○久保(三)
委員 いまの御答弁の中で、
助成金が入っていることを云々していますが、
助成金というのは、さっきも言ったように、
政府の
責任の分担として入っているんですね。単なる
助成で、お助けではないんですね。しかも、その
助成というか、
責任の分担が明確でないから、あなたのような答弁が出てくるんですね。明確にして、それじゃ
助成というのは多いのか、その
利用者が
負担するのか、あなたの答弁を聞いているとそういうふうになるんですよ。
助成というのは、国の
責任で
国民の生活を支えるということだから、乗らない人の金を使っているというようなことは、何かどうもひっかかりますな。お互いに乗らないというか、利用しない部面でも税金を払っているんですよ。それはやはり国の政治の中で仕事をするという
部分と、
利用者なり受益者の
負担という原則と二つがあるわけであります。
ローカル線等については、そういう原則からいけば、当然
政府の
助成で運営をしていくというのが
あたりまえの話じゃありませんか。だから、そういう
考えでいるからこそ、どうも問題がこんがらかってくるのじゃないかと思うんですね。だから、公共
負担などは、いや
助成をやっているからいいじゃないですか、こういう話なんだな。大蔵省のこれまでの——まあ矢崎次長は別でありますが、これまでの人はそういう話をするわけだ。
助成をやっていますから、別に公共
負担をやらなくてもいいんですよと。それは違うと思うんですよ。やはり明確に
責任の
分野を決めて、それに応じて
責任はとってもらう。
あたりまえな話ですよ。そういうことを
考えると、どうもあなたの答弁はいただけませんな。もっとも、これ以上やっていたって、あなたは、そうですからやめますという話はしないでレようね。すれば大したものだけれ
ども、しないだろう。しかし、いずれにしても、こういう非民主的な、しかも過酷なやり方は政治ではないし、われわれの
分野ではないですよ。役人ならできる仕事、冷酷無比と言ったら語弊があるが、はっきり言って政治の
分野ではありません。政策の
分野でもありません。こういうものが堂々とまかり通る国会というのはいかがという感じがしておるので、われわれは修正をお願いしたい、こういうふうに思っている。あなたは別ですよ。これはひとつ
考えてもらいたい。(「修正案を出して採決しようか」と呼ぶ者あり)採決結構。
それから、時間もだんだんなくなりましたから、もう
一つ、これは運輸省に聞いた方がいいです。
国鉄の守備範囲は主として——主としてというのは、いままで言っているのはだんだん多少変わってきていますが、都市間の旅客輸送、大都市圏の通勤輸送、それからもう
一つは大量定型ですかの貨物輸送、こういうのですが、私は少しく変更を加える必要があると思うのです。たとえば、いま営業線の選定の基準案の案、案の案が出てきました。その中にも幹線系の中では書いてあります。これは都市の周辺に大体三十キロのサークルで
考えているのですね。だがら、都市間の輸送、大都市圏の旅客輸送以外に都市を
中心とする
地域の輸送、こういうものはやはり守備範囲に規定すべきだと思うのです。ところが、いままではそうじゃなくて、都市圏だけなのだ、都市間なのですね、それだけやっておる。ところが、旅客面では、新しい任務というか、いままでやっているのですが、規定づけて任務づけなければいかぬというのが
一つ。貨物は大量定型、私は多少古いから専門家だと思ったら、テイケイというのは定まった形と思ったら違うのでありますね。貨
物局長来ているが、定型というのはまとまった荷物、こういうのだな。なるほどまとまった荷物は専用貨物とか物資別適合輸送と言う。それはわかります。しかし、いまやそういう大量、大宗の荷物というのはそう簡単にあるわけじゃない。
それから、
先ほども、先般も指摘をされたように、車運車をたくさんつくって、ヤードもつくったが、企業の採算ペースによって撤退してしまう。捨て子されたというかっこう。
それから、この間
小林委員からも
質問のあった幌内線の石炭輸送の問題もそのとおりですね。おどおどしているから、本来なら自分のベースで輸送すべきものを輸送から手を引くという感じがある。そういうものをひっくるめて、一車積みの貨車、いわゆる車扱い貨物、こういうものをもう少し工夫をして守備範囲に入れないというと、だれかが言ったように、
国鉄の貨物は安楽死になる危険性が多分にあると思うのです。だから、今度の
改善計画の中身についても、
国鉄が出したものは六十年度まで貨物の扱いは大体横ばい、同じ。ところが、今日ただいまでは前年対比で減っているのですね。窓口を小さくしているのですから減っていくわけです。だから、少なくともこの辺で貨物はもとへ戻る。輸送方式も今度の55・10では多少直ってきた。直るまでに五年もかかるのだな。使命列車をどんどん走って軽引きした。これを指摘したのはもう五年も前なのだ。やっと今度55・10でもとに戻ったかっこうなんだが、集結輸送というのはそんなにたくさんはないと思うのです。時間がありませんから
内容を聞きませんけれ
ども、やはり集結輸送にある程度戻すということが必要なのです。
そういうことをやっていくことと同時に、もう
一つ見解を聞きたいのは通運の存在であります。通運と競争の立場、けしからぬという立場だけで
国鉄が今日までやってきた。ところが、通運は
国鉄の貨物の扱い、そういうスペースの中で営業活動しているのですね。だから、これを利用しない手はない。だから、
国鉄の荷物の集荷機能を強化する対策として通運にどういう施策をとるべきか。これは運輸省も関係があります。通運は自動車局ですか、
局長さん、いかがに
考えておるか。最近、OECDからの勧告というのはそういうものもあって、行管や公取がいろいろやっているそうでありますが、運輸省サイドで少なくとも通運のあり方について、
国鉄再建と絡んで、これは
体制を確立する時期に来ていると思うのです。
国鉄もまた単に路線トラックや区域トラックを相手にしていくことが競争だと思ったら間違いだと私は思う。そういう点で何か回答があれば、運輸省並びに
国鉄から聞きたい。
それからもう
一つは、時間がないのでまとめて申し上げますが、先般運輸省はわれわれの長年の主張によって、曲がりなりにも
地域交通の維持整備
計画の策定について、
大臣、あなたが省令の改正をしました。と同時に、鉄監
局長、自動車・
局長、あるいは官房
審議官、官房長か、そういう者の連名で下部に通達を出しているのです。これは
局長はきっと余り知らぬだろう、部下がやっているのだ。
地域交通の整備
計画を立てた。これはこの
委員会の全会一致の決議になっている。それが二年半、三年越しにかかってきた。通達を出したのだが、残念ながら
地方自治体には権限を委譲しないという原則でやっているものだから、今度の
法案と同じように竹に木を接いだような形になっている。それをこの際
考えれば、これは陸運局単位の陸上
交通審議会の下部に各都道府県ごとに部会をつくって、
地域交通の維持整備
計画を立てるというのです。策定する。片方ではそういう通達を出していながら、今度の
法案はそういう
地域に入るべき
ローカル線の撤去を前提にして、あるいは運賃値上げを前提にして独断でやろうというのだな。これは思想的に頭が分裂していないのかというふうに私は思う。いかがですか。少なくともそういう民主的な手法によってやるべきだ。
それから、自治省来ていますか。——後であなたはこの
地域交通についての
見解を述べてほしい。自治省の
責任を持った方でしょうからね。ようございますか。
それと同時に、第三セクターで今度は
ローカル線もやろう、建設もやろうというのだが、そういうものについての自治省の
見解は何だ。オーケーか。
地方自治体はそういうものにたえられるのかどうか、
国鉄ができないものは
地方自治体ならできるのかどうか。そういう
見解を聞きたい。
以上です。