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神谷信之助君
制度がそうなっておることはわかっておるんですよ。これは
大臣も聞いておいてほしいと思うんです。
制度がそうなっておるのはわかっているんですよ。しかし、それでは実際上余りにも不合理ではないかと言っているんです。だからそれをどうして
改正しないのかと言っているんですよ。
たとえば、具体例を言いましょうか。ことしの三月三十一日に勤続二十九年半で五十六歳の人が退職した。この人は、
昭和三十五年七月に一たん退職をして、退職一時金を十六万百二十六円受け取った。退職一時金を三十五年にもらったのは十六万余りです。ところが現在、年二十六万七千六百二十八円を
年金から控除されて、百三十八万八千三百六十七円の
年金になるわけです。一時金としてもらったのは十六万百二十六円。ところが、ことし引かれるのは、十六万のかわりに返せといって引かれるのが二十六万七千六百二十八円。十六万よりようけですよ。十万円もようけ取られる。それはことしだけの問題ではない、また来年も取られる。来年はまた上がるんです。死ぬまで続くんです。だからおかしいと言っているんですよ。それは法律上の
制度はそうなっています。
制度がそうなっているから計算したらそうなるんです。こんなおかしいことはどうにも納得できぬじゃないか。それで、いろいろ前の
公務員部の課長のときに聞いてみたら、いや国家
公務員の場合は十年か十五年でもう打ち切りになりますと。それなら何で
地方公務員もそうせぬのやと言っているんです。それをおととしですかの
委員会で私
質問したら、なるほど不合理や、ひとつ研究をさしてくれ、何か方法はないだろうかと。不合理なら、不合理ですから合理的なように法律を変えないかぬ。あるいは
仕組みを変えたらいいんです。不合理だということがわかりながらずうっと続けておれば、これはあんた、何のために
国会があるのかわからぬ、こんな
質疑をしておるのかわからないですよ。これはずっと同じですよ、いろんな場合でも。
たとえば、病気で二十年未満で退職した五十二歳の人の場合ですが、
昭和四十九年十二月の三日に初診を受けて、五十一年三月三十一日に退職して、そのとき一時金は実際にはもらってない。それが五十二年八月一日、一年半たって
——一年半たたないと
廃疾年金の認定がありませんから、
廃疾年金が認定される。そしてそこのときに返還一時金が七十二万四千二百円おりた。それで、これの控除が、五十三年が十四万九千四百八十二円、五十四年はさらにふえていくわけです。これはずうっと年々ふえていく。大体五年もたてば返還一時金七十二万円分は返還できるんですよ。それ以上ずっと引き続いて控除はされる。
退職一時金の場合もこの廃疾一時金の場合も、これはもらわないということはできない。控除されるんだったら、私はそんなの要りません、お断りしますと言うても、いやおうなしにこれは受け取らされる。受け取り
たくなくても受け取らされる。そして控除はよけいやられるんですよ。雇いから吏員のときは、受け取るか受け取らないかということは選択権がありましたね。受け取らない人もありましたし受け取る人もあった。ただ、受け取った人が多数であったことは事実です。まあ去年の暮れの
改正でなくなりましたけれ
ども、しかし、この退職一時金あるいは廃疾一時金の場合は、それまでにもらっている人は残りますからね、同じ事態は。これはもういやおうなしにもらわないかぬのですよ。断ったってあかんのです。無理やり押しつけておいて、それから後やめたら、控除だけはどんどんどんどんそれ以上、もらった金より十万円からよけいに毎年取られていく。そういう不合理はないでしょう。
これから新しくそういう事例がふえていくということではないけれ
ども、いま在職中の人でも、退職一時金なり廃疾一時金をいままでもらっていた人があれば、これは
年金をもらうときに皆控除になってくるわけですからね。それがどれだけおるのか知りませんけれ
ども、そういう不合理があるから直しなさいと。直す方法を
検討しなさいと。わかります、
検討しますと言いながら、しかし法律上、
制度上そうなっていますからということだけではあかんのですよ。新法をつくったときにそういうことは予想をしなかったけれ
ども、実際ずっと動いてみたら確かに大きな矛盾ができてきているということになれば、それはそれで、わかったときにやっぱり改めなければこれはぐあい悪いわけでしょう。この点ひとつ
検討して、ちゃんとしてもらいたいと思うんですがね。特にもう二年続いてこれは
附帯決議にもなっているんですよ。いかがですか。