○下村泰君 そうすると、どこからあの
数字が出てきたかというふうに私も非常に疑問を持つんですけれ
ども、いろいろと保険の手当ての仕方もあると思うんです。全額というのは大変高額になりますから、普通のあれと違いますから、そして期間が長うございますから、そこのところの手当ての方法というのはいろいろとお
考えになって、何かすばらしい案があるのではないかというふうに
考えるんです。これはこれ以上もう申し上げませんけれ
ども、どのみち
厚生省の方でその手だてはお
考えくださると思いますけれ
ども、とにかく全国に二十万、三十万、潜在の方を入れますともっとふえるんじゃないかと思います。そういうような
状況ですので、ひとつ、せっかく涙を流さんばかりに喜んで帰ったんですからね。きのうも申し上げましたように、うそをつくとこれえらいことになりますから、その点だけはしっかり頭に入れておいてください。
それから、きょうは社会事業大学と、それから
健康保険の
組合の
認可が何でおくれているのかということで
お尋ねしようと思ったんですが、すでに前の方がおやりになったそうなので、これは省かせていただきますが、これはついでのことでちょっとしゃべって、神経を逆なでするようなことを申し上げるかもわかりませんけれ
ども、健保の方は比較的支払い基金側はしっかりしていて、しっかりしていてというのはおかしな言い方かもしれません。ただ向こうから請求書を出されて、疑いを持って徹底的に調べるから、過誤調整というんですか、そういうことがあったりなにかして戻ってくる部分があるんでしょうけれ
ども、何か
政管健保の方は大変ルーズらしいです。ですから、お医者さんの側にとっては
政管健保の方でやっておる方がもうかる、
健康保険の
組合になるとこいつはとてもいやらしくてやっておられない、だから
政管の方がいいんだというような話を——これはうわさでございますから、余り気にしないでください、——ちらほらと承りますので、それで
認可しないのかなというような気もするんですけれ
ども、そんなことはないと思います。ちょっと逆なでするようないやみを言いましたけれ
ども、これは御勘弁願いたい。
口唇、口蓋裂でちょっと
お尋ねしたいんですけれ
ども、これはもう昨日承りましたので、それ以外のことなんですけれ
ども、実は愛知学院大学の鈴木俊夫さんという先生がお書きになっている文章の中にこういうくだりがあるんです。これは全部お読みすると長くなりますので、かいつまんで読ませていただきますが、「みつくちの子を産んだばかりに、家族が村八分に遭っている。いくら手術をしてきれいになっても村へは帰れない。この子がいる限り私ばかりでなく家族皆不幸になる」ということを
理由にして、入院して手術をしても家へ帰りたがらないという若いお母さんがいたんだそうです。
それから、こういうことも書いてあります。「この病気は珍らしいものではない、手術をすれば治る、知能には影響がない、出産した母親に直接原因はないことなどをゆっくり時間をかけて、よく理解できるように繰り返し繰り返し
説明をし、気持ちを落ちつかせることが大切です。そして明日からの育児の方法、合併症の有無などについて、産科、小児科の医師と協力体制を作ることが大切です。」と、こういう
意見が出ています。
それから、「保健所に連絡をとり保健婦さんと育児などについてよく相談をするよう勧めてください。保健婦さんはあまり病気について実態を御存じないかもしれませんが、後日何かとお世話になることがあると思います。新生児出産後、適切な指導が受けられなかったため、ただただ泣き暮らす家族や前時代的手術を施された子供が数多くいるという現実があります。」、この前時代的手術を受けたお子さんというのは名古屋市内にも相当数がいるらしいんです。
それから、「検診などで先生方が保健所へ出向かれた折、歯科衛生士、保健婦さんなどに障害の実態や、適切な医療機関の紹介などを伝えておいていただければそれだけでも救われる家族があると思います。」、こういうのがあります。それから保健所で現に何も指導してもらえなかったというお母様方がいる。こういうふうにそれぞれ適切な
意見が出ているんです。
そして、愛知学院大学の先生方がいろいろ
調査をいたしましてこういうグラフをつくっているんです。これは
大臣のところから、そこからでも見えると思いますが、このグラフの線の高いところがあります。これは身内にそういう患者がいるので知っている。それから医院とか病院の近所に住んでいるから知っている。それからラジオ、テレビで知った。
新聞、書物、雑誌で知ったというのがこの長い線です。保健所の指導というのは何にもないんです。ですから、保健所では全然こういう指導をしてないということなんです。もっともこういうことをお母さんに言ったらお母さんびっくりするでしょうし、話は話として聞いていて、もし現実にそういうお子さんが生まれたときのショックといったらこれは相当大きいと思います。大きいと思いますけれ
ども、これこれこういう手だてがあって、こういうときにはこういう病院に行きなさいという適切な指導があった場合に、一時は悲嘆に暮れても、これはそのときの処置が誤まらないで済むと思います。中には、ショックだけで時を過ごしてしまって手当てのおくれたためにというのが、きのうモデルも見ていただきました。
そして、五十一年の「外表奇形統計
調査結果」というのですけれ
ども、これは
厚生省の方にもう行ってますか。こういうのは各学校かその他に行っていませんか。いや、別になくてもいいです。これがどうのこうのというのじゃありませんから。この表に基づきますと、五十一年に口蓋裂というのが百十八あります。これは表をごらんになっても、そこからでもおわかりになると思いますけれ
ども、全部あと二けたで、これだけ三けたです。口蓋裂はこれだけ多いんです。これが五十一年なんです。それから五十二年もやはり相当口蓋裂の数が出ているわけなんです。こういうふうに口唇、口蓋裂、これが百六出ているんです。こっちは非常に多いんです、こうやってみますとほかの奇形よりも。
そうしますと、保健所の適切な妊産婦の指導というものがあればそれほどお母様方のショックがなくて済むと思うんですが、どういう御指導をなさっていらっしゃいましょうか。ここが私の聞きたいところなんです。