃないでしょうか。知っておられるそうでありますから、いま言ったように、農民が知らないうちに開発
事業が進められておる、負担がふえた、このことには触れますまい、同じことですから。
一つだけ言っておきますが、島根県のある町では、これまた農民が全然知らないうちに開発
事業が進められておって、それで後で
補助金返せと言ってきたから、それでわかったのですね。そういうことがあったというのです。それで、五十二年ですが、このときも
検査院の
指摘で、
検査官の人も、こんな
計画によくも農林省は
補助金を出したものだ、こういうふうに言っておるのです。どうですか。大臣の声が小さくなっているけれども、大きな声で、わかるようにはっきり決意を言ってください。