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下田京子君 いま非常に労働省についても農水省にしても、一面ではまだ
実態を詳しくつかんでない。そのために、四月も末日であるという
実態はわかっているけれ
ども具体的に手を打てないでいるという状況をお話しになったのだと思うのです。
これは
大臣に私、お願いしたいのです。具体的にお話し申し上げます。私、先日御当地に行ってまいりました。三人の方に会ってまいりました。お名前も申し上げておきます。一人は工藤さんという方です。もう一人の女性は石川さん、もう一人は皆川さん。この三人がどういう状況のもとにあっていまその定年退職の勧奨を受けているかということであります。実はその工藤さんという方は、第一子、お嬢さんがお生まれになった。その後、今後出産をしないということを理由にして勤務を継続しております。しかし、満四十五歳を過ぎたということでもって、就業規則にあるということで一方的にやめなさいと、こう言われてきています。それから石川さん。この方はお嬢さんが大学に入ったばかりで非常に経済的に困難な
状態に置かれております。その中で、御主人一人ではとてもじゃない生活が成り立たないという中で、一方的に就業規則を盾に、もう
一つは経営困難ということを盾に出してきております。それから皆川さんという方なんですけれ
ども、この方は一時出産のためにおやめになっているのです。それで臨時雇用ということなんですが、合併を契機にもって正職員になった。しかし、いまこの
委員会で問題になっている
年金については
期間が十四年間しかないのです。そういう
実態に置かれまして非常に苦労されている。
ところが、組合長という方がこれまた前近代的な感覚の持ち主です。どういう点かといいますと、経営
改善が先だとさっき婦人少年局の
課長さんがお答えになりましたけれ
ども、どういうことをおっしゃっているかというと、私、驚きました。組合長さんは直接いらっしゃらなかった。いるはずだったんですけれ
ども、当時何かあったのでしょう、見えなかった。参事さんがお話ししてくださいました。その中でどういうことをやられているかといいますと、経営
改善と称してコンピューターを五千万円で導入しているのです。ところがフル回転していない、そういう状況。そして経営
改善、経営
改善と称しながら、農家の皆さん方に何と言っているかというと、もう本当にこれ以上あの
人たちに働いていただくと大変なんだと、もう一年間に一千万からの出費になるから、だからやめてもらわなければならないんだという形で、
理事を通じたり御親戚を通じたり御主人を通じたり、大変です。それは。ところが、一方でどういうことをやっているかというと、御自分の給料を二〇%引き上げのやつをあしたの二十五日の総会に
提出案件で出しているんです。一般の労働者はいま七%か八%かの賃金引き上げ問題でまだ妥結もしていない、話している、そういう状況の中で、経営
改善と称しながらみずから二〇%の引き上げを出しているんです。
私は、ここで言いたいのは、経営
改善とは何かといったら、これは私なぜ
大臣に言うかといいますと、そもそもは農協自身の経営がいま大変である。その基本には農家経済が容易でない。いわゆる農業の所得が、前の質問等でも
指摘しましたけれ
ども、マイナス成長になっている。そういうところから来ているのが基本なんです。しかし、だからこそ職員そして使用者一体になって、農業の再建のために、農業経営はどうあるべきかという経営指導
改善問題というのはそこにこそ重点を置かれるべきであると思いますし、同時に、農協の中での事業をどういうふうに
改善していくかというところに私はあると思うんです。そのことを抜きにした
改善というものはないと思うんです。私はどんな理由をつけようとも、これはもうさきにお話をされました経済
局長の通達の文書から言っても問題であると思います。それから過去の、もう全国各地で裁判に問題になって全部勝利しておりますけれ
ども、そういう点から見ても、すべてこれ問題だと思うんです。
この前近代的な、いわゆる経営者の時代錯誤的なこういう
考え方を改めていくという点では、前
委員会のときにも
答弁されておりますように、農協等については直接指導も行う、こういう立場もございます。これはもう日切れなんですよ。四月いっぱいしかないんです。
大臣に、もう具体的な調査も含めて御指導——もちろん経済連等々
関係機関と強力な連携をとって速やかに
改善の方向で手を打っていただきたい、こう思うわけです。