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国務大臣(竹下登君) 今回の公定歩合の引き上げは、最近の物価情勢にかんがみまして、
政府の総合的な物価対策と歩調を合わせ、金融面におきましても一総需要の適切な管理を確実ならしめるために行われたものであります。したがって、御
指摘のように、これに伴い民間金融機関の預貯金金利や長期プライムレート等の引き上げが行われることとなりましょうが、
政府関係金融機関の金利改定につきましても、
基本的には
政府の
施策と整合性をもって行うべきものであると
考えております。
そこで、従来から
政府関係金融機関の金利改定のルールといたしましては、まず、
基準金利は長期プライムレートと同水準で連動しております。そして、特別金利は資金運用部金利と連動して改定をしていくというのがいわば原則となっております。今回の金利改定につきましては、具体的には、従来の
政府関係金融機関の金利改定の経緯を踏まえながら、今後の資金運用部金利の引き上げ
状況等を勘案いたしまして、そうして担当の関係各省と
協議、検討していくという原則を通るわけであります。したがって、塩出
委員御
心配の
中小企業対策でございますが、現在
中小企業専門の金融機関とでも申しましょうか、相互銀行初め信用金庫、組合等のみならず、
都市銀行までが
中小企業金融に比較的シェアを広げておるという状態でありますので、資金的には私はそれなりにこの手当てはできるものというふうに
考えるわけでございますけれ
ども、特に金利につきまして、国民金融公庫あるいは
中小企業金融公庫等の金利につきましては、過去におきましてもこの長期プライムレートと先ほど連動すると申したのでありますが、昨年七月に行われた公定歩合の引き上げの際は、民間金融機関の長期プライムレートは八月一日から〇・五%引き上げられたわけでございますけれ
ども、
政府関係機関につきましては一月おくらしまして、九月一日から引き上げを行うことといたしましたほか、特に国民金融公庫と中小公庫等
中小企業関係
基準金利につきましては、
中小企業へ与える
影響等を緩和する意味からいたしまして、九月一日で〇・二%、そうして本年の一月一一日になって〇・二%、いわゆる二段階引き上げという調整
措置をとったわけであります。したがって、今回の公定歩合の引き上げに伴いましても、
政府関係金融機関の金利もこれを改定する必要が生じてまいります。その具体的な内容につきましては、長期プライムと資金運用部金利の引き上げ
状況等をにらみながら、それこそ過去のそういう
配慮もございますので、関係各省と
十分協議してまいりたい。なかんずく、この中小関係のほかにもう
一つ、私
どもの方で住宅金融公庫というものがございます。前回の引き上げの際も、これについては特段の
配慮をしたわけでございますが、今回も、この資金運用部金利の引き上げに伴ってどのようにしていくかということにつきましては、この関係
省庁と
十分協議してそれが決定に当たりたいというふうに思っておりますので、きょうの御
意見等を十分参酌しながら事に当たらしていただきたい。少し答弁長くなりましたけれ
ども、原則から、実態から申し上げたわけであります。