○栗林卓司君 年代別に親世代と子世代の見合う関係を見ますと、たまたまこの論文がそう書いてあるので、そのまま申し上げるんですけれ
ども、恐らくそうだと思います。大体一世代というのは三十年として見ていいんだろう、普通そう言われていますから、私もそうだと思います。三十年で比べますと、たとえば六十五歳から六十九歳とその下の三十五歳から三十九歳、七十歳から七十四歳と四十歳から四十四歳、以降同じに並べまして下の世代が上を養う、恐らくそういう
実態関係に多くの場合あると思います。
これで見ますと、三十歳から三十九歳、これが六十歳から六十九歳を養う比率が異常に高い。この辺のところに戦後の出生率の低下が鮮やかに出ているんです。もともといまの家庭というのは子供二人ぐらいしかつくらない。二人ぐらいしかつくらないというのは、二組の夫婦で二組の夫婦しかできないんです。従来は親のめんどうを子供が見ろやと、こう言ってきましたけれ
ども、二組の夫婦が二組の夫婦でめんどうを見ていたんじゃ下がたまらない、親の方もそれを見るのに耐えかねる。したがって、どっちかが欠けてしまうと、ひとり暮らしの老人となって、年金プラスアルファの暮らしをどうしても立てていく。私は、こんなことが一面ではひとり暮らし老人が非常にふえてきた
理由ではないかと思うんです。しかも、これからそれはふえることがあっても、先ほど
お話しのように、減ることはない。この問題、ではどうしたらいいのかということを考えるのが実は先決である。たまたまいま出ているひとり暮らしがあるんで、
公営住宅に入れましょうか、これは結構なんですよ。結構なんだけど、それとあわせて、いまのこの生活
実態に見合いながら、どういう
住宅政策をわれわれが立てていったらいいんだろうかという点がやはりこの
法案とからめて考えていかなければいかぬところだと思うんです。
さっき、
公営住宅の半分以上が老人になったらどうですかという
質問をしたんだけど、厚生省の方、御異論ないと思いますが、老人ホームのような施設
中心、施設偏重の老人福祉に対して、最近、反省が非常に強い。隔離してはいかぬ、街の中に、人込みの中に老人を置けというのが最近の傾向だと思うんです。
そこで、じゃ老人の方々にいつでも
質問しますと、たとえば同じ家で子供夫婦と暮らすのが理想的だと思いますかと聞きますと、四四%がそうです。私は近所で暮らしたいと思います、三一%。合わせて七五%。これはいつ統計をとってみてもこういうかっこうだと思う。しかも、その人に、ではお子さんの夫婦と同じ家で暮らせませんかと聞くと、いや大丈夫ですとお答えになるのが八七%。
これから、いままでも
建設省は御
努力でございますけれ
ども、三世代が
一つの屋根の下で住めるということをやっぱり
住宅建設の
基本にしていくべきじゃないか。ですから、今回の一部
改正はいいんですよ。いいんだけど、三世代一っの屋根の下で住める
住宅の
供給を、
公営だろうと民営だろうと、
基本にしていかなきゃいけない。ここまでは御異論ないと思うんです。ただ、三世代の家を一体だれがつくるのか。やっぱりそれは若者たちが金をためながらつくっていくのが半分じゃないか。その若者たちがいま高い
家賃で狭いところで暮らしている。この問題をほうっておいていいのか、これもやっぱり単身居住なんです。したがって、この点も、今回の
改正案はこれでいいんだけど、あわせて将来のことを考えていくと、若い
単身者に対してやはり公的
住宅を
供給していくのがある
意味ではいま急務かもしらぬという点については、どう考えますか。