○高木
説明員 従来から東京
地域と並んでといいますか、非常に人口が稠密であり、
交通需要が強い関西の
地域についての
国鉄の
建設についての力の入れ方が少しアンバランスではないかという御指摘がございました。その都度歴代の総裁が
国会で答弁しておられます記録など見てみますと、
一つはやはり現実にお客さんの込みぐあいが関東
地域と関西
地域ではやや差がある。関西
地域はそれでいいんだという状態ではないけれ
ども、東京周辺は余りにもひど過ぎるということで、どうしてもそっちが先になってきたということが
一つ。
それから二番目には、私鉄の発達の程度が、大阪を
中心とする近畿
地域は東京よりも進んでおるので、
国鉄依存度が東京と比べて少し低いという関係があるので、どうしても東京の方を先にやらざるを得ないという式の判断を申し
上げてきたわけでございます。
ところが、最近の状態といたしましては、具体的には私鉄沿線の方の
開発が進みまして、いわば
国鉄沿線の
地域というのは
開発のエアポケットのような状態になってきておりましたのが、私鉄沿線のところの
開発が限界に近づいてきて、むしろ
国鉄沿線のところでの
開発ということも非常に問題になってきておるわけでございます。
そうしますと、いまのような
鉄道経営の状態を考えますと、
国鉄といい、私鉄といい、いろいろ多少の差はありますけれ
ども、やはり
鉄道の場合には
投資に非常に金がかかるということがございますので、やはり
国鉄沿線についてはいまのままでほっておくわけにいかない、さりとて私鉄を新しく敷くわけにいかないわけでございますから、一般論としては、やはり
国鉄がそういう方面に従来以上に力を入れるというスタンスをとらなければならないというふうに考えております。
現在のところは、御
承知のとおり、まず福知山線を前からいたしておりましたし、片町線もある程度
整備をいたしました。いたしましたけれ
ども、両方とも大阪の市内まで入ってきていないための不便がありますので、今度はこれをどういうふうにするかという問題と、それから山陰線のあそこのところが非常に地理的環境もあってなかなか
建設費もかかるということで後回しになっておりましたが、山陰線の京都口のところを何とかしなければいかぬということで、これもつい最近工事に着工し始めておるのも御
承知のとおりでございます。
奈良線、智頭線の問題というのは、まさに従来から申しますと、近鉄その他の線がかなり
整備されております関係もありまして、そちらの方の沿線が先に
開発された関係もありまして、後回しと言っては悪いのですけれ
ども、順番が回ってきてなかったわけでございますが、最近、関係知事から非常に強く、余りにもおまえの方のやり方が遅過ぎるというか、そこだけがおくれてしまっているではないかという御指摘がございますので、京都の知事が世話役になっておられます協議会ができまして、そこでいろいろ
技術的な問題あるいは今後の
需要等の研究をことしの六月ぐらいから始められておりますので、私
どもも職員をその研究会に
派遣をいたしまして共同研究というような形でいま勉強を始めたところでございます。
いま
大臣おっしゃいましたように、いささか私
どもは東海道新幹線以来、総
投資額のうちのウエートを非常に新幹線の方へ注いでまいりました結果、総体としても在来線の
整備が少しおくれておるという実態になっておりますので、今後も全体としてそうした
投資の大きさ、あるいはウエートの置き方というようなことを考えながらでなければ解決がつきませんけれ
ども、しかし大変関西
地域のそういう通勤線の
整備がもう待てないといいますか、おくらせられない時期に来ているなという認識は持っているつもりでございますので、またいろいろ関係市町村あるいは関係都道府県と御相談しながら進めてまいりたいと思っております。