○安恒良一君 私は資料要求の中で、前の調査だけでは正確でないので五十四年の賃上げ率、五十五年の賃上げ率、私
どもで調査しまして六・五%、五十五年が六・六ないし六・七、これに対して労政局でお調べになった五十三年の六・四、五十四年の六・五を加味して比較表がつくってあるわけでしょう。あなたはそれを読まれないで。私はそこで、
大臣にこの表をちょっと見ていただきたいと思うんですが、一番新しいもので比較する必要があると思ってわざわざ春闘の賃上げ率を入れて、いわゆる民間の退職金
制度とそれから中退金における
制度をどういう
状況になっているかということをあれをしたわけです。そうしますと、
大臣、この表を見ていただくとわかりますね。三千五百円、これが平均的な掛金ですが、それと高卒、大卒ではもう金額が非常に乖離があるわけです。これは
労働省に計算してもらったわけです。乖離があるわけです、率直に言って。大体どこで見合うかということで、これで表を見ていただきますとわかりますように、掛金が四千円から五千円の問ぐらいにあると思います。それぐらいの掛金を掛けていると中卒ぐらいのところはある程度見合う。ところが、現実に中退金の方で掛けられているのは、平均で三千五百円ですから、やはりこれだけ退職金の金額に開きがあるわけです。これが
一つ大きく目立ちます。
第二番目に目立ちますのは、勤続年数が高くなればなるほど乖離が目立ちます。ここにこの
制度に問題がありはしないかと思うわけです。そこで私は、まずこれを魅力あるものにするためには、少なくとも従業員
規模は同じでありますから、民間の退職金
制度と中退金の退職金
制度との金額がある程度同じようになるようにしていかないといけないと思う。こういうことを言いますと、いやそれは簡単なんだ、三千五百円でだめだったら四千円の欄に持っていけばいいじゃないか、五千円の欄に持っていけばいいじゃないかという答弁がまた返ってくるわけです。それを上げればそれで上がるんだと言うんです。しかし、現実には平均は三千五百円の掛金を掛けている人が圧倒的に多いわけで、平均でそうなっているわけですから、それは口ではそういうのは民間に合わせようと思えば四千円とか五千円月々掛ければいいじゃないかと簡単にいきますけれ
ども、そうは現実にいかないんです。だから、これをどういうふうにしたら直るのだろうかということなんです。
そこで、私のこれも提言なんですが、まず
一つは、国庫の補助率が御承知のように、掛金の納付は三年以上十年未満が五%、それから十年以上が一〇%、一律になっています。そこで衆議院でも議論になっています。勤続の長いところについて国庫補助率を上げたらどうかということが若干ある。私もそれは
一つの
方法じゃないかと思うわけです。
というのは、この表を見ていただくとわかるように、勤続が長くなれば長くなるほど民間の同じ
規模とこの退職金との間の金額の違いが出てくるわけです。それは私から言わせると、国庫補助率を十年以上は一〇%、なぜかと言うと、これは
二つの目的があるわけです。この退職金をさせるときには、
一つはいわゆる民間の
労働者の福祉としてのこのような
中小企業に対する退職金
制度をつくろうということ。それからいま
一つは、
中小企業の振興という意味で、
労働者の定着ということもねらわれているわけですね、どうしても
中小企業の
労働者は移動しがちだから。その意味から言うと私は、勤続がこういう
中小企業で二十五年も三十年も勤めている人に対しては、せめて退職金ぐらいはほかの同じ
規模の民間と同じぐらいやる。それがために国が財政支出をされることについて、これはまた寺園さんなり
局長に答弁してもらいますと、議事録では前向きにとか、いろいろ問題がありましてという答弁が返ってくるんです。衆議院ではそう言っておりますから。
そういうことではなくして、私はこれは
一つの
方法として、二十五年以上をたとえば補助率を一五%にするとか、二十年を二〇%にするとか、何も私はこの数字に固執しているわけじゃないですよ。
一つの
方法としてそういうようなことをお考えくださる気はないのかどうか、これが第一点。
それから、もう
一つの
方法としましては、五年ごとの
改正になっているわけですね。五年ごとでありますから、どうしても物価上昇、賃金上昇の後追いになってます。これも、いや、そういう場合には掛金を上のランクに上げればいいじゃないかという答えが返ってきつつあります。私はそれは不親切だと思う。ですから中退金の
審議会におきましても、この問題についてはさらに
検討するようにと、この点を
指導してますね。だから
吉本さんか寺園さんの答弁では、
審議会から
答申がある、
審議会からも
指摘されているから今後十分
検討しますとは答えております。しかしそこまではだれでも言うわけです、
審議会が
指摘しているから十分
検討しますということは。私はそれを一歩突っ込む必要があると思う。
一歩突っ込むとすると、たとえばのやり方です。これも私はたとえばと言っているんですが、とりあえず厚生年金のスライドは物価でやってます。物価が五%上昇した場合には厚生年金のスライド条項の発動がなされてます。国民年金もそれでやってます。ですからここの場合も物価が五%以上上昇した場合にはこれを読みかえる、こういうことも
一つの
方法じゃないでしょうか。それから、それがなお困難とおっしゃるならば、再計算は五年ごとじゃ長過ぎるんで、それをとりあえず三年に縮める、このことは私はできることだと思います。いまは五年ごとに後追い、後追いで直していますから。
そういう意味で、せめて私の提言としては、たとえば厚生年金や国民年金のように、物価が五%上がった場合にいまスライド条項が発動されてますが、そういうことを考えたらどうか。それがなかなかそこまでいかないとおっしゃるならば、一番私はいま少なくとも乖離を埋める
方法の
一つとしては、五年ごとの再計算といいますか、これを三年に
短縮することで実情に合ってくるんじゃないかと思います。いわゆる退職金の中身を魅力あるものとするという意味で、乖離があることは事実ですから、それを埋める
方法として私は
二つのことをいまあえて
大臣に提言をいたしましたが、この点についてどうお考えでしょうか。