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中山国務大臣 新聞記事そのものについては私の書いたものでございませんので、その点あらかじめお断り申し上げたいと思います。
いま御
指摘のありました点、代替エネルギーの問題につきましては、私は
沖繩というのは非産油国日本の象徴的な
地域として実は見ることができるのではないか。電力は石油一〇〇%依存です。
本土の九電力は四六・九%の石油依存でございます。そうすると非常な大きな格差がある。この
沖繩のエネルギー問題というものを解決することが、いわゆる世界の非産油国で経済性の弱い
地域の
開発にもこれから非常に貢献できるモデル
地域になるだろう、こういうふうな
考え方で、ここにわれわれ戦後三十五年、日本人が
努力をして結集してまいりました科学技術の力というものをいかに結集して、
沖繩の経済性というものを高めていくかという視点に立って
考えを立てていったわけであります。
そこで、御案内のように
政府には各省にそれぞれの付属研究機関がございます。これはもう明治以来続いているわけでありますし、そのほかに、各県には県立研究所あるいは各市には市立の公害研究所なりいろいろな研究所がございます。あるいは、地元
産業を振興するための
産業の研究所もございますが、これが全部縦割り機構で横につながらないというのが、
本土の研究陣たちの最大の悩みでございますが、
沖繩開発庁としましては、やはりこれらの
本土にある知識経験というものを結集する
方法はなかろうか、こういうことから、
沖繩協会に流動研究所というものをつくって、そしてそこにいわゆるプロジェクトごとに各研究機関在籍のままで参加をしていただいて、
本土の知恵を
沖繩の
開発に集約していくということを私、実は検討を命じたわけでございます。それには、やはり相当な学者が、権威のあられる人が所長でなければならない、こういうことで、元東大総長の茅
先生がたまたま
沖繩協会の会長でございましたから話を申し上げて、快く御承諾をいただきまして、ただいま前向きな姿勢で作業を進めていただいているような形になっておるわけであります。
またもう
一つ、バイオマスのお話は、これはフィリピンあたりでも相当研究が進んでおります。オーストラリアでも進んでおります。
沖繩の土壌の性質に合ったいわゆるバイオマス
産業というものは育たないものだろうか、こういうことで、いま各方面と連絡をしながら、その植物の種類というようなものについてもただいま検討を進めておる段階であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
もう
一つは南北センターのお話でございますが、御案内のようにASEAN諸国、大きく言えば第三世界と非常に気候風土が似通っているのがやはり
沖繩の
一つの特性であろう、そういうところで、距離的にもASEAN諸国とは近うございますし、できれば
沖繩の地にASEAN諸国との技術交流あるいは人間交流というものをする場所をつくることが、これからの日本にとっても
沖繩にとっても、国際化の中の
沖繩、国際化の中の日本というものにとってはきわめて大切な位置になってくるだろうと
考えます。
また、いろいろ各方面の御意見を聞きますと、日本
本土の知識との接触はどうなるかというような御意見もございますが、幸い
沖繩協会に流動研究所の設置が
同意を見たわけでございますので、ここで非常な展開が期待できる、私
どもはそのように
考えて、ただいま鋭意具体的な
方法を検討しておる段階であると御理解いただきたいと思います。