○川田
委員 きょうは外務
大臣は非常にお忙しいようでございますので、むしろ質問というよりも若干
意見を述べさせていただくことになるかもしれませんが、御了承いただきたいと思います。
先般、
奥田委員長を団長にいたしまして
外務委員会で
各国を視察したわけでありますけれ
ども、そのときにパキスタンに参りました。その際、大統領にお会いいたしましたら、実はあなた方が来る数日前に
伊東外務
大臣がお見えになったと言って非常に感激をしておりました。非常にというよりは異常なまでに感激をしていたように私
どもは感じ取ったわけであります。
まあ、
考えてみますと、パキスタンは非同盟国ということで対
アメリカ、対ソの問題をもちろん抱えているでしょうし、インドの問題もあるでしょうし、また
日本との援助の問題ももちろんあるということであったかと思いますけれ
ども、外務
大臣の訪問をとても喜んでおられました。そして、数時間にわたって大統領と
伊東外務
大臣とがお話をされたと承っておりますが、それだけに
両国間の友好
関係が深まってきているというふうに私は感ずるわけでございます。また
伊東外務
大臣のことですからお二人の話以外の、いわゆる言外に含まれるものも感じ取ってお帰りになっただろうと思われるわけでありますけれ
ども、そういうことで私は、外務
大臣はできるだけいろいろな国々に行っていただきたいと
考えております。
そしてまた、非常に失礼な、生意気な言い方になるかもしれませんが、外務
大臣の御答弁を伺っておりますと、外務
大臣がじかにお会いになった方々、たとえばソ連のグロムイコさんあるいはブッシュさんなどにお会いになったときの感じ、あるいはその国の事柄について外務
大臣は非常に自信を持って明快に答弁をされているように、聞いていると感ずるわけでございますけれ
ども、これもやはりじかにお会いになればそういうことになるのではなかろうかというふうに感ずるわけであります。
私は、憲法問題も非常に重大だと思います。もちろん論議を尽くしてもらわなければなりませんけれ
ども、そうやっているうちに、
国際情勢は刻々といろいろ変化をしていっているいまの時代であります。また同時に、国内問題というのも世界の中の
日本という
立場で物事を
判断し、あるいは解決をしていかなければならぬという時代でありますだけに、私は平和外交を標榜される
伊東外務
大臣とされてはしょっちゅうでもいいから行っていただきたい。これはもうお体の
都合もございますし、なかなか大変だろうと思いますが、私は行けば行った以上のいろいろな友好
関係が醸し出されてくるというふうに感じます。
特にいろいろな経済援助をやっておりまして、七八年末の累計からいきますと四兆円以上に及ぶ有償、無償の対外援助をやっている。しかし、実際
各国を回ってみますと、せっかく
日本がそれだけの援助をしているのにもかかわらず余り評判がよくないということにも気がつきます。対外援助の仕方に問題があるのか、あるいはこの前土井
委員が質問されたような買春ツアーの問題だとかあるいは
日本人のマナーの問題だとか、そういうことが折り重なって評判が悪いのかもしれませんけれ
ども、やはり私はそういったことを払拭するためにも
日本の外務
大臣として
各国にぜひ行っていただきたい。これは大国に限らず、小さな国と言うと語弊があるかもしれませんけれ
ども、そういう国にも気をつけて外務
大臣としては行っていただきたい。これがまず第一点であります。
それから、数日前にITCの裁定が下されました。
日本の自動車問題で三対二ということでシロというふうに判定をされたわけでありますが、ほっとしている時期ではなくて、むしろこれからが大変だというのがわれわれの認識をしているところであります。
新聞などを見ましても、やはり
アメリカ議会でも輸入規制を行うのではなかろうかというような記事が出ておりますし、また
アメリカの大統領に対しても
日本との交渉権を付託してやらせるというような、思っている以上の厳しさが
両国間にこれからは出てくるのではなかろうかというふうに感じます。
私は、数年前から苦い経験を持つ繊維交渉、それから農産物の問題があり、電電の問題があり、たばこがあり、自動車がある。日曜日のNHKの討論会を見ておりますと、外務
大臣も
出席されておられて、年内に幾つか解決できるものもある見通しだというお話がございましたので安心しているわけでありますけれ
ども、たとえばこの自動車の問題が終わったからといって経済対立、経済摩擦が終わるものかどうかということになりますと、私は非常に疑問に思います。
いろいろな方の御
意見を聞いてみますと、これは運命だと言う人もおります。これは
日本が異常なまでにGNPが伸びてきている、
アメリカが予想していないくらい伸びてきている。それなのにまだ
日本はただ乗りをやっているじゃないかというような感じもあるだろうし、また
一つには構造的な
日本の輸出超過の問題もあると思います。また、これも
日本の科学技術の進歩といいますか、ICなどの問題にいたしましても
アメリカに迫る勢いで、いまいる。
アメリカもそこで焦りを感じている。そんないろいろなことが総合されて、運命だと言う人がいるのかもしれませんが、私は
日本と
アメリカの
関係において、こんな友好的な間柄の国においてなぜ経済対立というものが起こるのだろうかということを非常に疑問に思います。
外務省、直接の所管でないかもしれませんが、このことが私は重大な影響を将来及ぼしてきたら
日本は一体どうなるのだろうかということが懸念されます。
今日の
日本の繁栄というのは、いろいろな御
意見があろうかと思いますけれ
ども、私は
アメリカあっての今日の
日本の繁栄があるというふうに理解をいたしておりますので、こういった対立というのが後を絶たないということになれば大変な結果を生ずる。
東京の有力
新聞とギャラップとの世論
調査の結果を見ましても、そういう点では友好
関係が非常にいいという数字が出てきております。良好だと思う
アメリカの国民は六一%もある。
日本の場合は四八%。ですから国民同士は案外そうでないのかもしれませんが、どこに原因があるのか。いろいろあろうかと思いますけれ
ども、私は何とか事前に手が打てないものか、火を消していかなければならないと
考えるわけであります。この火が燃え上がると私は本当に大変だと思います。
そこで、私は
伊東外務
大臣にできるだけ早く
アメリカに行っていただいて、この火を消すことの相談をしていただきたいというふうに感ずるわけであります。同時に、鈴木総理に対しましても早い機会に行っていただきたいという気持ちは変わりありませんけれ
ども、
新聞を見ておりますと、何か
政府の要人が、五月の連休は総理は休ませなければいけない。私はこれもわかります。わかりますけれ
ども、そういうことを言っている時期かどうかということについては非常に疑問に思うわけでありますので、外務
大臣御自身の渡米の問題それから総理の渡米の問題について御
見解をお聞かせいただきたいと思います。