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高木説明員 地方交通線の
赤字をどういうふうにするかということについて、幾つかのことを考えているわけでございますが、
一つは、やはり特別地交線のように、非常にお客さんが少ない、エネルギー的に見てもバスの方が有効であるというところについては、協議の上ではございますけれ
ども、原則としてバスに切りかえさせていただくというのが
一つでございます。
それから、残される線区につきましては、
一つは、やはり徹底的に私
どもの
企業の
経営の
合理化を図りまして、現在でもかなり無人駅とか委託駅とかいうことで
経費を節することに努めておりますけれ
ども、まだ一段と工夫をするならば、
経費を落とせる
部分もあると思いますので、この
経費を減らすためにいろいろ工夫をすることが
一つでございます。
しかし、それでもなお地交線の
赤字というものは残念ながらまだ相当残るわけでございますので、やはり残る地域について、いまの全国均一運賃と同じでいいかどうかということになりますと、一方においてやめなければならないところもあるわけでございますから、そして
コストとの開きが大変大きいわけでございますから、そういう地域については運賃を特別にさしていただくということにしてはどうかというのがこの考え方でございます。
それで、先日私が御
答弁いたしましたことと関連して、ただいまも五割というお話がございましたけれ
ども、この特別運賃をどの程度の水準にいたしたらいいのかということについてはいろいろ議論があるわけでございまして、現在の中小の私鉄の運賃水準
——中小の私鉄というのは主として地方にあるわけでございますが、中小私鉄の運賃水準と私
どもの運賃水準と比べてみますと、平均で議論しました場合に、と申しますのは、私
どもの方は統一運賃ですけれ
ども、中小私鉄というのは地域ごと、線区ごとに違うわけでございますが、それの平均で見ますと、倍ちょっと開いております。中小の私鉄は、かなりいろいろ
経営合理化に努められて、それでもなおかつそういう
状態でございますので、それより私の方が高いというのではおかしいわけでございますから、アッパーリミットは倍というくらいのところが
一つの基準かなと思うわけですけれ
ども、そう急に一遍にできないわけでございますので、先般来申しておりますように、いま
見通し得る期間内におきましては、地区によっても違いましょうけれ
ども、五割増しくらいのところかなという感じで、いま漠と考えておるところでございます。
そこで、それをいつの時期からにするのかという問題については、これはなかなか微妙といいますか、むずかしい問題でございまして、いまこの法律をお許しいただきますならば、いろいろ各方面に御迷惑をかげながら、特別地交線問題もあるわけでございますから、そういうこととのバランスから言えば、あるいは早い時期から上げて、しかし上げ幅はそう大きくしない、一遍に上げるというわけではない、
経過的に上げていくということがよろしいのではないかというふうな考え方もあります。
それから、いろいろと地交線
問題等があるほかに、運賃問題としても非常にむずかしい問題があります。たとえば、先般来お話がございますように、都市部におきましては私鉄より私の方が高いということの関係もありまして、その調整を何か考えられないのかという御指摘もあります。また、主として通勤でございますけれ
ども、定期の割引率を修正せざるを得ないんではないかという問題もあります。
そうしたこととのかみ合わせもあり、かつ他の運賃、たとえば現在で申しますと、概算要求では、来
年度二千百億ということでお願いいたしておりますが、それが予算の過程あるいはその他の過程を通じてどういうことになるかわかりませんけれ
ども、他のフィールドの運賃水準をどうするかということとも関連してくるわけでございまして、現在の段階で、この法律が通りました上で明年からというところまでは、まだなかなかむずかしいのではないか。その辺は、もう少しよく研究してみなければむずかしい。という
意味は、明年からはできないとか、やるべきではないとかいう
意味ではなくて、いまここで明年からやらしていただきますと申し上げるのには、少しわれわれの方の勉強が不十分である。内部ではいろいろ研究しております。内部ではいろいろ研究しておりますが、これもなかなか、長年続いてまいりました全国統一運賃というものについて、二段階運賃なり三段階運賃にするということは、運賃
制度論としては非常に抜本的といいますか、革命的といいますか、そういう変化でございますので、いろんな角度からの研究をいたさせていただきたいと思いますので、果たしてそういう早い時期までに研究を完了するかどうかは現在のところでははっきり申し上げられないということでございます。