○戸
叶武君 いま
アメリカに一番影響を与えるのは
ECの動きと
日本の動きだと思い
ます。
アメリカも非常に
国民が若く感情的にエキサイトする習慣があり、特に大統領選挙を前にしてはいろいろなゼスチュアも必要であり、
アメリカの権威第一主義の幻想をいまだに捨て切れないでしょうが、
戦争への世論の声が高まっているようなことを言っているけれ
ども、実際
戦争に入っていって
戦争に参加したいというのは大学生の中にはほとんどいないということで、この前は麻薬なんかを使って黒人をベトナムでは殺しているけれ
ども、ヒッピーを生産したあの
アメリカの間違った、朝鮮における、ベトナムにおける乱暴な政策によってどれだけ
アメリカの権威、信用を実質的に失ったかわからないので、そのことで
アメリカのレストンさんでも今度のニューヨーク・タイムズにおけるあの、パキスタン等の軍部の一部を買収してクーデターを起こそうとした
考え方もあったというようなことも暴露されてきており
ますが、こういう
アメリカ自身も、いろいろなことは言うけれ
ども戦争へ簡単に入ることはできない。
ソ連だって、
アフガンに戦車を並べてみたけれ
ども、あの山岳地帯からヨーロッパの平原を席巻したような形において南下することは困難だということは百も承知していると私は思うのです。そういう
意味において、五月十七日までの間に、
ソ連をして過たしめないためにもあるいは
アメリカをして過たせないためにも、それぞれの国々がそれぞれの動きを私はやっていると思うのです。
国際連盟をつくったウッドロー・ウィルソンが
自分はいいことをやって民主主義擁護のためにヨーロッパに青年の血を流したといっても、時の共和党は、デモクラシーの父ウィルソンに対抗するために、あえて、あなた
たちの子弟をして砲門の前に立たしめた者はたれかというスローガン
一つでウッドロー・ウィルソンを破ってしまっているのです。このように私は、世論というが、空気だけでもって動く
アメリカの危険性というものは、一流の
政治家は身をもって私はわかっていると思うんです。やはり
アメリカの大統領は一流の人は出ない、三流の人が多いというから。それにしてもカーターさんあたりは何かやはり完全にリファインされてはいないが、いいことをやろうという
考え方はあるんだと思い
ます。私はそういう
意味において、いま
ECの国々と
日本の国が一緒になって
一つのこの
危機を、
戦争への
危機を抑えていくということが、
アメリカに対しても
ソ連に対しても余りぼろを出させないで、いいかっこうさせて引き揚げさせるだけでも、それをなし得れば成功だと思うんです。
次は次だが、やはり私
たちは、きょうなんかでも私らは腹が立ってしようがないのは、この
国会におけるやはり議事の進行のストップというようなこともその当事者は軽々しくなく、重要に見るかもしれないが、話し合ってみればわかるやつでもすぐストップをかけるというような形では、参議院の権威なんというのはなくなっちまう。冷静にわれわれが対処して、国際的なスケールのもとにおいて
政治が動いているときに、あなたが言っているように国際連帯の力によって、
ソ連でも
アメリカでも、この世論の動きに、
世界の声に逆らっていっては孤立し
ますよ。孤立して力の
外交なり
政治というものがどれだけの威力が発揮できるかということを思い知らせるには絶好の機会です。そういう
意味において、私は決して
アメリカや
ソ連をそしるんではなくて、問題は
日本の体制をもう少ししっかりしなけりゃカーターさんのこともがたがただなんて笑えない。大平というものをいっても太平楽並べていたんでは、総裁選挙に勝てばいいというような選挙のことだけで頭いっぱいじゃ民主主義を堕落させるだけであって、そういう
意味において私
たちは本当にきょうの朝の
協力——自民党の人は余り出てないようだが、
野党の人まで一致して法案通過に
協力している姿の中に、新しいやはり私は
日本の
政治の
外交や経済や
日本の明日に向かっての悲願というものが出てきていると思うんです。
野党すらもこれだけ一生懸命で国のためを憂え、
世界の平和を求めていこうというときに、
外務委員長が一人だけ裸の大将にされて置き去りになって、自民党は全部どこへ行っているのか、めがねかけても一人いるか、そういうような状態ではこれはまじめな
与党としてわれわれは受けとめられない。
