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政府委員(本田正君) 先ほど
長官が申し上げましたとおり、私
ども、
制度の
主管者としていろいろな角度から検討いたしております。その間にいま御
指摘の
経団連等からいろいろな
意見があるということも
承知いたしております。
ただ、いま三つに分けて御
指摘がございましたが、まず
地域指定についてどう考えるのかということ、たとえばそういう
解除の要望に対してどう考えておるのかという一点目につきましては、やはりこれは
法律そのものが指定があれば
解除もあり得るという仕組みに実はなっているわけですから、本当の意味で
大気の
汚染が改善され、かつは患者の発生が他の非
汚染地域と変わらないというところになれば、これは
地域指定の
解除ということも
法律上もあり得るのじゃなかろうかと思っております。ただし、これはあくまでも科学的な根拠というものが必要でございます。ただ、
大気の改善があったからといいましても、これは指標が硫黄酸化物でございます。したがいまして、硫黄酸化物だけが下がったからといって
大気が改善されたのかどうかということはすこぶる疑問があるわけでございます。そういう
観点から
地域指定の問題については考えております。
それから二番目の、
大気が改善されたのに患者はまだふえているじゃないかという点でございます。これは、
公害の四疾病、ぜんそくあるいは慢性気管支炎、そういったものはいわゆる非特異性の疾患であるわけですから、これはどこにでも自然発生率程度は発生するわけでございます。ですから、その非特異性疾患であるということが
一つと、それからまた、地域が指定されますと、たとえば四日市みたいに古くから指定があるところ、あるいは最近指定になったところ、そういった指定地域の経過年数によりまして患者の申請
状況というものが当然違ってまいるわけでございます。一度にどっと出てまいるわけじゃございませんで、やはり年を追って徐々に出てくるという傾向をたどるがゆえに当然そういった患者さんの申請はあると思うわけです。したがって、
大気が改善されたから患者がいるのがおかしいと一こういう説に対しては私はおかしいと存じます。
それから
費用負担の点でございます。これは私
どもは、お金がかかり過ぎるからどうのという話は実は聞いておらないわけでございます。ただ、むしろ本当に患者さん方を救済するという
観点からは、患者のリハビリその他いわゆる保健福祉事業といいますか、そういったことに力を入れるべきじゃないかという御
意見は聞いております。したがいまして、これは
公害患者というものが
一つの割り切りとはいえいるわけでございますから、それにかかる
費用というものは当然これはPPPの原則によりまして企業が負担すべきことであるわけでございますから、多寡については私は言えないことじゃないかと存じております。