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国務大臣(
竹下登君) お許しをいただきまして、私も今晩出発をさせていただくことになりましたことを、心からお礼を申し上げます。
今度のIMFの暫定
委員会、アジア開銀の——アジア開銀は後のことになりますが、この暫定
委員会におきましては、二十五日、二十六日と西独のハンブルク市で開催される
予定でございます。暫定
委員会は、世界を代表いたします各国の
大蔵大臣、中央
銀行総裁が集まりまして、世界経済や国際通貨
制度に関する諸問題について率直に話し合うというところに、私は一番意義があると
考えております。したがいまして、まずいろいろ
事務当局で練られた、整理された議題がそれぞれございます。それぞれの議題につきましては、中間的にわれわれとして賛成を表するものもあれば、そして今後に
検討の課題を残すこともあるわけでございます。
そこで、いま御
指摘になりましたいわゆるオイルマネーの還流問題ということでございますが、これは委員も御
指摘のとおり、
二つの側面があると思うのであります。
一つは、これは非産油開発途上国に対してどのような形で還流していくかという相対的な問題があろうと思います。IMFは、これは先進国ばかりが入っておるわけじゃございませんので、いろいろ利害の反する面においてもそれぞれの討議がなされるであろうと思っております。
まあ私
どもといたしましては、これらの問題につきましては、まず三つ申しますならば、
一つはいわゆる赤字国、日本も例外ではございません。アメリカもそうでございますが、それが基本的に自分たちの経済をどのようにして健全なものにしていくかという、それぞれの国の持つ経済運営の基本的な
条件等についても意見交換をなさなければならない課題だと思います。
それから二番目には、いわゆるまさにオイルマネーそのものの還流の問題でございます。その還流の問題が、先ほど申しました
二つの面があるわけでございますが、その
一つといたしましては、
市中金融がその役を果たせば結構でございますけれ
ども、それを果たし得ない地域があるわけでございますので、そこへ公的
機関がどのようにして補完していくかという
議論であろうと思います。
それからいま
一つは、たとえばいま
国債ということを申されながらの御意見を交えた御
質疑でございますが、わが国自身の問題になろうかと思うのであります。ただ、わが国自身の問題は、これが実際問題としてIMFの暫定
委員会そのものの議題にはならないと思います、全般論としては赤字国の経済の立て直しの
議論があるにいたしましても。したがいまして、これらをどういうふうに還流していくかと。いまにおきましても現実中身は明確につかむことはできないものの、恐らくその種の
資金というものが、わが国の
証券市場に対して逐次導入され、それが増加しておる傾向にあることも事実でありますので、これをある種のルールを引いてどういうふうにやっていくかということは、
丸谷先生も、そして私
どもも、大変な関心を持つ課題であると思っております。
そのことを念頭に置きまして、きょうまで先発しております審
議官や財務官等も、それなりのわが国の政治情勢を話をしたり、あるいは表敬をしたり、あるいはその中に意見交換をしたりというようなことが行われておるというふうに私も予測いたしておりますので、具体的な問題は、実は相手国がある問題でございますから、どういうアプローチの仕方ということになりますと私もここで申し上げるだけのいま自信もございませんし、あるいは感想を持ちながら申し述べたりすることは適当でないかとも思うのでありますが、委員と同じような重大な関心を持ってこれらに対応していきたい。
その場合、具体的に新
発債でどうするか、
既発債でどうするかというような問題については、わが国の国内法の関係等もこれあり、また、相手方の御意思もあるでございましょうから、いろいろな
検討はしておりますものの、これに対して具体的な手法を申し上げるほどの環境にはなっていない。しかし、御
指摘のように、最大の関心の
一つとして私も、あるいは懇談とか、ロビー外交とか、また十カ国蔵相会議等もございますので、それなりに私
どもに果たし得ることがあれば、一生懸命努力してまいりたいというふうに
考えておるところであります。