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政府委員(藤井貞夫君)
お答えをいたします。
いまの三点の問題についての御
質問でございますが、お話のありました二点について私から御
答弁を申し上げたいと思います。
第一の点は、給与改善その他の
措置の早期実施の問題でございます。これは
長年にわたって本
委員会でもいろいろ御論議をいただいておることであります。政府といたしましても、いろいろの角度から
検討を続けてまいっておられるようでございまするし、人事院といたしましても、勧告を出した限りはこれはできるだけ速やかに
措置がしていただけるということが一番望ましい事柄でありますからして、その点からやはり制度的に考慮すればどういうような名案があるだろうかというような点につきましては、重大な関心を持ってわれわれもわれわれなりに
検討はずっと続けてきておるのでございます。ただ、給与というものが、これは公務員の場合は申し上げるまでもなく法律制定事項ということになっておるわけであります。国会の御審議をいただかないでこれを独自に決めるということは、これはやはり避けなければならぬと思います。また、われわれの立場から直接に申し上げることではございませんが、財政問題その他もございますからして、当然これは国会で御審議いただかなきゃならぬ事柄であろうということでいままでも来ているわけです。
ただ、そのために、いろいろわれわれは口出しをしてとやかく言うべきことではないのかもしれませんが、場合によっては大変この取り扱いがおくれていくというような
事態が間々起こります。昨年についても諸般の情勢というものはございまして、それなりのいろいろ理由もあるわけでありますけれ
ども、勧告が出てから実際に成立したのはもう年末差し迫ったというような取り扱いがなされておるわけであります。これを何とかしていただきたいということは従来から申し上げておりますし、いま申し上げましたように、政府としてもいろいろ真剣に御
検討いただいておるわけでございますけれ
ども、なおいろんな絡み合いもあってはっきりした
結論が出ておらないということでいままで来ておるわけでございます。
私が意見として申し述べさしていただきますならば、国会の動きに対してとやかく注文らしいことを言うのは大変失礼千万でありまして、その点は御容赦願いたいと思うんですけれ
ども、やはり給与勧告という事柄の性格から申しまして、国会で法案の取り扱いをいたしていただくときの何かやはり各党の申し合わせというようなことで、この案件はやはり勧告に基づく
措置なんだからしてあらゆる議事に優先してやっていただくとかなんとか、そういう申し合わせをしていただくことがいろいろ制度的な改善ということよりも一番手っ取り早い、しかも実現可能性の多い問題ではあるまいか。大変口幅ったいことで、私自身もじくじたるものがございますけれ
ども、そういうお願いができないものであろうかということは、従来からも私自身の
考え方として持っておるということだけを申し上げさしていただきたいと思います。
それから、第二の問題といたしましては、昇給制度の問題、昇給停止の問題でございますが、これはいまお話がございましたように、われわれもやはり給与制度の一環として位置づけております。当然給与の官民較差が出てまいりますれば、これの配分という問題に全部絡んでくるわけでございます。また、この問題について閣議でもって取り上げられましたのは、それなりのやはり背景がございまして、よくよくのことがあろうという
事情はお察しを申し上げます。この点は私の立場としても申し上げるにやぶさかではございませんが、しかしやはり給与制度というものは、財政問題の見地からどうこうという筋合いのものではないと、これはやはり人事院制度というものがあり、人事院の給与勧告制度がある限りは、官民の較差というものに重点を置いて、そこにはっきりとした差が出てくればそれを埋め合わせするということでございます。その点について人事院としては物を申し上げる、その間においてやはりできるだけ勧告はその実現のために御努力をいただくということでございまして、制度がいまのようである限りは、これはやはりその立場は堅持すべきであるという
考え方を持っております。
したがって、昇給制度につきましても、そういう閣議決定もございましたし、われわれといたしましても、従来からも給与の制度の一環といたしまして関心を持って調べてきております。また、今回の場合でも、民間給与の実態
調査をやります際にこういう点も調べて、実際の定期昇給制度という
運用がどうなっているかというようなことは関心を持って見守ってまいりたいと思っておりますけれ
ども、事柄はやはり給与制度の一環であるということから、これは厳密に勧告の中に入るべきものであるという立場は堅持をしてまいりたいと、かように
考えております。