○国務大臣(藤波孝生君) 御存じのように、今日内閣では行政改革を非常に大事な政治の課題と心得まして、各省庁でその大方針をそしゃくをしていくようにいろんな対応を急いでいるところでございます。御
指摘をいただきましたように、労働
基準監督の面でも職業安定行政の面でも、第一線の仕事が非常に多様化をしておりまして、お客さんの方が多様化しておるものですから、それに多様に対応をしなけりゃいかぬ、また最近のいろんな動きが、たとえば第二次産業を
中心に考えていたのがよかったのが第三次産業などでどんどんと産業の消長が起こってくる。そうすると、どうしても労働力の移動が起こってくる。この
国会でもずいぶんいろんな御
指摘をちょうだいしておりますが、婦人
労働者がずいぶんふえてきたり、あるいはそれがパートという形であったり、
労働省はもっとしっかり実態をつかめと、こういっておしかりをいただいているわけでありますが、いろいろと情勢が変わってくるのに適切に対応していかなきゃいかぬ、そう考えますと、ちょっとかわいそうなぐらい第一線は実にがんばって、その情勢に対応するように
努力をしておるわけでございます。もうこういう時世だと思っておりますから、そう大きな声では、本省には人員くれ、人員くれとは、言ってきてもしかられるだけだと思ってますから、ちょっと言ってこないぐらいの
感じで、深刻にいまの時世の中で何とかこれをこなしていかなきゃいかぬと、こういう気持ちでいるわけでございます。
対策といたしましては、やはりいままで
事業所を回るのに、たとえば電車で走っておったのを、少し機動力で、うまくこう巡回できるような形はできないかというような工夫をしてみたり、あるいはできるだけ電話などを駆使して、いろんな連絡を密にするようなことを心がけてみたり、さらに
公共職業安定所全体の仕組みを思い切って改革をいたしまして、機能別に、ずいぶん忙しいところにぐっと人員をふやす、そして少し季節的に——暇はないですけれ
ども、少しちょっと手があくなと思うところは忙しいところへどんどん手伝いに行くというような、従来ちょっと考えられなかったぐらい機能本意の窓口にしよう、こういうことで全国工夫をいたしまして
努力をするとか、いろんなことを、まさに精鋭主義でがんばっていくようにしておるわけでございますが、今後とも非常に需要が多様化し、しかもいろいろなニーズに対応していかなきゃいかぬという形の中でサービスが低下をすることのないように、あるいはいま御
指摘をいただきましたようないろんな勘定、こういったことが
不正受給とか、あるいは特に何というか、わからなかったということであれば、これは指導がまずかったということになるし、故意にやられたということであれば一体何しておるんだ、もっと気をつけろと、こういうことになりますし、いずれにいたしましても十分留意をいたしまして、御
指摘をいただきましたようなことの根絶を期して
努力をしていきたい、こういうふうに考えておりますが、なお第一線のそういった
意味での行政力を充実をしてまいりますために、大きくは行政改革の方向で進んでまいりますけれ
ども、もっともっといろんな知恵も出しまして、政府全体がその構えでいって、そして特にこういうふうに第一線で非常に大事な仕事というのを重点的に人員をふやすというふうなことにして、ただどうでもいいところは政府の中にあるとは思いませんけれ
ども、そんなところからはどんどん非常に大事なところへ回してもらうというような思い切った措置を講じてもらいたいということは行管庁長官にも常に申し入れをしておるようなことでありまして、労働行政の重要さを十分認識をいたしまして、そういった面での
努力も重ねていくようにいたしたい、こう考えておる次第でございます。