○沓脱
タケ子君 それはそれで結構ですよ。そういう
状況であることも知った上で実はお伺いをしている。
それでね、まあ宅地の急騰とか、それから住宅地の
供給についての問題というのが特にここ数日来問題になっていますけれ
ども、宅地の急騰などという問題は、これはまあ私
どもから言わしむれば、自民党
政府の無策の結果だと思うんですよね。特にあれでしょうがな、ローンで借金してマイホームつくれ、つくれと言って、どんどんやらして、その住みやすい公営住宅どんどん建てるということサボってきたということだって、ずいぶん大きな問題があるし、宅地
供給の問題だってこれはいろいろもって総合的に見なければ、百姓だけつぶしたらいいんだという話ではなかろうと思うんですよね。これは不動産業者、大企業の保有地だってこの三大都市圏には、これは建設省の資料だったかな、あれですね、一万七千ヘクタール、あるいは国有地、普通財産で未利用分だって七、八千ヘクタール、あるいは私
ども党の政策として常に言うておりますような、米軍だとか自衛隊が使っているような地域の問題点も含めて、こういった点などいわゆる総合的に実効ある施策を考えなければならないということが、これは今日の重大な課題になっているわけです。
これはきょうは時間がありませんし、この問題は別の問題ですが、だからそういう点で私考えますと、宅地
供給だといってわざわざ農住法案というようなものをつくって露骨な農地つぶしをやるというようなことは、これは考えなければならないと思うんですよ。
農民の声を聞きますと、これはもう非常にはっきりしていると思うんです。たとえば私さっき申し上げた大阪枚方の
農民の皆さん方の
関係者に、相当多数の皆さん方からいろいろと御意見を聞き、心配の向きを聞いてきましたけれ
ども、今日ただいまでも大体宅地の近くで
農業をやるというのは大変だ。だから二ヘクタールを半分ずつ分けて、半分宅地にして半分農地や言われたら大体どういうことが起こってくるかというと、住宅のそばのたんぽというのは風通しは悪くなる、必ず日陰にはなると、
部分的にはね。そして必ず雑排水が流れ込むから水は汚れると。どう考えても優良農地ではなくなるということですよ。いまだってそういうこともあるんですが、今日ただいまでもどういう
状態かというと安心して百姓はできないんだと。常に住民の皆さん方との間にトラブルを起こしながらも話し合って仕事を進めている。たとえば耕運機ね、耕運機を、大体百姓は朝早いわけな、があっといくと、日曜日の朝から大きな音立てたら困るじゃないかと言ってどなられると。そういう問題は起こるし、農薬をまくと公害や言うて市の公害課に電話がかかると。米つくったときのわらを燃やさなならぬでしょうがな。わらを燃やしたら、それ、洗たく物が汚れたということでトラブルは起こる。スズメを追うのに爆音器をかけたら文句が出ると。こういう
状態の中で、しかも何かとしてやはり
自分の
農業を守りたいということで必死になって苦労してがんばっているんだと。
時間がありませんからまとめて言いますけれ
ども、たとえば農住組合法のお考えでいくと、二ヘクタールなんというようなまとまった土地は、さっきも言うたように枚方の五百ヘクタールの中で二十戸あるかないかやと。それをまとめていくということになったら、どうしてもこれは交換分合もやらぬならぬ。まとめぬでも二ヘクタールいうたって、これも調べてみた。枚方の
農民の中で調べたら二ヘクタールまとまる土地はあるけれ
ども地主はどのくらいの数になるかいうたら十五人ないし二十人です。こうなりますと、この法案がまともにかぶってきたら、いやおうなしに交換分合なしにはやり得ないという問題になってくる。交換分合やるということになったらどないむずかしいかいうのは
農水省はよお知ってはるわな、実際。私も聞いたけれ
ども、私、
農業知りませんがね、本職医者だから。知りませんけれ
ども聞いてみてようわかった。米やったら交換分合やってもできると。しかし、集約
農業で施設園芸だとか
野菜づくりなんというようなものに交換分合などということは、
農民としてはこんりんざい応ぜられないと言うてますよ。だって十アールの土地に四棟のビニールハウスを建ててトマトをつくった場合でも、一番東の棟と一番西の棟とは条件が違うんや。それほど土の条件とはデリケートなんだということを、これは必死になって訴えているわけですよ。こういう
状態ですから、これは大変な中で、しかも
農民の皆さん方は、近郊
農業の果たす
役割りについてそれなりに意義を感じてがんばっている。まさに私はその話を聞いて
農民魂だなということを痛感いたしましたよ。
時間がありませんので最後に農水
大臣にお聞きしたいんですが、私は、市街化区域内の農地というのは、もう新都市計画法で線引きされてしまっておるんだから、国土庁や建設省
予算が煮て食おうが焼いて食おうが知っちゃいないというのかどうかということが問われていると思うんですよ、いま。少なくともその態度ではやはり農水
大臣としての任務はこれはちょっとぐあいが悪いんじゃないかと思う。現に、先ほ
ども私申し上げたように、大阪でも二〇%の
供給源の
役割りを果たしている、その他の
役割りも果たしているということも
大臣もお認めになっておられる。ですから、私はここで特に申し上げておきたい。きょうは実は質問する直前に大阪府の
農業会議の会長さん以下五人の方々から、何とかしてこれは重大問題を含んでいるから白紙に戻して再検討してほしいんだというような陳情が、御要望がございましたので、特に私農水
大臣に申し上げておきたいんですが、先ほ
どもお話があったように、法案折衝が始まったばかりだということで、まだ詰まっていない段階でございましょう。だから、私ちょっといま大阪の実例を用いて申し上げましたが、この
実態と
農民の心をひとつ体して
農民の願いにこたえられるように、まああんまりひどいやり方での
農業つぶし、農地つぶしということはやめていただくように考えていただきたい、御検討いただきたい、そのことを御
見解をお伺いをして終わりたいと思います。