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伊東国務大臣 いま
伊東外交とおっしゃいましたが、そんな偉いものではございませんで、鈴
木内閣の一員として、
総理の旨を受けて
日本の国益を守るということを念頭に置いてやっておるわけでございます。
私、東南アジア、
中国、アメリカ、
国連と回ったのでございますが、
日本に対する期待というものが、思ったより、予想以上に世界から、特に自由主義の陣営からは強いものがあるということを痛切に感じたような次第でございます。経済大国になったということで、経済の問題でできるだけ協力ということをやっておりますが、アジアにおきましても、あるいはアメリカに行ったとき、
国連に行ったときの感じで、たとえばアフリカ
諸国の人々とか、これは非同盟の方が多いのでございますが、
日本に対する役割りというものを非常に期待しておられる。
〔
委員長退席、松本(十)
委員長代理着席〕
あるいはアメリカはアメリカで、従来のアメリカ、隔絶たる世界のアメリカということよりもだんだんワン・オブ・ゼムで、われわれに対しましても責任の分担といいますか、そういうことを期待するというような話が出てくるということでございまして、
日本が世界で政治的にも
日本の役割りというのを期待されているのだということを痛感をしたわけでございます。それだけ世界じゅうから信頼され、期待されているということからいきまして、
日本としてはどこの地域、、どこの国ということでなしに、もっと広い
意味でその期待にこたえなければいかぬということを痛感した次第でございます。特に、今度安保
理事会におきまして圧倒的な得票で当選したことはそのあらわれだ、こういうふうに私は思うわけでございます。
それから、これは前の大平内閣からとられた姿勢でございますが、やはり
自由主義陣営の一員としての責任を果たしていくということを、特にイランの問題、アフガンの問題をめぐりまして、
日本の場合においては犠牲を忍んでもということを際立って言ったわけでございまして、これは
日本としてやるべきことは当然やらなければいかぬ、
自由主義陣営の一員だということを念頭に十分置く必要があるということを考えさせられるのでございます。
ただ、それは何もどこに敵対行為をするという
意味ではなくて、そういう考えのもとに至るところの地域において、との国ともできれば協調をしていくという
態度も変わらぬということでございますが、基本的なそういう
立場は大切だということを考えたわけでございます。
また東南アジアへ行きまして、
日本はアジアの一員だ、アジアのことをよく考えてもらいたいということを方々で言われたのでございまして、私はアジアでしっかり平和、安定ということをやって、それを世界に及ぼしていくことも大切だということを感じたわけでございます。
また方々で環太平洋ということをよく言われました。きのうもスペインの
外務大臣と会いましたら、
日本は環太平洋という構想を進めておられるがこれはどういうことですか、われわれも非常に関心を持っていますと、スペインの
外務大臣が環太平洋の話をされたわけでございます。環太平洋の連帯といいますか、これは二十一世紀に向けて、一内閣の問題でなく、もっと長い目で考えなければならぬ問題でございますが、この太平洋地域の
国々、人々の連帯ということをもっともっと考えていく必要があるのじゃないかというふうに感じたわけでございます。
もちろん
中国との
関係、ソ連との
関係、非常に重要な問題がございます。これらとも真剣に取り組んでいかなければいかぬと思うわけでございます。
また経済的には、御承知のようにエネルギーの問題でございますとかあるいは南北問題に関連した開発途上国の
援助の問題でございますとか、経済的にやれることはもちろんやらなければならぬわけでございまして、こういうことにつきましては従来の考えをより一層広めまして、南北問題の
解決、開発途上国の
援助というようなことをやっていかなければならぬと考えたわけでございます。
漠然としたお答えをして恐縮でございますが、要するに
日本は国際協調といいますか友好といいますか、それを基本にして、平和外交ということで徹底してやっていかなければならぬ。
国連等においても憲法からきております
日本の平和外交ということ、こういうことに対して世界じゅうが非常に関心を持っておりまして、平和外交を
日本は進めるのだということを高く評価しているわけでございますので、そういう見地に立って今後とも鈴
木内閣の一員として、世界の平和、それが
日本の平和につながるのだということで、国益を守るということを大
前提に、自主的に物事を考えるということを大
前提にしまして外交に取り組んでまいりたいというふうに思っております。