野党の方がずっとまじめだから、政権は場合によっちゃこれは
国民が、もう自民党さんこの辺でおくたびれだから、余りぼろを出さないうちに
——委員長の前で言うと
委員長ににらまれるけれ
ども、本当に私は今度の選挙なんか、ふまじめなやつはみんな
国民側から落っことされ
ますよ。みんな
マスコミがいいのも悪いのもごっちゃだけれ
ども、つなぎとめながらやっぱり
自分の英知において
国会のだめなところはどこなのかというのはわかってきているですよ。雨の降らないときを大平さんは選んで、今度は出席率のよくなるようにと言うけれ
ども、出席率がよくなるとかえっていまのようなだらしない
政治をやっている
与党はふっ飛んでしまい
ますよ。
金や権力の力で動かせると思い上がっていたら、
ソ連や
アメリカを笑うことはできない。みずからの姿勢を正さなければ、私は他の人を説くことはできない。たれが正しいかでなく、何が正しいかということを大衆は見守っているんです。そういう点において大来さんなんか異色な人ですが、やはり私はヨーロッパの
政治家とお目にかかり、はだで触れ合い、そうしてみんなして一致して私はこの
危機突破という
考え方をしないと、本当に国を憂え
世界を憂えなければ
世界の中の
日本としての
外交の存在はないんです。もう国際連帯以外に、
平和共存体制をつくる以外に
世界平和の生きる道はないのです。よほどとぼけたやつをおだてて、武器弾薬を売り飛ばして代理
戦争をやらせようたって、エジプトでもイスラエルでももうだまされないぞという一般の
考え方の方が強いし、まあイラクあたりがゆすぶられてるけど、イラク心配しなくても、そのうちには
イラン、イラクでもやっぱり私はもっと冷静に物を考えて、経済恐慌のあらしと、
戦争と暴力革命によって何も得ることができなかったじゃないかというヨーロッパの反省に似たものが、プリミティブなナショナリズム
——イデオロギーや宗教というものは余り触れない方がいいでしょうが、そういう古い形の権威主義によって、
人民の平和と生活を守ることができないということは大衆はわかってきていると思うのです。そこいらに私はサウジアラビアの大きな転換も、
イランの王様みたいになっちゃ大変だ、二月には王族の
会議が行われており
ます。金持ちけんかせずで、総会屋に金を払っておっ飛ばすように、テロリスト集団になぐり込みをかけられないように金を出すというような
方式でなく、もっと
自分の国の体制も変えて、
世界とともに
協力に基づいて中東の平和を保たなきゃならぬというところに、それ以外に
自分の国を守ることはできないというところに私は来つつあると思うのです。
日本のいままで
石油、
石油というので、
イランなんかでも
政府が飛び込んで、
日本の皇室と
イランの王室ともっと近寄らせて、なんというから三井なんかでもあわててひっかかってしまうんです。もうけたら三井のもうけにしちゃうでしょうが、動きがとれなけりゃ今度は
政府の
責任だっていう、こんな商売ほどいい商売はないが、私はこんなような
日本の財界、政界くるめてふざけた体制というものはもう今後においては通用しなくなると思うのです。大来さんはエコノミストであるけれ
ども、エコノミックアニマルではない、
政治と経済は一体のものである、そういう
意味において、
国民を幸福にさせるために、
国民の
合意を求めなけりゃ
政治も経済もあり得ないんだということを身をもって私は知っている方だと思い
ますから、今後やはり五月十七日を寝て待つわけにはいかないし、あなたと大平さんは行きづらいけど、今度は
アメリカへ行くんですが、
アメリカへ行って一番あなた
難問題——どうも大平さんも腰が重いらしいが、あなたも重いだろうけれ
ども、何が一番
アメリカで今度は
難問題になり
ますか。それをどう受けとめられてい
ますか。これから大平さんにもちょっとお目にかかれなくなっちゃうし、あんたにもお目にかかれないから、やはりしまったと言われたんじゃ困るから、いま締まらない前、締めないまま、ひとつ大きな悩みの種は何ですか。
アメリカだってわからないはずはない。あなたや何かが心を込めてとにかく言うならば、
アメリカだって変わる。
日本が
アメリカを変えさせれば、
イランやイラクの問題もあるところまで光を見出すし、
ソ連もあわてて変わらざるを得なくなると思うんですが、どうですか、その秘訣は、問題のかぎは。