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政府委員(松本操君) 先々週土曜の
委員会の御
指摘がございましたので、先週いっぱい私
どもの方のまず庁内にありますいろんな書類、これを全部ひっくり返して、当時担当者あるいはそれに近かった人、こういう人から事情を聴取いたしました。さらに、せんだっての
委員会でもお答えいたしましたように、鹿児島県が実施した盛り土工事でございますので、施工管理
状況をどのようにしたかという点につきまして、鹿児島県の方に電話をもって数次にわたり問い合わせを行いましたが、
内容的には一部分のものははっきりとしたものをメモで受け取っておるわけでございます。
さらにまた、完成いたしました場合に私
どもが検収をしておりますので、その検収に当たりました当時の職員、これらのうちの当時すでに責任のある場所におりました者につきまして事情を聴取いたしました。さらに、当方から専門官を大阪航空局に派遣をいたしまして、大阪航空局における諸般の事務の取り扱い方等についても
調査をいたしました。
その結果、非常にいまはっきりとお答え申し上げられますことは、最後の検収の場合にどういう形で検収をしたかという点につきましては、かなり私
どもははっきりとつかみ得たと思うのでございますが、県の方が工程管理の過程で行いました写真あるいは試験ピット、こういった
資料を全部取り寄せまして、これらと現物との突き合わせ、こういったことをベースに十分点検をしたと。ただ、これらの
資料が保存規定上五年保存ということでございますので、現時点においては残念ながら細部のものが保管をされていないわけでございます。したがって、そり当時の担当官の記憶に頼らざるを得ないという面があったわけでございますが、ともかく部内においてはそういうふうな
調査をいたしました。
さらに、鹿児島県から事情を聴取いたしましたところ、問題の荒目砂というものにつきましては、高盛り土をする前に試験盛り土を行った。試験盛り土を行いまして、そのときに砂あるいは黒ボクその他の盛り土についての一応の詰めを行って、その試験盛り土によっていろんなデータをとり、この方法ならば間違いなかろうということで実際の盛り土に着手をした、こういう経緯がございますので、荒目砂について特記した仕様書というものは別途用意はしなかったけれ
ども、試験盛り土のときに使用いたしました荒目砂というのがわかっております
関係上、これを目視検査によって積み込み場所及び取りおろし場所、さらには散布、締め固めといったような過程において随時チェックをいたしました。それの記録等については先ほど申し上げました私
どもの検収のときにあわせて提示をしたと、この点は両方の言い分が符節が合ったわけでございます。
以上のことを総合的に判断いたしますと、
先生の御
指摘を賜ったのでございますけれ
ども、高盛り土にかかるサンドマットの荒目砂の材質につきまして、現在までのところ特に問題点となるものを私
どもまだ見出すに至っておりません。しかし、それだけのことですべてよしというわけにもまいりませんので、さらに今度は供用開始後の
状況について当初三年間連続して地盤沈下等を測定したデータがございますので、このデーターに基づいてとりあえずの既往
資料の分析を行ったわけでございますが、この結果から判断いたしますと、高盛り土部分につきまして滑走路本体部分の沈下量が舗装完了後約千日間で五センチ程度の沈下、着陸帯におきましては千二百日で約十センチ程度の沈下、それからのり部のはらみ出し分、水平移動量につきましてはやはり千二百日間に二センチ程度と、こういうふうな記録が残っておるわけでございまして、これらの記録から判断する限り、沈下の
状況は初め早く三年目あたりでほぼ水平状態になってくるということで、かなりに安定した形の盛り土になっていたのではないかと、このように判断されるわけでございますが、五十年にはこの空港に大型機を導入いたします
関係で滑走路のかさ上げ工事をいたしております。したがいまして、そういったようなことをも含めて、いわゆる上載荷重が変わってまいっておるということも念頭に置きまして、現在現地におきまして精密縦横断測量を実施させておるわけでございます。この測量結果はまた従来のデータと突き合わせまして、十分客観的な解析をしたい、このように思っておりますが、たまたま会計検査院の方も八日から現地検査を実施しておいでのわけでございますので、私
どもとして会計検査の行います検査にもできる限りの御協力を申し上げ、さらにこれらのデータを十分に解析をして、現状が安心して見ておられる状態かどうかという点についてさらに的確な判断をいたしたいとこう考えておりますが、しかし
先生御
指摘のとおり、この盛り土部分の安定性というのは非常に空港の安全性に大きな影響があるわけでございますので、今後とも随時必要な
調査を継続してまいりまして、いやしくも問題になりそうな徴候が出ました場合には、迅速な手当てができるような体制をきちっと整えておくというふうにしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。