○
国務大臣(
渡辺栄一君)
お話しのように、
建設業
関係の雇用者は約一割を占めておるわけでございます。最近のいろいろな
施策によりまして約十六万人の雇用増を見たとも言われておるわけでございまして、そういう
意味で最近の
建設業が倒産の中に占める割合も相当多いわけでございまして、実は、私も就任以来非常にこの問題には関心を持っておりますが、
先生御
承知のように、私も当時
関係したことがありますけれ
ども、
建設業法を制定いたしました当時は、相当これはむやみに
建設業がふえるということをむしろチェックするような
意味があったと思うんでございまするが、現実には約倍加しておる。しかも、その中には個人の業者も約二十六万人おりまして、全体で四十七万、そういうことで非常に零細、もう零細という言葉にもはまらないような、一人でやっている、大工さんのやっているような仕事まで入っておるわけでございますから、非常に基盤が脆弱でございまして、私は、そういう
意味では
建設業法も制定以来相当経過しておりますし、直ちに改正というわけにいかないにしましても、相当中身は見直してみる必要があるんではないかということをすでに考えておるわけでございますが、いずれにいたしましても、そういう中でございましたにしましても、最近の中小
建設業が厳しい情勢に置かれておりますことは私も同様に心配をいたしておるところでございます。しかも、今回も、
公共事業がそんなに大幅に
伸びるということにつきましても相当厳しい見方をしていかなきゃならぬということになりますと、なおさらそのようなしわ寄せが中小
建設業に及んでくるということも当然考えなければならないことでございます。
そこで、いま
先生の
お話のように、
建設業の育成、指導ということにつきましては、いろいろ
建設省といたしましても配慮いたしておるわけでございますが、そういうような
意味におきまして、まず、第一番に、何よりも私
どもは、先ほど以来いろいろ
お話がございますが、中小
建設業者に対しまする受注機会を確保する、この点につきまして特に留意をしていきたいと思います。ランクの問題、分割発注の問題、協業化の問題等ございますけれ
ども、さらに、こういう問題につきましても注意をしてまいりたい、また
関係機関に対しましても極力連絡をとり、あるいは指導、監督、その他一層の配慮をしてまいりたいと思います。
もう
一つは、下請代金支払いの適正化でございますが、これは御
承知のようなすでに
方針を決めて進めておりますけれ
ども、最近の情勢は、細かい資料が必要でありますれば
局長から
説明いたしますが、相当これは
改善の方向に向かってはおりますけれ
ども、なお、これらにつきましても今後とも注意をしてまいりたいと思います。
〔
委員長退席、理事
茜ケ久保重光君着席〕
第三点としましては、連鎖倒産防止のための中小企業倒産対策緊急融資制度というのがございますが、その期限が参るわけでございますので、その延長を中小企業庁に要望いたしまして、すでに三月末までは延長が決定をいたしておるわけでございます。しかし、何より大切なことは、私は、
建設業の経営基盤が非常に脆弱であるわけでございますから、その強化ということにつきまして、一層
建設業の近代化、合理化というようなものにつきまして総合的な
施策を
推進してまいらなければならぬと思います。したがって基金等も十分活用いたしておりますが、最近の金融の非常な厳しい状態あるいは金利の
引き上げの状態等にも十分かんがみまして、金融等の問題につきましても十分な私
ども配慮をしていかなければならぬ。それらをあわせまして
建設業界の健全な今後の運営のために格別の配慮をしてまいりたい、かように考えております。