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政府委員(妹尾
明君) 御
指摘になりました問題点、たくさんございますので、なかなか複雑な問題かと思いますが、それと、私どもといたしまして事実をはっきり掌握いたしておるわけではございませんので、
一般論でお答えすることをお許し願いたいと思いますが、一つは共同仕入れに対して取引を拒絶したという点でございますが、この取引拒絶の問題につきましては、独占禁止法で禁止されております「不公正な取引方法」の中に、不当な取引拒絶、ある事業者に対して不当に物資等の供給を拒絶したり制限してはならぬと、こういう
規定があるわけでございますが、これとの
関係が問題になろうかと思います。この場合、他方で、営業自由に関連いたしまして、売る方といたしましては取引先選択の自由といいますか、どういうところに売るかということは自由に選べるという問題がございまして、これとの絡みの
関係で考えなくちゃならぬということになるわけでございますが、結局、取引拒絶がどういう
目的でなされたか、あるいはそのことによりまして拒絶された側がどういう影響を受けたかということが重要ではなかろうか。
目的といいますのは、たとえば安売り業者を市場から締め出すとか、あるいはテリトリー制であるとかあるいは一店一帳合いに対する違反に対する制裁
措置であるといったふうな場合が問題になる場合であろうかと思います。
それから、効果の面におきましては、通常はそこから取引を拒絶されるとほかにかわりの取引先がないような場合、こういう場合は非常に問題があるということになろうかと思います。
御
指摘の場合につきましては、あと一つ問題は、私ども取り締まりの規制の対象になりますのは取引方法でございまして、一回限りの行為、終わってしまった行為はなかなか問題にしがたい、そういうふうな一定の方針なり営業方針あるいは取引方法というものを用いておる。継続反復して行うおそれがあるかどうか、こういったことを総合いたしまして
判断することになろうかと思います。
それから、卸売業者が小売業者に対して安売りをさせないように圧力をかけるという点につきましては、これはまた別に、卸売業者の団体の行為でございますと八条一項五号という
規定がございまして、ここに不公正な取引方法を事業主に用いるようにさせてはならない。安売りをさせないというような点はこれとの
関係で問題がある場合があり得るわけでございます。
なお、先ほどちょっとつけ加えるのを忘れましたが、あくまで取引先選択の自由というのは個々の企業の問題でございまして、メーカーならメーカーが共同して相互に連絡して取引拒絶を行うということは、
一般的に言ってこれは正当であるということはまず少ないんではないか、こういうふうに考えます。
御
指摘の問題につきましては、具体的に私どもに事実が
把握されますれば独禁法との
関係で
検討してみたいと思います。