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伊東国務大臣 いま
防衛庁からそれぞれのことについて説明がございましたので、私、繰り返しては申し上げませんが、北方
関係の潜在脅威論がある、これは脅威が顕在しているわけではないが、特に四島についての防衛の強化というようなことで、潜在脅威論ということが出てきているのは御
承知のとおりでございます。
中ソの問題は、無条約状態になりましたのは
先生御
承知のとおりでございます。それが直ちにいま中ソの
関係に大きな変化をもたらすとは思っておりませんが、国境河川の
航行とか、貿易支払い協定とか、実務的なことはありますが、やはり無条約状態になったということは
日本としては注目しなければならぬことではないかというふうに思っているわけでございます。
朝鮮半島につきましては、軍事的な状態の問題はいまお話がございました。われわれは朝鮮半島の平和ということは
日本にとっては本当に大切だ、こういうように
考えておりますので、米韓の抑止力の充実ということはございますが、われわれも常に、
アメリカ、中国と話しますときに、朝鮮半島の平和ということを話しているわけでございまして、私
どもは、そこで大規模な
紛争が起こらないように、南北の対話はいま途切れておりますが、あれが継続されて平和的な
話し合いができるようになることを
期待をしているわけでございます。
中国と台湾の問題は、
先生御
承知のとおりの状態でございまして、米中の
国交が回復しましてから、中国が台湾
解放ということを、武力でお互いが対峙するとか、あるいは武力を用いて
解放するとか、そういうことじゃなくて、
話し合いとか、あるいは親族の交流をやろうとか、郵便とかそういうものの交流をやろうとか、話しかけているわけでございます。台湾側はそれに応じたことはないのでございますが、香港を通じて貿易は非常に伸びているという状態でいきますと、私は中国と台湾の間に大きな
紛争とかそういうことのないことを希望しますし、私としましては、そういうことにならぬようにということを中国に話しかけていくのが
外務省としての
考えかと思うわけでございまして、無条約状態が中ソにできたとか、脅威の問題につながるようないろいろな問題はございますが、それをなるべく取り除いて、平和が保たれるようにという努力を
外務省としては積極的にやってまいる。
インドシナの問題も、ASEAN等ともよく相談して、インドシナ半島に平和が来るように努力していきたい。なるべくそういう周囲のきな臭い
紛争は起こらぬように努力していくというのがわれわれの
考えでございます。