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政府委員(
貞家克己君) 最初の御質問でございますが、どうしても
許可できないという場合はこれはやはりあるわけでございまして、一番端的に申しますと、
法律上居住要件を欠くというような条件でございますと、これは非常に明確でございます。また、素人の方にはおわかりになりにくい場合もあるわけでございますが、
日本の
国籍を取得することによって
外国の
国籍を失うという証明といいますか、その要件でございますが、こういった点につきましては窓口におきまして十分御説明を申し上げているつもりでございます。それ以外に素行が善良というような要件がこれが事実上相当なウエートを占めているわけでございまして、これは要件をあらかじめ基準を示して公示をした方がよろしいのではないかという御
意見ももちろんあるわけでございますけれ
ども、これはいろいろ一定の前科がございますと、機械的にこれはだめだというようにはねつけるわけにもまいらないケースがあるわけでございます。
一番適例と申しますのは交通事犯でございまして、これにはいろいろ罪質に軽重の差がございますし、また被害者がどういう気持ちでいるか、被害者が宥恕しているかどうかというような点もあるわけでございます。これは業務上過失致死傷のような場合でございます。そういうようなことがございまして、できる限り統一的に、法務局だけの判断ではなしに、本省におきましてこれを十分審査いたしまして、横並びと申しますか、アンバランスが生じないように気をつけているつもりでございますが、こういったやや裁量的な
余地のある問題については必ずしも適切に、事前に予告をすると申しますか、公示をすると申しますか、そういったことが困難な場合もございます点を御了承願いたいと思うのでございます。
第二の
期間の点でございますが、これは先ほど
宮崎委員の御質問に対して御答弁申し上げましたとおりでございまして、率直に申しまして、東京、大阪、名古屋、横浜というようなところでは、私
どもがこうありたいと思う
期間よりも相当長
期間かかっております。十カ月
程度というのをめどにしておりますけれ
ども、やはり一年あるいは一年ちょっとかかるという例も決して絶無ではございません。ただ、たとえば入学でございますとか、近く結婚をするというような
事情がございました場合に、これはこちらと申しますか、当局側では積極的に知る由もないわけでございますが、お申し出がありました場合には、できる限りそれに間に合わせるようにいずれかの
結論を出すという
方向でやりたいと思っておりますし、現にそういうお申し出がありまして、そうなりますと多少順序を狂わすというようなことにもなるわけでございますけれ
ども、せっかく
許可するのに時期がおくれて何にもならないという——何にもならないと申しますか、所期の
目的が達せられなかったというようなことが間々ございます。これを一カ月前にやっておいてくれれば、こういうことができたのにというようなことがございますので、私
どもは決してそういった希望を無視して機械的に順番にやるんだというようなかたくなな態度はとっておりません。ただ、そういう方が非常にたくさんになりますとその間でまた順序という問題がありますので、これはなかなかむずかしいことではございますけれ
ども、私
どもではできる限りそういった御
要望を十分
考慮したいというふうに
考えております。
それから、これの
国籍関係、帰化
関係の処理に当たる職員の問題でございますが、これは御承知のとおり法務局またはその支局において扱っておるわけでございますが、近年、登記
関係の
事務が非常に負担過重になっておりますので、どうしてもとかく
国籍、戸籍というような面にやや人員等の面で弱くなると申しますか、しわ寄せが来るというような現象、これはやはり完全に否定するわけにはまいりません。しかし、私
どもは確かに登記
事務が目に見えては非常に大変でございますけれ
ども、重要性から申しまして戸籍あるいは
国籍、ことに
国籍というような
事務が劣るというふうにはこれは絶対に
考えられないわけでありまして、実情に応じまして
国籍部門にも十分とは申せませんけれ
ども、あとう限り執務体制を強化するように各法務局に対してもそういう指示をいたしておるわけでございまして、非常に人員が全体として不足しておりますので、
事務がたまりがちでございますけれ
ども、そこはひとつ各局努力をしてもらいまして、帰化の
事務の少しでも早く処理できるようにということを常々心がけている次第でございます。