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説明員(半谷哲夫君) 吹田操車場の自動化計画というのは、
昭和四十八年に計画を決めたものであります。これは、一つにはヤードの構内作業を省力化して作業を合理化していく、それによって輸送コストの低減を図るという目的、それからもう一つは、やはり構内作業の従事員の作業環境といいますか、職員の中でもこのような作業、構内で貨車を仕分ける、その仕分ける際に貨車に添乗していきまして所定のところでとめるという作業でありますが、こういった作業環境を改善したいということもありましたし、また従事員の需給の逼迫
状況というようなこともありまして計画されたものであります。
それで、いま御
指摘のありましたその設備でありますが、吹田のヤードが、これはずっと重要な関西の中心ヤードとして機能しているわけでありますが、その中でこの自動化工事を進めるということを計画したわけでありまして、そのためには、機能的に、工事中といえ
ども余り大きな影響は避けたい、また、常に動いておりますから、非常に狭隘なところで工事をやるということもありまして、短時日に、経済的に早く安全に上げるという工事をするためには、非常に条件の悪いところでありますから、それに適した工事用の設備を考えたということであります。
それで、この機械の目的とするものは、線路がたくさん並んでおりますその線路に自動化装置を取りつけるために、一たん線路を外しまして、それで装置を入れて線路をまたもとへ戻す、そういう作業の繰り返しになるわけでございますけれ
ども、それをやる際に、構内に基地を一カ所設けまして、そこでレールをまくら木に定着いたしまして、それをセットにいたしまして、それを現地に運んで取りおろすという方法をやりますと、材料を全部構内に運んでいきましてその狭い線路の間で工事をやるのに比べますと工事のスピードが非常に早くなりますし、したがってヤードの機能に及ぼす影響も最小限で済ませられるということで、そういう目的の機械を考えたわけでございます。軌きょう敷設装置と言っておりますが、その装置と、それからその材料を取りおろすための門形クレーンを二台入れておりますが、そのほかに自動装置としてリニアモーターを取り入れましたL4という装置をつけるわけでございますが、そのL4の敷設のためのモーターカーに装置を施したもの、これを一台入れております。
それでお値段でありますが、軌きょうの敷設装置、これが約一億五千万、門形クレーンが三千二百万、L4の敷設車、これが千二百万という当時の価格でございます。
設置いたしましたのはいずれも
昭和五十年でございまして、三月から十二月の間にこれらのものを設置いたしております
——設置といいますか、これを現地に設けたわけでございます。メーカーは川崎重工と関西
交通機械という三社になっております。
それでその後、この機械が御
指摘のように動かないわけでございますが、これは一つにはこの自動化工事を進めるために一部民地を買収いたしまして、吹田操車場の幅に余力を持たせまして、そこで自動化のための工事を始めるということを計画し、実施してきておりますけれ
ども、大部分の民地の買収は済んだわけでございますけれ
ども、民地の中に一カ所、その
地域の墓地がございまして、この墓地の移転という問題が生じたわけでございます。この墓地の移転というのがやはりなかなかむずかしいいろんな条件がございまして、その墓地の所有者といいますか、そういった方々とのお話し合いをつけるのに非常に時間がかかったわけでございますが、四十八年になりまして、この墓地の移転についての大体の御了承が得られたということから自動化ヤードも計画し始めたわけでございます。しかし、今度は移転先でございます、その移転先の
地域の方とのお話し合いがこれまた非常に難渋いたしまして、現在時点なお御了解を完全に得られるまでに至っていないという
状況でございます。したがいまして、いま私
どもとしてはこの墓地の移転につきまして、移転先の方々といろんな条件の詰めをいたしまして、同意を得られるようにということで努力中でございまして、まあなるべく早くこの見通しもつけたいということでございます。したがいまして、おくれた理由の一つにはこういった民地の
確保ができなかったということがございまして実際に工事がかかれなかったということが一点あるわけでございます。
それからそのほかの理由といたしまして、実は四十八年時点以降、工事費も相当上がってまいりまして、当初予定いたしました工事費よりも相当割り高になるということになってまいりました。また一方、貨物の輸送
情勢というものもいろいろバウンダリー、変わってきておりますし、また一つには、その後今日までの間に自動化ヤードに施しますいろいろな装置、機構等につきまして技術の開発というものを続けてまいっておりまして、そういったような最新の技術というものも取り入れた形でこの機会にもう一度自動化の内容について再検討をして実施したいということで、いま見直しを行っているという
状況でございます。
ただ、先ほど申し上げました機械のうちのL4走行路、要するにリニアモーターを取りつけるための装置を施した車でありますけれ
ども、これにつきましては五十二年十二月に周防富田、これは徳山の近くでございますけれ
ども、そこでやはり自動化の工事を実施して、すでに使用開始に入っておりますが、その工事に際しまして、これを持っていきましてその工事に充当して、現在でもその
地域で使用しているという
状況でございます。