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岩佐分科員 私は、きょうは大店法の問題についてお伺いをしていきたいと思います。
最近の大型小売店舗の特徴の
一つとして、店舗面積が一万数千平米級、しかも相当数収容可能な大型の駐車場を持つ巨大なショッピングセンター形式のものがずいぶんふえてきています。大駐車場の威力というのは、たとえば八王子にある西武百貨店よりも、八王子よりさらに地方に行きます福生にあります西友ストアーの方が売り上げが大きいというような結果をもたらして、駐車場の威力というのは大変なものだということを八王子の西武の関係者自体が言っておられる。
これらの巨大な大型店は、出店
計画の説明書を見ると、カーショッピング時代に対応することをうたっている。それから
地域コミュニティー性を持たせるということ、また小売店舗のほか、飲食だとかレジャーだとか、そういう施設を含んでいる。こういうものがふえてきていて、いわゆるアメリカ型のショッピングセンターというふうに言えると思います。
それで出店予定地は、現在あるいは近い将来、人口の相当数の増加が見込まれるという
地域が大体ねらわれるといいますか出店予定地になるようで、その
地域には広大な土地がまだ残っているというところです。ですから、こういう
地域では住民もまだまだ定着はしていないし、道路も
整備はされていない。あるいは区画整理
事業も進んでいないし、もちろんのこと、上下水道など都市施設の普及もおくれた
地域だということが言えると思います。
たとえば府中市の住吉町に
計画されている府中のショッピングセンターの場合には、出店予定者はダイエーですが、店舗面積約一万八千平米、そして駐車場は一千台収容できて、予定される商圏は多摩ニュータウンを含んで、中央高速道路による
利用者も見込んでいるという膨大なものであります。ここは小売店舗だけでなくて、同一敷地内にスポーツプラザだとか文化センター、そして学生ハイツな
ども予定されているというふうに聞いております。
また、八王子市楢原に出店
計画されていて、昨年十月に三条申請がずでに出されている忠実屋楢原店は、店舗面積で一万四千平米、駐車場は約五百台。これは従来の例から見ると、一日の車の出入りというのは二千台から三千五百台になるだろうと見られているものです。
このようなタイプの大型店は、
地域社会を変える多大な力を持っているというふうに私は思います。もちろん、中小売店の方々が深刻な状況に置かれるということはもうはっきりしています。私のところにも商店の奥さんたちがよく陳情に来られますけれ
ども、昔は働けば非常に自分たちの暮らしがよくなるということで希望に満ちて働いていたけれ
ども、最近は働いてもなかなか大変なんだ、何かこう将来に希望が持てない、それが子供にもはね返っていって深刻な状況なんですという訴えが出されています。いつ倒産するかわからないという状況で、きょうはこの八王子の楢原の問題について伺っていきたいというふうに思っておりますけれ
ども、忠実屋が出店
計画をしているこの楢原のすぐ近所に、昨年の十月に多摩ショッピングセンターというのが出店をしました。それによって、昨年の十月からもう小売店が四軒も倒産しているという状況が発生をしています。
それから、こういう大型店の出店が中小業者に与える影響のほかに、もう
一つ見落としてはいけない側面として、
地域生活者に与える影響があると思います。この問題については、たとえば交通渋滞の問題、そして下水道問題、あるいは買い物の選択が、いままでは自分の好きな小売店で買っていて、それはそれなりにいろいろな便利があったけれ
ども、そういうところがつぶれていってしまったり、さびれてしまうと、どうしても大型店に頼らざるを得ないというような状況に置かれていくわけで、消費者にとっての選択の幅も非常に狭まってくる、そういうことが言えるのじゃないかと思います。
それから、もう
一つ重要な問題として子供の教育の問題があります。スーパーができると万引きがふえます、家に帰ってこない、そういうような状況の中で、これは町田市の例でございますけれ
ども、お母さんたちがスーパーに対して万引き防止を何とかしてほしいという陳情をしたところ、スーパー側から、万引き防止のための監視員を置くとそれだけ金がかかる、子供たちが万引きした方が安上がりなので置く気はない、こういうような回答が返ってくる。
そういう
意味で、大型店の出店というのは
地域社会にとっても深刻な状況だ、そういうふうに私は思うわけですけれ
ども、まず最初に、私が質問をする前に、こうした状況について大臣として政治的姿勢でどうお考えになるか、お考えをいただきたいと思います。