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中村利次君 これは、いまお答えをいただきましたように、確かにいま
石油の価格は売り手市場で売り方の方が値段を決めると、OPECが決める。ところが、カラカス会議で統一価格に失敗をしたわけでありますから、
石油輸出国各国が勝手に決めるような
状態になっておるわけですね。特にイランの場合は、まあこれは私は
日本の業界も
反省をすべきだと思うのです。ですから私は、そういう
意味では、官僚統制だとか
政府の介入、政治的な介入というものは否定しますけれ
ども、国益のための
政府の正しい指導というものは、これはやっぱりなければ困ると思うのですよね。イランから日量五十三万バレル輸入をしておったと。そいつが完全にとまるということになりますと、業界では、商社にしても
石油業界にしても、五十三万バレルはもう全く
平均をして各社で扱っているわけではありませんから、これは大変な打撃を受けるところがあるわけですね。
そうなりますと、やっぱりなりふり構わずスポット買いによって商売を続けないとやっていけないという、あるいはイランのこの価格値上げが理不尽であって受け入れるべきでないんだけれ
ども、うちの商売からすると、これはえらいこっちゃというので、そいつを受け入れることがないとは言えない。そういうことが、私はやっぱり
日本がスポット市場において国際的な批判を受けたとか、あるいは今度のイラン問題を契機として、少なくとも二、三
ドルぐらいはスポット価格が上がった、その一翼を
日本が担っているはずなんですよ。だから、そういうことを考えますと、国益に基づいた
政府の正しい指導は私はぜひとも必要である。そうして、そういう立場からいって、今度の商業ベースでのイランの三十五
ドルの値上げに対して、これをやっぱり断ったというのは、私は正しかったと思う。
そこで、相手がどうこれを受け取っておって、今後どうなるのか。私は大してこれは悲観的な観測を持っておらないわけですけれ
ども、それはおっしゃるように、去年の十一月にアメリカに対する日量七十万バレルのあれがストップしちゃうわけですから、だから、これはイランにとってはかなりの痛手であったんでしょう。そうして、まあ内部
事情を私
どもがとやかくあれすることもありませんけれ
ども、その結果かどうか知らないけれ
ども、その後毎月
日本は値上げをのまされている。ですから、私はやっぱりそこには限界があるので、三十五
ドルを断って、そこで価格の交渉がこれから続けられていくんでしょうけれ
ども、これは決して間違っていないので、
日本の国益を損ねてないと思いますよ。
そこで、きのうもこれは私は決算
委員会で総理に質問したのですが、なかなか答えにくかったようですけれ
ども、イランの原油には、これは非常に硫黄分の高い、
日本ではたけないような迷惑千万なC重油が上乗せされているんですよ。ですから私は、原油の方は価格の問題が新たにイランの方から提起をされて、それでは困るというので結果として価格の交渉がまとまらないでイランは船積みをストップしたと、しかし、それに絡んではいても、重油の方はこれは契約は別々なんだから、向こうが輸出をして
日本が引き取るのは当然であるという、そういう考え方には同調できないんです。
イラン原油の輸入が
日本になかったならば、当然そういう迷惑なC重油の輸入もないわけでありますから、だから
日本は、その言い分を私は言っていいと思いますよ。価格にして約十億
ドル、そしてその迷惑な、
日本でたけないような、そういう非常に高い硫黄分のC重油を抱き合わせで輸入していることによって、
日本が東南アジアだとかオーストラリアだとか、また再輸出をして、差損をしているのが三億
ドル以上になっていると言うんだから、原油を輸入するから抱き合わせで迷惑なC重油の輸入をする。原油をストップしたなら、C重油も価格交渉がまとまるまでひとつお待ちを願いたい。
できませんか、これは
大臣。私は、イランにかかわる
関係閣僚のお一人だから、
大蔵大臣臨時代理としても、あるいは
経済企画庁長官としても、時間がもう来ましたから御答弁をいただきますが、ぜひそのことを閣僚会議でまとめてください。国益を損なわないでくださいよ。