○土井
委員 しかし、全国的に都道府県との
関係が希薄であったのでこの節とおっしゃるところは非常にひっかかりますよ、そういう御答弁をされると。そうして、神奈川の場合は
総量規制をするということを決められておりますから、わざわざ行く必要なしと思われたのかどうか、神奈川県には行っていられない。
順を追って言いますと、いま申し上げた六月の十日には大阪に、十二日には
東京、十六日には愛知、十七日には福岡、そうして八月の二十九日には兵庫、八月の三十日には大阪、こうなっております。
相前後しまして経団連側は、六月二日に愛知、それから二十四日には
東京ですね。それから七月の三日には横浜、十六日には大阪、そうして同じく七月の十六日には福岡。福岡県の場合には
総量規制反対の意向をはっきり伝えられているという経過もあるようであります。同じく七月の三十日には愛知県、これは
総量規制を実施しないような要請がはっきりその場ではある。こういう調子なんですよ。
しかも、ここに持ってまいりました文書、これは何遍も当
委員会の場所では資料として問題にされてまいりました過去の経過がございますが、「大都市におけるNO2
環境濃度の予測と今後の対応について」、五十五年六月に出されておりますこの文書。片やは通産省の立地
公害局公害防止指導課が出されております五十五年五月に出ている「
東京湾周辺地域における二酸化窒素の高濃度発生と逆転層との因果
関係等の検討」、この二つの文書。片っ方は経団連の文書であり、片っ方は通産省の文書でございますけれ
ども、この「大都市におけるNO2
環境濃度の予測と今後の対応について」という経団連側の中身からいたしますと、これは予測の手法について、簡単に言って、異常気象でもたらされたNO2高濃度汚染
対策として、年間を通じた常時規制を導入するというのは適当ではないというのが結論なんです。その前提には、逆転層と密接な
関係が実はこういう濃度の問題にはある、逆転層が広域にわたって多く発生したということ、実態
調査の結果このように言えるので、したがって常時規制を導入するというのは適当でない、こういうかっこうになっているのですね。通産省側の資料は、ここの中で「まとめ」という部分を見ますと、「NO2の高濃度は風速及び接地逆転層と密接な
関係を有する。」とありまして、この内容からすると、経団連が予測手法について種々問題とし、結論としては、
総量規制をこの節導入するのは適当でないということを言われているのに、追い打ちをかける形と申しますか、横から支援する形の文書で、これは一体のものというふうに読んだ方が実は非常にはっきりしてくるわけであります。
そこで、こういう立場の人
たちが、いま
環境庁として非常に苦労されているそれぞれの府県に訪ねていっていろいろとやかく言われる、こういう中で先ほど苦慮されているような問題も動いている、こういうことをひとつ念頭に置かれて、
長官、いかがですか、断じてそういうことに対してこれは許さない――通産省というのは、
環境保全の立場に立って通産行政を行うのが当然であるにもかかわらず、いつでもこういうときに、まるで
環境保全というのは
環境庁の役割りであって、何としても工業誘致であるとか企業
活動というものを優先的に
考えられるというお立場から、
環境行政を抑えるということを常におやりになる。非常に遺憾であります。そういうことからすると、
長官、どうでしょう、これはがんばっていただけますね。